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白鷺雨月

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第五十五話 若返ったお祖母ちゃん⑦

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 次の日、明人を起こしたのは彼の母親だった。
 顔は里美絵津子によくにているが、背はずっと低く、痩せていた。
「明人、今日は学校休みなさい」
 母親の絵美が言った。
 明人にはその言葉がよくわかった。
 ベッドにはまだあの絵津子の肌の温もりが残っているような気がした。

 
 お祖母ちゃんの葬式の合間をぬって明人は彼女が若い時に出演していた映画やドラマを見ていた。
 そこに映し出されている里美絵津子は生き生きとしていた。
 そこにお祖母ちゃんは確実に存在している。
 明人の脳内にはあの若くてかわいいお祖母ちゃんの記憶がありありと刻まれていた。


 葬式が終わり、お祖母ちゃんと別れを済ませた明人はまた普通の生活にもどった。
 明人の脳裏には若い時のお祖母ちゃんと棺桶にはいった死に化粧をした美しい女にが同時に存在していた。
 明人は高校に通う途中、クラスメイトの女子にであった。
「おはよう」
 明人は言った。
「おはよう」
 クラスメイトの女子は笑顔で答えた。
 以前の明人ならしなかったことだが、自然と言葉がでた。
 彼はすこし、変わったのだ。
 以前のようにイヤホンを深く耳にさし、うつむいて歩いていない。
 まっすぐ前を向いてあるくようになった。
 そうするとどうだろうか、街の景色が目に入り、人の顔が視界に入り、世界が色鮮やかなものになっていった。
 まだ人と話すのは苦手だけど明人は確実に前を向いてあるけるようになった。
 そうして歩いていると彼の手をつかむ人物がいる。
 その手の温かさは知っているものだった。
 腕に肉のやわらかさが伝わる。
 驚いた明人は自分の腕に腕を絡めている人物を見た。
 そこにはとびっきりの美少女がにこにこと微笑んでいた。
「お、お祖母ちゃん!!」
 明人は驚嘆し、おかしな声をあげてしまった。
「やだな、明人君。私のことはえっちゃんって呼んでよ」
 うふっと微笑むとまたその特大巨乳を腕におしつける。
「で、でも死んだんじゃあ……」
 明人は言った。
「うふっ、細井瞳さんがね生き返らす日にちを間違えたみたいなの。一日を一年ってまちがえちゃったみたいなの。だからしばらくはまだ死ねないよ。これからもよろしくね」
 うふっうふっと里美絵津子は笑い、自身の指をからめてきた。




 その様子を遠くでみている人物がいる。
 黒いスーツスカートを着た、黒髪ポニーテールの細い目の女だ。
「怪異にとって一日も一月も一年もそうかわらないのさ」
 くわえ煙草で細井瞳は言った。
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