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悪い事したい・その一……ズル休み
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幸せな転生先に感謝しながら眠りにつく。
「おはようございます、お嬢様っ」
「ひゃっ……お……はよう……ございます」
家族でない人に起こされ驚いてしまう。
私が言った家族は前の家族であって、新しい家族に起こされたら更に驚いていただろう。
「お嬢様、体調はどうですか? 」
「体調は……」
「もし、まだ気分が優れないようでしたら本日もお休みして構わないと旦那様から言付かっております」
もしかして休んでもいいの?
過去の私は一度もズル休みをしたことがなかった。
今日なら念願のズル休みをしても誰にも咎められることがない?
「んふっんんん……まだ気分悪いかも……」
体調は悪くない。
「では本日はお休みいたしますか? 」
「そうする……」
「お食事はどうなさいますか?」
「どう?」
どうとは何だ?
食べるかってこと?
もちろん食べます。
「頂きます」
「食堂にしますか? それともこちらで?」
「部屋で?」
「畏まりました」
部屋で食べてもいいのか確認しようとしただけなのだが、勘違いされてしまった。
部屋に運ばれてきた朝食は、ドラマで見たようなホテルの朝食。
「頂きます」
私はここでミスを犯す。
気分が悪いと言っておきながら、朝食を堪能してしまうというミス。
そんなミスを犯しているにも関わらず、気付かず浮かれているミス。
ミスにミスを重ね、使用人も私がズル休みしている事に気付いているだろうに一切咎められることは無かった。
そして、出された朝食を完食。
「ご馳走様……美味しかったぁ」
「……はい。シェフに伝えておきます」
「うん」
そこに、気分が悪いシャルロッテはいなかった。
使用人が片付けを終え部屋を出て行き、一人になるとやることがない。
「何すればいいんだろう?」
ズル休みをした経験がないので、何をしていいのか分からない。
「暇だ……」
よく、考えるとこの国の事も学園の事も分からないで登校するのってかなり危険ではないだろうか?
施設内の地図がないと教室にも辿り……
「そもそも、私って三年何組? 」
使用人が戻ってきたら何を聞かなきゃいけないのか確認する事に……
「私この国の文字とか読み書きできるの?」
転生モノでは皆都合よく記憶があるので、読み書きで悩むというのは聞かない。
喩え読み書きに苦労しても、それは幼い頃に転生している事が多いので周囲が不安に思う事は無かった。
「私は……文字……読めるの? 」
それ次第で学園に通うのは難しい。
急いで立ち上がり机に駆け寄る。
何の本でもいい、この国の文字さえわかれば安心できる。
机の上にあった一冊の本を手にし、偶然開いたページを読む。
「……騎士様は私のスカートをたくし上げ内ももに口づけを……って、なんちゅう本を読んでんのよっ」
文字を読めたことに安心する事も忘れ、一人本に向かって突っ込みを入れていた。
不意に読んだ個所が官能的で、それを口に出して読んでしまった恥ずかしさ。
誰もいないのに、必死に誤魔化す自分が小心者過ぎる。
「……ふぅぅう」
ゆっくり息を吐き、冷静となってから文字が読めることに一安心する。
「自身の事やこの世界の事は分からないのに、文字だけは読めるのね……」
有り難いと思いつつ、脳の不思議に直面していた。
「おはようございます、お嬢様っ」
「ひゃっ……お……はよう……ございます」
家族でない人に起こされ驚いてしまう。
私が言った家族は前の家族であって、新しい家族に起こされたら更に驚いていただろう。
「お嬢様、体調はどうですか? 」
「体調は……」
「もし、まだ気分が優れないようでしたら本日もお休みして構わないと旦那様から言付かっております」
もしかして休んでもいいの?
過去の私は一度もズル休みをしたことがなかった。
今日なら念願のズル休みをしても誰にも咎められることがない?
「んふっんんん……まだ気分悪いかも……」
体調は悪くない。
「では本日はお休みいたしますか? 」
「そうする……」
「お食事はどうなさいますか?」
「どう?」
どうとは何だ?
食べるかってこと?
もちろん食べます。
「頂きます」
「食堂にしますか? それともこちらで?」
「部屋で?」
「畏まりました」
部屋で食べてもいいのか確認しようとしただけなのだが、勘違いされてしまった。
部屋に運ばれてきた朝食は、ドラマで見たようなホテルの朝食。
「頂きます」
私はここでミスを犯す。
気分が悪いと言っておきながら、朝食を堪能してしまうというミス。
そんなミスを犯しているにも関わらず、気付かず浮かれているミス。
ミスにミスを重ね、使用人も私がズル休みしている事に気付いているだろうに一切咎められることは無かった。
そして、出された朝食を完食。
「ご馳走様……美味しかったぁ」
「……はい。シェフに伝えておきます」
「うん」
そこに、気分が悪いシャルロッテはいなかった。
使用人が片付けを終え部屋を出て行き、一人になるとやることがない。
「何すればいいんだろう?」
ズル休みをした経験がないので、何をしていいのか分からない。
「暇だ……」
よく、考えるとこの国の事も学園の事も分からないで登校するのってかなり危険ではないだろうか?
施設内の地図がないと教室にも辿り……
「そもそも、私って三年何組? 」
使用人が戻ってきたら何を聞かなきゃいけないのか確認する事に……
「私この国の文字とか読み書きできるの?」
転生モノでは皆都合よく記憶があるので、読み書きで悩むというのは聞かない。
喩え読み書きに苦労しても、それは幼い頃に転生している事が多いので周囲が不安に思う事は無かった。
「私は……文字……読めるの? 」
それ次第で学園に通うのは難しい。
急いで立ち上がり机に駆け寄る。
何の本でもいい、この国の文字さえわかれば安心できる。
机の上にあった一冊の本を手にし、偶然開いたページを読む。
「……騎士様は私のスカートをたくし上げ内ももに口づけを……って、なんちゅう本を読んでんのよっ」
文字を読めたことに安心する事も忘れ、一人本に向かって突っ込みを入れていた。
不意に読んだ個所が官能的で、それを口に出して読んでしまった恥ずかしさ。
誰もいないのに、必死に誤魔化す自分が小心者過ぎる。
「……ふぅぅう」
ゆっくり息を吐き、冷静となってから文字が読めることに一安心する。
「自身の事やこの世界の事は分からないのに、文字だけは読めるのね……」
有り難いと思いつつ、脳の不思議に直面していた。
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