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一章 純愛…ルート
二日ぶりですね
僕の目の前にはライアン様がいる。
今日も素敵だなぁ。
こんなに早く会えるなんて、喜んでいいのかな…ごめんなさい。
僕の軽率な発言でこんな事になってしまってます。
ライアン様のご実家は辺境にある…王都にある屋敷に滞在中だったとは言え僕の家よりライアン様の家のが学園から遠かったはず…それなのに態々フィンコック家まで…申し訳ない以外の何者でもない。
ライアン様は当主である伯爵様、つまりお父様と一緒にいらっしゃった。
ライアン様とそっくりで何処からどうみても親子だ。
ちょっと…ときめく。
こんな時に…いや、こんな時だから現実逃避したいのかも。
「ライアン様は婚約者がいらっしゃらないとお聞きしました。」
笑顔のお母様ってなんだか怖いよ。
「はい、居りません。」
「何故です?」
「…辺境という場所と私自身に魅力が無いからではないで…」
「そんなことないです、ライアン様はとても素敵です。」
どうしてそんなこと言うの。
いくらライアン様でも、そんなこと言わないで。
「シャル、今は黙ってなさい。」
「…はぃ、すみません」
会話に突然割り込んでしまったのでお母様に窘められてしまった。
「それで、ライアン様はシャルマンをどう思っています?」
「愛してます。」
「………」
「そう」
「では、シャルマンとの婚約を了承ということで良いですか?」
「はい、私の方から婚約の申し込みをしたいと考えておりました。」
「そうだったんですか。」
「はい。」
「…では、これから婚約に関しての書類にサインを…。」
「…シャル…いつまで泣いてるんだ。」
「ぅ゛っ…だって…っく……っく」
涙が止まらない。
ライアン様の気持ち初めて聞いたから。
愛してるって…愛してるって言ってくれたんだよ?
ライアン様が…愛してるって。
愛してるって言ってくれた後から時間が止まった。
ライアン様が僕の事を愛してる…。
泣き止まない僕に注目が集まってしまったけど涙が止まらない。
必死に押さえようとしても、ライアン様が婚約の書類にサインする姿に涙腺は崩壊していた。
「う゛ーう゛ーっう゛ー」
「シャル、少し休む?サインはいつでも出来る。」
首を振った。
やだ、今すぐにでも婚約者になりたい。
震える手でサインを…。
「シャル…大丈夫だ。」
「ぅ゛ん゛」
気持ちを落ち着かせてサインした。
僕が記入したサインの上にはライアン様のサインがあった。
確認したら再び涙が溢れ、書類を濡らさないようにと離れた。
「…ぅっく…ひっく。」
「シャル」
名前を呼ばれ立ち上がりライアン様の元へ行けば抱きしめてくれた。
ライアン様の温もり、たった一日離れただけなのに何日も前の事のように感じる。
背伸びをしてライアン様の唇を求めれば願いが叶えられる。
「「「シャル」」」
叫ぶように名前を呼ばれ条件反射のように身体が動いた。
あっ…僕は家族の前でライアン様とキスを…。
ライアン様とほんの少し距離を取り禍々しいオーラを感じる家族の方へ振り返れば、全員笑顔でありながら背筋がゾワッとするような恐怖を感じた。
「シャールゥ、こっちへ来なさい」
お母様の優しい手招きには逆らえない強制力があった。
「…はぃっ」
その後有能な使用人により僕たちの婚約の書類は受理されたと報告があった。
婚約出来た幸せなのか涙も止まり気持ちがフワフワする。
早く、ライアン様と二人きりになりたい。
もっと触れあいたい。
難しい?大切な?話がされてる中、僕はライアン様しか見えなかった。
「今日はおつかれでしょっ、泊まりませんか?」
皆が僕に注目していた。
反応からして、重要な話をブッタ斬っちゃった?
ライアン様と一緒にいたいという気持ちが先走ってしまった。
その後もなんだか難しい話が長く、ライアン様と二人きりになかなかなれないでいた。
夕食も共にして、ライアン様とお父様は客室にそれぞれ案内されていた。
僕もライアン様の部屋にお邪魔したかったのに、お母様やお兄様が離してくれなかった。
解放されてお風呂を済ませると、やっぱりライアン様に会いたくなる。
時間も遅いとは分かっていたけど気持ちを押さえきれず行ってしまえば、ライアン様の迷惑になるのはわかってる。
けど、同じ屋根の下に居るのに会えないのは辛い。
明日の朝早くに会いに行こう。
今日は…眠れそうにないよ。
だって婚約者になったんだよ?
興奮して眠れないよ。
その事も確認しないといけないのに。
会いたい会いたい会いたいぃ。
我慢出来ない、ちょっとだけちょっとだけ会ったら帰ってくればいいんだよ。
誰にも気づかれないよう静かに、それでいて急いでライアン様の泊まっている客間に向かった。
コンコンコン
「はい」
ライアン様の声だ。
「ぁっ僕…シャっルマン…です。」
途端に緊張してしまい、何て言えばいいのか悩んでしまった。
「どうした?」
扉が開けばライアン様が現れた。
それだけなのに嬉しい。
僕はなにも言わず抱き付いた。
「シャル。」
「はい。」
ソファに促されライアン様の隣に座った。
「目が真っ赤だな。」
顔を包むように手のひらを添えられ、目元を親指で撫でられる。
「んっ」
頬に触れるライアン様の優しい手、もうこの手は僕にしか触れないんだよね?
「ライアンさまぁ。」
自分でも驚くほど甘く強請る声だった。
熱に犯されたようにライアン様が欲しくて堪らない。
ライアン様の首に腕を回しキスを求めた。
激しいキスなのに、もっともっとと貪欲になる。
体重をかけライアン様をゆっくり押し倒す。
ライアン様の身体を跨げば、腰に腕を回された。
「なぁ、シャル…これで逃げらんねぇぞ。」
「逃げ…る?」
「他の奴はもう選べねぇって事。」
「ぅんライアン様以外ヤダよ……ライアン様も…だよ?」
尋ねつつも僕から「他の人を選ばないでね?」って意味も込めた。
「あぁ」
…良かった。
「えへ。ねぇ、もっとしよっ。」
「…しねぇよ。」
今…なんて?
「ぇ゛っ…な…な…なんで?」
「今日婚約が決まったばかりなんだぞ。」
「うん。」
記念日だね。
そんな大事な日になんでダメなの?
「…婚約が決まったその日ぐらい大人しく出来ないのか?」
「婚約が決まったから嬉くって…ダメ?」
「今日は我慢しろ。」
「…ふぇん…」
ライアン様の身体の上で力が抜けてしまった。
「俺も我慢してんだよ…シャルの家族に嫌われないように。」
…そんなこと言われたら、諦めるしかないじゃんっ。
部屋に戻らなきゃいけないって分かってるけど、離れがたい。
僕達は何もせず抱き合ったままソファで寛いでいた。
この時間がいつまでも続けばいいのに…。
今日、僕たちは健全な婚約者だった。
僕たちの婚約はお父様達により公表された。
今日も素敵だなぁ。
こんなに早く会えるなんて、喜んでいいのかな…ごめんなさい。
僕の軽率な発言でこんな事になってしまってます。
ライアン様のご実家は辺境にある…王都にある屋敷に滞在中だったとは言え僕の家よりライアン様の家のが学園から遠かったはず…それなのに態々フィンコック家まで…申し訳ない以外の何者でもない。
ライアン様は当主である伯爵様、つまりお父様と一緒にいらっしゃった。
ライアン様とそっくりで何処からどうみても親子だ。
ちょっと…ときめく。
こんな時に…いや、こんな時だから現実逃避したいのかも。
「ライアン様は婚約者がいらっしゃらないとお聞きしました。」
笑顔のお母様ってなんだか怖いよ。
「はい、居りません。」
「何故です?」
「…辺境という場所と私自身に魅力が無いからではないで…」
「そんなことないです、ライアン様はとても素敵です。」
どうしてそんなこと言うの。
いくらライアン様でも、そんなこと言わないで。
「シャル、今は黙ってなさい。」
「…はぃ、すみません」
会話に突然割り込んでしまったのでお母様に窘められてしまった。
「それで、ライアン様はシャルマンをどう思っています?」
「愛してます。」
「………」
「そう」
「では、シャルマンとの婚約を了承ということで良いですか?」
「はい、私の方から婚約の申し込みをしたいと考えておりました。」
「そうだったんですか。」
「はい。」
「…では、これから婚約に関しての書類にサインを…。」
「…シャル…いつまで泣いてるんだ。」
「ぅ゛っ…だって…っく……っく」
涙が止まらない。
ライアン様の気持ち初めて聞いたから。
愛してるって…愛してるって言ってくれたんだよ?
ライアン様が…愛してるって。
愛してるって言ってくれた後から時間が止まった。
ライアン様が僕の事を愛してる…。
泣き止まない僕に注目が集まってしまったけど涙が止まらない。
必死に押さえようとしても、ライアン様が婚約の書類にサインする姿に涙腺は崩壊していた。
「う゛ーう゛ーっう゛ー」
「シャル、少し休む?サインはいつでも出来る。」
首を振った。
やだ、今すぐにでも婚約者になりたい。
震える手でサインを…。
「シャル…大丈夫だ。」
「ぅ゛ん゛」
気持ちを落ち着かせてサインした。
僕が記入したサインの上にはライアン様のサインがあった。
確認したら再び涙が溢れ、書類を濡らさないようにと離れた。
「…ぅっく…ひっく。」
「シャル」
名前を呼ばれ立ち上がりライアン様の元へ行けば抱きしめてくれた。
ライアン様の温もり、たった一日離れただけなのに何日も前の事のように感じる。
背伸びをしてライアン様の唇を求めれば願いが叶えられる。
「「「シャル」」」
叫ぶように名前を呼ばれ条件反射のように身体が動いた。
あっ…僕は家族の前でライアン様とキスを…。
ライアン様とほんの少し距離を取り禍々しいオーラを感じる家族の方へ振り返れば、全員笑顔でありながら背筋がゾワッとするような恐怖を感じた。
「シャールゥ、こっちへ来なさい」
お母様の優しい手招きには逆らえない強制力があった。
「…はぃっ」
その後有能な使用人により僕たちの婚約の書類は受理されたと報告があった。
婚約出来た幸せなのか涙も止まり気持ちがフワフワする。
早く、ライアン様と二人きりになりたい。
もっと触れあいたい。
難しい?大切な?話がされてる中、僕はライアン様しか見えなかった。
「今日はおつかれでしょっ、泊まりませんか?」
皆が僕に注目していた。
反応からして、重要な話をブッタ斬っちゃった?
ライアン様と一緒にいたいという気持ちが先走ってしまった。
その後もなんだか難しい話が長く、ライアン様と二人きりになかなかなれないでいた。
夕食も共にして、ライアン様とお父様は客室にそれぞれ案内されていた。
僕もライアン様の部屋にお邪魔したかったのに、お母様やお兄様が離してくれなかった。
解放されてお風呂を済ませると、やっぱりライアン様に会いたくなる。
時間も遅いとは分かっていたけど気持ちを押さえきれず行ってしまえば、ライアン様の迷惑になるのはわかってる。
けど、同じ屋根の下に居るのに会えないのは辛い。
明日の朝早くに会いに行こう。
今日は…眠れそうにないよ。
だって婚約者になったんだよ?
興奮して眠れないよ。
その事も確認しないといけないのに。
会いたい会いたい会いたいぃ。
我慢出来ない、ちょっとだけちょっとだけ会ったら帰ってくればいいんだよ。
誰にも気づかれないよう静かに、それでいて急いでライアン様の泊まっている客間に向かった。
コンコンコン
「はい」
ライアン様の声だ。
「ぁっ僕…シャっルマン…です。」
途端に緊張してしまい、何て言えばいいのか悩んでしまった。
「どうした?」
扉が開けばライアン様が現れた。
それだけなのに嬉しい。
僕はなにも言わず抱き付いた。
「シャル。」
「はい。」
ソファに促されライアン様の隣に座った。
「目が真っ赤だな。」
顔を包むように手のひらを添えられ、目元を親指で撫でられる。
「んっ」
頬に触れるライアン様の優しい手、もうこの手は僕にしか触れないんだよね?
「ライアンさまぁ。」
自分でも驚くほど甘く強請る声だった。
熱に犯されたようにライアン様が欲しくて堪らない。
ライアン様の首に腕を回しキスを求めた。
激しいキスなのに、もっともっとと貪欲になる。
体重をかけライアン様をゆっくり押し倒す。
ライアン様の身体を跨げば、腰に腕を回された。
「なぁ、シャル…これで逃げらんねぇぞ。」
「逃げ…る?」
「他の奴はもう選べねぇって事。」
「ぅんライアン様以外ヤダよ……ライアン様も…だよ?」
尋ねつつも僕から「他の人を選ばないでね?」って意味も込めた。
「あぁ」
…良かった。
「えへ。ねぇ、もっとしよっ。」
「…しねぇよ。」
今…なんて?
「ぇ゛っ…な…な…なんで?」
「今日婚約が決まったばかりなんだぞ。」
「うん。」
記念日だね。
そんな大事な日になんでダメなの?
「…婚約が決まったその日ぐらい大人しく出来ないのか?」
「婚約が決まったから嬉くって…ダメ?」
「今日は我慢しろ。」
「…ふぇん…」
ライアン様の身体の上で力が抜けてしまった。
「俺も我慢してんだよ…シャルの家族に嫌われないように。」
…そんなこと言われたら、諦めるしかないじゃんっ。
部屋に戻らなきゃいけないって分かってるけど、離れがたい。
僕達は何もせず抱き合ったままソファで寛いでいた。
この時間がいつまでも続けばいいのに…。
今日、僕たちは健全な婚約者だった。
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