15 / 79
王都エルメニスト編
第11話 エルメニスト学園の学校長
しおりを挟む
そしてプラッセとデネヒーはエルメニスト学園に着いた。
二人で来たのは年もさほど離れていないのでプラッセをデネヒーの友達として推薦するためだった。
しばらくすると黒のスーツをビシッと着たいかにも“できる男”みたいな人がプラッセ達を迎えた。
「これはこれは。ジョアン・デ・デネヒーさんですね。そして推薦されるのはこちらの男性ですね。」
「ええ。この学園にとってある意味とても貴重な存在になりますわ。」
「それは楽しみですね。それではこちらへお越しください。」
高そうな靴をコツコツ鳴らしながら歩く男の後をついて行く。
男がいきなり座り込みなにやら地面をいじっていると下から大きな扉が出てきた。さらにその扉の向こうには地下に繋がる階段があった。
「こちらです。段差が少し急なので慎重にお降りください。」
階段を下りて行くとそこには一人の老人が髭をさすりながら本を読んでいた。
「おっ、デネヒーくん。久しぶりじゃないか。クリストファーのとき以来か?とするともう10年にもなるな。」
「それだけこの世は平和になったってことですよ。それより、この子は私の友達で最近知り合ったんだけどね、なかなか興味深くてね。このエルメニスト学園なら信頼できると思って推薦入学を希望に来た。」
すると老人はまたしても髭に手を当てながら答えた。
「良いだろう。ただしここに集まるものは優秀な者ばかり。彼はそれなりの実力があるのかね。」
「ええもちろん。なにせ昨日まであのハルビィン・オリバーさんと喧嘩してたほどです。」
「本当か。それはなかなかなもんじゃな。だがやはり形式上入学試験はやっておかねばならん。もう魔法分野は飛ばしてしまって物理的運動分野だけで良いから後で試験させてもらおう。ちなみにこの学園のトップを誇り将来有望と呼ばれ、次の十戒の候補として噂されるグリム・フィッシュ君は物理的運動分野は満点だったよ。」
グリム・フィッシュの話などまるで聞かず、プラッセとデネヒーは魔法分野の試験がなかったことにほっとしていた。
「ではよろしく。私はこのエルメニスト学園の学校長、アーム・ゼネセストだ。」
「よろしく。俺はク、えっと、アルバート・プラッセだ。」
二人は握手を交わしたが、ゼネセストの目は確実にプラッセを睨んでいた。
「ごめんなさい。プラッセはあまり人馴れしてなくて敬語とか知らないの。」
「そうか。ならこの大学での生活でみっちり鍛えてあげよう。」
ゼネセストはニヤニヤして言った。
「じゃあ試験だ。着いてきてくれ。」
二人で来たのは年もさほど離れていないのでプラッセをデネヒーの友達として推薦するためだった。
しばらくすると黒のスーツをビシッと着たいかにも“できる男”みたいな人がプラッセ達を迎えた。
「これはこれは。ジョアン・デ・デネヒーさんですね。そして推薦されるのはこちらの男性ですね。」
「ええ。この学園にとってある意味とても貴重な存在になりますわ。」
「それは楽しみですね。それではこちらへお越しください。」
高そうな靴をコツコツ鳴らしながら歩く男の後をついて行く。
男がいきなり座り込みなにやら地面をいじっていると下から大きな扉が出てきた。さらにその扉の向こうには地下に繋がる階段があった。
「こちらです。段差が少し急なので慎重にお降りください。」
階段を下りて行くとそこには一人の老人が髭をさすりながら本を読んでいた。
「おっ、デネヒーくん。久しぶりじゃないか。クリストファーのとき以来か?とするともう10年にもなるな。」
「それだけこの世は平和になったってことですよ。それより、この子は私の友達で最近知り合ったんだけどね、なかなか興味深くてね。このエルメニスト学園なら信頼できると思って推薦入学を希望に来た。」
すると老人はまたしても髭に手を当てながら答えた。
「良いだろう。ただしここに集まるものは優秀な者ばかり。彼はそれなりの実力があるのかね。」
「ええもちろん。なにせ昨日まであのハルビィン・オリバーさんと喧嘩してたほどです。」
「本当か。それはなかなかなもんじゃな。だがやはり形式上入学試験はやっておかねばならん。もう魔法分野は飛ばしてしまって物理的運動分野だけで良いから後で試験させてもらおう。ちなみにこの学園のトップを誇り将来有望と呼ばれ、次の十戒の候補として噂されるグリム・フィッシュ君は物理的運動分野は満点だったよ。」
グリム・フィッシュの話などまるで聞かず、プラッセとデネヒーは魔法分野の試験がなかったことにほっとしていた。
「ではよろしく。私はこのエルメニスト学園の学校長、アーム・ゼネセストだ。」
「よろしく。俺はク、えっと、アルバート・プラッセだ。」
二人は握手を交わしたが、ゼネセストの目は確実にプラッセを睨んでいた。
「ごめんなさい。プラッセはあまり人馴れしてなくて敬語とか知らないの。」
「そうか。ならこの大学での生活でみっちり鍛えてあげよう。」
ゼネセストはニヤニヤして言った。
「じゃあ試験だ。着いてきてくれ。」
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。
過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。
神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。
静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。
作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。
伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。
「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」
誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。
ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。
誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
才能に打ち砕かれた日から、僕の最強は始まった
雷覇
ファンタジー
ワノクニ、蒼神流・蒼月道場。
天城蒼真は幼き頃から剣を学び、努力を重ねてきた。
だがある日、異世界から来た「勇者」瀬名隼人との出会いが、すべてを変える。
鍛錬も経験もない隼人は、生まれながらの天才。
一目見ただけで蒼真と幼馴染の朱音の剣筋を見切り、打ち破った。
朱音は琴音の命で、隼人の旅に同行することを決意する。
悔しさを抱えた蒼真は、道場を後にする。
目指すは“修羅の山”――魔族が封印され、誰も生きて戻らぬ死地へと旅立つ。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる