Reborn(君のおかげ)

かずき

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マイナスからのスタート

マイナスからのスタート Part2

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 英加はハッとした。

 この女は今"生きたい"と言った。しかも、あんなに内気だったのに、今ではこんなに力強く頼り甲斐がある、そう思えた。

 なんだかこれまで偉そうにしてきたのが恥ずかしくなった。

 恐らく俺はこの女より一回りは歳下だろう。

 うーん、参ったなぁ...

 『ああ、そうだ、雑誌置いといてくれた?だとしたらもうあの雑誌はやめてくれ、大嫌いな奴が載ってたから。』英加が言う。

 女は少しぽかんとした後に、あー、あれね。と言った。

 『あれは君のお母さんがおいたんじゃない?』

 英加はしまった、と思った。母親にバレずに事を済ませたかったが、さすがに無理があったようだ。

 『わかった。とりあえずもう帰ってくれ、あとそんなに“生きたいんなら"これから死のうとなんてしないで頑張って生きてくれ!くれぐれも死ぬためには勇気はいるんだから安易に人の邪魔はもうしないでくれ。』英加が少しイライラして言う。

 女は少し寂しそうにした後に紙に何やら書いた。

 『私はあなたの意思に反してあなたの自殺を止め、生かせてしまっている。だから責任がある。しかもあなたは今はこんな身体だし、、必要な時はいつでも呼んで欲しい、力になる。』

 『いや、』と言いかけた時に女はさっと帰ってしまった。俺が冷たい事ばかり言うから返事を聞くのが怖ったんだろう。

 紙には11桁の数字が書いていた。彼女の字は繊細で丁寧で、なんだか彼女の性格を表しているようだった。
 
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