求め続けたモノ

猫谷 一禾

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はじまり

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頭の中で今の自分の姿を想像してしまった。寝転がり、アルセに向かい足を広げて立てている。大事な所が丸見えだ。着ているものは申し訳程度に羽織が腰あたりに紐で引っかかっているだけだ。

(俺はっ……なんていう格好を!)

かあぁぁと羞恥心が襲ってきた。下半身を他人に大っぴらに広げて、そこを弄られている。これ以上の辱めは有ろうか。
膝をすり合わせようと内ももに力を入れる。しかしカナゲの足の間にはアルセがいるのだ、ただアルセを挟んだだけとなってしまう。

(どいて欲しい、恥ずかしい……今すぐ隠したい……だけど、だけど…嫌だなんて…言っていいのか?俺は……)

震える手を顔に当ててせめて顔だけでも隠す。一度目を逸らしてしまったアルセをもう一度見ることは出来なかった。カナゲの恥ずかしい尻の蕾に何度も濡れた指の感触がする。アルセは指が乾いては口に含み唾液まみれにしてまた蕾を擦り、時折押してくる。

(は、入ってきそうだ……胸とかアソコとか触るのは何となく分かるが……何故、そこを!?)

アルセがカナゲの膝裏に手をかける。グッと上に上げられカナゲの尻が天井に向かって開かれる。
急な動きにバランスを崩しそうになったカナゲは両手を床に着く。

「ひっやぁ!!」

ずっと我慢していたカナゲだったが、遂に抗議の視線を向けてしまう。そして見てしまった、カナゲをじっと見つめながら舌を出して蕾を舐めだしたアルセの瞳を。

「あ…………ぁ………ぁ…………」

(そんな、そんなそんな!)

言葉など出てくるはずもない。今まで生きていくだけで精一杯の人生、そんな所を舐められるなど微塵も考えたことが無い。

「な、な………な、ぜ……」

ハクハクと口ばかり動いて肝心の声が出せない。

「ぅわっ……ぁ…」

舌に力を入れてグッと中に入り込んできてしまった。その瞬間、瞳は合ったままだ。グニュグニュと器用に舌が動く、アルセの瞳は強く呼吸さえ満足に出来なくする。

(なぜこんな事に!?何が……何が悪かった?)

恐怖の中で驚愕し、困惑の渦に落とされる。カナゲはどうする事も出来なく、ただアルセによって蕾が柔らかくなっていく。やっと舌が離れて深い息を吐き出したカナゲの中に間髪入れず指が入ってきた。

「あっ!!」
「大分…柔らかくなってきたな」

スーと長い形の良い人差し指が根元まで入ってきた。蕾のなかで円を描かれ内壁を確認される。

「うぅ……う……」

(気持ち悪い…)

長い時間、撫でられ舐められ弄られ続けた蕾は軽く麻痺していて痛みは無かったが不快感は拭えない。

「ここ、そのうち気持ちよくなる場所だ」
「え?……気持ち……?」
「カナゲは無知なのだな……」

何故かアルセはとても満足そうに、そう言った。

「事を急性に進めるつもりは無い、長く楽しむのだからな…」

(は?……長く?)

目だけで微笑むと指を出し入れしてきた。新たな感覚に顔をしかめるカナゲ。アルセの目はもう微笑んでいなかった。探るような視線に変わっていたのだ。

(なんだ……さっきの目……何処かで……?)

クチュクチュ…

水っぽい音が部屋に響く。堪らなく恥ずかしい、駄目だと分かっているが身じろいでしまう。アルセは楽しそうに人の尻を弄り続ける。顔を歪めて目を閉じる、見ていられない。

「目を開けろ」

ピクリと肩が揺れる、カナゲの爪が床を引っ掻く。いつの間にかカナゲの口からは熱い息が吐き出されていた。長い時間蕾を弄られているのだ、変な気分になってもくる。

「目を開けろと言っている」

まぶたが重く感じる、抵抗している気持ちがあるからだ。目は開けられた、しかし口が引き結ばれる。

「反抗的な目をしている……カナゲ、お前は自分の立場が分かっているのか?」
「っは……はぃ……分かって……います…」
「なら、その反抗的な目は辞めろ」
「…………はい……」

(どうしろと言うのだっ!閉じても駄目、見ても駄目……喜び勤しめと言うのか!そんなこと……無理だっ!!)

「もう一度言おうか?理解ができていないお前に。お前…カナゲの命は元より全ては私のものだ。私のものをどうしようが私の自由だ。故にカナゲの身体を私の好きなように自由にする」
「わ、分かってます……俺の命を差し出しました……こ、心が……」

(もう、殺されても良い……)

「心が着いていかないのです……」

言い終わった途端に涙が溢れてきた。止めどなく目じりから流れ出て耳まで到達する。

「…………慣れろ」

アルセは無常にも言い放つ。

「ふん……泣き顔も……なかなか良い」

(その通りだ…この方に、俺の事情は関係ない。当たり前の話だ……あぁ……あの人たちは大丈夫か…詐欺などと…俺がもっと上手く稼げていたら…)

暗い何かに飲み込まれそうだ。

「今日は大して期待していない。ここ、もう少しやる。我慢はするな」
「はい……うっ……」

指の数が増えた、だんだん出し入れが早くなってきたようだ。生理的に声が漏れ出てしまう、それでも口を固く閉ざし言いつけを反して我慢をする。
その様子を楽しそうに見るアルセ。

「はっ……足を締めろっ」

膝と膝をグッとくっつけられる。横向きに転がされ素早く後ろから抱き込まれる、呆気にとられている間にアルセは自分の熱い分身をカナゲのももとももの間に差し入れてきた。
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