2 / 8
竜骨座のおはなし
しおりを挟む
星の海を旅する竜がおりました。
竜は時折お気に入りの小さな星で羽根を休めます。
降り立つ度に、星の景色は変わっています。
竜の旅は遠く長く、同じ場所を通りかかっても100年や200年は経っていることがほとんどです。
ある時星に降り立つと、一匹のうさぎが暮らしていました。
「ようこそお客人」と竜をもてなします。
竜とうさぎはお茶をして、語らい、一緒に休みます。
しばらく仲良く暮らしていましたが、竜はまた旅立たなくてはなりません。
次訪れる時には、うさぎはもういないことでしょう。
残念な気持ちを抱えて竜はうさぎにおやすみのあいさつをしました。
翌朝、小さな星は穴だらけになっていました。
「これはなんだい?」
「重たい土をどけて、星を船にしたんだ。」
うさぎは胸を張ります。
穴ぼこだらけで軽くなった星は、母星を離れて星の海を漂いだしました。
ゆっくり漂う星に、竜は寄り添います。
「オールも作ったよ」
うさぎは星から掘り出した巨大な骨で作った櫂を見せました。
「それでどこに行くんだい?」
「君のいるところさ」
竜は笑って、星の船の骨組みに手をかけました。
「ボクが曳いたほうが早いね」
竜が曳く船から、掘り出した土がどんどんこぼれていきます。
星の砂をまきながら、船は空の彼方に消えていきました。
骨組みだけになった船は、星座になって今も夜空を旅しています。
竜は時折お気に入りの小さな星で羽根を休めます。
降り立つ度に、星の景色は変わっています。
竜の旅は遠く長く、同じ場所を通りかかっても100年や200年は経っていることがほとんどです。
ある時星に降り立つと、一匹のうさぎが暮らしていました。
「ようこそお客人」と竜をもてなします。
竜とうさぎはお茶をして、語らい、一緒に休みます。
しばらく仲良く暮らしていましたが、竜はまた旅立たなくてはなりません。
次訪れる時には、うさぎはもういないことでしょう。
残念な気持ちを抱えて竜はうさぎにおやすみのあいさつをしました。
翌朝、小さな星は穴だらけになっていました。
「これはなんだい?」
「重たい土をどけて、星を船にしたんだ。」
うさぎは胸を張ります。
穴ぼこだらけで軽くなった星は、母星を離れて星の海を漂いだしました。
ゆっくり漂う星に、竜は寄り添います。
「オールも作ったよ」
うさぎは星から掘り出した巨大な骨で作った櫂を見せました。
「それでどこに行くんだい?」
「君のいるところさ」
竜は笑って、星の船の骨組みに手をかけました。
「ボクが曳いたほうが早いね」
竜が曳く船から、掘り出した土がどんどんこぼれていきます。
星の砂をまきながら、船は空の彼方に消えていきました。
骨組みだけになった船は、星座になって今も夜空を旅しています。
0
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる