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次の日も

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「おはよう」
「おはよ。」

うん?

フツーに挨拶したけど

俺 い き て る

マジ?

甘いのに溺れて死んだんじゃないの?

ええ~~~~

何だかちょっと ざんねん♡

でも

でもでも

生きてるって事は また

またまた

あの甘いのを 甘く 甘い あの

あれを あれしてもいいって

こと?

そうなん??


「影。」
「ん」
「あの、俺のあれは?」
「あっち」
「マジか。」

帰ってきてくれたの????????

ウソ 緊張する!

てか、昨日の、夢じゃないってこと?

ウソ 恥ずかし マジ 恥ずかし

俺の あいのこくはく

聞いちゃったって こと?

ことなの????
マジで???

やだ どうしよ しかし イソイソと着替える俺

甘いのに溺れた所為か 何だか元気

緊張するけど


開けずにはいられないその扉 さて 隣には

いるのか いないのか


いやここまできて居なかったらそーとー凹むわ
神様 お願い 
しかし魔女?の事お願いして 神様聞いてくれんのか

まあいい よし 開けるぞ?影 いいか

「いいか?本当にいいか?」
「うん」
「お前さぁ、昨日普通に喋ってなかった?」
「そう?」
「うん、多分。」
「そうか」
「うん。」

やっぱこのパターン

俺って 学習しないおとこ

とりあえず俺は深呼吸をして 扉に手をかけたんだ



……………………………………




俺の甘いの   どこ


いた えー  立ってる 珍しく

それもどうよ

小さい 意外と 俺より そりゃそうか

一応あれは よく 分からないけど

多分 おんな

俺よりは小さくても不思議じゃない

てか

ほんと この甘いのなんなんだろうな?

可愛 可愛い

いやそれ 関係ないから



改めて見るそれは

やっぱり

髪ボサボサで俺より小さい痩せたおんな

今日は栗色の髪 若草の瞳 俺の一等好きなやつ
ボロのスカート ズルズルしたシャツ
でも瞳が綺麗 ビー玉みたい
なんだろ 吸い込まれ そうな




しかし甘いのはやっぱり 隙間に挟まってる

今日こそ俺は 手を 手を伸ばしてみても

いいのだろうか

母さんよ。そゆこと教えといて?
誰に聞くの?こゆこと。

影?いや絶対違う

いいかな 伸ばして 俺の手を

影がいつもは押してるけど 俺が 君を

案内したいんだ



いやおれは 一度死んだ 的な 身だ

いけ 俺よ 大丈夫だ そっと 様子を見ながら

手を伸ばすんだ

踏み出せ 一歩

出来る ちゃんと 彼女のこの若草の瞳を見ながら 駄目なら引っ込めればいい
そう

何事も やってみる それ大事。




彼女は俺の手をじっと見ている。

彼女は俺の手をまだ見てる。



彼女は俺の手を少し近づいて見てる。

俺は自分から寄らない 怖がらせるといけない

彼女はちょっと 腕を

引っ込めた だして それ 出すんだよ そう

乗せるの そう

それに 乗せて あとちょっと 頑張れ

大丈夫 大丈夫だ 俺はきみの 味方


それにしても 薄汚れちゃいるが

綺麗な顔 年の頃はきっと そう違うくない

眉と長い睫毛も栗色

伏せられてても可愛い目

薄桃色の唇

風呂 入れたら めっちゃ ヤバそう

このままでいいな 俺 ヤバそうだから

だって こんな近くに来たら



いい匂いするし


なんか思い出すじゃん






まだ?

そろそろ乗せよ?大丈夫だから。

うぇ~めっちゃ握りてぇ~
もう もうすぐ俺キュッと キュッと 握っちゃいそうよ? 早く 乗せて~~~ぇ




ほっ 乗っ 乗った  乗った乗ったぞ

おいおいおい 柔 柔ら 柔らか

あの あのあ夜のあれに あれはやはり

うんうん

で?

この手、どーすんだっけ?

俺 握ってますけど。誰か?

「影?」

つい影を呼ぶヘタレな俺

「なに」
「どうする。どうなの。」
「ごはん」
「あ、ああそうか。」



ヤバくね 手握っただけだぞ

誰だ「握っただけ」とか言ってんのは

手 を に ぎ る

だぞ??  十分事件だろうが。

え これ引っ張っていーの?壊れない?

俺の 甘いの。細いし 小さいよ?大丈夫これ?

そーっと

そっと

ゆっくり 引っ張って

椅子も 引っ張って

ゆっくり 

ゆっくり椅子の前

オーケー座った


ホーーーーーーーーーーーー

俺のミッション終了


疲れた


え?これからご飯?疲れ………ああ
食べる食べる、美味しそうね。うん。




ホワッ

ちょっと

ちょっとだけ

笑?


ハーーーーーーーーーーー



疲れたけど、いい日。

しかしこれ とりあえず

一日一回から 練習ね。

よろしく 明日も。


俺の 甘いの。

ところでそろそろ 名前 なまえ



これ

地雷っぽくね??




そうして俺は その疑問は封印した。

まずは、もうちょっと仲良くなってからだ。


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