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一歩前進、そして暗雲
48★(ちょっとキツイかも)
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あれ?さっき迄、兄ちゃんと話してたはずなんだけど…ここ何処だ?街?今いる街か?
望は街の中を歩いていた。
おかしいな…身体が痛いんだけど…何だこれ
足が上手く上がらないほど重たい。
なんで歩いてんだ?俺…
とにかく前に進まなければ、焦燥感に襲われ必死に足を運ぶ。歩いている、その目の前がボヤける。
目を擦ろうとするも上手く腕が上がらない。自分の身体を動かせないのだ。
何だこれ…
どんどんボヤけて来て、それでも歩き続ける。と、急に目の前に人の後頭部が現れた。そして今度はだんだん身体が軽くなる。
お、自由に動く。なんだったんだよ。
望は自分の意思で足を止めた。目の前に現れた後頭部、その人物は歩き続け今は後ろ姿がハッキリ見えた。
あ、俺この人から出てきたんだ…
望は直感的に分かった。
ボロボロだな、この人。服とか…休めばいいのに…
先程までの焦燥感は消え失せ、今は穏やかな気分でいれた。しかし、遠くなっていく後ろ姿を見て悲しくなってくる。
あの人、ほっとけないよ。
急いで追いかけて話しかけてみる。
あの、大丈夫ですか?あの……あの!……あれ?あの~~…………これ、聞こえてない。あれ?俺、声が出せてない。何だこれ。
「いたぞっ!あそこだ」
後ろから声がして足音が近づく。振り返った望は自分をすり抜けて走っていく男達を見た。
は?へ?……え?………俺の事、すり抜けたぁ!?
え、え、俺死んだ?死んでの?
「追いついたぞっ!」
「辞めろっ!!嫌だ!!」
「嫌だーだって、可愛いねー。ほら捕まった」
「離せっ!離せよっ!」
「こっちおいで~。おい見られる前に行くぞ」
「嫌だっ嫌だっ!なんで俺がっ嫌だっ」
望をすり抜けた男達はボロボロの格好の男を捕まえ、どこかに連れて行ってしまった。
ちょ、あれヤバいだろっ
急いで追いかける望は見た事のある森に辿り着く。
この森って…
「やだっ!!助け…………」
森の中から助けを求める声がする。望は森に入るのを一瞬躊躇するが、意を決して中に入る。
森の中は陽の光が木に遮られ、薄暗かった。
漏れ聞こえてくる声を頼りに足を向ける。口を手で抑えられているのだろうか、くぐもった音だ。
何だよこれ。つか、アイツらどこだよ!
「大人しくしろよ」
割と近くから聞こえ、大きな木の後ろに回ったら男達がもめていた。
ボロボロの格好の男を地面に倒し、望の身体を通り抜けた男達3人が上から押え、のしかかっていた。
「んんっ!んう~~~」
「もう逃げられねぇって、諦めろよ。お前も楽しんだら良いだろ」
ニヤついた男達が暴れて抵抗するボロボロの格好の男の服を脱がしていく。
「暴れるなよ。脱がせねぇな…もぅいいや。弄りたいとこだけ触れりゃ良いさ」
望の目の前で人が襲われている。1人の男にまとわりつく男達の手、青ざめた顔の男が必死に抵抗している。ニヤつく男達…これは今から何が行われるか想像出来てしまった。
「んんん~~んんっ!!」
辞めろっ!!!辞めろよ!!!
どんなに叫んでも望の声は届かない。夢中で男達を引き剥がそうとするが、望の手はすり抜けてしまう。その瞬間にも男達の手は止まらない。
なんだよコレ!!畜生っ
男達の手は、襲われている1人の男の下腹部まで弄り、襲われている男の抵抗がいっそう酷くなる。3人の男達は興奮した様子で手だけでは飽き足らず、男の体を舐め回し始めた。
嘘だろ、嘘だろ、嘘だろ…こんな…
望は居てもたってもいられず、街に向かって走り出した。誰か1人でも自分の声が聞こえないか、助けを呼べないか。
誰か、誰かー!襲われてる。森で人が襲われてるんだ!助けてくれ!!頼む、助けてくれよ!!
我慢できなくて、泣きながら走る望だが誰も振り返ってくれない。望の声は誰にも届かない。どうにかして人に触れないか体当たりしてみるも、すり抜けてしまう。
クソっクソっクソっ!何でだよ!!
ここで手をこまねいていても何も出来ない。クシャクシャな顔で元来た森をもう一度目指す。走って叫んで、息が切れてもおかしくないのに望の体は全く平気だった。
どうなった??あの人、どうなっちゃった!?
怖いが森の中に入り、大きな木まで辿り着いた。その後ろからはすすり泣く声が聞こえ、耳障りな男達の下卑た声も聞こえてきていた。望は一度涙を腕で拭って足を進める。そして、目を覆いたくなるような場面を目撃する事となる。
あ…あぁ…………なんで……なんで……俺は何も出来ないんだ……見てるしか……出来ないなんて……
愕然と膝から力が抜けて、後から後から涙が頬を伝っていく。望の目の前で1人の男が、男達に犯されていた。泣きながら弱々しく抵抗している1人の男に群がる男達。その顔は興奮しきっていた。
気持ち悪いっ…嫌だ……こんなの……酷い。あんまりだっ!あんまりだよ……
地面に蹲り泣き続ける望。音も聞きたくなくて耳を塞ぐ。長いような短いような時間は過ぎ、男達は満足し、その場で談笑を始めた。望は顔を上げて様子を伺う。地面に倒れている1人の男から黒い靄が立ち上がり出した。
え?……うそ。あれって……
「はぁ………はぁ………クソッタレ。ははっ……今かよ。んだよ………それ……」
倒れている男が小さな声で喋っている。苦しそうに息をしながら、益々その身体からは黒い靄が立ち上っていく。談笑している男達は気が付かない。望は息を飲み込み、その様子を見続ける。
「死んじまえ……何もかも……壊れろ………。これが、魔力ってやつかよ……今頃………おせぇよ……ははっ……マジおせぇ……」
空気が変わった。
「なんで……俺が……くそ……全部、何もかも…壊れちまえ。この世界…全部……ぶっ壊れろ」
黒い靄はドンドン広がる
「人を恨むことしか出来ない魔力とか……まじウケる……ははっ……アイツらも、国も、全部、全部……苦しめば良い」
その瞬間黒い靄は意志を持って談笑していた男達を取り囲み、男達の叫び声が響いた。
「ははっ……はっ……壊れろよ……」
ゆっくり起き上がった男は暗い瞳で歪んだ笑顔をみせる。辺りは3人の男達の狂ったような叫び声が響き渡る。そして男達は叫びながら走って森を出ていく。その様子を黒い靄を漂わせながら男は見送る。
ドンドン黒い靄が辺りを充満していく。
「俺の人生クソかよ。ぜってぇ許さねぇ」
その言葉を最後に男の身体は黒い靄になり跡形もなく消え失せた。
望は街の中を歩いていた。
おかしいな…身体が痛いんだけど…何だこれ
足が上手く上がらないほど重たい。
なんで歩いてんだ?俺…
とにかく前に進まなければ、焦燥感に襲われ必死に足を運ぶ。歩いている、その目の前がボヤける。
目を擦ろうとするも上手く腕が上がらない。自分の身体を動かせないのだ。
何だこれ…
どんどんボヤけて来て、それでも歩き続ける。と、急に目の前に人の後頭部が現れた。そして今度はだんだん身体が軽くなる。
お、自由に動く。なんだったんだよ。
望は自分の意思で足を止めた。目の前に現れた後頭部、その人物は歩き続け今は後ろ姿がハッキリ見えた。
あ、俺この人から出てきたんだ…
望は直感的に分かった。
ボロボロだな、この人。服とか…休めばいいのに…
先程までの焦燥感は消え失せ、今は穏やかな気分でいれた。しかし、遠くなっていく後ろ姿を見て悲しくなってくる。
あの人、ほっとけないよ。
急いで追いかけて話しかけてみる。
あの、大丈夫ですか?あの……あの!……あれ?あの~~…………これ、聞こえてない。あれ?俺、声が出せてない。何だこれ。
「いたぞっ!あそこだ」
後ろから声がして足音が近づく。振り返った望は自分をすり抜けて走っていく男達を見た。
は?へ?……え?………俺の事、すり抜けたぁ!?
え、え、俺死んだ?死んでの?
「追いついたぞっ!」
「辞めろっ!!嫌だ!!」
「嫌だーだって、可愛いねー。ほら捕まった」
「離せっ!離せよっ!」
「こっちおいで~。おい見られる前に行くぞ」
「嫌だっ嫌だっ!なんで俺がっ嫌だっ」
望をすり抜けた男達はボロボロの格好の男を捕まえ、どこかに連れて行ってしまった。
ちょ、あれヤバいだろっ
急いで追いかける望は見た事のある森に辿り着く。
この森って…
「やだっ!!助け…………」
森の中から助けを求める声がする。望は森に入るのを一瞬躊躇するが、意を決して中に入る。
森の中は陽の光が木に遮られ、薄暗かった。
漏れ聞こえてくる声を頼りに足を向ける。口を手で抑えられているのだろうか、くぐもった音だ。
何だよこれ。つか、アイツらどこだよ!
「大人しくしろよ」
割と近くから聞こえ、大きな木の後ろに回ったら男達がもめていた。
ボロボロの格好の男を地面に倒し、望の身体を通り抜けた男達3人が上から押え、のしかかっていた。
「んんっ!んう~~~」
「もう逃げられねぇって、諦めろよ。お前も楽しんだら良いだろ」
ニヤついた男達が暴れて抵抗するボロボロの格好の男の服を脱がしていく。
「暴れるなよ。脱がせねぇな…もぅいいや。弄りたいとこだけ触れりゃ良いさ」
望の目の前で人が襲われている。1人の男にまとわりつく男達の手、青ざめた顔の男が必死に抵抗している。ニヤつく男達…これは今から何が行われるか想像出来てしまった。
「んんん~~んんっ!!」
辞めろっ!!!辞めろよ!!!
どんなに叫んでも望の声は届かない。夢中で男達を引き剥がそうとするが、望の手はすり抜けてしまう。その瞬間にも男達の手は止まらない。
なんだよコレ!!畜生っ
男達の手は、襲われている1人の男の下腹部まで弄り、襲われている男の抵抗がいっそう酷くなる。3人の男達は興奮した様子で手だけでは飽き足らず、男の体を舐め回し始めた。
嘘だろ、嘘だろ、嘘だろ…こんな…
望は居てもたってもいられず、街に向かって走り出した。誰か1人でも自分の声が聞こえないか、助けを呼べないか。
誰か、誰かー!襲われてる。森で人が襲われてるんだ!助けてくれ!!頼む、助けてくれよ!!
我慢できなくて、泣きながら走る望だが誰も振り返ってくれない。望の声は誰にも届かない。どうにかして人に触れないか体当たりしてみるも、すり抜けてしまう。
クソっクソっクソっ!何でだよ!!
ここで手をこまねいていても何も出来ない。クシャクシャな顔で元来た森をもう一度目指す。走って叫んで、息が切れてもおかしくないのに望の体は全く平気だった。
どうなった??あの人、どうなっちゃった!?
怖いが森の中に入り、大きな木まで辿り着いた。その後ろからはすすり泣く声が聞こえ、耳障りな男達の下卑た声も聞こえてきていた。望は一度涙を腕で拭って足を進める。そして、目を覆いたくなるような場面を目撃する事となる。
あ…あぁ…………なんで……なんで……俺は何も出来ないんだ……見てるしか……出来ないなんて……
愕然と膝から力が抜けて、後から後から涙が頬を伝っていく。望の目の前で1人の男が、男達に犯されていた。泣きながら弱々しく抵抗している1人の男に群がる男達。その顔は興奮しきっていた。
気持ち悪いっ…嫌だ……こんなの……酷い。あんまりだっ!あんまりだよ……
地面に蹲り泣き続ける望。音も聞きたくなくて耳を塞ぐ。長いような短いような時間は過ぎ、男達は満足し、その場で談笑を始めた。望は顔を上げて様子を伺う。地面に倒れている1人の男から黒い靄が立ち上がり出した。
え?……うそ。あれって……
「はぁ………はぁ………クソッタレ。ははっ……今かよ。んだよ………それ……」
倒れている男が小さな声で喋っている。苦しそうに息をしながら、益々その身体からは黒い靄が立ち上っていく。談笑している男達は気が付かない。望は息を飲み込み、その様子を見続ける。
「死んじまえ……何もかも……壊れろ………。これが、魔力ってやつかよ……今頃………おせぇよ……ははっ……マジおせぇ……」
空気が変わった。
「なんで……俺が……くそ……全部、何もかも…壊れちまえ。この世界…全部……ぶっ壊れろ」
黒い靄はドンドン広がる
「人を恨むことしか出来ない魔力とか……まじウケる……ははっ……アイツらも、国も、全部、全部……苦しめば良い」
その瞬間黒い靄は意志を持って談笑していた男達を取り囲み、男達の叫び声が響いた。
「ははっ……はっ……壊れろよ……」
ゆっくり起き上がった男は暗い瞳で歪んだ笑顔をみせる。辺りは3人の男達の狂ったような叫び声が響き渡る。そして男達は叫びながら走って森を出ていく。その様子を黒い靄を漂わせながら男は見送る。
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