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ガラクタの未来を君に
このままで幸せになんてなれるわけない
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億という金を手にしたからと言って、生活はさほど変わらない。
あの競馬の大当たりから3ヶ月が経ち、師走に入っていた。
サロンは年間で最も多忙な時期に突入し、梨々花はいよいよローカルのヘア雑誌から一般のティーン向けファッション誌のモデルとしてデビューを控えている。
億の金を手にして、なぜ仕事するのか? って?
それはもちろん未来のためだ。
後3年はここで踏ん張らなければ、僕の会社『グロウアップ』は上手くいかない。
美容師としての経験と実績が、最低でも3年は必要なんだ。
金だけでは、人生上手くいかないって事を僕はよく知っている。
男にとって物を言うのは肩書き。
大手の商社勤めだとか、成長著しい企業の社長だとか、敏腕実業家だとか。
将来の家族ためにも、仕事は手放すわけにはいかない。
「生おかわりーと、鶏皮タレで2本ください」
芙美は、大衆居酒屋で、メニューとにらめっこしたした末に、カウンターの向こうに向かって声を張った。
「あ、僕もレモンサワーおかわりください。あと特級牛タン串」
この店の牛タン串にはランクがある。
下は500円から特級だと……
最高級で一本……えっとー、いくらだ?
まぁ、いいや。
僕の顔を不満げにじーっと見つめる芙美に訊ねる。
「いる? 特級牛タン串」
「うん!」
「じゃあ2本くださーい」
「はい、まいどー」
僕も芙美もタイムリープする事なく、この日を迎えていたが、僕たちの関係は進展することもなく、友達のままだ。
この世で一番仲のいい異性の友達ってところか。
この日は仕事終わり、窓から差し込むイルミネーションを目の端に収めながら二人で定期の近況報告会と言ったところ。
あの日を境に変わった事と言えば、居酒屋で値段を気にすることなく注文できるようになった事と、日記をつけるようになった事。
いつなん時、この時間軸の僕と入れ替わるかわからないのだ。
その時に困らないよう、できるだけ事細かく。
引継ぎ書みたいな物だ。
そのキャンパスノートがもう、3冊目に突入している。
クレジットカードの限度額や、明日の生活費の心配がいらなくなった安定した暮らしのようだが。
それは脚が3本しかない家具調コタツみたいに、いつも不安定にグラついている。
不意のタイムリープによって、ひっくり返される可能性は、常に僕を脅かした。
芙美もまた、同じ気持ちでいるに違いない。
「最近はどう? 伊藤は連絡してこなくなった?」
芙美は「うーん」と唇を尖らせてしばし宙を睨む。
「こんなメッセージが来たわ」
芙美はスマホをこちらに差し出した。
『結納金返せ。今、弁護士に相談中だからな。お前を名誉棄損で訴えてやる』
「え? 何それ? 穏やかじゃないね。名誉棄損って何?」
「結婚式でDVの暴露した事よ。あれを名誉棄損だ、って」
「バカじゃねーの」
「DVの証拠がなければ名誉棄損が成立するらしいわ」
「体の痣だけじゃダメなの?」
「微妙なところらしいけど、DVの証拠としては弱いみたい。痣なんてどうにでもなるじゃない。あの時の証拠写真や動画なんて物もないし。伊藤は急変した私の事を疑ってるのよ。他に男がいて、その男を選ぶために今さらDVをネタにして破談に持ち込んだんじゃないかって」
「まぁ、まさかタイムリープしてるなんて思わないだろうからね」
「私は未来の10年分の慰謝料請求したいぐらいよ」
「そりゃあそうだ」
「お金もらったって収まらないけど」
彼女はそう言って運ばれたジョッキを口元で傾けた。
「まぁ、証拠ならあるんだけどね」
「え? そうなの?」
芙美はスマホを操作して僕の耳にあてがった。
『芙美。悪かった。俺が悪かった。頼む、考え直してくれ』
あの時の二人の会話だ。
「録音してたの?」
「もちろんよ。ここ聞いて」
『とにかく、お前がいない事には始まらないんだ。もう二度と暴力は振るわない。だから、一度だけ、一度だけチャンスをくれないか?』
『わかったわ。その代わり条件があるの』
『うん! なんだ。何でも言う事聞くよ』
『農作業は一切やらない。家事もしない。同居もしない。その条件を全て呑んでくれるなら、戻るわ』
『ふざけるなーーーーーー!!!』
「これは、素晴らしい証拠だね。伊藤、自分で暴力振るってたって認めちゃってるね」
「ふふ。本当にどうかしてたわ、私。こんな男に10年も……。初恋マジックかしら?」
「本当に伊藤が初恋だったの?」
「どうだったんだろ? それも今となっては良くわからない」
「金で解決できるなら惜しみなく出すけどね。何せ僕は、『億』を味方に付けた男だからね」
「あいつにお金なんて一円たりとも払う気はないわ。結納金だって結婚式の費用に全額充てたのよ。返せなんてお角違いもいいとこでしょ」
『億』という金をチラつかせた所で、芙美はなかなか手に入らない。
当分は恋愛も結婚も考えたくないんだと。
僕はこうして一番近くで彼女を見守っていられるだけで幸せなんだ。
「今頃は、白菜やほうれん草、大根にニンジンの収穫で大変よ~」
芙美は眉をへの字に下げて、さも嬉しそうにそう言った。
「君は、本当によく頑張ったよ」
「へ?」
「好きな仕事でも搾取され続ける労働には、人は絶えられない物だよ」
僕は、彼女の小さな手を包み込んだ。
「よく10年も頑張ったと思うよ」
「大牙……」
彼女は僕の右手から、自分の左手をさっと抜き取った。
その手を胸の前でぎゅっと抱きしめるとこう言った。
「私、大牙が思ってるような女じゃないよ。頑張ったねって言われて、そんなんで気持ちが治まる事はないの」
そう言って、すっと立ち上がる。
「帰るね」
足元に置かれたバスケットからバッグとコートを取りあげた。
「ちょっと待って。ごめん、そういう意味じゃない」
「わかってる。でもね……」
「うん」
「私は終わらない。これで終わりにしたくない。ボロボロになっていく伊藤をこの目で見るまでは、私の人生は始まらない」
そう言って、背を向け入口に向かう。
僕はその手を強く掴んだ。
「僕だって同じだ。これで終わりなんて、誰が言った?」
彼女は今にも泣きそうな目で僕を見上げて、下唇を噛んだ。
「これは私の問題なの。大牙は口出ししないで。何をどうしたらいいのかわからないけど、私は必ず復讐する。伊藤を地獄に突き落とす」
「何をどうすればいいか。僕はそれを知ってる。君は僕と手を組むべきだ」
あの競馬の大当たりから3ヶ月が経ち、師走に入っていた。
サロンは年間で最も多忙な時期に突入し、梨々花はいよいよローカルのヘア雑誌から一般のティーン向けファッション誌のモデルとしてデビューを控えている。
億の金を手にして、なぜ仕事するのか? って?
それはもちろん未来のためだ。
後3年はここで踏ん張らなければ、僕の会社『グロウアップ』は上手くいかない。
美容師としての経験と実績が、最低でも3年は必要なんだ。
金だけでは、人生上手くいかないって事を僕はよく知っている。
男にとって物を言うのは肩書き。
大手の商社勤めだとか、成長著しい企業の社長だとか、敏腕実業家だとか。
将来の家族ためにも、仕事は手放すわけにはいかない。
「生おかわりーと、鶏皮タレで2本ください」
芙美は、大衆居酒屋で、メニューとにらめっこしたした末に、カウンターの向こうに向かって声を張った。
「あ、僕もレモンサワーおかわりください。あと特級牛タン串」
この店の牛タン串にはランクがある。
下は500円から特級だと……
最高級で一本……えっとー、いくらだ?
まぁ、いいや。
僕の顔を不満げにじーっと見つめる芙美に訊ねる。
「いる? 特級牛タン串」
「うん!」
「じゃあ2本くださーい」
「はい、まいどー」
僕も芙美もタイムリープする事なく、この日を迎えていたが、僕たちの関係は進展することもなく、友達のままだ。
この世で一番仲のいい異性の友達ってところか。
この日は仕事終わり、窓から差し込むイルミネーションを目の端に収めながら二人で定期の近況報告会と言ったところ。
あの日を境に変わった事と言えば、居酒屋で値段を気にすることなく注文できるようになった事と、日記をつけるようになった事。
いつなん時、この時間軸の僕と入れ替わるかわからないのだ。
その時に困らないよう、できるだけ事細かく。
引継ぎ書みたいな物だ。
そのキャンパスノートがもう、3冊目に突入している。
クレジットカードの限度額や、明日の生活費の心配がいらなくなった安定した暮らしのようだが。
それは脚が3本しかない家具調コタツみたいに、いつも不安定にグラついている。
不意のタイムリープによって、ひっくり返される可能性は、常に僕を脅かした。
芙美もまた、同じ気持ちでいるに違いない。
「最近はどう? 伊藤は連絡してこなくなった?」
芙美は「うーん」と唇を尖らせてしばし宙を睨む。
「こんなメッセージが来たわ」
芙美はスマホをこちらに差し出した。
『結納金返せ。今、弁護士に相談中だからな。お前を名誉棄損で訴えてやる』
「え? 何それ? 穏やかじゃないね。名誉棄損って何?」
「結婚式でDVの暴露した事よ。あれを名誉棄損だ、って」
「バカじゃねーの」
「DVの証拠がなければ名誉棄損が成立するらしいわ」
「体の痣だけじゃダメなの?」
「微妙なところらしいけど、DVの証拠としては弱いみたい。痣なんてどうにでもなるじゃない。あの時の証拠写真や動画なんて物もないし。伊藤は急変した私の事を疑ってるのよ。他に男がいて、その男を選ぶために今さらDVをネタにして破談に持ち込んだんじゃないかって」
「まぁ、まさかタイムリープしてるなんて思わないだろうからね」
「私は未来の10年分の慰謝料請求したいぐらいよ」
「そりゃあそうだ」
「お金もらったって収まらないけど」
彼女はそう言って運ばれたジョッキを口元で傾けた。
「まぁ、証拠ならあるんだけどね」
「え? そうなの?」
芙美はスマホを操作して僕の耳にあてがった。
『芙美。悪かった。俺が悪かった。頼む、考え直してくれ』
あの時の二人の会話だ。
「録音してたの?」
「もちろんよ。ここ聞いて」
『とにかく、お前がいない事には始まらないんだ。もう二度と暴力は振るわない。だから、一度だけ、一度だけチャンスをくれないか?』
『わかったわ。その代わり条件があるの』
『うん! なんだ。何でも言う事聞くよ』
『農作業は一切やらない。家事もしない。同居もしない。その条件を全て呑んでくれるなら、戻るわ』
『ふざけるなーーーーーー!!!』
「これは、素晴らしい証拠だね。伊藤、自分で暴力振るってたって認めちゃってるね」
「ふふ。本当にどうかしてたわ、私。こんな男に10年も……。初恋マジックかしら?」
「本当に伊藤が初恋だったの?」
「どうだったんだろ? それも今となっては良くわからない」
「金で解決できるなら惜しみなく出すけどね。何せ僕は、『億』を味方に付けた男だからね」
「あいつにお金なんて一円たりとも払う気はないわ。結納金だって結婚式の費用に全額充てたのよ。返せなんてお角違いもいいとこでしょ」
『億』という金をチラつかせた所で、芙美はなかなか手に入らない。
当分は恋愛も結婚も考えたくないんだと。
僕はこうして一番近くで彼女を見守っていられるだけで幸せなんだ。
「今頃は、白菜やほうれん草、大根にニンジンの収穫で大変よ~」
芙美は眉をへの字に下げて、さも嬉しそうにそう言った。
「君は、本当によく頑張ったよ」
「へ?」
「好きな仕事でも搾取され続ける労働には、人は絶えられない物だよ」
僕は、彼女の小さな手を包み込んだ。
「よく10年も頑張ったと思うよ」
「大牙……」
彼女は僕の右手から、自分の左手をさっと抜き取った。
その手を胸の前でぎゅっと抱きしめるとこう言った。
「私、大牙が思ってるような女じゃないよ。頑張ったねって言われて、そんなんで気持ちが治まる事はないの」
そう言って、すっと立ち上がる。
「帰るね」
足元に置かれたバスケットからバッグとコートを取りあげた。
「ちょっと待って。ごめん、そういう意味じゃない」
「わかってる。でもね……」
「うん」
「私は終わらない。これで終わりにしたくない。ボロボロになっていく伊藤をこの目で見るまでは、私の人生は始まらない」
そう言って、背を向け入口に向かう。
僕はその手を強く掴んだ。
「僕だって同じだ。これで終わりなんて、誰が言った?」
彼女は今にも泣きそうな目で僕を見上げて、下唇を噛んだ。
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