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第六章:扶桑騒乱
第28話 平穏な道中
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「姫、それ以上はなしだ、いいな?」
「そうだね、知られたくない事は誰にでもある」
「そうね、無理矢理するべきじゃないわ」
富貴が最初に吉比姫を止め、追従するようにマトイそして、ずっと無言だったユイがぼそりと呟いてエストックから手を放す。
「えっと、吉比姫さん? ……気に入らないなら、僕達は全員辞退します。この事は、誰にも話さない――そう契約してもいいです。何なら、ギルドも交えて書類でも書きますか?」
「……みなさん?」
続いてチャンスはまじめな顔で吉比姫に依頼の辞退と依頼内容の口外をしない約束をする。
エリザベートだけがなぜ自分の味方をしてくれるのかわからず戸惑ったように声を出す。
「……ふむ」
その様子を見て吉比姫はまた袖で口を隠して何か考えるような仕草をする。
「とんでもない、是が非でも受けてもらおう。ただ、信じて欲しいのは吾達はアメノハバキリを【あるべき場所に戻す】ということじゃ。その理由に関しては、そちらのエリザベートにも心当たりはあるじゃろうて」
「……でしょうね」
吉比姫はチャンス達を護衛として雇い入れ、そしてアメノハバキリといわれる短刀を大切に絹布に包めば元の場所に戻すのが目的であるとエリザベートに意味深な視線を送る
「吾達は語らぬ腹を持つ同士。この剣の縁で結ばれたのじゃ。これ以上、言葉の必要のない信頼があるか? この賭け、実に良い!」
からからと口元を隠しながら笑う吉比姫。
「で、この面子で旅をするのね?」
「うむ、この面子でフソウを目指す」
ユイが話がまとまったのを確認するように吉比姫に問いかけ、吉比姫はユイに向かって頷く。
「ま、よろしく頼む。チャンス、でいいよな? 俺は富貴でいいぜ? 堅苦しいのは苦手だからさ。いやー、女ばっかのチームだったから同性がいると気が休まるよぉ」
「あ、こっちこそ、よろしく」
富貴は同性の旅仲間ができたことがうれしいのか、チャンスに握手を求めてくる。
チャンスも笑顔で答えて、握手をする。
「ところで日程は?」
「うむ、まずは陸路でスオウと交易をしているムスタファーを目指す。そこから船に乗って出島のフソウへ向かう。襲撃があるとしたら船に乗るまでの間じゃな」
マトイが旅の日程を聞いて吉比姫は大まかな旅の日程と、襲撃の可能性を説明する。
この日は顔見せということでいったん解散し、長期の旅に備えた道具などそろえた後、吉比姫が持つ馬車でムスタファーを目指す。
セブンブリッジからムスタファーへは馬車で十日間ほどかかる。
チャンス達は街道沿いの宿場で休んだり、時には野宿してムスタファーを目指す。
道中野生動物やオルグの群れなどの襲撃があったがチャンス達の敵ではなかった。
野生動物やオルグを撃退していた時、吉比姫は戦闘に参加しなかった。吉比姫自身は自分は頭脳労働担当と言い、富貴も野宿の時に吉比姫は戦闘の才能が皆無とチャンス達に伝えている。
富貴はエリザベートと同じ素手戦闘の使い手で、エリザベートは剛拳と呼ばれる一撃必殺を主体にした流派、富貴は柔拳と呼ばれる素早い動きと連続攻撃などで相手を倒す流派だといっていた。
ユイは最初は無口な女性だと思っていたが、仲良くなると口数が多くなる。
料理の腕前がこのメンバーの中で追従を許さないほどダントツにうまい。
本人はちょっとひと手間いれただけ、おいしく食べてもらうのが当たり前といった感じと謙遜している。
戦闘ではエストックを使い、またユイが持つエストックは魔法の武器なのか、ユイのエストックで刺突した傷口には重度の火傷が発症していた。
「ううむ……奴の襲撃はなく、無事にムスタファーについたが……肝心のフソウ行の船がまだ来とらんとはのう……」
「せっかくだから、ちょいと骨休めしたらいいんじゃぁ?」
ナブー王国の東の果て、東大陸との交易の入り口といわれる港町ムスタファーにたどり着いたチャンス達一行は、ムスタファーからフソウへの往復船がまだムスタファーにたどり着いておらず足止めを食らっていた。
吉比姫は一刻も早くフソウへ向かいたいのかフソウ行の船を探すが、東大陸まで移動できる船はその定期便ぐらいなのか見つからずにいた。
富貴は焦る様子もなく、せっかくだから長旅の疲れを癒そうと宿を探し見つけてくる。
「せっかくだし、船が来るまでの間、ちょっと交代で観光したり、短期の依頼で路銀を稼いでこない?」
「富貴! 吾達はアマノハバキリを―――」
「俺は姫さんの傍にずっといるから。拳の誓いは破らないよぉ」
宿でくつろいでいると富貴が定期便が来るまでの間、ローテーションを組んで観光やギルドで短期の依頼で路銀を稼がないか提案してくる。
吉比姫は一刻も早くフソウに行きたいのか富貴に文句を言おうとするが、富貴が人差し指で吉比姫の口を塞ぎ、お互いの吐息が触れ合うほどの距離に顔を近づけて傍にいると伝える。
「ふっ、ふん! わっかっておるならいいのじゃ。富貴、貴様は吾の護衛であり、吾の拳であることゆめゆめ忘れる出ないぞ」
「もちろんだよぉ」
吉比姫は頬をリンゴのように赤く染めてそっぽを向く。富貴はそんな吉比姫の反応を見てにやにやしていた。
「拳の誓い?」
「んー……西の国の騎士の誓いに近いかな? まあ、俺は姫の護衛に命かけてる。それだけだよぉ」
チャンスが疑問を口にすると富貴はにこにこしながら拳の誓いの意味をざっくりと説明する。
「それよりも、せっかくだし、ローテーション組んで観光とかしたらぁ? フソウ行の定期船に乗ったらほとんど船室に閉じ込められるよぉ?」
富貴の提案で富貴と吉比姫、チャンスとユイ、マトイとカーミラ、それぞれ二組になって観光や短期の依頼を受けたりすることになった。
富貴と吉比姫は定期船以外にフソウ行がないか再度探し回り、マトイとカーミラは宿で休み、チャンスとユイは観光がてらにムスタファーの冒険者ギルドに顔を出すことにした。
「へえ、材料とかも土地が出るもんねぇ。冒険に出ちゃうと、こういうのは手早く済ませちゃうからなぁ」
チャンスとユイは食品市場と呼ばれる食料品を専門にした市場をぶらぶらと歩いている。
ユイは時折露天に足を止めて、見たこともない野菜などを手にとっては店主に調理の仕方など聞いたり、銅貨を渡して試食して、献立を考えたりしている。
「料理好きなの?」
「好きだよ。特に心込めて作った料理をおいしいって言って残さず食べてくれたときなんか最高よ」
チャンスが問えばユイは自分の手料理を食べてくれた誰かを思い出しているのか遠くを見ながら微笑む。
「それに料理って奥深いの。やってもやっても切りが無いって意味じゃ、武術と一緒かな? 日々、鍛錬と創意工夫! もちろん、基礎を固めた上でね」
「アハハ……頑張ればうまくなるかな?」
チャンスの料理の腕は下の下だった。一度ローテーションで料理担当したとき、満場一致で薪を集める係に任命され、二度と料理を担当することはなかった。
「正確には頑張らなきゃ上手くならないね?」
「アッハイ」
ユイは笑みを浮かべているが有無を言わさない迫力がった。チャンスはただ返事をするしかできなかった。
二人は市場を抜けてムスタファーの冒険者ギルドに訪れる。
ムスタファーの冒険者ギルドの外観は木造の二階建てで、右側に酒場、左側に宿屋が建っている。
入り口はスイングドアになっており、日に焼けた冒険者たちが仕事を求めてたむろしていた。
依頼掲示板付近には代読み職の人が待機しており、掲示板に近づいた冒険者に料金と読める言語を宣伝している。
依頼掲示板には港町らしく船の乗員、護衛、荷物の上げ下ろしといった日雇い系の依頼が並び、討伐や探索系の依頼は数えるほどしかない。
「あ、スオウ語で書かれてる依頼がある」
「どれどれ……ごめん、なんて書いてるの?」
ユイが依頼掲示板でスオウ語で書かれた依頼を見つけ指さす。チャンスは読んでみようと思ったがスオウ語は理解できなかったのか、ユイに読んでもらう。
「式神というスオウの魔法使いが使う召喚魔法を一般人でも使えるように調整した魔法の巻物を開発。本当に一般人でも使えるか魔法要素のない冒険者に実験の手伝いを依頼。数時間程度で終わって報酬も悪くないよ、受ける?」
ユイがスオウ語の依頼内容を読み上げて依頼書を手に取り、チャンスに受けるか聞く。
「そうだね……ちょっと興味あるし、拘束時間も短いなら受けてみようか」
二人は一般人にも使えるように調整したという式神の召喚実験の依頼を受けることにした。
「そうだね、知られたくない事は誰にでもある」
「そうね、無理矢理するべきじゃないわ」
富貴が最初に吉比姫を止め、追従するようにマトイそして、ずっと無言だったユイがぼそりと呟いてエストックから手を放す。
「えっと、吉比姫さん? ……気に入らないなら、僕達は全員辞退します。この事は、誰にも話さない――そう契約してもいいです。何なら、ギルドも交えて書類でも書きますか?」
「……みなさん?」
続いてチャンスはまじめな顔で吉比姫に依頼の辞退と依頼内容の口外をしない約束をする。
エリザベートだけがなぜ自分の味方をしてくれるのかわからず戸惑ったように声を出す。
「……ふむ」
その様子を見て吉比姫はまた袖で口を隠して何か考えるような仕草をする。
「とんでもない、是が非でも受けてもらおう。ただ、信じて欲しいのは吾達はアメノハバキリを【あるべき場所に戻す】ということじゃ。その理由に関しては、そちらのエリザベートにも心当たりはあるじゃろうて」
「……でしょうね」
吉比姫はチャンス達を護衛として雇い入れ、そしてアメノハバキリといわれる短刀を大切に絹布に包めば元の場所に戻すのが目的であるとエリザベートに意味深な視線を送る
「吾達は語らぬ腹を持つ同士。この剣の縁で結ばれたのじゃ。これ以上、言葉の必要のない信頼があるか? この賭け、実に良い!」
からからと口元を隠しながら笑う吉比姫。
「で、この面子で旅をするのね?」
「うむ、この面子でフソウを目指す」
ユイが話がまとまったのを確認するように吉比姫に問いかけ、吉比姫はユイに向かって頷く。
「ま、よろしく頼む。チャンス、でいいよな? 俺は富貴でいいぜ? 堅苦しいのは苦手だからさ。いやー、女ばっかのチームだったから同性がいると気が休まるよぉ」
「あ、こっちこそ、よろしく」
富貴は同性の旅仲間ができたことがうれしいのか、チャンスに握手を求めてくる。
チャンスも笑顔で答えて、握手をする。
「ところで日程は?」
「うむ、まずは陸路でスオウと交易をしているムスタファーを目指す。そこから船に乗って出島のフソウへ向かう。襲撃があるとしたら船に乗るまでの間じゃな」
マトイが旅の日程を聞いて吉比姫は大まかな旅の日程と、襲撃の可能性を説明する。
この日は顔見せということでいったん解散し、長期の旅に備えた道具などそろえた後、吉比姫が持つ馬車でムスタファーを目指す。
セブンブリッジからムスタファーへは馬車で十日間ほどかかる。
チャンス達は街道沿いの宿場で休んだり、時には野宿してムスタファーを目指す。
道中野生動物やオルグの群れなどの襲撃があったがチャンス達の敵ではなかった。
野生動物やオルグを撃退していた時、吉比姫は戦闘に参加しなかった。吉比姫自身は自分は頭脳労働担当と言い、富貴も野宿の時に吉比姫は戦闘の才能が皆無とチャンス達に伝えている。
富貴はエリザベートと同じ素手戦闘の使い手で、エリザベートは剛拳と呼ばれる一撃必殺を主体にした流派、富貴は柔拳と呼ばれる素早い動きと連続攻撃などで相手を倒す流派だといっていた。
ユイは最初は無口な女性だと思っていたが、仲良くなると口数が多くなる。
料理の腕前がこのメンバーの中で追従を許さないほどダントツにうまい。
本人はちょっとひと手間いれただけ、おいしく食べてもらうのが当たり前といった感じと謙遜している。
戦闘ではエストックを使い、またユイが持つエストックは魔法の武器なのか、ユイのエストックで刺突した傷口には重度の火傷が発症していた。
「ううむ……奴の襲撃はなく、無事にムスタファーについたが……肝心のフソウ行の船がまだ来とらんとはのう……」
「せっかくだから、ちょいと骨休めしたらいいんじゃぁ?」
ナブー王国の東の果て、東大陸との交易の入り口といわれる港町ムスタファーにたどり着いたチャンス達一行は、ムスタファーからフソウへの往復船がまだムスタファーにたどり着いておらず足止めを食らっていた。
吉比姫は一刻も早くフソウへ向かいたいのかフソウ行の船を探すが、東大陸まで移動できる船はその定期便ぐらいなのか見つからずにいた。
富貴は焦る様子もなく、せっかくだから長旅の疲れを癒そうと宿を探し見つけてくる。
「せっかくだし、船が来るまでの間、ちょっと交代で観光したり、短期の依頼で路銀を稼いでこない?」
「富貴! 吾達はアマノハバキリを―――」
「俺は姫さんの傍にずっといるから。拳の誓いは破らないよぉ」
宿でくつろいでいると富貴が定期便が来るまでの間、ローテーションを組んで観光やギルドで短期の依頼で路銀を稼がないか提案してくる。
吉比姫は一刻も早くフソウに行きたいのか富貴に文句を言おうとするが、富貴が人差し指で吉比姫の口を塞ぎ、お互いの吐息が触れ合うほどの距離に顔を近づけて傍にいると伝える。
「ふっ、ふん! わっかっておるならいいのじゃ。富貴、貴様は吾の護衛であり、吾の拳であることゆめゆめ忘れる出ないぞ」
「もちろんだよぉ」
吉比姫は頬をリンゴのように赤く染めてそっぽを向く。富貴はそんな吉比姫の反応を見てにやにやしていた。
「拳の誓い?」
「んー……西の国の騎士の誓いに近いかな? まあ、俺は姫の護衛に命かけてる。それだけだよぉ」
チャンスが疑問を口にすると富貴はにこにこしながら拳の誓いの意味をざっくりと説明する。
「それよりも、せっかくだし、ローテーション組んで観光とかしたらぁ? フソウ行の定期船に乗ったらほとんど船室に閉じ込められるよぉ?」
富貴の提案で富貴と吉比姫、チャンスとユイ、マトイとカーミラ、それぞれ二組になって観光や短期の依頼を受けたりすることになった。
富貴と吉比姫は定期船以外にフソウ行がないか再度探し回り、マトイとカーミラは宿で休み、チャンスとユイは観光がてらにムスタファーの冒険者ギルドに顔を出すことにした。
「へえ、材料とかも土地が出るもんねぇ。冒険に出ちゃうと、こういうのは手早く済ませちゃうからなぁ」
チャンスとユイは食品市場と呼ばれる食料品を専門にした市場をぶらぶらと歩いている。
ユイは時折露天に足を止めて、見たこともない野菜などを手にとっては店主に調理の仕方など聞いたり、銅貨を渡して試食して、献立を考えたりしている。
「料理好きなの?」
「好きだよ。特に心込めて作った料理をおいしいって言って残さず食べてくれたときなんか最高よ」
チャンスが問えばユイは自分の手料理を食べてくれた誰かを思い出しているのか遠くを見ながら微笑む。
「それに料理って奥深いの。やってもやっても切りが無いって意味じゃ、武術と一緒かな? 日々、鍛錬と創意工夫! もちろん、基礎を固めた上でね」
「アハハ……頑張ればうまくなるかな?」
チャンスの料理の腕は下の下だった。一度ローテーションで料理担当したとき、満場一致で薪を集める係に任命され、二度と料理を担当することはなかった。
「正確には頑張らなきゃ上手くならないね?」
「アッハイ」
ユイは笑みを浮かべているが有無を言わさない迫力がった。チャンスはただ返事をするしかできなかった。
二人は市場を抜けてムスタファーの冒険者ギルドに訪れる。
ムスタファーの冒険者ギルドの外観は木造の二階建てで、右側に酒場、左側に宿屋が建っている。
入り口はスイングドアになっており、日に焼けた冒険者たちが仕事を求めてたむろしていた。
依頼掲示板付近には代読み職の人が待機しており、掲示板に近づいた冒険者に料金と読める言語を宣伝している。
依頼掲示板には港町らしく船の乗員、護衛、荷物の上げ下ろしといった日雇い系の依頼が並び、討伐や探索系の依頼は数えるほどしかない。
「あ、スオウ語で書かれてる依頼がある」
「どれどれ……ごめん、なんて書いてるの?」
ユイが依頼掲示板でスオウ語で書かれた依頼を見つけ指さす。チャンスは読んでみようと思ったがスオウ語は理解できなかったのか、ユイに読んでもらう。
「式神というスオウの魔法使いが使う召喚魔法を一般人でも使えるように調整した魔法の巻物を開発。本当に一般人でも使えるか魔法要素のない冒険者に実験の手伝いを依頼。数時間程度で終わって報酬も悪くないよ、受ける?」
ユイがスオウ語の依頼内容を読み上げて依頼書を手に取り、チャンスに受けるか聞く。
「そうだね……ちょっと興味あるし、拘束時間も短いなら受けてみようか」
二人は一般人にも使えるように調整したという式神の召喚実験の依頼を受けることにした。
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