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第八話 村長の依頼
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特技炊事 掃除 裁縫 読み書きを獲得しました。
目が覚めるとそんな文字が流れる。
これはアンナさんのスキルをコピーしたということだろう。特技模倣の発動条件はすなわちエッチをすることなのだ。クロネの話ではある特定の人と性交をするとスキルコピーができるということだ。
そして僕はアンナさんの特技を模倣した。
なるほど、村娘のアンナさんは家事スキルが多いわけだ。
それに村長の娘だけあって、読み書きもできるようだ。家庭的な女の子って好きだよ。
僕はベッドの上でうーんと背筋をのばす。
昨夜は本当に気持ちよかった。
適度な疲れで、ぐっすり眠れたよ。
僕は服をきて、階下の広間に向かう。
「おはようございます」
どこか肌つやの良くなったアンナさんが挨拶してくれた。
「おはよう、アンナさん」
僕が挨拶を返すとアンナさんは満面の笑みを浮かべる。この人、顔だちは地味だけど笑顔はかわいいな。
僕はすっかりアンナさんのことを気に入っていた。
「おはよう、お兄ちゃん」
テーブルの上の朝ごはんを食べながら、クロネがあいさつする。
「やあ、クロネおはよう」
僕は椅子に座る。
「お兄ちゃん、昨晩はお楽しみだったみたいだね」
ニヤリと笑い、クロネは僕の顔を見る。
「はははっ」
ここは笑って受け流す。
アンナさんのおほ声けっこう大きかったもんな。
そんなアンナさんが朝ごはんを用意してくれた。
トーストに野菜スープ、それとスクランブルエッグであった。
ケチャップのような調味料が添えられている。ということはこのアヴァロン王国ではトマトがとれるということだろう。
僕はナポリタンやオムライスなんかが好物なので、トマトがあるのはありがたい。
「このソース美味しいですね」
スクランブルエッグにケチャップをつけて、一口食べる。爽やかな酸味のあと、ほんのりと甘味が口に広がる。
「これはね百年前に聖賢王ウーサーが海をわたってもたらしたものよ」
そう説明してくれたのは、村長のジョアンナさんだ。ジョアンナさんは僕たちにハーブティーをいれてくれた。
すっきりとした良い香りが鼻腔をくすぐる。
ちらりとクロネを見るとスープにパンをつけて食べていた。
「食べながらでけっこうなので、勇者様に聞いていただきたいことがあるのですが……」
思い悩んだような様子でジョアンナさんが言う。
「なんでしょうか」
僕はそう訊く。
「このようなことをお頼みするのは忍びないのですが、他に頼れる人がいないのです。南のヨーク村に住む妹のところに届けてほしいものがあるのです」
ジョアンナさんは岩塩のかたまりをテーブルの上に置いた。それと乾燥させた豚の片足であった。豚の片足はレストランなんかで見かける奴だ。
「昨日のようにこの近辺には魔物がよくあらわれるようになったのです。領主様の騎士がいたときはそんなことがなかったのですが……」
この辺りを管理していた騎士は戦争にいき、そのため治安が悪化しているのだという。
街道には魔物だけでなく盗賊の類いも出没するようになったというのだ。
そしてそんな状態が一月ほど続いているのだ。
ということはその戦争とやらは一ヶ月も続いているのか。
「ここの領主は誰と戦っているのだい?」
僕はジョアンナ村長に訊いてみた。
僕はこの国の実情をまったく知らない。
ここは情報収集しないとね。
「ガラハット辺境伯は西隣のガヴェイン子爵と領土のことで揉めてるのよ」
あきれた顔でいうのはアンナさんだ。
「めったなことはお言いでないよ」
ジョアンナ村長はそうたしなめる。
南のヨーク村の村長はジョアンナさんの妹だという。名前をジョシュアさんという。
ヨーク村に岩塩と干し肉を届けたら、小麦をもらってきてほしいのだという。
ドンレミ村とヨーク村は互いに物々交換でお互いの足りないものを、おぎなっていたのだ。それが治安の悪化で滞り、生活がくるしくなってきているのが、現状だ。
「お兄ちゃん、どうする?」
クロネが僕に訊く。
「もちろん、受けるよ」
けっして裕福ではないのにこんなにもてなしてくれたジョアンナさんとアンナさんのことを、僕は気に入っているんだ。彼女たちの頼みなら聞いてあげようと思う。
僕の言葉を聞いて二人とも安堵したようで、にこやかに微笑んだ。やっぱり親子だ。二人とも笑うとかわいい。
村長の依頼を受けました。
依頼はヨーク村へのお使いです。
視界にテキストが流れる。
朝食を食べた後、僕たちは村長の家のとなりにある厩舎に向かう。
ジョアンナさんがヨーク村にいくにあたって馬を貸してくれるのだ。
その馬の名前はオリオンといった。
つやのある黒い毛の馬で額のところだけ縦に毛が白かった。りんとした瞳が特徴的で賢そうな馬だった。
ジョアンナさんの話では南のヨーク村には馬で一日ほどの距離にあるという。
ジョアンナさんとアンナさんは夜営の道具をいろいろ用意してくれた。それらをすべて収納箱に入れる。
先にクロネがふわりとオリオンにまたがる。さすがは猫娘だ。身軽だな。
僕はクロネの手をつかみどうにかこうにかオリオンにまたがることができた。
クロネの後ろに僕がまたがるかたちになる。
馬に乗るなんて、小学生のときの体験学習以来だな。
「それではいってきます」
僕は馬上からジョアンナさんとアンナさんに手を振る。
「お気をつけて、勇者様がた」
ジョアンナさんが大きく手を振る。
「無事のお帰り、何よりもお待ちしています」
アンナさんが巨乳を揺らして手を振る。
しばらくオリオンを歩かせるとすっかり二人は見えなくなった。
特技炊事 掃除 裁縫 読み書きを獲得しました。
目が覚めるとそんな文字が流れる。
これはアンナさんのスキルをコピーしたということだろう。特技模倣の発動条件はすなわちエッチをすることなのだ。クロネの話ではある特定の人と性交をするとスキルコピーができるということだ。
そして僕はアンナさんの特技を模倣した。
なるほど、村娘のアンナさんは家事スキルが多いわけだ。
それに村長の娘だけあって、読み書きもできるようだ。家庭的な女の子って好きだよ。
僕はベッドの上でうーんと背筋をのばす。
昨夜は本当に気持ちよかった。
適度な疲れで、ぐっすり眠れたよ。
僕は服をきて、階下の広間に向かう。
「おはようございます」
どこか肌つやの良くなったアンナさんが挨拶してくれた。
「おはよう、アンナさん」
僕が挨拶を返すとアンナさんは満面の笑みを浮かべる。この人、顔だちは地味だけど笑顔はかわいいな。
僕はすっかりアンナさんのことを気に入っていた。
「おはよう、お兄ちゃん」
テーブルの上の朝ごはんを食べながら、クロネがあいさつする。
「やあ、クロネおはよう」
僕は椅子に座る。
「お兄ちゃん、昨晩はお楽しみだったみたいだね」
ニヤリと笑い、クロネは僕の顔を見る。
「はははっ」
ここは笑って受け流す。
アンナさんのおほ声けっこう大きかったもんな。
そんなアンナさんが朝ごはんを用意してくれた。
トーストに野菜スープ、それとスクランブルエッグであった。
ケチャップのような調味料が添えられている。ということはこのアヴァロン王国ではトマトがとれるということだろう。
僕はナポリタンやオムライスなんかが好物なので、トマトがあるのはありがたい。
「このソース美味しいですね」
スクランブルエッグにケチャップをつけて、一口食べる。爽やかな酸味のあと、ほんのりと甘味が口に広がる。
「これはね百年前に聖賢王ウーサーが海をわたってもたらしたものよ」
そう説明してくれたのは、村長のジョアンナさんだ。ジョアンナさんは僕たちにハーブティーをいれてくれた。
すっきりとした良い香りが鼻腔をくすぐる。
ちらりとクロネを見るとスープにパンをつけて食べていた。
「食べながらでけっこうなので、勇者様に聞いていただきたいことがあるのですが……」
思い悩んだような様子でジョアンナさんが言う。
「なんでしょうか」
僕はそう訊く。
「このようなことをお頼みするのは忍びないのですが、他に頼れる人がいないのです。南のヨーク村に住む妹のところに届けてほしいものがあるのです」
ジョアンナさんは岩塩のかたまりをテーブルの上に置いた。それと乾燥させた豚の片足であった。豚の片足はレストランなんかで見かける奴だ。
「昨日のようにこの近辺には魔物がよくあらわれるようになったのです。領主様の騎士がいたときはそんなことがなかったのですが……」
この辺りを管理していた騎士は戦争にいき、そのため治安が悪化しているのだという。
街道には魔物だけでなく盗賊の類いも出没するようになったというのだ。
そしてそんな状態が一月ほど続いているのだ。
ということはその戦争とやらは一ヶ月も続いているのか。
「ここの領主は誰と戦っているのだい?」
僕はジョアンナ村長に訊いてみた。
僕はこの国の実情をまったく知らない。
ここは情報収集しないとね。
「ガラハット辺境伯は西隣のガヴェイン子爵と領土のことで揉めてるのよ」
あきれた顔でいうのはアンナさんだ。
「めったなことはお言いでないよ」
ジョアンナ村長はそうたしなめる。
南のヨーク村の村長はジョアンナさんの妹だという。名前をジョシュアさんという。
ヨーク村に岩塩と干し肉を届けたら、小麦をもらってきてほしいのだという。
ドンレミ村とヨーク村は互いに物々交換でお互いの足りないものを、おぎなっていたのだ。それが治安の悪化で滞り、生活がくるしくなってきているのが、現状だ。
「お兄ちゃん、どうする?」
クロネが僕に訊く。
「もちろん、受けるよ」
けっして裕福ではないのにこんなにもてなしてくれたジョアンナさんとアンナさんのことを、僕は気に入っているんだ。彼女たちの頼みなら聞いてあげようと思う。
僕の言葉を聞いて二人とも安堵したようで、にこやかに微笑んだ。やっぱり親子だ。二人とも笑うとかわいい。
村長の依頼を受けました。
依頼はヨーク村へのお使いです。
視界にテキストが流れる。
朝食を食べた後、僕たちは村長の家のとなりにある厩舎に向かう。
ジョアンナさんがヨーク村にいくにあたって馬を貸してくれるのだ。
その馬の名前はオリオンといった。
つやのある黒い毛の馬で額のところだけ縦に毛が白かった。りんとした瞳が特徴的で賢そうな馬だった。
ジョアンナさんの話では南のヨーク村には馬で一日ほどの距離にあるという。
ジョアンナさんとアンナさんは夜営の道具をいろいろ用意してくれた。それらをすべて収納箱に入れる。
先にクロネがふわりとオリオンにまたがる。さすがは猫娘だ。身軽だな。
僕はクロネの手をつかみどうにかこうにかオリオンにまたがることができた。
クロネの後ろに僕がまたがるかたちになる。
馬に乗るなんて、小学生のときの体験学習以来だな。
「それではいってきます」
僕は馬上からジョアンナさんとアンナさんに手を振る。
「お気をつけて、勇者様がた」
ジョアンナさんが大きく手を振る。
「無事のお帰り、何よりもお待ちしています」
アンナさんが巨乳を揺らして手を振る。
しばらくオリオンを歩かせるとすっかり二人は見えなくなった。
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