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最終回
最終回
「フローレンス様、おめでとうございます」
「ありがとう、デルフィーナ様」
聖女候補時代共に過ごした、デルフィーナ・スカヴィーノから祝いの言葉をいただく。
この度、私は結婚する。
「本日は招待していただきありがとうございます」
「私も嬉しいわ」
「コンチェッタ様にクロリンダ様。お越しいただきありがとうございます」
聖女候補時代にお世話になった先輩たちが、続々と挨拶に来てくれた。
「お久しぶりね。本日はおめでとうございます」
「ブルネッラ様、ありがとうございます」
「私たちもいるわよ」
「アイーダ様に、アネルマ様もありがとうございます」
「結婚おめでとう、幸せになってね!」
「ありがとうございます」
「聞いた話だと、私たちが卒業してから相当大変だったみたいね」
先輩たちが卒業し、デルフィーナと私が候補者を引っ張る立場になった時にソミールが現れた。
他の先輩たちは彼女と入れ替わりだったので、どんな人物か正確には知らない。
今代の聖女が決定し、コルネリウスにより『聖女補佐は必要ない』と宣言されてから、私とデルフィーナは令嬢たちの標的だった。
その状況を先輩たちは、さりげなく助けてくれていた。
聖女候補となって唯一良かったのは、素敵な先輩と可愛らしく時に頼りになる後輩に恵まれたこと。
「忘れないうちに渡しておくわね。これはエルネスタ様からの手紙よ」
「エルネスタ様ですか? 嬉しいです。隣国にと聞いたのですがコンチェッタ様は交流がおありなんですか?」
「隣国との取引で向かった時に偶然会ったの。彼女も皆にも会いたがっていたわ」
「そうなんですね」
聖女候補たちとは、卒業してから仲が良くなったのかもしれない。
聖女候補であり王子の婚約者候補という立場が、私たちを殺伐とさせていた。
過去色々あったブルネッラとアイーダも、あの頃よりかは自然に会話している。
「今の聖女様は教会に移り住み、ほとんどの時間を祈りに捧げているそうですよ」
幼馴染のデルフィーナの決別を覚悟しての忠告で、コルネリウスはようやくソミールの調査を開始した。
だが、王宮はそれよりも前からソミールという人物について把握。
それでも聖女にし王妃候補として見ていたのは、教会内での活躍を買っていたから。
聖女候補の功績をうまく利用し、自身のモノにする能力。
それを王宮でも発揮し有能な聖女候補たちが働いてくれるなら、王妃が無能な聖女でも構わなかった。
だが、愚かにもコルネリウスの『聖女補佐を必要としない』宣言により聖女候補を敵に回した。
聖女候補には高位貴族がいるにもかかわらず、そのような発言したことで国王はコルネリウスに見切りを付けた。
「今後、聖女は王宮ではなく教会で『祈り』に専念するように」
静かに聖女を務めていれば別の道もあったはずだが、王族主催のパーティーで隣国の王女相手に失態が決め手となり王宮を追放され、教会で祈りを捧げることを命じられる。
要は、厄介払い。
ソミールが処刑にならなかったのは、王女の寛大なお心によって。
その後、国として相手国の条件を無条件に飲むことになった。
その一つが、
「聖女候補を国に招待したい」
隣国は聖女候補すら、何年も現れていない。
聖女候補を取り込み、自国の『聖女』にと考えているのだろう。
能力だけを見ればソミール。
「聖女の能力が必要でしたら、ソミール様の方が適任かと思います」
「いえ。聖女様をご招待だなんて、恐れ多いです。国を離れることになりますから、聖女様ではなく聖女候補様のお力を借りたいと思います」
あちらの人間にも、ソミールが『面倒な人物』と認識され丁重に断られた。
パーティーでの問題がなければ、ソミールを『聖女』として招待する計画だったのだろう。
あのような人物だと知り、聖女候補に変更した。
こちらとしては王族に迷惑をかけたので、相手の望みを受け入れるしかない。
聖女候補が一人減れば、ソミールの負担は大きくなる。
自身が招いた種。
回収も自身で責任を取ってもらわなければならない。
ソミールは王宮から教会に移り『祈り』に専念するようにと国王に命じられた。
ソミールを養女に向かえたイリノエ侯爵の領地には、未だに魔獣被害が続いている。
王宮に支援を願うも、他領地からも申請があるためと断られている。
そのため、多くの領民が他領地に移動している。
そして、コルネリウス。
聖女候補の協力を得られない理由がコルネリウスにもあるとされ、処罰が下された。
「コルネリウスは王位継承権を剥奪。生涯、聖女のお目付け役として、教会での聖女護衛騎士に任命する」
「……はい」
コルネリウスは、反論することなく受け入れたと聞く。
国の混乱、聖女の暴走、教会との信頼関係の壊滅、卒業した聖女候補の説得失敗。
覚悟していたのだろう。
そして問題のソミールは、新たに誕生する聖女候補とは別で祈りを捧げている。
教会に移り住み、人々の前に一切出ていない。
そのおかげもあり、結界はようやく修復、維持され始めた。
教会が徹底的にソミールを隔離、管理し、祈りに集中させている。
「はぁ、なんと素晴らしい聖女様なんだ。姿は拝見出来ないが、最近ようやく魔獣被害が治まった。これも、聖女様の祈りのおかげだ」
国民は、ソミールを絵本のように素晴らしい聖女様と信じている。
その噂も嘘ではない。
ソミールは結界のために祈りを捧げている。
逃げ出さないよう、常にコルネリウスが監視。
一部の教会関係者以外、二人の姿を目撃した者はいない。
貴族たちの間でも、二人の噂をすることが次第に減少していった。
この国に、ようやく平穏が訪れた。
「フローレンス」
「ルードヴィック」
卒業した聖女候補同士で談笑していると、ルードヴィックが現れる。
「挨拶してたのか」
「皆さんから、お祝いの言葉をいただいていたの」
「それは、ありがたいな」
私はこの度、ルードヴィック・コルテーゼ侯爵と結婚。
フローレンス・コルテーゼ侯爵夫人になった。
私たちの出会いは、伝説の花『ブルニーマ・クラウト』だ。
その花が切っ掛けとなり、私は彼と交流を深めることになった。
私にとって伝説の花であり、恋のキューピットのような存在。
功績を奪われたということは、今はなんとも……少しは思う事もあるが、恨みというほどではない。
今は、幸せが勝っている。
「「「「「「おめでとう」」」」」」
聖女候補として共に学んだ人たちに祝福され、幸せな結婚式を迎えた。
聖女になるために努力してきたが、ならなくて良かったと思っている。
これは強がりではない。
本当にそう思っている。
「神様。聖女様のことを、くれぐれもよろしくお願いいたします。これからは聖女様お一人を、気に掛けてあげてくださいね」
「ありがとう、デルフィーナ様」
聖女候補時代共に過ごした、デルフィーナ・スカヴィーノから祝いの言葉をいただく。
この度、私は結婚する。
「本日は招待していただきありがとうございます」
「私も嬉しいわ」
「コンチェッタ様にクロリンダ様。お越しいただきありがとうございます」
聖女候補時代にお世話になった先輩たちが、続々と挨拶に来てくれた。
「お久しぶりね。本日はおめでとうございます」
「ブルネッラ様、ありがとうございます」
「私たちもいるわよ」
「アイーダ様に、アネルマ様もありがとうございます」
「結婚おめでとう、幸せになってね!」
「ありがとうございます」
「聞いた話だと、私たちが卒業してから相当大変だったみたいね」
先輩たちが卒業し、デルフィーナと私が候補者を引っ張る立場になった時にソミールが現れた。
他の先輩たちは彼女と入れ替わりだったので、どんな人物か正確には知らない。
今代の聖女が決定し、コルネリウスにより『聖女補佐は必要ない』と宣言されてから、私とデルフィーナは令嬢たちの標的だった。
その状況を先輩たちは、さりげなく助けてくれていた。
聖女候補となって唯一良かったのは、素敵な先輩と可愛らしく時に頼りになる後輩に恵まれたこと。
「忘れないうちに渡しておくわね。これはエルネスタ様からの手紙よ」
「エルネスタ様ですか? 嬉しいです。隣国にと聞いたのですがコンチェッタ様は交流がおありなんですか?」
「隣国との取引で向かった時に偶然会ったの。彼女も皆にも会いたがっていたわ」
「そうなんですね」
聖女候補たちとは、卒業してから仲が良くなったのかもしれない。
聖女候補であり王子の婚約者候補という立場が、私たちを殺伐とさせていた。
過去色々あったブルネッラとアイーダも、あの頃よりかは自然に会話している。
「今の聖女様は教会に移り住み、ほとんどの時間を祈りに捧げているそうですよ」
幼馴染のデルフィーナの決別を覚悟しての忠告で、コルネリウスはようやくソミールの調査を開始した。
だが、王宮はそれよりも前からソミールという人物について把握。
それでも聖女にし王妃候補として見ていたのは、教会内での活躍を買っていたから。
聖女候補の功績をうまく利用し、自身のモノにする能力。
それを王宮でも発揮し有能な聖女候補たちが働いてくれるなら、王妃が無能な聖女でも構わなかった。
だが、愚かにもコルネリウスの『聖女補佐を必要としない』宣言により聖女候補を敵に回した。
聖女候補には高位貴族がいるにもかかわらず、そのような発言したことで国王はコルネリウスに見切りを付けた。
「今後、聖女は王宮ではなく教会で『祈り』に専念するように」
静かに聖女を務めていれば別の道もあったはずだが、王族主催のパーティーで隣国の王女相手に失態が決め手となり王宮を追放され、教会で祈りを捧げることを命じられる。
要は、厄介払い。
ソミールが処刑にならなかったのは、王女の寛大なお心によって。
その後、国として相手国の条件を無条件に飲むことになった。
その一つが、
「聖女候補を国に招待したい」
隣国は聖女候補すら、何年も現れていない。
聖女候補を取り込み、自国の『聖女』にと考えているのだろう。
能力だけを見ればソミール。
「聖女の能力が必要でしたら、ソミール様の方が適任かと思います」
「いえ。聖女様をご招待だなんて、恐れ多いです。国を離れることになりますから、聖女様ではなく聖女候補様のお力を借りたいと思います」
あちらの人間にも、ソミールが『面倒な人物』と認識され丁重に断られた。
パーティーでの問題がなければ、ソミールを『聖女』として招待する計画だったのだろう。
あのような人物だと知り、聖女候補に変更した。
こちらとしては王族に迷惑をかけたので、相手の望みを受け入れるしかない。
聖女候補が一人減れば、ソミールの負担は大きくなる。
自身が招いた種。
回収も自身で責任を取ってもらわなければならない。
ソミールは王宮から教会に移り『祈り』に専念するようにと国王に命じられた。
ソミールを養女に向かえたイリノエ侯爵の領地には、未だに魔獣被害が続いている。
王宮に支援を願うも、他領地からも申請があるためと断られている。
そのため、多くの領民が他領地に移動している。
そして、コルネリウス。
聖女候補の協力を得られない理由がコルネリウスにもあるとされ、処罰が下された。
「コルネリウスは王位継承権を剥奪。生涯、聖女のお目付け役として、教会での聖女護衛騎士に任命する」
「……はい」
コルネリウスは、反論することなく受け入れたと聞く。
国の混乱、聖女の暴走、教会との信頼関係の壊滅、卒業した聖女候補の説得失敗。
覚悟していたのだろう。
そして問題のソミールは、新たに誕生する聖女候補とは別で祈りを捧げている。
教会に移り住み、人々の前に一切出ていない。
そのおかげもあり、結界はようやく修復、維持され始めた。
教会が徹底的にソミールを隔離、管理し、祈りに集中させている。
「はぁ、なんと素晴らしい聖女様なんだ。姿は拝見出来ないが、最近ようやく魔獣被害が治まった。これも、聖女様の祈りのおかげだ」
国民は、ソミールを絵本のように素晴らしい聖女様と信じている。
その噂も嘘ではない。
ソミールは結界のために祈りを捧げている。
逃げ出さないよう、常にコルネリウスが監視。
一部の教会関係者以外、二人の姿を目撃した者はいない。
貴族たちの間でも、二人の噂をすることが次第に減少していった。
この国に、ようやく平穏が訪れた。
「フローレンス」
「ルードヴィック」
卒業した聖女候補同士で談笑していると、ルードヴィックが現れる。
「挨拶してたのか」
「皆さんから、お祝いの言葉をいただいていたの」
「それは、ありがたいな」
私はこの度、ルードヴィック・コルテーゼ侯爵と結婚。
フローレンス・コルテーゼ侯爵夫人になった。
私たちの出会いは、伝説の花『ブルニーマ・クラウト』だ。
その花が切っ掛けとなり、私は彼と交流を深めることになった。
私にとって伝説の花であり、恋のキューピットのような存在。
功績を奪われたということは、今はなんとも……少しは思う事もあるが、恨みというほどではない。
今は、幸せが勝っている。
「「「「「「おめでとう」」」」」」
聖女候補として共に学んだ人たちに祝福され、幸せな結婚式を迎えた。
聖女になるために努力してきたが、ならなくて良かったと思っている。
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