主人公は魔法が使えないのである。

ハルビィン・オリバー編

第６話 ハルビィン・オリバー登場

「葉操りパーフェクトプラント。」

樹海に低い声が響き渡ると、プラッセの周りの蔦が伸びてきてプラッセの首を締める。

「なんだこれは‼ヤバい。死、ぬ、、、」
「火剣ファイアソード!!」

火属性の魔素マナを持つマーシアが火で作られた剣を使ってプラッセの首の蔦を切り裂く。

「ありがとう、マーシア。」
「なんだ人間じゃねぇか。魔物だと思ったのによ。」

木の影から一人の若い男が出てくる。

「なんでこんなとこ来てんだ人間がよ。」
「あんたがこの大釜山の仙人か?」
「俺のこと知ってんのか。そうだ。俺は大釜山の仙人、ハルビィン・オリバーだ。」
「仙人ってお前若すぎだろ。何歳だよ。」
「年齢か。考えたこともない。俺は年なんて数えてないからな。そんなことはどうでもいい。俺の縄張りに入ったお前達を今日の晩飯にしてやるよ。草操りパーフェクトプラント。」

プラッセの周りの蔦がプラッセに絡み付いて動けなくなる。

「はははっ。この山では俺には勝てない。呪草玉カースリーフショット!!」

身動きの取れないプラッセに巨大な紫の玉が直撃する。

「くそ、体か痺れる、、、」
「大丈夫か、プラッセ。」
「あぁ?なんで生きてんだ。ありえねえ。黒い虎でも一撃だぞ。何者だてめぇ。」

オリバーは汗を拭きながら叫ぶ。

「マーシア、周りの植物をできるだけ焼いてくれないか。道場の弟子が言っていたが、草操りパーフェクトプラントは近くに存在する植物しか操れないらしい。」
「よし、任せな。プラッセ、ギール、ちょっと飛んでな。超爆発スーパーボム!」

マーシアを中心に炎が広がっていき、周りの木々が燃えて灰になる。

「ちっ。やっぱ火属性はめんどくせぇな。お前から殺してやろう。」