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聖女時代
密かな計画
コルテーゼ邸に宿泊し二日目。
「レンス、貴族の結婚式ってどんな感じなのかな? ドレスとか宝石って聖女候補だと、あんまり豪華な物は避けた方がいいのかな?」
「……それは、司祭様に確認された方がいいかもしれませんね」
「そっか、レンスも結婚してないから分からないよね。分かったら、教えてあげるね。はぁ……私が貴族と結婚するなんて思ってみなかったから、何を悩んでいいのかも分かんないよ」
「……大変ですね。ルードヴィックさんと、『確り』お話された方がいいですよ」
「そうだよね。結婚するのは私たちなんだもの。ありがとう、レンス」
それからソミールは、ルードヴィックを追いかけまわす。
盗み聞きのつもりはなが、ソミールがルードヴィックに結婚式についてなど尋ねている様子はない。
二人の関係からみて、結婚もソミールの突っ走りだろう。
申し訳ないが、私の平穏のためにルードヴィックを生け贄にさせてもらっている。
「ルードヴィックさん、今日は一緒にいられますか?」
「仕事がありますので」
「仕事熱心なんですね」
「それでは」
「はぁい。いってらっしゃい」
ルードヴィックは逃げるように仕事へ向かう。
「ねぇ、今のなんだか新婚みたいじゃなかった?」
「……そうですね」
「ねぇ、レンスはいつ頃帰るの?」
「明後日でしょうか?」
「観光とかしないの? 私が案内するよ」
「いえ。私は教会と孤児院へ向かうと報告してありますし、彼らとも約束しておりますから」
「そうなんだね」
教会と孤児院にいる間だけは、ソミールに悩まされることがない。
領地訪問までついてきたというのに、教会には一度だけ、孤児院には顔を出さない。
ソミールは何が目的でここまで来たのだろうか?
「明日は、前回と違い屋敷から直接向かう。俺たちがいないと分かれば不審に思われるからな」
教会の奥で、ルードヴィックと作戦会議をする。
「そうですね」
「彼女が利用している馬車だが、イリノエ侯爵の紋章だったぞ」
「イリノエ侯爵……そういえば、彼女の支援者に志願と噂で聞きました」
「馬車を手配したのはイリノエ侯爵だとしても、なぜここに来た? 何か勘付かれたのか?」
「いいえ。今、彼女は聖女候補の行く先々に顔を出しているんです」
「候補者たちに付きまとっているのか?」
「はい。王都では、聖女候補の功績は全てあの方のものになっています」
「……だとすると、今回は……」
「はい。私が何をしているのか探り、あわよくば……」
「そういうことか。だとすると、更に警戒した方がよさそうだな」
「はい。ですので、私たちが内密な話をしていると知られたくはありません」
「分かった。今後は使用人を通して連絡しよう」
「はい」
「教会は、彼女が他の聖女候補の功績を奪っている事を把握していないのか?」
「彼女自身が奪っているわけではないんです。なぜか、あの方に有利な噂が流れているんです」
「それはイリノエ侯爵が?」
「いえ、偶然目撃した者の噂です。悪意はありません。彼女の境遇と言いますか、状況がそうさせたのかもしれません」
「平民で、八年遅れの聖女候補の発覚か……」
「皆さん、あの方を応援したいんだと思います」
「悪意がない分、厄介だな」
「仕方がありません、あの方は今では注目の的ですから。何をしても噂になります」
「俺としては、フローラの功績を奪わせたくはないな」
「私だって奪われるつもりはありませんよ」
「そうだな」
「それと……」
「なんだ?」
「彼女と結婚するんですか?」
「誰が?」
「……ん?」
「俺とか?」
「ソミール様は、そうだと。侯爵からも好意的に受け入れられていると話してくれました」
「そんな話は一切ない」
「貴族の結婚式について尋ねられましたよ」
「どうしたらそんな話になるんだ?」
「ルードヴィックさんに好かれているみたいなの~と嬉しそうに話していました」
「俺が、好きそうなタイプだと思うのか?」
「男性は、彼女のような方がお好きなのかと」
「そんな男、信じられないな。俺は彼女のような女性は苦手だ」
「そうでしたか。それは、失礼しました」
「知っていて聞いただろう?」
「本人からの確認が大事ですから」
「そうだな……そろそろ行くよ。明日の夜、屋敷を出る直前に使用人を送る」
「はい」
今日までの行動でソミールに勘付かれてはいない。
夕食も、彼女が輪の中心でいる。
「レンス、貴族の結婚式ってどんな感じなのかな? ドレスとか宝石って聖女候補だと、あんまり豪華な物は避けた方がいいのかな?」
「……それは、司祭様に確認された方がいいかもしれませんね」
「そっか、レンスも結婚してないから分からないよね。分かったら、教えてあげるね。はぁ……私が貴族と結婚するなんて思ってみなかったから、何を悩んでいいのかも分かんないよ」
「……大変ですね。ルードヴィックさんと、『確り』お話された方がいいですよ」
「そうだよね。結婚するのは私たちなんだもの。ありがとう、レンス」
それからソミールは、ルードヴィックを追いかけまわす。
盗み聞きのつもりはなが、ソミールがルードヴィックに結婚式についてなど尋ねている様子はない。
二人の関係からみて、結婚もソミールの突っ走りだろう。
申し訳ないが、私の平穏のためにルードヴィックを生け贄にさせてもらっている。
「ルードヴィックさん、今日は一緒にいられますか?」
「仕事がありますので」
「仕事熱心なんですね」
「それでは」
「はぁい。いってらっしゃい」
ルードヴィックは逃げるように仕事へ向かう。
「ねぇ、今のなんだか新婚みたいじゃなかった?」
「……そうですね」
「ねぇ、レンスはいつ頃帰るの?」
「明後日でしょうか?」
「観光とかしないの? 私が案内するよ」
「いえ。私は教会と孤児院へ向かうと報告してありますし、彼らとも約束しておりますから」
「そうなんだね」
教会と孤児院にいる間だけは、ソミールに悩まされることがない。
領地訪問までついてきたというのに、教会には一度だけ、孤児院には顔を出さない。
ソミールは何が目的でここまで来たのだろうか?
「明日は、前回と違い屋敷から直接向かう。俺たちがいないと分かれば不審に思われるからな」
教会の奥で、ルードヴィックと作戦会議をする。
「そうですね」
「彼女が利用している馬車だが、イリノエ侯爵の紋章だったぞ」
「イリノエ侯爵……そういえば、彼女の支援者に志願と噂で聞きました」
「馬車を手配したのはイリノエ侯爵だとしても、なぜここに来た? 何か勘付かれたのか?」
「いいえ。今、彼女は聖女候補の行く先々に顔を出しているんです」
「候補者たちに付きまとっているのか?」
「はい。王都では、聖女候補の功績は全てあの方のものになっています」
「……だとすると、今回は……」
「はい。私が何をしているのか探り、あわよくば……」
「そういうことか。だとすると、更に警戒した方がよさそうだな」
「はい。ですので、私たちが内密な話をしていると知られたくはありません」
「分かった。今後は使用人を通して連絡しよう」
「はい」
「教会は、彼女が他の聖女候補の功績を奪っている事を把握していないのか?」
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「それはイリノエ侯爵が?」
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「そんな男、信じられないな。俺は彼女のような女性は苦手だ」
「そうでしたか。それは、失礼しました」
「知っていて聞いただろう?」
「本人からの確認が大事ですから」
「そうだな……そろそろ行くよ。明日の夜、屋敷を出る直前に使用人を送る」
「はい」
今日までの行動でソミールに勘付かれてはいない。
夕食も、彼女が輪の中心でいる。
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