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一章 純愛…ルート

いつも通り

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二度寝から目覚めてもライアン様がいた。
本当に泊まっていたんだ。
僕達の関係には目覚めて甘いイチャイチャなどは無く、ライアン様は目覚めると服を来て何事も無かったように僕の部屋を出ていった。
僕も急いで服を来て見送るもライアン様は一切振り返ることはなく、振り返ったのは僕の部屋から人が出てきた事を目撃した生徒の方だった。
シャルマンが誰も部屋に泊めたりしないのは多くの生徒が知っている事。
目撃した者達は信じられないものを見たようで、僕の事をずっと見ていた。
恥ずかしくなり僕は急いで部屋に隠れた。

その日のうちに僕の部屋にライアン様が泊まったという噂が流れてしまった。
僕自身信じられずにいたので噂で朝の出来事は現実だったと知り嬉しいと感じてしまった…が浮かれ気分の後にはライアン様に申し訳なく思った。
僕の所為でライアン様に迷惑をかけてしまったのだと理解したから…。
僕が何か動くと僕ではなくライアン様がイヤな思いをしてしまう。
独りはイヤだなんてワガママを言ってしまった為にライアン様を僕の悪い噂に巻き込んでしまった。

もう、ワガママは言っちゃいけない。

噂もあり、いつも以上に多くの生徒が僕を見ているように感じる。
どんなに大人しくしていても、公爵令息のシャルマンの行動は注目を浴びてしまう。
目立つのは怖くてイヤなのに…。
お昼には当然一人で食事を取った。
チラチラと見られ小声で囁かれれば、僕の事では?と考えてしまう。
居心地が悪く食事も急いで終え、一人になれる場所を探した。
誰の視線も声も聞こえない場所。
僕には図書室しか思い浮かばなかった。
駆け込み寺のように図書室へ急いだ。
図書室は僕を拒絶することなく受け入れてくれた。
昼休みの図書室は疎らであるが生徒が居るも、誰も僕に興味がなかった。
隠れるように奥へ奥へと進んだ。
前回は魔法の棚を見ていたが今回は真逆の棚を歩いた。
難しそうな本ばかりかと思えば、こっちには小説などが置いてありこの世界の物語に興味を引かれた。

どんな話が有るんだろう…。

魔法の冒険物語
王子様との秘密の恋

などが人気らしい。
んー今はどれも違うなぁ~と視線を移した。
他には…

身分違いな恋
王子様に掛けられた呪いが解けるには…

今は恋愛ものが流行っているみたいでオススメコーナーまで作られていた。
特に人気なのが、王子様が相手の大恋愛もの。
そうだよねぇ、王子様が現実にいるんだもん夢見ちゃうよね。
王子様かぁ…。
ん?

騎士様に奪われたい

凄く気になるタイトルの本が目についた。
騎士様という単語に、奪われたいという言葉。
どうしよう…借りちゃおうかな。
この図書室は誰にも気付かれずに借りることが出来るんだよね…。
か、借りちゃおうかな…。

恥ずかしくて誰にも見られないように抱えながら、教室までの道のりさえ抱きしめるように隠し急いで鞄の中にしまった。
図書室や教室など人目がある所で読む勇気は無かったので早く部屋でゆっくり読みたいな。
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