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第14話 閑話 フェルタニアの聖女
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連続ですが第三者視点です。 ローズ視点。
なお、閑話(主人公以外の視点予定)は基本的にコメディ仕様ではありません。
作品傾向がコメディですが、ご了承ください。
------------------------------------------------------------------------
ローズティアラ・ヴォルスング公爵令嬢は
地球で生きていた少女の記憶を持って生まれた転生者である。
彼女は考えていた。
この世界とこの世界によく似たゲームのことを。
そう、この世界は彼女が前世で
遊んでいたゲームによく似ていたのである。
前世の記憶によれば、
そのゲームにおけるフェルタニアの聖女というのは、ラスボスである。
フェルタニアの聖女は
この世界に聖女として召喚されたものの、
この世界に絶望し、
その心の隙を邪神につけいれられ、邪神の使徒となり、
この世界を滅ぼすために力を奮う、邪神の聖女である。
これがゲーム内におけるフェルタニアの聖女の立ち位置だ。
なお、ラスボスとしての性能は難易度極悪で、
裏ボスの邪神より強いといわれる位だ。
その理由として戦闘AIが潰せる奴を効率的に潰せ、
という殺意の恐ろしく高いAIなのだ。
パーティメンバーの残HP、装備等からの耐久力、
およびかかっている支援効果から逆算し、
ほとんどのターンで一人は確殺の攻撃を行ってくる。
仲間のHPが減っており
二人を同時に倒せる状況下なら100%二人を倒しに来る。
さらに聖女の名を冠するだけあるのか、
HPが25%を切るとHP全回復魔法も優先的に使ってくる。
ラスボスがベ○マを効率的に使ってくるということである。
さらにたまに強制先手で物理反射or魔法反射まで用いてくるので、
高レベルでも事故る。
対策手段は、二人以上確殺できる状況だと
どんなことよりも優先で攻撃を行ってくるのを利用する。
つまり、HPが25%を切ったら、
仲間を犠牲にしていき時間を稼ぎ
残りは火力でごり押すという方法を取って倒すのだ。
殺意の高さを逆手に取る攻略法である。
「そもそもおかしいのよね、
彼女の浄化の力はそんなに強いものではないし、
あそこでグラナキアにさらわれるはずだったもの…」
魔将軍グラナキアは魔王の側近であり、
四天王の上に位置する、戦力的には魔王軍のNo2だ。
その隔絶した力は人間では英雄クラスで無い限り
太刀打ちすることすらできない。
事実、人間の中では最強クラスである
フェルタニア国王にして
剣王と呼ばれるアーサー王でさえ、勝てないのだ。
雑兵がいくら集ったところで勝てはしない。
ゲームでも、終盤でようやく倒すことになる相手だ。
誘拐を阻止するべく私もあの場にいたが、
なす術なく眠らされてしまった。
私が気が付いたときには全てが終わっていた。
何があったのか、まるで分からない、
えぐれた床や破壊された壁、
山頂の無くなった山だけが
その戦いの壮絶さを物語っていた。
そもそも、できることなら、
彼女の召喚そのものを阻止したかった。
しかし、聖女の召喚を行わなければ、
瘴気により世界が滅びるのは目に見えた結果だ。
残念ながら止めることはできなかった。
また、フェルタニアの召喚陣は数十~百数十年かに1回、
自動的に異世界から浄化装置として
聖女を呼び出す機能も持っており、
もし、任意召喚の阻止ができても
物語の強制力等が働き、
聖女が呼び出された可能性が高い。
さらに、その召喚陣は古代の神の技術で作られており、
破壊することもできない。
私にできる残された手段は、
彼女の闇落ちを防ぐために行動することくらいだ。
「でも、思っていたのと違うのよね」
目の前にいる元気で明るくお金のことをよく気にする、
ちょっとお馬鹿な聖女を見ながら一人ごちる。
茜坂 光姫、名前からも分かるとおり、
また、ゲームの設定でも地球の日本から呼び出された転移者だ。
アーサー様や、ランスロット様は誤解しているかもしれないが、
この世界ではともかく、地球では金は高価な金属であり、
彼女は単純に報酬にお金が欲しいと言っただけなのだろう。
宝石や装飾品と言わず、
換金しやすそうな金を選んでいた。
そこから推測されるのは、
彼女が地球へ帰ることを諦めていないということだ。
ゲームでは、完全に元の世界へ
帰ることを諦めているようだった。
そもそも彼女が絶望した経緯は
ゲーム中ではあまり語られていないため
まだ、何かあるのかもしれないし、
私も全てを覚えているわけではないため、
見逃しているのかもしれない。
子犬をなでて幸せそうな表情をしている彼女、
私のことを友人と呼んでくれた彼女を見て、
私は光姫を絶対に邪神の誘惑から守ってみせると誓った。
いまや私の故郷となった、この世界を救うためにも。
『私達の幸せを奪ったのはお前達だ。
私は絶対に許しはしない、
父を、母を、弟を、妹を、戦友を
私から奪ったお前達を、この世界を。
…お前達だけが幸せになるなど、認めない。
たとえこの身が朽ち果てても、
未来永劫呪ってやる。幸せになどさせるものか。
・・・が犠牲にならなければ救えない世界だというのなら、
滅んでしまえ、こんな世界。アハハハハハハハハ。』
最期にそう言い残し、
彼女は狂気に満ちた笑い声とともに火口にその身を落とす。
そして、世界は滅亡から救われることになる。
この世界によく似たそのゲームは
終末世界-エンドオブワールド- ~邪神の聖女~
そんな名前だった。
なお、閑話(主人公以外の視点予定)は基本的にコメディ仕様ではありません。
作品傾向がコメディですが、ご了承ください。
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ローズティアラ・ヴォルスング公爵令嬢は
地球で生きていた少女の記憶を持って生まれた転生者である。
彼女は考えていた。
この世界とこの世界によく似たゲームのことを。
そう、この世界は彼女が前世で
遊んでいたゲームによく似ていたのである。
前世の記憶によれば、
そのゲームにおけるフェルタニアの聖女というのは、ラスボスである。
フェルタニアの聖女は
この世界に聖女として召喚されたものの、
この世界に絶望し、
その心の隙を邪神につけいれられ、邪神の使徒となり、
この世界を滅ぼすために力を奮う、邪神の聖女である。
これがゲーム内におけるフェルタニアの聖女の立ち位置だ。
なお、ラスボスとしての性能は難易度極悪で、
裏ボスの邪神より強いといわれる位だ。
その理由として戦闘AIが潰せる奴を効率的に潰せ、
という殺意の恐ろしく高いAIなのだ。
パーティメンバーの残HP、装備等からの耐久力、
およびかかっている支援効果から逆算し、
ほとんどのターンで一人は確殺の攻撃を行ってくる。
仲間のHPが減っており
二人を同時に倒せる状況下なら100%二人を倒しに来る。
さらに聖女の名を冠するだけあるのか、
HPが25%を切るとHP全回復魔法も優先的に使ってくる。
ラスボスがベ○マを効率的に使ってくるということである。
さらにたまに強制先手で物理反射or魔法反射まで用いてくるので、
高レベルでも事故る。
対策手段は、二人以上確殺できる状況だと
どんなことよりも優先で攻撃を行ってくるのを利用する。
つまり、HPが25%を切ったら、
仲間を犠牲にしていき時間を稼ぎ
残りは火力でごり押すという方法を取って倒すのだ。
殺意の高さを逆手に取る攻略法である。
「そもそもおかしいのよね、
彼女の浄化の力はそんなに強いものではないし、
あそこでグラナキアにさらわれるはずだったもの…」
魔将軍グラナキアは魔王の側近であり、
四天王の上に位置する、戦力的には魔王軍のNo2だ。
その隔絶した力は人間では英雄クラスで無い限り
太刀打ちすることすらできない。
事実、人間の中では最強クラスである
フェルタニア国王にして
剣王と呼ばれるアーサー王でさえ、勝てないのだ。
雑兵がいくら集ったところで勝てはしない。
ゲームでも、終盤でようやく倒すことになる相手だ。
誘拐を阻止するべく私もあの場にいたが、
なす術なく眠らされてしまった。
私が気が付いたときには全てが終わっていた。
何があったのか、まるで分からない、
えぐれた床や破壊された壁、
山頂の無くなった山だけが
その戦いの壮絶さを物語っていた。
そもそも、できることなら、
彼女の召喚そのものを阻止したかった。
しかし、聖女の召喚を行わなければ、
瘴気により世界が滅びるのは目に見えた結果だ。
残念ながら止めることはできなかった。
また、フェルタニアの召喚陣は数十~百数十年かに1回、
自動的に異世界から浄化装置として
聖女を呼び出す機能も持っており、
もし、任意召喚の阻止ができても
物語の強制力等が働き、
聖女が呼び出された可能性が高い。
さらに、その召喚陣は古代の神の技術で作られており、
破壊することもできない。
私にできる残された手段は、
彼女の闇落ちを防ぐために行動することくらいだ。
「でも、思っていたのと違うのよね」
目の前にいる元気で明るくお金のことをよく気にする、
ちょっとお馬鹿な聖女を見ながら一人ごちる。
茜坂 光姫、名前からも分かるとおり、
また、ゲームの設定でも地球の日本から呼び出された転移者だ。
アーサー様や、ランスロット様は誤解しているかもしれないが、
この世界ではともかく、地球では金は高価な金属であり、
彼女は単純に報酬にお金が欲しいと言っただけなのだろう。
宝石や装飾品と言わず、
換金しやすそうな金を選んでいた。
そこから推測されるのは、
彼女が地球へ帰ることを諦めていないということだ。
ゲームでは、完全に元の世界へ
帰ることを諦めているようだった。
そもそも彼女が絶望した経緯は
ゲーム中ではあまり語られていないため
まだ、何かあるのかもしれないし、
私も全てを覚えているわけではないため、
見逃しているのかもしれない。
子犬をなでて幸せそうな表情をしている彼女、
私のことを友人と呼んでくれた彼女を見て、
私は光姫を絶対に邪神の誘惑から守ってみせると誓った。
いまや私の故郷となった、この世界を救うためにも。
『私達の幸せを奪ったのはお前達だ。
私は絶対に許しはしない、
父を、母を、弟を、妹を、戦友を
私から奪ったお前達を、この世界を。
…お前達だけが幸せになるなど、認めない。
たとえこの身が朽ち果てても、
未来永劫呪ってやる。幸せになどさせるものか。
・・・が犠牲にならなければ救えない世界だというのなら、
滅んでしまえ、こんな世界。アハハハハハハハハ。』
最期にそう言い残し、
彼女は狂気に満ちた笑い声とともに火口にその身を落とす。
そして、世界は滅亡から救われることになる。
この世界によく似たそのゲームは
終末世界-エンドオブワールド- ~邪神の聖女~
そんな名前だった。
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