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神と貴方と巡る綾
彼らに終わりはなく、ただいつまでも、末永く
しおりを挟むあの日、二人が──いや、三人が雷に打たれたあの場には、何も残らなかった。
箱の木屑一つ、服の一片も残さず、落ちた雷に掻き消されてしまった。
初めからそこに存在すらしていなかったみたいに。
彼らを消した雷は、その一撃だけですぐに雲を晴らして晴天に戻った。
静汰の親族には、彼は恋人と駆け落ちしたのだと伝えた。祖父は警察に捜索願を出したらしいが、見つかることはないだろう。
早すぎる友人の死に、俺はただ、それまで通りの日常を保つことでしか、平静を装う術を知らなかった。
神に成ってしまっただろう志摩宮と、彼の依代になっただろう静汰と染井川に墓を立てるというのも違う気がして、適当な社を作ってそこを毎日拝んでいる。
すっかりベッド代わりになってしまった事務所のソファから起きて、まずはその水を交換してから手を合わせた。
──神様だってんなら、商売繁盛くらい叶えてくれ。
俺が胸中で図々しい願いを唱えていると、後ろからコソコソと話し声がした。
「なぁ、アレたぶん、シマミヤ祀ってあるよな? 気配がそれっぽいんだけど」
「つーか、俺らも一緒に祀られてるな。縁が結ばれてる」
「蛍先輩に祀られるって、なんかこそばゆいっスね」
後ろを振り向くと、死んだ筈の友人たちが二人掛けのソファに狭そうに肩を並べて座っていた。
「よっ。なんかさぁ、シマミヤが今まで仕事サボりまくってたらしくて、俺たち、その分まで仕事しなきゃならないらしいんだよ」
何か神頼りな感じの仕事無い? と言った静汰は、応接セットのテーブルに載ったお茶菓子を食べようと手を伸ばして、それが掴めないことに悔しがったので霊力を込めてその頭を引っ叩いた。
「痛って!」
「死人が食えるか、バカ」
「死人って言うなよー。一応神様の眷族なんだぞ」
えっへん、と胸を張った静汰の頭をもう一度叩くと、志摩宮が軽く睨んでくる。神様の前でやり過ぎたか、と緊張したが、彼はただ一言「これ以上馬鹿になるのは困ります」と言った。
窓の外は、これ以上ないくらいの晴天だった。
End.
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