男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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可愛いおねだりには逆らえない

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朝目覚めれば先輩の胸に顔を寄せていた。

「俺、寝れたんだ」

あの後ずっとムラムラして寝返りを沢山打っていたのは記憶に有る。
いつもならここからイチャイチャタイムなのに、家だから仕方なく起きるしかない。
起き上がりベッドから出ようとすれば手首を捕まれる。

「まだ平気だろう?」

「でも、凛がいつ来るか」

「…」

納得したのか手を解放され渋々起き上がる先輩。
先に立ち上がり先輩の両手を取り立つことを促す。
扉の前まで来ると背後から抱き締められた。

「せっ、先輩?」

「ここ出たら、出来ねぇだろ」

うなじを口に含まれる。
もうキスって言葉じゃ無い気がする。
先輩の手がTシャツの中に、それだけじゃなくズボンの中にも入り込む。

「あっん」

体がくの字に曲がり、片手は扉に手を付きもう片方は昨日の続きのように口元に向かう。
昨日の中途半端な燻りがまた熱を持ちかける。

「なぁ、どうする?」

「?」

「このまま続けるか、辞めるか」

辞めた方がいいとは分かっていても辞めたくない。
それを選ばせる先輩はズルい。
答えられずにいる。

「なぁ、こっち向けよ」

耳元でささやかれる悪魔の呟き。
この言葉に従いたい。
従えば快感が得られる。
けど、相当の代償もある。
無理矢理されたら後なら先輩を責めることが出来るが自分の意思で行ったとなれば、朝から家族のいる家でエッチしてしまった事実にみんなの顔をちゃんと見られなさそう。
先輩もズルいが俺もズルい。
辞めたくないのに続きを催促することも出来ない。
先輩の好きなようにされているが、本当はそれを望んでいる。
俺はズルい奴だった。
俺は俺の意思で先輩に向き直った。
俺の身体から両手が離れ先輩の視線が合う。
朝にしては激しいキスをする。
お願い今だけは誰も部屋に来ないで。
キスが終われば早急にズボンとパンツが落ち俺のものが現れ、口をつける先輩がいた。
口に含まれ強く刺激される度、声が漏れる。
立ち続けることも叶わなくなり、扉に寄りかかり先輩の肩に手をついた。

「兄ちゃーん、起きてる?」

凛の声に分かりやすく驚いた。
扉の向こうには凛がいるのに先輩は気にすることもなく続ける。
変な声がでないように口を急いで塞いだ。

「兄ちゃーん?先輩?」

「んっふっ…起き、てるよっ」

先輩は口を離してくれない処か強く吸い、俺の弱いところを舌で刺激する。

「朝ごはん…大丈夫?」

「す、すぐ…行くから」

凛に気づかれないように返事をすることが精一杯だった。

「わかったぁ」

階段を下りる音が聞こえた。

「せんぱい…もっダメ」

イッてしまった。
先輩が口から離した途端、崩れ落ちた。
手の甲で口を拭う先輩と視線が合う。

「ごちそうさん」

悪戯な笑みを浮かべる先輩がいる。
バシッと軽く先輩の肩を叩いた。
何てことをっ。
扉一枚向こうには凛が居たのに。
他の誰かじゃなく凛がっ。

「ヴー先輩のバカっ」

「悪かったよ」

頬にチュッとキスされた。
こんなんで騙されないんだから。
耳元近くに先輩がきた。
ドキドキする。
この続きするのかな?って期待した。

「そんな格好してると今度はやめねぇぞ」

そんな格好って?
自分の姿を見れば、多少隠れてはいるがちょろっとはみ出していた。
Tシャツを伸ばし隠す。

「そっからどうすんだよ?」

ニヤつく先輩もうイヤっ。

「あっち向いて…早く」

先輩が後ろを向いたのを確認してパンツとズボンを急いで履いた。

「よし…先輩行きますよ」

俺がちょっと怒ってるのに全く気にしないんだから。
もぉ…笑うな、いつまで楽しんでるんだかっ。
洗面所に向かい顔を洗って歯を磨いた。
先輩用の歯ブラシもちゃっかりうちに置くことにした。
また来ても良いですよって意味で。
二人でリビングに向かった。
父さんはもう出勤していた。
なので母さんと凛と先輩と俺の四人での朝ごはんだった。
先輩は朝食を終え着替えた後はバイトがあるため家に帰るので、先輩を送る事を母さんに伝えた。

「俺も一緒に行くぅ」

天使の声が響いた。
んー俺の予定では先輩の家に行ってバイトの時間はきっと夕方だからそれまでイチャイチャ出来るのでは?と考えていた。
 
「ダメぇ?」

昨日も追い出してしまった気がしなくもない…。
先輩を見れば、そんな気にしてないように見えた。
俺だけ?
俺だけしたいと思ってるの?
む゛ー。

「いいよ、なら凛も一緒に行こうっ」

「やったぁー」

そんなに喜ばれたら兄ちゃんは凛に今後も拒否出来ないよ。
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