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はじまり
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しおりを挟むこれから毎日抱かれ続けるのだろうか
カナゲは身体の中にアルセの硬い熱を感じながら思う。出たり入ったりする熱はカナゲの身体をゆさゆさと揺らす。白く滑らかな足がアルセの両肩にのってつま先が揺れている。連日の刺激で身体は快感が大きくなり溺れていく。しかし心が冷えていく、自分はこんなに冷めた考えをしていただろうかとボンヤリ感じる。
(毎日って……よく出来るよな……)
いっそう奥にアルセの切っ先が叩きつけられた。
「うっ……あぅっ……ああぁ……」
ゾクゾクゾク、怖いほどの快感が身体の内側を走り回る。
「やっやぁっ!!……あ、あ……無理……やだぁっ」
動かない手を腕を何とか外そうと暴れる。外れないと分かっていても抗う事を辞められない。冷静だった考えもプツリと消え去った。
「外してっ!外してください!!ヤダヤダヤダ!…んんんぅっ……あ”……あ”……ぁ……」
荒く荒く息をする、あまりに抵抗するのでアルセも動きを止めて様子を伺う。カナゲは微かに震えていた。目が今までになく蕩けている。
「なんだ……これ……やだ……こわ、怖い……」
「深く感じる様になったのか……カナゲは縛られるのが好きなのか?」
「ちが……違います……駄目です…。今は、動かないで下さい……駄目、駄目です!」
「大丈夫だ。強烈な快感なだけだ……気持ち良いと認めて素直に感じれば良い」
お腹を撫でて最初はゆっくりと止めていた動きを再開する。
「かはっ……あ……ああぁあっ!……なに!?」
仰け反る身体を制御出来ない。もっともっととアルセを締め付けてしまう。目の前がチカチカと火花が散る。
「知らないっ!……はああ……あっ……止め……怖いよっ!……変、変に…な……るぅぅ……」
一心不乱に腰を打ち付けてくるアルセから汗が落ちてきた。括り付けられていた紐を解かれると腕を引かれアルセの上に座らせられた。腕は開放されたが両手は縛られたままで胸と胸がピッタリと密着した状態だ。後ろの蕾にはアルセが入ったまま、カナゲの体重分深くなった。ぎゅうぎゅうに抱きしめられて身動きができない。
「あ……あぁ……深い……奥…入り過ぎてます…」
「カナゲは奥が良いみたいだからな…はぁ」
腰と後頭部に手を添えられて隙間なく抱きしめられている。
「う……ふぅぅ……辛い……辛いです……」
カナゲは顎をアルセの肩に乗せてハフハフと息をする。腰に添えていた手で一纏めに縛られているカナゲの両手首を持ちその腕の間に頭を入れるアルセ。
(……これでは……俺が、首に……抱きついているみたいじゃないか……)
「はぁ……ははっ……カナゲ……身体がドンドンいやらしくなってきているな」
「なっ……あん……あ……はっ……はっ……くぅ…」
ゆさゆさ腰を揺すりながら後頭部に添えていた手でカナゲの胸の尖りを弄ってきた。
「奥を……つつくと……反応が1番良い」
「んぁっ……あっあっ…… あぁ……分かんないぃ」
「カナゲ…カナゲ……もっとだ…もっと…」
段々と激しさを増すアルセの動きに翻弄されるカナゲは甘い声を出すばかりになる。
「まっ……駄目ぇ……ああっん……来る……違う……これ、違うぅ……んぁっんぁっ……来ちゃうぅ!」
ビクンっガクガクガク
頭の中が真っ白になり激しく反り返る。
「はあん……あ……んっ……んんぅ……」
カナゲの激しい反応に気を良くしたアルセは一瞬止まったものの、直ぐに動き出す。
「ああぁっ!嘘っ……あ”あ”っ…駄目っ…むりぃ」
額をアルセの肩につけて頭振ったり、頭を反らして唾液が口から垂れるのも構わず舌をのぞかせ喘ぐ姿は扇情的でずっと見ていたくなる。
(狂うっ狂うぅ!!こんなの……)
カナゲは瞳に映っているものが認識できなくなってきた。アルセは止まらない、深く感じ出したカナゲをもっと落とす為にずっと絶頂の波から下ろさせない。
「はあ、はぁ……良いぞ……もっとだ……狂えっ」
「ああぁ……ああ……はあ……ふぁあ……んっ…」
「くっ……堪らないな……出すっ…」
身体の奥の奥で感じるねっとりとした熱。身体から全ての力が抜けてぐったりとアルセに寄りかかる。息を整えながら髪にキスが降る。目を開けているのがやっとなカナゲはゆっくりとベッドに横たえられた。
「カナゲの……身体は覚えが早いな」
腹を撫でられて気が付く、自分もいつの間にか出していた。最後の方は何が何だか、ずっと頂点にいるようで訳が分からなかった。まるで夢の中の感覚でポツリと呟くカナゲ。
「俺は……いつ……死ねますか……」
目の前には縛られたままの両手首。身体が重くどこまでもベッドに沈んで行きそうだ。
アルセがそっと近づきカナゲの肌を撫でながら耳元で言う。
「全て私のモノだ 自由に死ねると思うな」
心は動かないのに涙だけが頬を流れる。
「湯浴びに行く」
硬い声で言われた後の記憶は無かった。
次に気が付いた時は清潔なベッドの中で部屋は明るかった。隣には誰もいなく手を伸ばすとほのかに温もりを感じられた。
(もう、行ったのか……)
まるで気絶するように朝まで寝ていた。
(情婦、妾、愛人、愛玩人形、性奴隷……)
次から次と自分を卑下する単語が浮かび上がる。
(俺は……何なんだ……)
「失礼致します……」
控えめな声の後、ソロソロと扉が開いた。世話係のイチだった。
「あ、起きていらっしゃいましたか……旦那様からくれぐれも、様子を見るようにと申しつかっております」
「すみません……んんんっ」
声が上手く出なかった様子を見るとすかさず水を持ってくる。
「どうぞ、そのままで……何か食べられますか?」
「えーと……あの……大丈夫です…」
いたたまれなくなったカナゲは何とか起きようと上半身を起こす。
「う”っ…………」
低く唸ってしまったカナゲに慌ててイツが声をあげる。
「奥様っ!!」
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