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第四十五話 夢を食む者と少年たちの銀河鉄道③
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とぼとぼと、ただただ黙って彼らは土の道を歩いた。
時々、牛蛙がなきわめいていた。
星空のもと、歩いていくと、やがて古びた木製の駅にたどりついた。
そこには、もくもくと大量の煙を吐き出しているSL機関車がとまっていた。
機関車のライトがまぶしい。
光が遠くまで照らし、明かりの線がどこまでも延びていた。
機関車両から一人の人物が降りてくる。
金ボンタンの目立つ紺色の機関士の制服を着ていた。大きく膨らんだ胸元がその人物を女性であることを証明していた。赤くむっちりとした口にチュッパチャップスを咥えている。
細い瞳が印象的であった。
大きく手をふり、その度にボリュームたっぷりの胸を揺らしながら、彼らを出迎えた。
「よお、細井瞳。連れてきてやったよ。まったく、死神のくせに情に流されやがって」
ため息まじりに、男は言った。
やれやれといったようなどこか疲れた、それでいて晴れ晴れとした笑みを浮かべていた。
「ありがとう、貘さん」
細井瞳と呼ばれた女は素直に礼を言う。
兄弟の方に近づき、頭をなでる。
「ねえ、君。ポケットを探してごらん」
細井瞳は弟の半ズボンを見る。
彼女に言われるまま、弟はズボンのポケットをまさぐると、一枚の切符が出てきた。
「それは、かの有名な銀河鉄道の乗車券さ。君たちはこの列車にのり、銀河を旅するんだ。まずは白鳥座に行ってカンパネルラと合流しよう。彼が道案内になってくれるよ」
そういうと柔らかな胸元からチュッパチャップスを取り出し、弟の手に握らせた。
チュッパチャップスの袋をとり、弟はそれを口にいれた。
「ほら君にもあげるよ。これは食べていいからね。食べて眠くなったら寝たらいいよ。銀河鉄道が君たちを元の世界に連れて帰ってくれるからね」
細井瞳は兄弟の手をつかんだ。
にこりと愛らしい笑みを浮かべて、細井瞳は兄弟の手をぎゅっと握る。
「さあ、行こうか。ねえ、君たち。トランプしようよ。あたしね、トランプ得意なんだ。旅は必ず楽しいものになるからね。いっぱいいっぱい遊ぼう」
うふふっと細井瞳は笑うと兄弟を連れ、列車に乗り込んだ。
列車は甲高い汽笛をならし、発車していく。
ゴウゴウとうなる機関車の音が鼓膜を激しく刺激する。
煙を夜空に流しながら、蒸気機関車は旅立っていく。
やがて地面から離れて、機関車は夜空に舞い上がる。
機関車は夜空の向こうに消えていく。
「ふうっこれで時間外労働はおわりだ。細井瞳め、柄にもないことをする」
夢を食む者である獏はジャケットの胸ポケットからしんせいを取りだして、口にくわえる。
勝手に煙草に火がつく。
獏はしばらく煙草を美味そうに吸う。
「あとは現実世界の人間の仕事だ。どいうことがあっても人は生きていかないといけない」
獏は薄い唇から煙を吐き出した。
時々、牛蛙がなきわめいていた。
星空のもと、歩いていくと、やがて古びた木製の駅にたどりついた。
そこには、もくもくと大量の煙を吐き出しているSL機関車がとまっていた。
機関車のライトがまぶしい。
光が遠くまで照らし、明かりの線がどこまでも延びていた。
機関車両から一人の人物が降りてくる。
金ボンタンの目立つ紺色の機関士の制服を着ていた。大きく膨らんだ胸元がその人物を女性であることを証明していた。赤くむっちりとした口にチュッパチャップスを咥えている。
細い瞳が印象的であった。
大きく手をふり、その度にボリュームたっぷりの胸を揺らしながら、彼らを出迎えた。
「よお、細井瞳。連れてきてやったよ。まったく、死神のくせに情に流されやがって」
ため息まじりに、男は言った。
やれやれといったようなどこか疲れた、それでいて晴れ晴れとした笑みを浮かべていた。
「ありがとう、貘さん」
細井瞳と呼ばれた女は素直に礼を言う。
兄弟の方に近づき、頭をなでる。
「ねえ、君。ポケットを探してごらん」
細井瞳は弟の半ズボンを見る。
彼女に言われるまま、弟はズボンのポケットをまさぐると、一枚の切符が出てきた。
「それは、かの有名な銀河鉄道の乗車券さ。君たちはこの列車にのり、銀河を旅するんだ。まずは白鳥座に行ってカンパネルラと合流しよう。彼が道案内になってくれるよ」
そういうと柔らかな胸元からチュッパチャップスを取り出し、弟の手に握らせた。
チュッパチャップスの袋をとり、弟はそれを口にいれた。
「ほら君にもあげるよ。これは食べていいからね。食べて眠くなったら寝たらいいよ。銀河鉄道が君たちを元の世界に連れて帰ってくれるからね」
細井瞳は兄弟の手をつかんだ。
にこりと愛らしい笑みを浮かべて、細井瞳は兄弟の手をぎゅっと握る。
「さあ、行こうか。ねえ、君たち。トランプしようよ。あたしね、トランプ得意なんだ。旅は必ず楽しいものになるからね。いっぱいいっぱい遊ぼう」
うふふっと細井瞳は笑うと兄弟を連れ、列車に乗り込んだ。
列車は甲高い汽笛をならし、発車していく。
ゴウゴウとうなる機関車の音が鼓膜を激しく刺激する。
煙を夜空に流しながら、蒸気機関車は旅立っていく。
やがて地面から離れて、機関車は夜空に舞い上がる。
機関車は夜空の向こうに消えていく。
「ふうっこれで時間外労働はおわりだ。細井瞳め、柄にもないことをする」
夢を食む者である獏はジャケットの胸ポケットからしんせいを取りだして、口にくわえる。
勝手に煙草に火がつく。
獏はしばらく煙草を美味そうに吸う。
「あとは現実世界の人間の仕事だ。どいうことがあっても人は生きていかないといけない」
獏は薄い唇から煙を吐き出した。
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