99 / 177
エストレヤ イグニス
僕は数日学園を休み、屋敷で過ごした。
その甲斐もあり身体も大分回復し楽になった。
屋敷で過ごしていると申し訳ないほど皆が僕に気を使ってくれた。
学園での出来事を知らないと思うが、ずっと寝たきりだったので病気だと思われたに違いない。
今では食堂まで歩くことも問題なかった。
もう、学園に戻れそうだった。
アティは大丈夫かな?
「媚薬」ってどのくらいで抜けるのかな?
今も苦しんでいたりするのかな?
会って確認したい。
例えまだ回復していないのなら、僕がお世話したい。
僕以外の人に触れて欲しくないな…。
アティの事が知りたくて、お父様の執務室へ向かっていた。
こんこんこん
「お父様良いですか?」
「あぁ入りなさい。」
がちゃ
扉を開けるとお父様は僕を見て椅子から立ち上がりソファを促してくれたが、僕は部屋に入ってすぐお父様がなんだか難しい顔で、手紙を読んでいたのを目撃した。
「もう、身体の方は平気そうだな。」
「はい、もう大丈夫です。」
「そうか、良かった。」
「それでお父様、僕アティの事が知りたいんです。アティは…まだ?」
僕がアティの事を聞いたらお父様は明らかに険しい表情に変化した。
アティ…そんなに悪いの?
媚薬ってその場だけじゃなくて、後遺症とか残るものなのかな?
急に不安になってきた。
「…アティラン様は婚約について考え直しても良いと…。」
「…へっ?」
婚約について考え直す?
考え直してどうするの?
「エストレヤを傷付けたことを大変後悔していて…婚約解消しても構わないと…。」
「いっいや…嫌です。僕は婚約解消なんてしたくありません。」
何を言っているの?
どうして僕が婚約解消しなくちゃいけないの?
傷つけたって何?
僕は傷付いたりなんてしてないよ?
「酷い扱いをしたと本人から聞いている。」
「それは媚薬の所為でアティの意思じゃないのお父様も分かるでしょ?」
「あぁ。」
「なら、婚約解消はしません。僕はアティがいいです、アティとずっと一緒にいたいんです…お父様っ。」
婚約解消したくなくて縋った。
「エストレヤ次第だと思っている。エストレヤが解消を希望しないのであれば私も解消の話しは持ち出さない。」
「…良かった。」
解消されなくて安心した。
「だが、エストレヤ以上にアティラン様の方が酷いようだ。」
アティが酷い?
「まだ媚薬が抜けていないんですか?」
何日も経っているのに今も媚薬に苦しむなんて、そんなに怖い薬をアティに?
「いや、媚薬の方は完全に抜けている。問題は精神面のようだ…。エストレヤに酷い事をしたと後悔し塞ぎ込んでしまったようだ。」
僕は酷いことなんてされてない。
アティは記憶が混濁しているからそんなことを言うんだ。
「…アティに会わなきゃっ、お父様僕アティに会いに行ってきます。」
急いで立ち上がりアティの屋敷に向かう…。
「待ちなさいっ。」
「お父様っ。」
大きな声で止められたので驚いたが、僕は今すぐにでもアティに会いに行きたくて、抗議の意味を含みお父様を呼んだ。
「会いに行くには先触れを出してからだ。グラキエス家に手紙を送るから落ち着きなさい。」
「…はい。」
お父様は手紙を書いて、使用人に急いでグラキエス家に届けるよう指示してくれた。
だけど、僕は返事を待つより会いに行きたくて、寧ろ僕が手紙を届けたいくらいだった。
「お父様…婚約解消の話しはその手紙に書いてあるんですか?」
「…エストレヤが目覚める前日にアティラン様本人にされた…。」
「なっ、どうしてもっと早く教えてくださらなかったんですか?」
「エストレヤの事だ、すぐにアティに会いたいと言うと思ってな。」
「ぅん」
当然だ。
そんなこと言われてのんびり寝てなんていられない。
一刻も早くアティに会って誤解をとかなきゃいけない、
「ベッドから起き上がれない状態のエストレヤに会ったら、アティラン様の方から解消されると思ってな…。」
「………」
アティは優しいから、僕の身体の弱さが導いた結果を自分の所為と責めてしまいそう…。
その結果婚約解消という結論を出す可能性も…。
「そうならないよう、まずエストレヤが回復してからと思ったんだ。」
「…そうだったんですね…ごめんなさい。」
そんなこととは知らずにすぐに会わせてくれなかったお父様を責めてしまった。
「エストレヤ…今回の件どうしたい?」
「どうしたい?」
アティとは婚約解消しません。
これからも婚約者でいます。
「パーティーの最中にリーヴェス王子に飲み物を掛けられ、控え室に閉じ込められたんだ。控え室の件は「違う」としらを切るかもしれんが、飲み物の方は数人の目撃者がいるので立証できる。」
あっ、王子のことか…。
それはもうアティが解決してくれた。
「…僕は…あまり大事には…それに王子からは既に謝罪されましたから。」
「…そうか。」
これで良いんだ。
大事にするとアティと王子の接点が出来てしまいそうで怖かった。
アティは僕の隣にいるような人じゃない。
もっと才能を発揮できる…王子の隣の方が~なんて気付いてほしくない。
アティには王子の隣のが相応しいのかもしれないが、僕はアティを離したくなかった。
アティごめんなさい、こんなにも好きになっちゃて…。
その甲斐もあり身体も大分回復し楽になった。
屋敷で過ごしていると申し訳ないほど皆が僕に気を使ってくれた。
学園での出来事を知らないと思うが、ずっと寝たきりだったので病気だと思われたに違いない。
今では食堂まで歩くことも問題なかった。
もう、学園に戻れそうだった。
アティは大丈夫かな?
「媚薬」ってどのくらいで抜けるのかな?
今も苦しんでいたりするのかな?
会って確認したい。
例えまだ回復していないのなら、僕がお世話したい。
僕以外の人に触れて欲しくないな…。
アティの事が知りたくて、お父様の執務室へ向かっていた。
こんこんこん
「お父様良いですか?」
「あぁ入りなさい。」
がちゃ
扉を開けるとお父様は僕を見て椅子から立ち上がりソファを促してくれたが、僕は部屋に入ってすぐお父様がなんだか難しい顔で、手紙を読んでいたのを目撃した。
「もう、身体の方は平気そうだな。」
「はい、もう大丈夫です。」
「そうか、良かった。」
「それでお父様、僕アティの事が知りたいんです。アティは…まだ?」
僕がアティの事を聞いたらお父様は明らかに険しい表情に変化した。
アティ…そんなに悪いの?
媚薬ってその場だけじゃなくて、後遺症とか残るものなのかな?
急に不安になってきた。
「…アティラン様は婚約について考え直しても良いと…。」
「…へっ?」
婚約について考え直す?
考え直してどうするの?
「エストレヤを傷付けたことを大変後悔していて…婚約解消しても構わないと…。」
「いっいや…嫌です。僕は婚約解消なんてしたくありません。」
何を言っているの?
どうして僕が婚約解消しなくちゃいけないの?
傷つけたって何?
僕は傷付いたりなんてしてないよ?
「酷い扱いをしたと本人から聞いている。」
「それは媚薬の所為でアティの意思じゃないのお父様も分かるでしょ?」
「あぁ。」
「なら、婚約解消はしません。僕はアティがいいです、アティとずっと一緒にいたいんです…お父様っ。」
婚約解消したくなくて縋った。
「エストレヤ次第だと思っている。エストレヤが解消を希望しないのであれば私も解消の話しは持ち出さない。」
「…良かった。」
解消されなくて安心した。
「だが、エストレヤ以上にアティラン様の方が酷いようだ。」
アティが酷い?
「まだ媚薬が抜けていないんですか?」
何日も経っているのに今も媚薬に苦しむなんて、そんなに怖い薬をアティに?
「いや、媚薬の方は完全に抜けている。問題は精神面のようだ…。エストレヤに酷い事をしたと後悔し塞ぎ込んでしまったようだ。」
僕は酷いことなんてされてない。
アティは記憶が混濁しているからそんなことを言うんだ。
「…アティに会わなきゃっ、お父様僕アティに会いに行ってきます。」
急いで立ち上がりアティの屋敷に向かう…。
「待ちなさいっ。」
「お父様っ。」
大きな声で止められたので驚いたが、僕は今すぐにでもアティに会いに行きたくて、抗議の意味を含みお父様を呼んだ。
「会いに行くには先触れを出してからだ。グラキエス家に手紙を送るから落ち着きなさい。」
「…はい。」
お父様は手紙を書いて、使用人に急いでグラキエス家に届けるよう指示してくれた。
だけど、僕は返事を待つより会いに行きたくて、寧ろ僕が手紙を届けたいくらいだった。
「お父様…婚約解消の話しはその手紙に書いてあるんですか?」
「…エストレヤが目覚める前日にアティラン様本人にされた…。」
「なっ、どうしてもっと早く教えてくださらなかったんですか?」
「エストレヤの事だ、すぐにアティに会いたいと言うと思ってな。」
「ぅん」
当然だ。
そんなこと言われてのんびり寝てなんていられない。
一刻も早くアティに会って誤解をとかなきゃいけない、
「ベッドから起き上がれない状態のエストレヤに会ったら、アティラン様の方から解消されると思ってな…。」
「………」
アティは優しいから、僕の身体の弱さが導いた結果を自分の所為と責めてしまいそう…。
その結果婚約解消という結論を出す可能性も…。
「そうならないよう、まずエストレヤが回復してからと思ったんだ。」
「…そうだったんですね…ごめんなさい。」
そんなこととは知らずにすぐに会わせてくれなかったお父様を責めてしまった。
「エストレヤ…今回の件どうしたい?」
「どうしたい?」
アティとは婚約解消しません。
これからも婚約者でいます。
「パーティーの最中にリーヴェス王子に飲み物を掛けられ、控え室に閉じ込められたんだ。控え室の件は「違う」としらを切るかもしれんが、飲み物の方は数人の目撃者がいるので立証できる。」
あっ、王子のことか…。
それはもうアティが解決してくれた。
「…僕は…あまり大事には…それに王子からは既に謝罪されましたから。」
「…そうか。」
これで良いんだ。
大事にするとアティと王子の接点が出来てしまいそうで怖かった。
アティは僕の隣にいるような人じゃない。
もっと才能を発揮できる…王子の隣の方が~なんて気付いてほしくない。
アティには王子の隣のが相応しいのかもしれないが、僕はアティを離したくなかった。
アティごめんなさい、こんなにも好きになっちゃて…。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後
結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。
※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。
全5話完結。予約更新します。
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
政略結婚のはずが恋して拗れて離縁を申し出る話
藍
BL
聞いたことのない侯爵家から釣書が届いた。僕のことを求めてくれるなら政略結婚でもいいかな。そう考えた伯爵家四男のフィリベルトは『お受けします』と父へ答える。
ところがなかなか侯爵閣下とお会いすることができない。婚姻式の準備は着々と進み、数カ月後ようやく対面してみれば金髪碧眼の美丈夫。徐々に二人の距離は近づいて…いたはずなのに。『え、僕ってばやっぱり政略結婚の代用品!?』政略結婚でもいいと思っていたがいつの間にか恋してしまいやっぱり無理だから離縁しよ!とするフィリベルトの話。
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
【完結/番外編準備中】
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
----------
追記:読んでくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました!!
完結しましたが回収しきれていないエピソードが私の中でいくつかあるので笑、後日番外編をアップしたいなと現在準備中です。
詳しい更新日まだ未定ですが、もしよろしかったらゼヒまた覗いてやってくださいねー!
転生したら同性の婚約者に毛嫌いされていた俺の話
鳴海
BL
前世を思い出した俺には、驚くことに同性の婚約者がいた。
この世界では同性同士での恋愛や結婚は普通に認められていて、なんと出産だってできるという。
俺は婚約者に毛嫌いされているけれど、それは前世を思い出す前の俺の性格が最悪だったからだ。
我儘で傲慢な俺は、学園でも嫌われ者。
そんな主人公が前世を思い出したことで自分の行動を反省し、行動を改め、友達を作り、婚約者とも仲直りして愛されて幸せになるまでの話。
「君と番になるつもりはない」と言われたのに記憶喪失の夫から愛情フェロモンが溢れてきます
grotta
BL
【フェロモン過多の記憶喪失アルファ×自己肯定感低め深窓の令息オメガ】
オスカー・ブラントは皇太子との縁談が立ち消えになり別の相手――帝国陸軍近衛騎兵隊長ヘルムート・クラッセン侯爵へ嫁ぐことになる。
以前一度助けてもらった彼にオスカーは好感を持っており、新婚生活に期待を抱く。
しかし結婚早々夫から「つがいにはならない」と宣言されてしまった。
予想外の冷遇に落ち込むオスカーだったが、ある日夫が頭に怪我をして記憶喪失に。
すると今まで抑えられていたαのフェロモンが溢れ、夫に触れると「愛しい」という感情まで漏れ聞こえるように…。
彼の突然の変化に戸惑うが、徐々にヘルムートに惹かれて心を開いていくオスカー。しかし彼の記憶が戻ってまた冷たくされるのが怖くなる。
ある日寝ぼけた夫の口から知らぬ女性の名前が出る。彼には心に秘めた相手がいるのだと悟り、記憶喪失の彼から与えられていたのが偽りの愛だと悟る。
夫とすれ違う中、皇太子がオスカーに強引に復縁を迫ってきて…?
夫ヘルムートが隠している秘密とはなんなのか。傷ついたオスカーは皇太子と夫どちらを選ぶのか?
※以前ショートで書いた話を改変しオメガバースにして公募に出したものになります。(結末や設定は全然違います)
※3万8千字程度の短編です
僕を嫌っていた幼馴染みが記憶喪失になったら溺愛してきた
無月陸兎
BL
魔力も顔も平凡な僕には、多才で美形な幼馴染みのユーリがいる。昔は仲が良かったものの、今は嫌われていた。そんな彼が授業中の事故でここ十年分の記憶を失い、僕を好きだと言ってきて──。