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新たな事実
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「暗示……魔法……」
「はい、何者かが治癒者様を悪者に仕立てていると、そのように私は疑っているのですよ」
「えぇ??なんで!しかもそんなデカい範囲」
「そうなんですよ!範囲が巨大です。普通は無理です。しかも使い様の弟君の悪い噂を放置している王城…普通では考えられない魔法範囲…これは……相当な方が手を引いているとしか…」
「え…………マジ……」
望はゾクッと背筋が震えた。
(おいおい、マジかよ……なんだよそれ、そんなの俺が……)
「邪魔者って……」
「治癒者様!!それ以上は言ってはダメです。そんな事は口に出してはダメです」
キリリとした眼差しでガマズが止める。
(あんたさっきアウロンさんの事邪魔って…)
「いいですか?その答えにたどり着いてしまうのは仕方ありませんが…腑に落ちないことばかりです…何故なんでしょう…何かある筈なんです…なので私は治癒者様とここに来たかった」
「ぉー……なるほど…」
「調べましょう。私は疑問を晴らす為に、治癒者様は身を守る為に」
2人は力強く頷きあって自然と握手を交わした。
(あんたは俺の事守るつもりはねーのな。自分の身は自分で守れってか。特別扱いじゃないのは良いじゃんか)
望はニヤリと笑ってガマズの顔を見た。そしてハタと真顔に戻ると
「あれ?でも…だとしたら兄ちゃんは?」
「あぁ、使い様の事は別次元の存在として考えて下さい。我々のような者と同じに考えてはダメです」
「あ、そうですか…」
(ほら、やっぱり兄ちゃんと俺じゃ違うじゃんかよっ)
「あーそういえば、兄ちゃんは今どこに?」
「残念ながら詳しい場所は伺っておりません。私は使い様付きではないので。でも既に各地を回ってお力を発揮されていると聞きました」
「そうですか……それ、本当は俺もそんな感じでやれって事ですよね…」
「まぁ、大半の者がそう思っているでしょう…しかし今の状況では危険ではないかと私は個人的に推察しています」
「…………何か…怖いですね……」
「治癒者様には、是非とも怖がって頂きたいです。ここは王城ですよ!色んな腹積もりの猛者どもが集まって来ています。使い様は伝承などが数多く残っており対応がしっかりしているのですが、治癒者様はおとぎ話の様な存在なんです」
「おとぎ話……妖精ってことかよ」
「誰が何を言い出して治癒者様にとって良くない方向に向かうか分かりません。この一連の不遜な空気を作り出した者の狙いも定かではありませんし…望様個人に対してなのか、弟君という立場なのか、はたまた召喚の儀の不穏分子としてなのか……」
うーむ、と自分の考えに没頭してしまったガマズを置いといて望は書物を漁る事にした。
(しかしザ・秘密文書保有場所って感じ半端ねぇな…誰も立ち入れられないって割には埃とか積もってないし、流石魔法…魔術だっけ?)
「ガマズさんも俺の事は望って呼んで下さいよ。ずっと言おうと思ってたんですけど、タイミングが…やっぱり治癒者様って連呼されるとムズムズしますので……あの、聞いてます?」
しかしガマズは一度考え出したら止まらず周りの音が聞こえなくなってしまうタイプの様だった。
(こりゃ駄目だ、あとでもう一回言おう。今はほっとくに限るな)
その後も適当にパラパラと書物を手に取って内容を見てみるがサッパリ分からない。ループを掛けてもらった事により何が書いてあるか読めるが、内容が分からない。分かったとしてもそれが有益な情報かどうかが判断出来ない。
(んーこれガマズさんをこっち側に引き戻した方がいいのでは……)
そんな時、何気なく目に留まった一冊の本があった。他の書物同様に古びた雰囲気だが何か様相が違っていた。他より一回り小さいがそれだけではなく、何かが違って見えたのだ。
手に取った望は静電気のようなピリッとした感じがした。そして今までのように中身をパラパラと捲って確認してみた。
「やはり……最高権力者となると……しかし…」
ブツブツと独り言の止まらないガマズであったが流石に自分の思考の渦から出てきた。
「ん?治癒者様?どうされました?」
ガマズに背を向ける様に本を見ている望の雰囲気が緊張しているような気がした。興奮しながらも望の様子をチェックしていたガマズは、望が興味無さそうに色んな書物を手に取っていたのは感じていた。しかし今は一冊の本を一心不乱に見ているのだ。
「興味のある書物が見つかりましたか?」
「いや、これ……だって……」
背後からヒョイと望の手元を見たガマズもそれを目にしてピシリと固まった。
「ち、治癒者様…それは……」
いきなり望が他の書物を手に取り床に這いつくばった。一心不乱に見ていた小ぶりの本と本棚から出した書物、並べて捲り出しだ。
「あぁ!治癒者様!流石に床はダメですよ」
「これ、俺の勘違いじゃ無いよな…頭バカになってる訳じゃ無いよな?ガマズさんも見てみてよ、これさ、違うよな?」
「勘違い?とは……」
「これさ、文字がさ、違うよな?俺の見間違いじゃ無いよな?」
「え?えぇ……そうですね、此方と此方では文字が違いますね。残念ながら私でも解読不可能な文字です。見たことが有りませんね…流石立ち入り禁止の結界内の書物です」
「ガマズさん……俺、これ、読めちゃうんだよ」
「え!?」
「普通に読めちゃうんだよ……だってさ、これ、日本語だもん」
「はい、何者かが治癒者様を悪者に仕立てていると、そのように私は疑っているのですよ」
「えぇ??なんで!しかもそんなデカい範囲」
「そうなんですよ!範囲が巨大です。普通は無理です。しかも使い様の弟君の悪い噂を放置している王城…普通では考えられない魔法範囲…これは……相当な方が手を引いているとしか…」
「え…………マジ……」
望はゾクッと背筋が震えた。
(おいおい、マジかよ……なんだよそれ、そんなの俺が……)
「邪魔者って……」
「治癒者様!!それ以上は言ってはダメです。そんな事は口に出してはダメです」
キリリとした眼差しでガマズが止める。
(あんたさっきアウロンさんの事邪魔って…)
「いいですか?その答えにたどり着いてしまうのは仕方ありませんが…腑に落ちないことばかりです…何故なんでしょう…何かある筈なんです…なので私は治癒者様とここに来たかった」
「ぉー……なるほど…」
「調べましょう。私は疑問を晴らす為に、治癒者様は身を守る為に」
2人は力強く頷きあって自然と握手を交わした。
(あんたは俺の事守るつもりはねーのな。自分の身は自分で守れってか。特別扱いじゃないのは良いじゃんか)
望はニヤリと笑ってガマズの顔を見た。そしてハタと真顔に戻ると
「あれ?でも…だとしたら兄ちゃんは?」
「あぁ、使い様の事は別次元の存在として考えて下さい。我々のような者と同じに考えてはダメです」
「あ、そうですか…」
(ほら、やっぱり兄ちゃんと俺じゃ違うじゃんかよっ)
「あーそういえば、兄ちゃんは今どこに?」
「残念ながら詳しい場所は伺っておりません。私は使い様付きではないので。でも既に各地を回ってお力を発揮されていると聞きました」
「そうですか……それ、本当は俺もそんな感じでやれって事ですよね…」
「まぁ、大半の者がそう思っているでしょう…しかし今の状況では危険ではないかと私は個人的に推察しています」
「…………何か…怖いですね……」
「治癒者様には、是非とも怖がって頂きたいです。ここは王城ですよ!色んな腹積もりの猛者どもが集まって来ています。使い様は伝承などが数多く残っており対応がしっかりしているのですが、治癒者様はおとぎ話の様な存在なんです」
「おとぎ話……妖精ってことかよ」
「誰が何を言い出して治癒者様にとって良くない方向に向かうか分かりません。この一連の不遜な空気を作り出した者の狙いも定かではありませんし…望様個人に対してなのか、弟君という立場なのか、はたまた召喚の儀の不穏分子としてなのか……」
うーむ、と自分の考えに没頭してしまったガマズを置いといて望は書物を漁る事にした。
(しかしザ・秘密文書保有場所って感じ半端ねぇな…誰も立ち入れられないって割には埃とか積もってないし、流石魔法…魔術だっけ?)
「ガマズさんも俺の事は望って呼んで下さいよ。ずっと言おうと思ってたんですけど、タイミングが…やっぱり治癒者様って連呼されるとムズムズしますので……あの、聞いてます?」
しかしガマズは一度考え出したら止まらず周りの音が聞こえなくなってしまうタイプの様だった。
(こりゃ駄目だ、あとでもう一回言おう。今はほっとくに限るな)
その後も適当にパラパラと書物を手に取って内容を見てみるがサッパリ分からない。ループを掛けてもらった事により何が書いてあるか読めるが、内容が分からない。分かったとしてもそれが有益な情報かどうかが判断出来ない。
(んーこれガマズさんをこっち側に引き戻した方がいいのでは……)
そんな時、何気なく目に留まった一冊の本があった。他の書物同様に古びた雰囲気だが何か様相が違っていた。他より一回り小さいがそれだけではなく、何かが違って見えたのだ。
手に取った望は静電気のようなピリッとした感じがした。そして今までのように中身をパラパラと捲って確認してみた。
「やはり……最高権力者となると……しかし…」
ブツブツと独り言の止まらないガマズであったが流石に自分の思考の渦から出てきた。
「ん?治癒者様?どうされました?」
ガマズに背を向ける様に本を見ている望の雰囲気が緊張しているような気がした。興奮しながらも望の様子をチェックしていたガマズは、望が興味無さそうに色んな書物を手に取っていたのは感じていた。しかし今は一冊の本を一心不乱に見ているのだ。
「興味のある書物が見つかりましたか?」
「いや、これ……だって……」
背後からヒョイと望の手元を見たガマズもそれを目にしてピシリと固まった。
「ち、治癒者様…それは……」
いきなり望が他の書物を手に取り床に這いつくばった。一心不乱に見ていた小ぶりの本と本棚から出した書物、並べて捲り出しだ。
「あぁ!治癒者様!流石に床はダメですよ」
「これ、俺の勘違いじゃ無いよな…頭バカになってる訳じゃ無いよな?ガマズさんも見てみてよ、これさ、違うよな?」
「勘違い?とは……」
「これさ、文字がさ、違うよな?俺の見間違いじゃ無いよな?」
「え?えぇ……そうですね、此方と此方では文字が違いますね。残念ながら私でも解読不可能な文字です。見たことが有りませんね…流石立ち入り禁止の結界内の書物です」
「ガマズさん……俺、これ、読めちゃうんだよ」
「え!?」
「普通に読めちゃうんだよ……だってさ、これ、日本語だもん」
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