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王都エルメニスト編
第40話 予選終了!!(今回は長くなってしまいました。申し訳ございません。)
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Eブロックは特に面白い展開もなく観客たちもあまり盛り上がらなかった。
それは明らかに強くない生徒たちばかりで構成されたブロックだった。
もちろん誰かが意図してそうしたとかではなくたまたまそうなったのである。
残った5人も別に必然的ではなく誰がその5人になっても良かったのだがたまたまそうなった。
「残ったのは偶然にも全員水属性!5人とも血だらけになってなんとか勝利をものにしました!レークト・ジェミス、カプーラ・ローナ、ベスト・キーズ、ローケン・ジョニー、バスプ・トルクの5人が準々決勝進出です!」
5人の内一人目立つものがいた。パスプ・トルク。それはその人物自身についてではなくそのものの持つ武器についてである。
その武器は普通の人、おそらくトルク自身も、気がついてはいないだろうがウェルムやこの決闘祭を見に来ていた武器屋のバックラス・レメディオスも気がついていた。
ウェルムがウェルスに言った。
「あのパスプ・トルクって人が持ってる武器、南半球のカプス島でしか取れない后雨土が使われてるわ。どうやって手に入れたのかしら。」
「そうなのか?あれは普通の剣じゃないのか?」
「うん。后雨土が使われてるってことは水属性にもっとも適してて使い手によっては天気を操る事だってできちゃうと思うよ。」
ウェルスが首をひねった。
「そんなすごい武器持ってる奴があんなこんなレベルのブロックで苦戦するのか?」
「予想でしかないけど多分本人もあの武器の使い方とか知らないんだと思う。」
レメディオスもその武器を見てつぶやいた。
「エルメニストであの武器、ティエンポは売られているはずないのになぜ。輸入?いや、ティエンポを輸入することは不可能だ。カプス島は輸出できるほど外交技術もない。まさかカプス島出身、、、」
実況が言う。
「次は皆さんお待ちかねのフィッシュ選手の登場です。予選としては最後のFブロックとなります。選手の入場ですっ!!」
フィッシュが先頭として入場してくる。
すると観客達はまたフィッシュの名をコールし、拍手も起こる。
フィッシュ以外の選手達は気まずそうな顔をして申し訳なさそうに入場する。
「それではFブロック始めます!」
ゴングがなって一気に選手が動き出す。
フィッシュの背後から槍を持った男が走ってくる。
「正々堂々、正面から来いよ。」
フィッシュはその槍をさっと避けると腕に火属性の魔素をまとわせてその男の顔面に肘を打ち付ける。
「ああぁぁぁ。」
男は膝から崩れ落ちる。
「よっしゃいくぞぉ。」
フィッシュが一人倒して観客が歓喜の声をあげる中フィッシュが呪文を唱える。
「炎天!」
フィッシュを中心に炎の渦が広がって闘技場の半分以上の面積が炎になる。
そしてその熱さに30人ほどの選手が脱落する。
残った人はフィッシュと渦の外に出た連中と水属性の選手だけだった。
「あとちょっとだなぁどうしようかな。」
「フィッシュ、俺が水属性の奴らをぶっ潰してやるからよ。俺とこの予選だけでいいから同盟を組もうぜ。」
そう言葉をかけてきたのは学年2位の氷属性、フリミース・ロンダースだった。
「同盟なんてことしちゃあファンに嫌われちまう。」
「ファンを気にするか。まあお前らしいな。じゃあいいよ勝手にしな。俺は勝手に水属性を潰してるからフィッシュ、どっからでもかかってこい。」
ロンダースは数少ない浮遊魔法を使える生徒で高く飛び上から魔法を唱えた。
「氷片落。」
ロンダースの周りに巨大なつららのように尖った氷片が現れ水属性と思われる選手たちに落とされる。
「雨傘!」
そういった一人の少女、ウィリアム・ミーナは水滴の集まってできたような防御魔法によって降ってくる氷片を防ぐ。そしてそれ以外の水属性の4人が氷片に刺さって倒れる。
「ロンダースさん。ずっとあなたと戦いたかったの。大好きよ。」
ミーナはそういってウインクする。
ロンダースの弱点の一つ。それは美人な女性だった。
「水槍っ!!」
水属性の魔素をまとった大きな槍が反応の遅れたロンダースの腹を貫通し血しぶきを上げさせる。
観客はこんな状況でも盛り上がるから恐ろしい。
フィッシュが怒鳴る。
「っ!ロンダースのやつなんでよけねーんだよ馬鹿っ!」
「重症者、私が手当ていたします。」
それを見ていたウェルムが立ち上がって叫ぶ。
「彼を私の方へ。」
ウェルムのところにロンダースが運ばれる。
「水神の癒し。」
ウェルムの手から水色の光が出てきてそれがロンダースの腹に直射されるとその貫通した穴はすぐにふさがり元どおりになった。
「ありがとうございます。ウェルムさん。」
「どうしまして。フィッシュの手助け、ありがとう。」
観客は今、十戒のウェルム、ウェルスを生で見れたことで盛り上がっていた。
実況が叫ぶ。
「Fブロック終了です!動きのある試合でした!残った5名は我が学校主席、グリム・フィッシュ選手、そして我が学校の美女ウィリアム・ミーナ選手、そして雷属性ターケン・グァーディー、同じく雷属性レートンズ・バク、そして土属性、ファーブル・マーカーズとなります。準々決勝は明日行われます。予選を勝ち抜いた19名の選手は明日の午前10時に地下控え室にお集まりください。」
そのころ地下の控え室では予選敗北者たちが治療を受けながら話していた。
「俺、Aブロックだったけど一位はまじであの大男だと思う。みんなはただ召喚魔法使っただけだと思っただろうがあいつ、召喚魔法をしたあとでやばい魔法使ってきやがった。なんかいきなりとてつもない重りが背中にぶつかってくるみたいな。」
「うそっそれって極級魔法の重波じゃない?」
「まじかよ。魔術師とかやばいっしょ。」
「Dブロックのやつもやばかったぞ。あれはほんとにただの超爆発とかじゃなかった。あれはなぁ、、、」
それは明らかに強くない生徒たちばかりで構成されたブロックだった。
もちろん誰かが意図してそうしたとかではなくたまたまそうなったのである。
残った5人も別に必然的ではなく誰がその5人になっても良かったのだがたまたまそうなった。
「残ったのは偶然にも全員水属性!5人とも血だらけになってなんとか勝利をものにしました!レークト・ジェミス、カプーラ・ローナ、ベスト・キーズ、ローケン・ジョニー、バスプ・トルクの5人が準々決勝進出です!」
5人の内一人目立つものがいた。パスプ・トルク。それはその人物自身についてではなくそのものの持つ武器についてである。
その武器は普通の人、おそらくトルク自身も、気がついてはいないだろうがウェルムやこの決闘祭を見に来ていた武器屋のバックラス・レメディオスも気がついていた。
ウェルムがウェルスに言った。
「あのパスプ・トルクって人が持ってる武器、南半球のカプス島でしか取れない后雨土が使われてるわ。どうやって手に入れたのかしら。」
「そうなのか?あれは普通の剣じゃないのか?」
「うん。后雨土が使われてるってことは水属性にもっとも適してて使い手によっては天気を操る事だってできちゃうと思うよ。」
ウェルスが首をひねった。
「そんなすごい武器持ってる奴があんなこんなレベルのブロックで苦戦するのか?」
「予想でしかないけど多分本人もあの武器の使い方とか知らないんだと思う。」
レメディオスもその武器を見てつぶやいた。
「エルメニストであの武器、ティエンポは売られているはずないのになぜ。輸入?いや、ティエンポを輸入することは不可能だ。カプス島は輸出できるほど外交技術もない。まさかカプス島出身、、、」
実況が言う。
「次は皆さんお待ちかねのフィッシュ選手の登場です。予選としては最後のFブロックとなります。選手の入場ですっ!!」
フィッシュが先頭として入場してくる。
すると観客達はまたフィッシュの名をコールし、拍手も起こる。
フィッシュ以外の選手達は気まずそうな顔をして申し訳なさそうに入場する。
「それではFブロック始めます!」
ゴングがなって一気に選手が動き出す。
フィッシュの背後から槍を持った男が走ってくる。
「正々堂々、正面から来いよ。」
フィッシュはその槍をさっと避けると腕に火属性の魔素をまとわせてその男の顔面に肘を打ち付ける。
「ああぁぁぁ。」
男は膝から崩れ落ちる。
「よっしゃいくぞぉ。」
フィッシュが一人倒して観客が歓喜の声をあげる中フィッシュが呪文を唱える。
「炎天!」
フィッシュを中心に炎の渦が広がって闘技場の半分以上の面積が炎になる。
そしてその熱さに30人ほどの選手が脱落する。
残った人はフィッシュと渦の外に出た連中と水属性の選手だけだった。
「あとちょっとだなぁどうしようかな。」
「フィッシュ、俺が水属性の奴らをぶっ潰してやるからよ。俺とこの予選だけでいいから同盟を組もうぜ。」
そう言葉をかけてきたのは学年2位の氷属性、フリミース・ロンダースだった。
「同盟なんてことしちゃあファンに嫌われちまう。」
「ファンを気にするか。まあお前らしいな。じゃあいいよ勝手にしな。俺は勝手に水属性を潰してるからフィッシュ、どっからでもかかってこい。」
ロンダースは数少ない浮遊魔法を使える生徒で高く飛び上から魔法を唱えた。
「氷片落。」
ロンダースの周りに巨大なつららのように尖った氷片が現れ水属性と思われる選手たちに落とされる。
「雨傘!」
そういった一人の少女、ウィリアム・ミーナは水滴の集まってできたような防御魔法によって降ってくる氷片を防ぐ。そしてそれ以外の水属性の4人が氷片に刺さって倒れる。
「ロンダースさん。ずっとあなたと戦いたかったの。大好きよ。」
ミーナはそういってウインクする。
ロンダースの弱点の一つ。それは美人な女性だった。
「水槍っ!!」
水属性の魔素をまとった大きな槍が反応の遅れたロンダースの腹を貫通し血しぶきを上げさせる。
観客はこんな状況でも盛り上がるから恐ろしい。
フィッシュが怒鳴る。
「っ!ロンダースのやつなんでよけねーんだよ馬鹿っ!」
「重症者、私が手当ていたします。」
それを見ていたウェルムが立ち上がって叫ぶ。
「彼を私の方へ。」
ウェルムのところにロンダースが運ばれる。
「水神の癒し。」
ウェルムの手から水色の光が出てきてそれがロンダースの腹に直射されるとその貫通した穴はすぐにふさがり元どおりになった。
「ありがとうございます。ウェルムさん。」
「どうしまして。フィッシュの手助け、ありがとう。」
観客は今、十戒のウェルム、ウェルスを生で見れたことで盛り上がっていた。
実況が叫ぶ。
「Fブロック終了です!動きのある試合でした!残った5名は我が学校主席、グリム・フィッシュ選手、そして我が学校の美女ウィリアム・ミーナ選手、そして雷属性ターケン・グァーディー、同じく雷属性レートンズ・バク、そして土属性、ファーブル・マーカーズとなります。準々決勝は明日行われます。予選を勝ち抜いた19名の選手は明日の午前10時に地下控え室にお集まりください。」
そのころ地下の控え室では予選敗北者たちが治療を受けながら話していた。
「俺、Aブロックだったけど一位はまじであの大男だと思う。みんなはただ召喚魔法使っただけだと思っただろうがあいつ、召喚魔法をしたあとでやばい魔法使ってきやがった。なんかいきなりとてつもない重りが背中にぶつかってくるみたいな。」
「うそっそれって極級魔法の重波じゃない?」
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