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白鷺雨月

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第七十六話 ダイレクトメール③

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 Xのフォロワーさんの一人「悪魔博士」さんからダイレクトメッセージが届いた。
 悪魔博士さんはファンタジーオタクでポストの内容はほとんど世界の悪魔や怪物についてである。その他は好物のラーメンをポストしている。

悪魔博士
「こんにちは。白鷺月子さんの作品をいつも楽しく拝読しています。さて最近は細井瞳というキャラクターを中心に書かれているようですね。そこで私なりの考察をしたのですがこちらに書いてもよろしいでしょう」

白鷺月子
「こんにちは、悪魔博士さん。いつもお読みいただきありがとうございます。悪魔博士さんの考察ぜひお聞かせください」

悪魔博士
「ありがとうございます。それではまずシェアワールドならぬシェアキャラクターというものですが、神話などにもよくみられます。ヘラクレスやヤマトタケルがいろいろなエピソードがあるのは、書き手がそれらのキャラクターをシェアしたのではないかと思われます。それは都市伝説でもよく見られます。代表的なものでいうと口裂け女がそれにあたります。口裂け女は噂があっという間に広がり、いろいろな設定が盛られました」

白鷺月子
「整形を失敗したとか医師がポマードをつけていたから、ポマードが苦手だとかですね」

悪魔博士
「そうです。そうです。さすがは小説家は知識があり、話が早いですね」

白鷺月子
「WEB作家ですけどね、ありがとうございます」

悪魔博士
「それでですね。細井瞳というキャラクターなのですがいろいろな作家さんの手により、これまたいろいろな性格が足されていってますね。煙草はしんせいを好み、キャンディーなどの甘いものを好む。スーツスカートをいつも着用している。髪型はポニーテールが多い。正義感が強い一方、クレーマーや犯罪者などには容赦がない。これらの性格は物語が足されるごとに増えていきます。また死神としての動きも見られますね。ところで怪異の認定条件ってご存じでしょうか」

白鷺月子
「はい、知ってます。二人以上の人間に認知されるというものですね。妖怪の条件と同じかと思います」

悪魔博士
「さすがは白鷺月子さん。そうです。それで細井瞳というキャラクターはすでに何人もの人間に認知されています。コスプレをした人もいましたね。あれにより認知度はかなり上がりましたよね。細井瞳はすでに怪異として認知されたといっても過言ではありません。Xの中には実際に細井瞳を見たという人もいます。真偽は不明ですが」

白鷺月子
「そうですね。真偽は不明ですね。私としては実物であって欲しいとは思いますけどねwww」

悪魔博士
「私も実物であって欲しいと思います(笑)それでですね。実は現実と空想が交差しかけている事案があるのです。前に一家惨殺事件がH県であったのをご存知でしょうか?」

白鷺月子
「ニュースで見ました」

悪魔博士
「その事件現場近くで細井瞳らしき人物を見かけたという目撃情報があります。警察から似顔絵が発表されました。画像を送ります」

白鷺月子
「たしかに似てなくもないですね。まあ目の細い女性なんてごまんといますからね」

悪魔博士
「まあそれもそうですね。そこで私はもうひとつ細井瞳と似た人物を見つけたのです。こちらも画像を送ります。ネットからの転送なので多少画像が荒いのは申し訳ありません」

白鷺月子
「随分古い画像ですね。たしかに細井瞳に似ていなくもないですね。いつの時代のものですか」

悪魔博士
「これは1960年代にとられたものです。この女性の名前はさがん仁美ひとみといいます。さがんという姓はかなり珍しいですが、大阪府と山口県でみられるようです。律令制の官職であるさかんからきているようです。それでこのさがん仁美ひとみという女性なのですが、当時のカルト宗教さがん教の教祖になった人物です。さがん仁美ひとみは信徒に違う世界が見えるといい、その世界に連れて行くといいました」

白鷺月子
「それはちょっと鳥肌がたつ話ですね。まさか半分遊びのようなつもりでつくり上げたキャラクターとその1960年代の新興宗教の開祖と設定がかぶるなんて。まさに信じるか信じないかはあなた次第ですね」

悪魔博士
「ええ、私もさがん教について調べていて驚きました。そのさがん教なのですが当時からいろいろと問題を起こしていたようです。宗教施設設立に反対した岸和田市の市会議員を自殺に追いやったりしたとか。自営業者の男性が突然死したのもさがん教がかかわっていたとか。あとN君という少年が行方不明になったのも無理な勧誘をした結果だとも言われています」

白鷺月子
「それは怖いですね。でも今はあんまりそのさがん教というのは聞きませんよね」

悪魔博士
「ええそうなんです。さがん仁美ひとみは信徒の暴走をみていられなくなり、教祖を辞めて違う世界に行ったと言われます。あとを継いだ二代目で娘さんの美佐子さんなんですが、彼女は普通の女性でした。信徒の期待に応えられず、精神を病んでしまったという話です。今もどこかの精神病院に入院しているとかなんとか。それで教祖を失ったさがん教は幹部らの対立により空中分解し、崩壊したというわけです」

白鷺月子
「その美佐子さんという女性はかわいそうですね」

悪魔博士
「それで最後に面白い話なんですが」

白鷺月子
「面白い話ってなんですか」

悪魔
「あの一家惨殺事件の世帯主である西岡恒一という男性は元さがん教の信徒で幹部だったという話です」

白鷺月子
「そ、それは面白いというか怖い話ですね。お話とても興味深かったです。ありがとうございます」

悪魔博士
「こちらこそ私の考察にお付き合いいただきありがとうございます」
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