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18の扉 光の領域
限界空間に 在れる才能
しおりを挟む「成る程それは、君の才能だろうね。………私なんかは、意識してやってると思っていたけど。まあ確かに、君ならば本能でやっていたのも、納得できるな。」
「 才能。」
「そうだ。お前はずっと「理由は解らないけどこれ」とか言う出鱈目なやり方だったろう?別にそれでも使えていればそれでいいんだが、やはり不安定だ。自分でコントロールできる様になったなら、それは能力であり才能だろうな。」
「そうそう、君にとっても良いことな訳だしね。」
「 はい。」
「しかし、そうして口に出してくれると確かに興味深く、面白い。区画にもいい影響が出るだろうな。成る程?………そうだな 」
くるくると
「私を どうやって使おうか」
そんな考えを巡らせ始めた本部長は 置いておいて。
イストリアが用意してくれた、良い香りのお茶をゆっくりと飲みながら
「なんとなく変化している書斎」の景色を ぐっと浚ってゆく。
白く 大きな本棚に 幾つか「図書館の本」があること
乱雑だと思っていたその「並び」に
実は「区切り」「ジャンル」があること
部屋の中の「山」が「減ってはいない」が
「山でなく 塔レベルになっていること」。
イストリアが片付けている訳じゃ
ないんだろうけど。
そう思って、チラリと見る薄茶の瞳は私の言いたいことがわかっているのだろう
ぐるりと 部屋の中を見渡して。
「なんだか 感慨深い目」を している。
「 ?」
「…いやね、なにか、懐かしくなってしまったんだ。」
「 」
「勿論、感傷的なものではないんだよ?でもね、私もこの前ラピスへ行ってきたんだ。………そう。見てきたんだ、この子の家を。まあ、どちらかと言えば昔も「片付いている家」ではなかったろうが、その進行ぶりが凄くて笑ったよ。…ふふ、でも散らかしていたのはこの子の父親じゃなくて、私だけれどね。」
「 えっ、そうなんですか?意外 」
「研究者なんてそんなものさ。まあ、これは言い訳だがね。…うん、そう、あそこは一応「店」だから。私も一人だったし、落ち着いて保てていたんだろう。余裕ができたとでも、言えばいいか。そう思うとやはり、ラピスにいた頃は肩肘張っていたんだろうね。」
「 ねば ならない。」
「そう。「母親」「新しい土地」「故郷の柵」「家の中の女の役割」。今思えば、私に合うものなんて「新しい土地」くらいか。結局余波が及ばない様に、離れた訳だけれどももう少し思慮深かったらね。寂しい思いをさせることもなかったろうが。」
「でも」と 「出そうな言葉」を 飲み込んで。
「ずっと前に 自分が言った「しかしその結果が最善」」それが
未だ変わっていないことをぐるり、スペースで展開し
いつの間にか奥の小部屋へ消えている本部長のいろを追う。
うん そうですよね
ふふ
「それ」をいつか。
いや、「いつか」って言うか 「今」。
「お母さん」に 言えると
もっといいんです けど ? ?
「フフ」
そんな「私達のエアーやり取り」を 見て。
「なかみ」を察したであろう、イストリアがニコニコと頷きながら
「わかっているよ」の気配を乗せてくるから 面白い。
そう
私は「珍しく本部長がこちらに意識を向けているのに気付いていて」
「そして 彼の言いたいこと」
「それに私が返す内容」
「そして それに対しての彼の反応」
そこまで展開していて
「見えていなくとも それが事実のを知っている」。
そしてまた
「それをよく知る」彼女が 暖かい色を重ねてきて
その「流れる様な自然のハーモニー」が。
なんだかとても 心地良くって
興味深いんだ。
そしてその「いろの重なり」を 楽しんでいると。
話は転がり、最近私が本部長に頼んで作ってもらった、「アイテム」の話に なる。
「 ふむ。」
「で?君からの要望は、あの棒を増やして欲しいんだったか。」
「あっ、 そうなんです。増やすというか? 高さが違うのが欲しくて 」
「あれはしかし、確かに面白いね。簡単だが、難しい。その、自分の感覚をやってみて試す、というのはとても良い方法だね?」
「 そうなんですよ。なんせ、必要なのは「勇気と自分への信頼だけ」ですから。」
必要なのは 「勇気と信頼」
その「アイテム」とは。
しかし実際、それはそう大層なものではなく
「体改善計画」の為に 自分が欲しくて作ってもらった「鉄棒」の話である。
そう 実際 私は
「体調」は良いのだけれど
「体質」は 体が硬かったり
持久力がなかったりするので
「手軽にできる運動はないかな?」と思って。
それなら、と 幼少期に得意だった鉄棒を作ってもらう事を思い付いた。
鉄棒ならば、問題は強度だけだし その辺りは本部長とレシフェならば問題ない。
そして流石に道端に作る訳にもいかないので
子供達にも丁度いいと、造船所内に作ってもらったのである。
そして その「鉄棒効果」は意外なところにあって。
「私が逆上がりができなくなっていること」に自分で驚いて練習していると、子供達は勿論興味津々でやりたがった。
そうして一番簡単な「前回り」を教えている時に。
「ああ これが「自分の中の壁なんだ」」と。
私がみんなに、観せてもらったので ある。
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