32 / 63
不穏な空気
しおりを挟む
数週間が過ぎ、バイトにも慣れ始めた。
「シャーリン、次の休み俺と食事でもどう? 」
ここで働くようになって、男性に誘われる経験をしている。
食事に誘われたり、花をくれたりする。
最初の頃は誰かに誘われる経験なんてしたことがなかったので、交わし方を知らずマキシーや女店主に庇ってもらっていた。
最近は笑顔で断る技を覚えた。
「恋人いないんだろ? 」
働き出して数日、私を誘ってくれる人が数名現れた。
その中で、いくら断っても諦めない積極的な人物が目の前にいる彼。
「ここにはいませんね」
どこにもいないけど……
「なら、ずっとここにいたらいい」
彼はテオバルドと言い、自身の見た目が女性に人気なのを知っている。
この辺りでも有名なんだとか。
彼の良いところは、私を口説くが一定の距離を開け触れてこない事。
それに、過去に恋人はいたが今はフリーで浮気などは嫌うらしい。
以前の恋人が彼と付き合いながら、男爵令息とも関係があったそうで彼の方から別れを切り出したというのはこの辺りの人なら誰でも知っている事なんだとか。
彼に別れを告げられた女性は、泣いて縋りついているのを男爵令息に目撃され彼にも愛想を尽かされ二人に捨てられたそうだ。
一時は町全体がその話題で持ち切りだったと聞く。
私は女店主からその話を聞いた時、彼には同情? 好感が持てるとは思った。
「……一度くらいなら? 」
この時の私は軽い気持ちだった。
敢えて言うなら、領地でのひと夏の思い出くらいにと……
「おっいいの? やった」
「お嬢っ……駄目です」
私達の会話を聞いていたマキシーが慌てて断る。
「お姉さん、妹さんに無理やり手を出すつもりはありません。合意ならいいですよね? 」
「合意でもよくありませんっ」
テオバルドと言う人は私よりもマキシーとの掛け合いの方が楽しそうに見える。
こういう人って、案外マキシーと……
「んで、いつ休み? 」
「明後日……ですかね? 」
「分かった、明後日ね。何時にしよっか? 」
「お昼で」
「お昼にどこに迎えに行けばいい? 」
「ここで」
「家は教えられないって? わかった。明後日のお昼にここで。じゃぁっ」
彼の良いところは、しつこくないところ。
嫌だなって感じ取るとすぐに引いてくれる。
「……本当にいいんですか? 」
「いいんじゃないかな? 一度ご飯に行ったら諦めてくれるでしょ」
「お嬢様……一度行ってしまうと可能性を感じるものなんです」
「……そうなの? 」
「はい」
知らなかった。
「……どうしよう」
「知りません」
「マキシー」
怒ったマキシーはそれから口きいてくれなかった。
「……アイゼンハワー? 」
「ん? 」
聞き覚えぼある声に振り向く。
「やっぱり、お前か。何してるんだっ」
「先生? どうしてここに? 」
「私はここで新たな鉱石が発掘されたと聞き分析・検査に来た。それよりお前はここで何しているんだ? 」
鉱石?
キングズリーって、鉱石に興味あるんだ……
意外。
「えぇっと……社会勉強です」
「社会勉強? 」
分かりやすく疑われてる。
「こちらで、働かせていただいております」
「働いて……いるのか? 」
貴族が働いているというのは珍しく信じられないのだろう。
自身の家門の系列などではなく、全く関係のない平民の元でなんて尚更だ。
「はい」
「……公爵は許しているのか? 」
当然の質問だ。
「もちろん」
私は胸を張って答える。
「……休暇中だから何も言わないが、無茶はするなよ」
「はいっ」
まさか領地でキングズリーに会うとは思わなかった。
しかも私がバイトしているところに……
食事をしに来たお客なので接客するが、知り合いが来ると調子が狂う。
「……そういえば、先生はあの子と観劇に行ったのかな? 」
忘れたいことを思い出してしまった。
翌日もキングズリーに警戒していたが、裏を返すと来てくれるのではないかとほんの少し期待しながら働いていた。
「シャーリン」
……キングズリーの事を忘れさせてくれる相手が現れた。
「……いらっしゃいませ」
一呼吸置いて、お客を出迎える。
「俺の名前覚えてくれた? 」
「……ん」
覚えたくないが覚えてしまった。
それでも言いたくない。
「リアムだよ、リ・ア・ム」
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください」
さっさとこの男から離れたい。
「これっ、プレゼント」
「……花束……私にですか? 」
男は花束を真面々の笑みで差し出す。
「そっ、君に。プレゼント」
「お断りします」
「どうして? 君に似合う花を選んだんだ」
「この花の意味は? 」
「花言葉ってこと? 」
「違います。花束を貰って終わりならそれでいいです。それ以上はお断りです」
「今度一緒に観劇にでも行かない? 」
軽薄そうに誘う男。
慣れた仕草は誰にでもしているのだろうと見える。
今は私だが、来週には別の女性を口説いているに違いない。
「お断りです」
「なら、ご飯は? 」
「遠慮します」
「仕事、もうすぐ終わりだろう? 俺が送るよ」
「結構です、姉と一緒なので」
「女二人でも不安だろう? 」
「問題ありません、兄が一緒なので」
エイジャックスの友人が兄という設定なので、それに乗っかった。
「ずっと、お姉さんとお兄さんと一緒に暮らす事も出来ないだろう? 少しくらい俺との時間作ってよ。俺、結構いい男だよ? 」
リアムは確かに整った顔立ちをしている。
テオバルドとは違ったタイプの男性で、少し強引なところを見ると自身が女性に人気なのを知っている様子。
私の好みではないが。
御覧の通り彼はしつこく、こちらの許可なく手や肩に触れようとするのが気持ちわ……好感が持てない。
仕事中なので一人の客だけを接客しているわけにもいかず離れたいのに、手首を掴まれる。
「ちょっとリアム、仕事の邪魔するんじゃないよ」
私が男性にちょっかいを掛けられていると気が付いた女店主が助けてくれた。
「はぁい。花束はプレゼント受け取って。これじゃ飯食べられないし」
「……はい」
仕方なく花束を受け取り、店の片隅に飾った。
花束は捨てるのも可哀想だし屋敷に持って帰るのも嫌だったので、もう一度言うが仕方なく飾った。
「アイゼンハワー、毎回あんなのに絡まれているのか? 」
「ひゃっ……先生……いらっしゃいませ」
「あれに毎回絡まれるくらいなら辞めた方がいいんじゃないのか? 」
嫌な場面をキングズリーに目撃されてしまった。
「もう慣れたので、問題ありません」
「働くのを辞めたいとは思わないのか? 」
「自分で言い出した事なので」
「……責任感が強いのはいいが、意地になるなよ。危ないと思ったらすぐに助けを求めろ、いいな」
キングズリーは教師として生徒を心配だから声を掛けたに過ぎない。
勘違いしてはいけない。
「……はい」
私達の会話は聞こえなくても睨みつけるような視線を送る人物が一人。
私は自分の事でいっぱいで気が付いていなかった。
本日の一言日記。
初めてのバイト、秘密だったのに先生にバレました。
休暇中ですので報告はしていませんが規則違反じゃないですよね?
貴族はバイトして良いんですよね?
校則に貴族のバイトは禁止なんて項目ありませんもの。
「シャーリン、次の休み俺と食事でもどう? 」
ここで働くようになって、男性に誘われる経験をしている。
食事に誘われたり、花をくれたりする。
最初の頃は誰かに誘われる経験なんてしたことがなかったので、交わし方を知らずマキシーや女店主に庇ってもらっていた。
最近は笑顔で断る技を覚えた。
「恋人いないんだろ? 」
働き出して数日、私を誘ってくれる人が数名現れた。
その中で、いくら断っても諦めない積極的な人物が目の前にいる彼。
「ここにはいませんね」
どこにもいないけど……
「なら、ずっとここにいたらいい」
彼はテオバルドと言い、自身の見た目が女性に人気なのを知っている。
この辺りでも有名なんだとか。
彼の良いところは、私を口説くが一定の距離を開け触れてこない事。
それに、過去に恋人はいたが今はフリーで浮気などは嫌うらしい。
以前の恋人が彼と付き合いながら、男爵令息とも関係があったそうで彼の方から別れを切り出したというのはこの辺りの人なら誰でも知っている事なんだとか。
彼に別れを告げられた女性は、泣いて縋りついているのを男爵令息に目撃され彼にも愛想を尽かされ二人に捨てられたそうだ。
一時は町全体がその話題で持ち切りだったと聞く。
私は女店主からその話を聞いた時、彼には同情? 好感が持てるとは思った。
「……一度くらいなら? 」
この時の私は軽い気持ちだった。
敢えて言うなら、領地でのひと夏の思い出くらいにと……
「おっいいの? やった」
「お嬢っ……駄目です」
私達の会話を聞いていたマキシーが慌てて断る。
「お姉さん、妹さんに無理やり手を出すつもりはありません。合意ならいいですよね? 」
「合意でもよくありませんっ」
テオバルドと言う人は私よりもマキシーとの掛け合いの方が楽しそうに見える。
こういう人って、案外マキシーと……
「んで、いつ休み? 」
「明後日……ですかね? 」
「分かった、明後日ね。何時にしよっか? 」
「お昼で」
「お昼にどこに迎えに行けばいい? 」
「ここで」
「家は教えられないって? わかった。明後日のお昼にここで。じゃぁっ」
彼の良いところは、しつこくないところ。
嫌だなって感じ取るとすぐに引いてくれる。
「……本当にいいんですか? 」
「いいんじゃないかな? 一度ご飯に行ったら諦めてくれるでしょ」
「お嬢様……一度行ってしまうと可能性を感じるものなんです」
「……そうなの? 」
「はい」
知らなかった。
「……どうしよう」
「知りません」
「マキシー」
怒ったマキシーはそれから口きいてくれなかった。
「……アイゼンハワー? 」
「ん? 」
聞き覚えぼある声に振り向く。
「やっぱり、お前か。何してるんだっ」
「先生? どうしてここに? 」
「私はここで新たな鉱石が発掘されたと聞き分析・検査に来た。それよりお前はここで何しているんだ? 」
鉱石?
キングズリーって、鉱石に興味あるんだ……
意外。
「えぇっと……社会勉強です」
「社会勉強? 」
分かりやすく疑われてる。
「こちらで、働かせていただいております」
「働いて……いるのか? 」
貴族が働いているというのは珍しく信じられないのだろう。
自身の家門の系列などではなく、全く関係のない平民の元でなんて尚更だ。
「はい」
「……公爵は許しているのか? 」
当然の質問だ。
「もちろん」
私は胸を張って答える。
「……休暇中だから何も言わないが、無茶はするなよ」
「はいっ」
まさか領地でキングズリーに会うとは思わなかった。
しかも私がバイトしているところに……
食事をしに来たお客なので接客するが、知り合いが来ると調子が狂う。
「……そういえば、先生はあの子と観劇に行ったのかな? 」
忘れたいことを思い出してしまった。
翌日もキングズリーに警戒していたが、裏を返すと来てくれるのではないかとほんの少し期待しながら働いていた。
「シャーリン」
……キングズリーの事を忘れさせてくれる相手が現れた。
「……いらっしゃいませ」
一呼吸置いて、お客を出迎える。
「俺の名前覚えてくれた? 」
「……ん」
覚えたくないが覚えてしまった。
それでも言いたくない。
「リアムだよ、リ・ア・ム」
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください」
さっさとこの男から離れたい。
「これっ、プレゼント」
「……花束……私にですか? 」
男は花束を真面々の笑みで差し出す。
「そっ、君に。プレゼント」
「お断りします」
「どうして? 君に似合う花を選んだんだ」
「この花の意味は? 」
「花言葉ってこと? 」
「違います。花束を貰って終わりならそれでいいです。それ以上はお断りです」
「今度一緒に観劇にでも行かない? 」
軽薄そうに誘う男。
慣れた仕草は誰にでもしているのだろうと見える。
今は私だが、来週には別の女性を口説いているに違いない。
「お断りです」
「なら、ご飯は? 」
「遠慮します」
「仕事、もうすぐ終わりだろう? 俺が送るよ」
「結構です、姉と一緒なので」
「女二人でも不安だろう? 」
「問題ありません、兄が一緒なので」
エイジャックスの友人が兄という設定なので、それに乗っかった。
「ずっと、お姉さんとお兄さんと一緒に暮らす事も出来ないだろう? 少しくらい俺との時間作ってよ。俺、結構いい男だよ? 」
リアムは確かに整った顔立ちをしている。
テオバルドとは違ったタイプの男性で、少し強引なところを見ると自身が女性に人気なのを知っている様子。
私の好みではないが。
御覧の通り彼はしつこく、こちらの許可なく手や肩に触れようとするのが気持ちわ……好感が持てない。
仕事中なので一人の客だけを接客しているわけにもいかず離れたいのに、手首を掴まれる。
「ちょっとリアム、仕事の邪魔するんじゃないよ」
私が男性にちょっかいを掛けられていると気が付いた女店主が助けてくれた。
「はぁい。花束はプレゼント受け取って。これじゃ飯食べられないし」
「……はい」
仕方なく花束を受け取り、店の片隅に飾った。
花束は捨てるのも可哀想だし屋敷に持って帰るのも嫌だったので、もう一度言うが仕方なく飾った。
「アイゼンハワー、毎回あんなのに絡まれているのか? 」
「ひゃっ……先生……いらっしゃいませ」
「あれに毎回絡まれるくらいなら辞めた方がいいんじゃないのか? 」
嫌な場面をキングズリーに目撃されてしまった。
「もう慣れたので、問題ありません」
「働くのを辞めたいとは思わないのか? 」
「自分で言い出した事なので」
「……責任感が強いのはいいが、意地になるなよ。危ないと思ったらすぐに助けを求めろ、いいな」
キングズリーは教師として生徒を心配だから声を掛けたに過ぎない。
勘違いしてはいけない。
「……はい」
私達の会話は聞こえなくても睨みつけるような視線を送る人物が一人。
私は自分の事でいっぱいで気が付いていなかった。
本日の一言日記。
初めてのバイト、秘密だったのに先生にバレました。
休暇中ですので報告はしていませんが規則違反じゃないですよね?
貴族はバイトして良いんですよね?
校則に貴族のバイトは禁止なんて項目ありませんもの。
850
あなたにおすすめの小説
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
わたしとの約束を守るために留学をしていた幼馴染が、知らない女性を連れて戻ってきました
柚木ゆず
恋愛
「リュクレースを世界の誰よりも幸せにするって約束を果たすには、もっと箔をつけないといけない。そのために俺、留学することにしたんだ」
名門と呼ばれている学院に入学して優秀な成績を収め、生徒会長に就任する。わたしの婚約者であるナズアリエ伯爵家の嫡男ラウルは、その2つの目標を実現するため2年前に隣国に渡りました。
そんなラウルは長期休みになっても帰国しないほど熱心に勉学に励み、成績は常に学年1位をキープ。そういった部分が評価されてついに、一番の目標だった生徒会長への就任という快挙を成し遂げたのでした。
《リュクレース、ついにやったよ! 家への報告も兼ねて2週間後に一旦帰国するから、その時に会おうね!!》
ラウルから送られてきた手紙にはそういったことが記されていて、手紙を受け取った日からずっと再会を楽しみにしていました。
でも――。
およそ2年ぶりに帰ってきたラウルは終始上から目線で振る舞うようになっていて、しかも見ず知らずの女性と一緒だったのです。
そういった別人のような態度と、予想外の事態に困惑していると――。そんなわたしに対して彼は、平然とこんなことを言い放ったのでした。
「この間はああ言っていたけど、リュクレースと結んでいる婚約は解消する。こちらにいらっしゃるマリレーヌ様が、俺の新たな婚約者だ」
※8月5日に追記させていただきました。
少なくとも今週末まではできるだけ安静にした方がいいとのことで、しばらくしっかりとしたお礼(お返事)ができないため感想欄を閉じさせていただいております。
もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました
柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?
柚木ゆず
恋愛
「すでに気付いているんですのよ。わたくしやお父様やお母様に隠れて、交際を行っていることに」
「ダーファルズ伯爵家のエドモン様は、雄々しく素敵な御方。お顔も財力も最上級な方で、興味を持ちましたの。好きに、なってしまいましたの」
私のものを何でも欲しがる、妹のニネット。今度は物ではなく人を欲しがり始め、エドモン様をもらうと言い出しました。
確かに私は、家族に隠れて交際を行っているのですが――。その方は、私にしつこく言い寄ってきていた人。恋人はエドモン様ではなく、エズラル侯爵家のフレデリク様なのです。
どうやらニネットは大きな勘違いをしているらしく、自身を溺愛するお父様とお母様の力を借りて、そんなエドモン様にアプローチをしてゆくみたいです。
どうやらこのパーティーは、婚約を破棄された私を嘲笑うために開かれたようです。でも私は破棄されて幸せなので、気にせず楽しませてもらいますね
柚木ゆず
恋愛
※今後は不定期という形ではありますが、番外編を投稿させていただきます。
あらゆる手を使われて参加を余儀なくされた、侯爵令嬢ヴァイオレット様主催のパーティー。この会には、先日婚約を破棄された私を嗤う目的があるみたいです。
けれど実は元婚約者様への好意はまったくなく、私は婚約破棄を心から喜んでいました。
そのため何を言われてもダメージはなくて、しかもこのパーティーは侯爵邸で行われる豪華なもの。高級ビュッフェなど男爵令嬢の私が普段体験できないことが沢山あるので、今夜はパーティーを楽しみたいと思います。
姉のものを欲しがる性悪な妹に、墓穴を掘らせてみることにした
柚木ゆず
恋愛
僕の婚約者であるロゼの家族は、困った人ばかりだった。
異母妹のアメリはロゼの物を欲しがって平然と奪い取り、継母ベルは実子だけを甘やかす。父親であるトムはベルに夢中で、そのためアメリの味方ばかりする。
――そんな人達でも、家族ですので――。
それでもロゼは我慢していたのだけれど、その日、アメリ達は一線を越えてしまった。
「マエル様を欲しくなったの。お姉様の婚約者を頂戴」
「邪魔をすれば、ここにあるユリのアクセサリーを壊すわよ?」
アメリとベルは自分達の都合でこの婚約を解消させようとして、ロゼが拒否をしたら亡き母の形見を使って脅迫を始めたらしいのだ。
僕に迷惑をかけようとしたことと、形見を取り上げられたこと。それによってロゼはついに怒り、僕が我慢している理由もなくなった。
だからこれから、君達にこれまでのお礼をすることにしたんだ。アメリ、ベル、そしてトム。どうぞお楽しみに。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる