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本題
癒し
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リルコットから貰った種を植えてから数日、小さな芽が出ていた。
あの日、迷って温室に辿り着いた時、先生に詰め寄られ私は咄嗟に「花に癒しを求めて」と応えた。
本当に花は心を落ち着かせてくれる。
学園で嫌なことがあり、話せる友達もおらず部屋にいても息苦しくて、最近では逃げるように花の世話をしている。
花の世話といっても小さな芽が出たばかりでほとんどすることはなく、ただ眺めているだけ。
そこにいつか花が咲くんだと思うと気持ちが違う。
「…何が咲くのかな?」
「お嬢様っ」
ジャメルが慌てた様子で呼びに来た。
「どうしたの?」
「王子様がいらっしゃいました」
「王子様…えっ?」
約束もなく突然王子が訪問に来た。
最近は嫌なことしかなかったので、王子も嫌な報せを持ってきたのか? と疑ってしまう。
ジャメルの慌てようが私を不安にさせる。
談話室では既に王子だけでなくお母様もソファに座っていた。
これはどっち?良い知らせ?悪い知らせ?
「スカーレット、早くこちらに座りなさい」
二人の状況が読めず、扉付近で立ち尽くしているとお母様に急かされた。
「はい」
お母様の隣に座り王子を伺う。
「令嬢に会いたくて突然来てしまいました」
「まぁっ良いんですよ。いつでもお越しください」
私が応えるよりも先にお母様が嬉しそうに応えた。
私を置いてけぼりにして二人は会話を進めていく。
「夫人、スカーレットと二人で話したいのですがよろしいでしょうか?」
「…そっそうよねっ、二人きりが良いわよね。では私は失礼します。スカーレット、粗相のないようにねっ」
「…はぃ」
お母様が部屋を出て行き二人きりとなった。
「大丈夫か?」
「はい」
学園でのの事を思い出したが、条件反射で笑顔で応えた。
「…学園で根も葉もない噂が回っている。私はスカーレットを信じているが、噂を止める事が出来ず申し訳ない」
「いえ、王子様のせいでは…」
「証拠を掴む為とはいえ、君にはツライ思いをさせてしまっている」
「ぃえっ私はっ…へっ…へぃ…きっ…」
本当は悲しくて苦しくて辛かった。
誰も私の話を聞いてくれない、私に気付いてくれない。
私は一人ぼっちだと思って寂しくて考えないように目を背けた。
そんな私の辛さを誰かが気付いてくれている事を知り、涙腺が一気に緩んでしまった。
一度緩むと涙は止めどなく溢れてくる。
「すまないっ」
王子は私の隣に移動し手を繋ぐ。
「わたっ…私…ふ…不正…なんて…し…して…して…」
勉強を必死に頑張った事を漸く聞いてくれる人が現れたのに、言葉が上手く出てこなくて伝えられない事がもどかしい。
「あぁ、分かってる」
「い゛っ…嫌っがらせもっ…」
「スカーレットはそんな人間じゃない」
「私…貴族だからって…彼女を…平民って…て…」
「あぁ、スカーレットは平民を見下す貴族とは違う」
「…おっおぅっじにっ…めっ迷惑って…ひっく…わた…私…迷惑を…」
「迷惑なんて思っていない」
「振り回っしてるっ…て…」
「そんな風に思ったことはない。それに婚約者なら互いに支え合うのは当然の事だ」
「…私…ここにいちゃ…いけなっ」
「そんなことないっ過去のスカーレットも今のスカーレットも私には大事な人だ。もう誰も消えてほしくないっ」
「…私…覚えて…ないんですよ…」
「それでも、私には大切なスカーレットなんだ。無理に思い出そうとしなくていい…私の傍にいてくれ」
抱き締められ王子にしがみつきながら泣き続けてしまった。
「…このままでも…良いんですか?」
「あぁ。もし不安なら私と一緒に新しいスカーレットを見つけよう」
「…はぃ」
「これからも、こうやって苦しい時は私に話してほしい」
「…面倒じゃ…」
「面倒じゃないよ」
「…私…ここにいても良いんですか?」
「あぁ。ここにいてくれ」
王子の優しさに不安が少し薄れ涙も治まり始めたが、私は彼の腕の中にいた…
あの日、迷って温室に辿り着いた時、先生に詰め寄られ私は咄嗟に「花に癒しを求めて」と応えた。
本当に花は心を落ち着かせてくれる。
学園で嫌なことがあり、話せる友達もおらず部屋にいても息苦しくて、最近では逃げるように花の世話をしている。
花の世話といっても小さな芽が出たばかりでほとんどすることはなく、ただ眺めているだけ。
そこにいつか花が咲くんだと思うと気持ちが違う。
「…何が咲くのかな?」
「お嬢様っ」
ジャメルが慌てた様子で呼びに来た。
「どうしたの?」
「王子様がいらっしゃいました」
「王子様…えっ?」
約束もなく突然王子が訪問に来た。
最近は嫌なことしかなかったので、王子も嫌な報せを持ってきたのか? と疑ってしまう。
ジャメルの慌てようが私を不安にさせる。
談話室では既に王子だけでなくお母様もソファに座っていた。
これはどっち?良い知らせ?悪い知らせ?
「スカーレット、早くこちらに座りなさい」
二人の状況が読めず、扉付近で立ち尽くしているとお母様に急かされた。
「はい」
お母様の隣に座り王子を伺う。
「令嬢に会いたくて突然来てしまいました」
「まぁっ良いんですよ。いつでもお越しください」
私が応えるよりも先にお母様が嬉しそうに応えた。
私を置いてけぼりにして二人は会話を進めていく。
「夫人、スカーレットと二人で話したいのですがよろしいでしょうか?」
「…そっそうよねっ、二人きりが良いわよね。では私は失礼します。スカーレット、粗相のないようにねっ」
「…はぃ」
お母様が部屋を出て行き二人きりとなった。
「大丈夫か?」
「はい」
学園でのの事を思い出したが、条件反射で笑顔で応えた。
「…学園で根も葉もない噂が回っている。私はスカーレットを信じているが、噂を止める事が出来ず申し訳ない」
「いえ、王子様のせいでは…」
「証拠を掴む為とはいえ、君にはツライ思いをさせてしまっている」
「ぃえっ私はっ…へっ…へぃ…きっ…」
本当は悲しくて苦しくて辛かった。
誰も私の話を聞いてくれない、私に気付いてくれない。
私は一人ぼっちだと思って寂しくて考えないように目を背けた。
そんな私の辛さを誰かが気付いてくれている事を知り、涙腺が一気に緩んでしまった。
一度緩むと涙は止めどなく溢れてくる。
「すまないっ」
王子は私の隣に移動し手を繋ぐ。
「わたっ…私…ふ…不正…なんて…し…して…して…」
勉強を必死に頑張った事を漸く聞いてくれる人が現れたのに、言葉が上手く出てこなくて伝えられない事がもどかしい。
「あぁ、分かってる」
「い゛っ…嫌っがらせもっ…」
「スカーレットはそんな人間じゃない」
「私…貴族だからって…彼女を…平民って…て…」
「あぁ、スカーレットは平民を見下す貴族とは違う」
「…おっおぅっじにっ…めっ迷惑って…ひっく…わた…私…迷惑を…」
「迷惑なんて思っていない」
「振り回っしてるっ…て…」
「そんな風に思ったことはない。それに婚約者なら互いに支え合うのは当然の事だ」
「…私…ここにいちゃ…いけなっ」
「そんなことないっ過去のスカーレットも今のスカーレットも私には大事な人だ。もう誰も消えてほしくないっ」
「…私…覚えて…ないんですよ…」
「それでも、私には大切なスカーレットなんだ。無理に思い出そうとしなくていい…私の傍にいてくれ」
抱き締められ王子にしがみつきながら泣き続けてしまった。
「…このままでも…良いんですか?」
「あぁ。もし不安なら私と一緒に新しいスカーレットを見つけよう」
「…はぃ」
「これからも、こうやって苦しい時は私に話してほしい」
「…面倒じゃ…」
「面倒じゃないよ」
「…私…ここにいても良いんですか?」
「あぁ。ここにいてくれ」
王子の優しさに不安が少し薄れ涙も治まり始めたが、私は彼の腕の中にいた…
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