【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

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一章 純愛…ルート

婚約話


「ど、どうしたシャル?」

「王子との婚約を望んでるんだよね?」

「まさか、王子と何かあったのか?」

心配していた両親だったが、最後のお兄様の言葉で目付きが変わった。

「何かあったのか?」

「何したあの野郎。」

体格が良く男らしいお父様よりも、綺麗で優雅なお母様のが口が悪いことを知った。
三人は僕の答えを待っている。

「ぼ、僕…王子とは…。」

「…婚約したくないのか?」

「やっぱり何かされたんだな、あの野郎っ。」

「………。」

「ち、違うのっ。」

三者三様の怒り方をしながら僕に注目が集まる。

本当の事言っていいのかな?

…ここでライアン様の名前を出したら、ライアン様に迷惑が掛かるかも…。
いや、かもではなく絶対に迷惑が掛かる。

「僕…王子じゃなくて…。」

「まっまさか…他に相手…が?」

「…そうなの?」

「………。」

コクンと頷いた。
三人とも僕が王子じゃない想い人が居ることに驚いていた。
シャルマンの思いを家族皆が知って応援してくれていたんだ。
それなのにシャルマンが別の人となんて予想もしていなかったはず…。

「だっ誰だ?相手は…。」

「すぐに婚約の話をしないと…。」

「相手は誰だ?」

お父様は冷静に状況を把握しようとして、お母様は僕の幸せ?の為に動こうとお兄様は…相手の人を見極めようと?拳を握って耐える姿は怒りが見えるような…。
三人の勢いからして、言ってはいけないように思え、僕は首を振っていた。

「どうして言えないんだ?」

「まさか、相手は既婚者?婚約者持ち?」

「シャルッ」

違う…全部違うけど…。
ど、どうしよう。
どうすることが正解なの?

「「「シャルッ」」」

三人の声か揃った。
三人は間違いなく家族だ。

「ぁっぁっぁっ」

「シャルゆっくりでいい、話してごらん。」

お父様だけは冷静だった。

「ん…僕…好きな人が…。」

「好きな奴だとぉーシャルに好かれる幸せ者は誰だぁー。」

冷静だと思っていたお父様が吠えた。
あまりの衝撃に言葉を失い、瞬きを繰り返す事しか出来なくなった。

「デグランはちょっと黙ってて…それで、お相手は?」

首を振った。

「どうして?婚約したくないの?」

本当はお母様の言葉に「したい」と頷きたかった。

「め、迷惑に…なっちゃ…」

「そんなわけないだろう、シャルと婚約したくない奴なんて頭のおかしい奴だけだ。あの王子のようになっ。」

…お父様…そんな事言っては不敬に当たるのでは?

「ちょっとデグラン…シャル迷惑とか考えずに、相手に気持ちを伝えるのは良いことだ。伝えたの?」

気持ちは…伝えてある。
返事は…ない。

「ぅん。」

「言ったのかぁ。」

お兄様が驚きすぎて、最後声が裏返っていた。

「返事はもらったの?」

首を振った。

「そいつを呼べ、今すぐにでも。」

顔に似合わずとてつもなく低い声を出したお母様の顔は、美しい分怒っている時は怖かった。

「シャル相手の名前は?」

「シャールッ。」

「シャル。」

皆が怖いよ。
ライアン様を守れるのは僕だけだ。
僕だけ…守らないと…まも…まっ…ま…。

「……ァンさま。」

ごめんなさい。

「ん?」

「シャル大丈夫だがらもう一度言って。」

「………」

「…ラ、ライアンさま…。」

ライアン様ごめんなさい。
僕はライアン様を守れませんでした。

「ライアン…様゛?」

お父様は僕が相手に「様」をつけたのが気に入らなかったように見えた。

「何処のライアン様?」

優しく尋ねているはずのお母様もちょっぴり怖い。

「ライアン…ライアン…ライアン?聞いたことないなぁ」

お兄様はなんだかブツブツ言ってる…。

「えっと…ライアン サンチェスターさま…です…」

…言ってしまった。
その後の記憶は…。
覚えてるけど、夢であって欲しい。
使用人や執事の方達が世話しなく動き回り、サンチェスター伯爵家に手紙を送っていた。
内容は聞かなくても分かる。

…ライアン様ごめんなさい。

連休初日になんて事をしてしまったんだ…。
ライアン様はゆっくり休めたかな?
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