Reborn(君のおかげ)

かずき

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マイナスからのスタート

骨が2、3本折れただけ

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なんて日なんだ。

 自殺しようとしていたらブス女に阻止され、ぶたれて、意味もなくファミレスに行き、同級生の女の子に揉めてるところを見られた。その後逃げようと思ったら最後に車に轢かれた。

 ははっ、笑えた。

 英加は病院のベッドの上にいた。

 左腕と肋骨が折れたらしい。先ほど緊急手術をして、これから数週間は入院しなければならないらしい。ギプスをつけた上、車椅子での移動だ。

 事故の後はしばらく気を失ってたから記憶がない。

 もう時刻は夕方の5時を回っていた。

 同室の患者は俺より年上ばかりで皆静かに横になって物思いにふけったり、雑誌を読んだりしている。

 俺のベッドの近くのテーブルの上にも誰かが置いてくれたものなのか、ファッション誌が置いてある。表紙に載っているモデルは俺が参加した美男子コンテストでグランプリを取った男だった。

 雑誌をゴミ箱に投げ入れ、ナースコールを押した。トイレもしたいしシャワーも浴びたい。看護師がきた後でまずは車椅子の乗り降りの方法を聞いた。
 自分一人では出来ない事があまりにも多い、その事実は今の英加には負担だった。

 男性看護師に介抱してもらいながら、なんとかシャワーを終えた。
 身体中が汗でベタベタしていて臭いもキツかったからすっきりした。

 自分のベッドに戻ると一人の女がいた。見たこともない女だ。女は化粧をしていて小綺麗な感じだ。

 『ああ、どうも、派手に轢かれたからビックリしたよ。。』

 目を見開いた。俺の自殺を止め追いかけましてきた女だった。
 それにしても雰囲気が全然違う。いくらさっきはすっぴんだとしても女は化粧でこんなに変わるのか。

 英加はショックを受けた。それと同時に化粧を恨んだ。

 女は気まずそうに下を向いていた。





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