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第十四話 立太子の儀
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四月十五日、僕の兄王子シリウスの立太子の儀が行われた。
国内の有力貴族や名士、諸外国からも王侯貴族らの要人が招かれていた。
当然ながら僕も出席する。僕はエルディア王族の一員だからね。
立太子の儀はつつがなく行われた。
神聖教会ヴァルストリアからマザラン枢機卿が招かれ、立太子の儀の立会人となった。
神聖教会ヴァルストリアはこの大陸でもっとも信者の多い七聖教の総本山だ。前世でいうところのバチカン市国に近いイメージを僕は持っている。
ロバート王から雷帝剣インドゥラがシリウスに授けられた。これで兄のシリウス王子は王太子となる。
これは公式には発表されていないが父上は来年にはシリウスに王位を譲るとのことだ。
兄王子のシリウスは豪奢な獅子のたてがみのような金髪を持つ偉丈夫だ。身長は百九十センチメートルと僕よりも十センチメートルは高い。
エルクよりもシリウス王子のほうが身長が低いけどエルクは巨人族の末裔だからね。
凛々しくも頼もしい姿をしたシリウスはまさに次世代のリーダーにふさわしいと誰もが認めるところだ。
彼が王となればこの国は安泰だろう。
僕も愛姫たちと子作りに専念できるというものだ。
立太子の儀が無事に終わり、各国の有力貴族や要人、さらにわが国の有力貴族も参加するパーティーが催された。
当然それにも僕も参加する。どちらかといえば堅苦しい儀式よりもパーティーの方が好きだ。
時刻は夕暮れ、王宮の大広間には豪華な料理が数多く並んでいる。
僕はジルとエルクを伴い、大広間で各国の大使や貴族に挨拶する。こういうのは疲れるがやっておかないとといけないんだよね。本当は怠惰に暮らしたいんだけどね。王族としての最低限の仕事はこなさなくてはいけないのだ。
この日、ジルはメイド服ではなく赤いドレスをきている。大きく胸元が開いていてかなりセクシーだ。
今日はメイドではなく僕のパートナーとしての役割を担ってもらっている。
こういうパーティーでは男女一組になるのがしきたりらしい。前世なら絶対参加出来ないな。
エルクは騎士の礼服を着ている。デザイン的にはナポレオン帝政時代の軍服に近い。かつて勇者ハヤトがデザインしたもので古式ゆかしいものだ。
背の高いエルクはこのナポレオン時代の軍服がよく似合う。
僕がかっこいいよとほめると褐色の肌の頬を桃色に染めてエルクは照れていた。
まったくかわいいな。今夜はエルクをベッドでかわいがってあげようかな。
そんなことをかんがえていたらシャンパングラスを手に持つ小太りの青年に声をかけられた。
小太りで一重の眠そうな顔をしたおかっぱ頭の青年だ。身長は百六十センチメートルぐらいだろう。ずんぐりむっくり、そんな言葉がよく似合う。
「やあやあシオン殿下、ごきげんうるわしゅうございます」
甲高い声で挨拶された。
この青年は僕と同い年の従兄弟でヨーゼフという。
ヨーゼフ・バハムートだ。
彼は王弟のマキシリアンの一人息子だ。何を思ったかヨーゼフは王位継承権を返上して、臣籍降下した。
そして王家よりバハムート姓をもらい、公爵の地位についた。
僕には彼が臣籍降下した理由がわかる。
王位継承権なんかあったらいつ神輿として担ぎ出されるかわからない。失敗したら待つのは死だからね。
「ああ、ヨーゼフか」
ヨーゼフの後にはほっそりとした美しい女性がお淑やかに控えていた。二人とも似た顔をしている。そして二人ともとびっきりの美人だ。
ただ欠点をいえばその胸が控えめであるということだ。
二人の顔はよく似ているが髪の色が違う。
たしか黒髪の方がクロネで白髪の方がシロンだ。
彼女たちの特徴がもう一つある。その両耳が笹の葉のように尖っているのだ。
そうクロネとシロンはエルフなのだ。この世界で樹霊族と呼ばれている。南方異大陸の出身だということだ。
「シオン殿下、我が家臣の美貌はどうですかな?」
ヨーゼフは背後の二人を自慢する。
エルフというのは確かに魅力的なんだけどおっぱいが小さいんだよね。まあ、向こうからエッチなお誘いがあれば別だけどね。
「確かに美人だね。でも僕はジルのほうが好みかな」
僕が言うとジルは目を伏せて、照れていた。こういうところがジルのかわいいところなんだよね。
「ふむ、確かにその宝石のような赤い目は惹かれるものがありますな」
僕は見逃さない。そのヨーゼフの言葉を聞いたシロンとクロネがむっとしたような顔をしていた。
「だかまあ、我が配下のシロンとクロネには敵いますまいて」
ヨーゼフは自慢気だ。
彼はほっそりとして清楚な女性こそがもっとも美しいと考えている。僕は逆にむちむち巨乳巨尻がタイプだ。彼とは美について相容れることはない。
でもヨーゼフのことは不思議と嫌いにはなれない。
僕たちがくだらないことで張り合っていると黒髪の巨乳美女が話しかけてくる。
セリーナ・ムーンウィ男爵夫人だ。
「こんばんはシオン殿下、ヨーゼフ様」
深くセリーナはお辞儀をする。深い谷間が魅力的だ。まあ手は出さないけどね。年上の巨乳お姉さんの役割はエルクにになってもらっているから十分だ。
「新しい殿下の家臣もこんばんは」
セリーナは僕の右肩で寝ているリリム猫に話しかける。リリム猫は惰眠を貪っていた。
その時だ。
大広間の中央がざわめきだした。
いったいぜんたい何だというのだ。
僕はジルとエルクを連れて、その騒ぎの中心に向かう。
そこには兄のシリウスがとある女性に剣の切っ先を突きつけていた。王位の象徴たる雷帝剣インドゥラではなく普通のサーベルであった。とはいえ女性に剣を突きつけるなんてただ事ではない。
そのシリウスに剣を突きつけられているのは桃色がかった金髪の美しい女性だ。ジルほどではないが僕好みの良い巨乳をしている。
それはエレノア・ハルトムート公爵令嬢だ。
「エレノア・ハルトムートよ。お前との婚約を破棄する!!」
シリウス王子あらためシリウス王太子は声だかに叫んだ。
えっ何言ってるのこいつ……。
国内の有力貴族や名士、諸外国からも王侯貴族らの要人が招かれていた。
当然ながら僕も出席する。僕はエルディア王族の一員だからね。
立太子の儀はつつがなく行われた。
神聖教会ヴァルストリアからマザラン枢機卿が招かれ、立太子の儀の立会人となった。
神聖教会ヴァルストリアはこの大陸でもっとも信者の多い七聖教の総本山だ。前世でいうところのバチカン市国に近いイメージを僕は持っている。
ロバート王から雷帝剣インドゥラがシリウスに授けられた。これで兄のシリウス王子は王太子となる。
これは公式には発表されていないが父上は来年にはシリウスに王位を譲るとのことだ。
兄王子のシリウスは豪奢な獅子のたてがみのような金髪を持つ偉丈夫だ。身長は百九十センチメートルと僕よりも十センチメートルは高い。
エルクよりもシリウス王子のほうが身長が低いけどエルクは巨人族の末裔だからね。
凛々しくも頼もしい姿をしたシリウスはまさに次世代のリーダーにふさわしいと誰もが認めるところだ。
彼が王となればこの国は安泰だろう。
僕も愛姫たちと子作りに専念できるというものだ。
立太子の儀が無事に終わり、各国の有力貴族や要人、さらにわが国の有力貴族も参加するパーティーが催された。
当然それにも僕も参加する。どちらかといえば堅苦しい儀式よりもパーティーの方が好きだ。
時刻は夕暮れ、王宮の大広間には豪華な料理が数多く並んでいる。
僕はジルとエルクを伴い、大広間で各国の大使や貴族に挨拶する。こういうのは疲れるがやっておかないとといけないんだよね。本当は怠惰に暮らしたいんだけどね。王族としての最低限の仕事はこなさなくてはいけないのだ。
この日、ジルはメイド服ではなく赤いドレスをきている。大きく胸元が開いていてかなりセクシーだ。
今日はメイドではなく僕のパートナーとしての役割を担ってもらっている。
こういうパーティーでは男女一組になるのがしきたりらしい。前世なら絶対参加出来ないな。
エルクは騎士の礼服を着ている。デザイン的にはナポレオン帝政時代の軍服に近い。かつて勇者ハヤトがデザインしたもので古式ゆかしいものだ。
背の高いエルクはこのナポレオン時代の軍服がよく似合う。
僕がかっこいいよとほめると褐色の肌の頬を桃色に染めてエルクは照れていた。
まったくかわいいな。今夜はエルクをベッドでかわいがってあげようかな。
そんなことをかんがえていたらシャンパングラスを手に持つ小太りの青年に声をかけられた。
小太りで一重の眠そうな顔をしたおかっぱ頭の青年だ。身長は百六十センチメートルぐらいだろう。ずんぐりむっくり、そんな言葉がよく似合う。
「やあやあシオン殿下、ごきげんうるわしゅうございます」
甲高い声で挨拶された。
この青年は僕と同い年の従兄弟でヨーゼフという。
ヨーゼフ・バハムートだ。
彼は王弟のマキシリアンの一人息子だ。何を思ったかヨーゼフは王位継承権を返上して、臣籍降下した。
そして王家よりバハムート姓をもらい、公爵の地位についた。
僕には彼が臣籍降下した理由がわかる。
王位継承権なんかあったらいつ神輿として担ぎ出されるかわからない。失敗したら待つのは死だからね。
「ああ、ヨーゼフか」
ヨーゼフの後にはほっそりとした美しい女性がお淑やかに控えていた。二人とも似た顔をしている。そして二人ともとびっきりの美人だ。
ただ欠点をいえばその胸が控えめであるということだ。
二人の顔はよく似ているが髪の色が違う。
たしか黒髪の方がクロネで白髪の方がシロンだ。
彼女たちの特徴がもう一つある。その両耳が笹の葉のように尖っているのだ。
そうクロネとシロンはエルフなのだ。この世界で樹霊族と呼ばれている。南方異大陸の出身だということだ。
「シオン殿下、我が家臣の美貌はどうですかな?」
ヨーゼフは背後の二人を自慢する。
エルフというのは確かに魅力的なんだけどおっぱいが小さいんだよね。まあ、向こうからエッチなお誘いがあれば別だけどね。
「確かに美人だね。でも僕はジルのほうが好みかな」
僕が言うとジルは目を伏せて、照れていた。こういうところがジルのかわいいところなんだよね。
「ふむ、確かにその宝石のような赤い目は惹かれるものがありますな」
僕は見逃さない。そのヨーゼフの言葉を聞いたシロンとクロネがむっとしたような顔をしていた。
「だかまあ、我が配下のシロンとクロネには敵いますまいて」
ヨーゼフは自慢気だ。
彼はほっそりとして清楚な女性こそがもっとも美しいと考えている。僕は逆にむちむち巨乳巨尻がタイプだ。彼とは美について相容れることはない。
でもヨーゼフのことは不思議と嫌いにはなれない。
僕たちがくだらないことで張り合っていると黒髪の巨乳美女が話しかけてくる。
セリーナ・ムーンウィ男爵夫人だ。
「こんばんはシオン殿下、ヨーゼフ様」
深くセリーナはお辞儀をする。深い谷間が魅力的だ。まあ手は出さないけどね。年上の巨乳お姉さんの役割はエルクにになってもらっているから十分だ。
「新しい殿下の家臣もこんばんは」
セリーナは僕の右肩で寝ているリリム猫に話しかける。リリム猫は惰眠を貪っていた。
その時だ。
大広間の中央がざわめきだした。
いったいぜんたい何だというのだ。
僕はジルとエルクを連れて、その騒ぎの中心に向かう。
そこには兄のシリウスがとある女性に剣の切っ先を突きつけていた。王位の象徴たる雷帝剣インドゥラではなく普通のサーベルであった。とはいえ女性に剣を突きつけるなんてただ事ではない。
そのシリウスに剣を突きつけられているのは桃色がかった金髪の美しい女性だ。ジルほどではないが僕好みの良い巨乳をしている。
それはエレノア・ハルトムート公爵令嬢だ。
「エレノア・ハルトムートよ。お前との婚約を破棄する!!」
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