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第十七話 虎穴に入らずんば虎子を得ず
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気持ち良すぎて気絶した二人をアンナさんたちに頼み、村長の家に運び入れた。
「あんなに偉そうにしてたのに」
サーシャとザンザの顔を見て、どこか馬鹿にした顔でアンナは言った。
彼女らを空き部屋で寝かせる。
募兵の騎士二人はしばらくしたら、起きてきた。
クロネに連れられ、二人は村長の家の大広間にやってくる。
二人の服はいろんな体液で汚れていたので、アンナさんが用意した服に着替えていた。
「やあ、おはよう」
僕が言うと二人は恥ずかしそうにもじもじしている。
ジョアンナさんに頼み、ハーブティーを用意してもらった。
二人を椅子に座らせ、僕は向かいに座る。
この大広間にはジョアンナさんとアンナさん、クロネ、僕がいる。
ジョアンナさんとアンナさんはこの募兵の騎士たちの様子を見て、驚愕している。
特技調教の効果は絶大だな。
ついでにアンナさんとジョアンナさんの好感度を見てみた。
アンナさんが98でジョアンナさんが91か。かなり高いけどクロネの100には及ばない。もしかすると100というのは特別なのかもしれない。これは検証の余地があるな。
「二人に聞きたいことがあるんだ」
僕が言うとサーシャとザンザは潤んだ瞳でこちらを見ている。
うんうん、従順でよろしい。
「君たちがこの村に募兵にきたというのはガヴェイン子爵との戦いがうまくいっていないということだね」
僕は推測を語る。
勝ったもしくは有利ならばこのドンレミ村とヨーク村に募兵などに来ないはずだ。
「はい、そうです。かなり不利な状況です」
サーシャが言った。
「ガヴェイン子爵は卑怯者です。約束した戦場に現れず、山や森に隠れて、追撃した我々に奇襲ばかりをしかけるのです」
ザンザが追加説明する。
ザンザが言うには戦争をする際は、お互いに戦場と時間を決めて正々堂々と行うのだと言う。しかし、ガヴェイン子爵は約束を守らず、騙し討ちばかりするのだとたいう。
おおよそであるが、ガラハット辺境伯の軍が二千程度でガヴェイン子爵の兵は三百ほどだと言う。
戦力差は圧倒的だが、ガヴェイン子爵は戦術でそれをカバーしているようだ。
僕からするとそのガヴェイン子爵の戦い方は当たり前だと思うけど、アヴァロン王国では正しき騎士は絶対にしないという。
これもまたあの聖杯教の教えだということだ。
「すでに五百名ほどの我らが兵は傷つき、倒れました」
とこれはザンザである。
兵力の二五パーセントを討ち取られるなんてけっこうまずい状況ではないか。
「それで僕たちの村に募兵に来たんだね。ガラハット辺境伯というのは戦争が得意じゃないのかな」
僕はサーシャとザンザの顔を交互に見る。
兵力差をひっくりかえされているのだから、そう考えるのが当然だろう。
「いえ、そんなことはございません。ガラハット辺境伯は北の勇者の二つ名を持つ戦士です」
サーシャが言う。
「そうです、リリィ様の斧槍に敵うものはいません」
さらにザンザが言う。
なるほどね、そのガラハット辺境伯は決して無能ではないようだ。ただしきたりを捨てきれない頭の固さはあるようだ。
僕は二人の話をハーブティーを飲みながら聞く。このままサーシャとザンザの二人を返したら、今度は別の募兵の騎士が来るだけだ。
「虎穴に入らずんば虎子を得ずか……」
僕はぼそりと呟く。
「それはどういう意味ですか?」
アンナさんが聞く。
「竜の宝が欲しければ竜の巣に入らなければいけないだよ」
代わりにクロネが説明した。
どうやらアヴァロン王国での同じ意味合いのことわざのようだ。
「ああ、なるほど。アーサー様は辺境伯のところに行かれるのですね」
おっアンナさん、頭がいいね。僕の考えを読んだようだ。
やはりアンナさんは使える。有用な人材だ。それに巨乳でエッチな体をしているしね。
「うん、そうだよ。直に辺境伯のところに行って直談判してくるよ。クロネ一緒に来てくれるよね」
僕は言うとサーシャとザンザの顔が明るくなる。
彼女らとしても手ぶらでは帰れないのだろう。
「うん、もちろんだよ」
僕は言った。
「ならシーアも連れて行ってください。あの子は王都で兵士として働いていました。腕に覚えのある子です」
シーアを推薦するのはジョアンナさんだ。
確かに初めて会ったとき、シーアは一人で街道の盗賊や魔物を討伐しようとしていた。
きっと腕にはかなりの覚えがあるんだろう。
「わかったよ。それじゃあ僕とクロネ、それとシーアで辺境伯のところに行こう」
僕は言った。
「もちろんだよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんとはいつも一緒だよ」
クロネは答える。
辺境伯に会ってどうなるか?
それは会ってみないとわからない。
だけど会わなければ何も進まない。
と僕は思う。
「ありがとうございますアーサー様」
サーシャが言う。
「感謝します、アーサー様」
ザンザが頭を下げる。
ということで僕たちはガヴェイン辺境伯がいるというコンウィ城に向かうことになった。
翌日、朝になり僕たちは出立の準備をする。
シーアはこの旅に喜んで参加してくれた。鉄の胸当てを装備し、愛用の鉄槍を小脇に抱える。
「アーサー様、御身は必ず私がお守りします」
とうれしいことを言ってくれた。
シーアの好感度は86と皆に比べて若干低いのでこれから上げていこうと思う。レベルは36とけっこうあるから戦闘力は期待できる。
僕とクロネはオリオンに乗り、シーアはサーシャとザンザが乗ってきた馬車の御者をつとめる。荷台の方にサーシャとザンザが乗る。
荷台にはジョアンナさんとジョシュアさんが旅に必要な食料や道具をつめてくれた。
コンウィ城にはドンレミ村から西北に馬で三日ほどの距離があるという。
ドンレミ村を出て、おおよそ一時間ほどオリオンを歩かせると誰かが騎馬で近寄ってくる。
ほどなくして僕たちに追い付く。
「我が君、我が君!!」
その人物は僕をそう呼ぶ。
僕をそう呼ぶのはアルタイルだ。
「我が君、私の同行を許してください」
アルタイルは僕の隣に並び、そう言った。
「あんなに偉そうにしてたのに」
サーシャとザンザの顔を見て、どこか馬鹿にした顔でアンナは言った。
彼女らを空き部屋で寝かせる。
募兵の騎士二人はしばらくしたら、起きてきた。
クロネに連れられ、二人は村長の家の大広間にやってくる。
二人の服はいろんな体液で汚れていたので、アンナさんが用意した服に着替えていた。
「やあ、おはよう」
僕が言うと二人は恥ずかしそうにもじもじしている。
ジョアンナさんに頼み、ハーブティーを用意してもらった。
二人を椅子に座らせ、僕は向かいに座る。
この大広間にはジョアンナさんとアンナさん、クロネ、僕がいる。
ジョアンナさんとアンナさんはこの募兵の騎士たちの様子を見て、驚愕している。
特技調教の効果は絶大だな。
ついでにアンナさんとジョアンナさんの好感度を見てみた。
アンナさんが98でジョアンナさんが91か。かなり高いけどクロネの100には及ばない。もしかすると100というのは特別なのかもしれない。これは検証の余地があるな。
「二人に聞きたいことがあるんだ」
僕が言うとサーシャとザンザは潤んだ瞳でこちらを見ている。
うんうん、従順でよろしい。
「君たちがこの村に募兵にきたというのはガヴェイン子爵との戦いがうまくいっていないということだね」
僕は推測を語る。
勝ったもしくは有利ならばこのドンレミ村とヨーク村に募兵などに来ないはずだ。
「はい、そうです。かなり不利な状況です」
サーシャが言った。
「ガヴェイン子爵は卑怯者です。約束した戦場に現れず、山や森に隠れて、追撃した我々に奇襲ばかりをしかけるのです」
ザンザが追加説明する。
ザンザが言うには戦争をする際は、お互いに戦場と時間を決めて正々堂々と行うのだと言う。しかし、ガヴェイン子爵は約束を守らず、騙し討ちばかりするのだとたいう。
おおよそであるが、ガラハット辺境伯の軍が二千程度でガヴェイン子爵の兵は三百ほどだと言う。
戦力差は圧倒的だが、ガヴェイン子爵は戦術でそれをカバーしているようだ。
僕からするとそのガヴェイン子爵の戦い方は当たり前だと思うけど、アヴァロン王国では正しき騎士は絶対にしないという。
これもまたあの聖杯教の教えだということだ。
「すでに五百名ほどの我らが兵は傷つき、倒れました」
とこれはザンザである。
兵力の二五パーセントを討ち取られるなんてけっこうまずい状況ではないか。
「それで僕たちの村に募兵に来たんだね。ガラハット辺境伯というのは戦争が得意じゃないのかな」
僕はサーシャとザンザの顔を交互に見る。
兵力差をひっくりかえされているのだから、そう考えるのが当然だろう。
「いえ、そんなことはございません。ガラハット辺境伯は北の勇者の二つ名を持つ戦士です」
サーシャが言う。
「そうです、リリィ様の斧槍に敵うものはいません」
さらにザンザが言う。
なるほどね、そのガラハット辺境伯は決して無能ではないようだ。ただしきたりを捨てきれない頭の固さはあるようだ。
僕は二人の話をハーブティーを飲みながら聞く。このままサーシャとザンザの二人を返したら、今度は別の募兵の騎士が来るだけだ。
「虎穴に入らずんば虎子を得ずか……」
僕はぼそりと呟く。
「それはどういう意味ですか?」
アンナさんが聞く。
「竜の宝が欲しければ竜の巣に入らなければいけないだよ」
代わりにクロネが説明した。
どうやらアヴァロン王国での同じ意味合いのことわざのようだ。
「ああ、なるほど。アーサー様は辺境伯のところに行かれるのですね」
おっアンナさん、頭がいいね。僕の考えを読んだようだ。
やはりアンナさんは使える。有用な人材だ。それに巨乳でエッチな体をしているしね。
「うん、そうだよ。直に辺境伯のところに行って直談判してくるよ。クロネ一緒に来てくれるよね」
僕は言うとサーシャとザンザの顔が明るくなる。
彼女らとしても手ぶらでは帰れないのだろう。
「うん、もちろんだよ」
僕は言った。
「ならシーアも連れて行ってください。あの子は王都で兵士として働いていました。腕に覚えのある子です」
シーアを推薦するのはジョアンナさんだ。
確かに初めて会ったとき、シーアは一人で街道の盗賊や魔物を討伐しようとしていた。
きっと腕にはかなりの覚えがあるんだろう。
「わかったよ。それじゃあ僕とクロネ、それとシーアで辺境伯のところに行こう」
僕は言った。
「もちろんだよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんとはいつも一緒だよ」
クロネは答える。
辺境伯に会ってどうなるか?
それは会ってみないとわからない。
だけど会わなければ何も進まない。
と僕は思う。
「ありがとうございますアーサー様」
サーシャが言う。
「感謝します、アーサー様」
ザンザが頭を下げる。
ということで僕たちはガヴェイン辺境伯がいるというコンウィ城に向かうことになった。
翌日、朝になり僕たちは出立の準備をする。
シーアはこの旅に喜んで参加してくれた。鉄の胸当てを装備し、愛用の鉄槍を小脇に抱える。
「アーサー様、御身は必ず私がお守りします」
とうれしいことを言ってくれた。
シーアの好感度は86と皆に比べて若干低いのでこれから上げていこうと思う。レベルは36とけっこうあるから戦闘力は期待できる。
僕とクロネはオリオンに乗り、シーアはサーシャとザンザが乗ってきた馬車の御者をつとめる。荷台の方にサーシャとザンザが乗る。
荷台にはジョアンナさんとジョシュアさんが旅に必要な食料や道具をつめてくれた。
コンウィ城にはドンレミ村から西北に馬で三日ほどの距離があるという。
ドンレミ村を出て、おおよそ一時間ほどオリオンを歩かせると誰かが騎馬で近寄ってくる。
ほどなくして僕たちに追い付く。
「我が君、我が君!!」
その人物は僕をそう呼ぶ。
僕をそう呼ぶのはアルタイルだ。
「我が君、私の同行を許してください」
アルタイルは僕の隣に並び、そう言った。
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