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第三章「迷宮都市アイゼンシュタイン編」
第六十話「魔石ガチャ」
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暫く街を見下ろしながら葡萄酒を飲んでいると、錬金術師の指環が輝き始めた。小さなガチャが俺を見上げると、俺はマジックバックからドラゴニュートの魔石を二つ取り出した。早速Bランクのガチャを回してみよう。魔石投入口に魔石を投入すると、ガチャの表面に魔法の文字が輝いた。
『Bランク 高級魔法道具シリーズ』
今までは『Eランク 初級冒険者シリーズ』『Dランク 中級冒険者シリーズ』『Cランク 上級冒険者シリーズ』『Aランク 支配者級冒険者シリーズ』『Sランク 国宝級魔法道具シリーズ』を回した事があったが、Bランクのガチャは初めてだ。
早速レバーを回してみると、銀色に輝くレアカプセルが床に落ちた。カプセルの中には小さなメダルが入っている様だ。ミスリル製、青白く輝くメダル。これもきっと何か特殊な力を持つ魔法道具なのだろう。
再びドラゴニュートの魔石を投入してレバーを回す。瞬間、ガチャの体が虹色の輝きを放ち、神々しい光を放つレジェンドカプセルが飛び出した。カプセルの中にはミスリル製の腕輪が入っている。メダルに腕輪か。
ガチャが二つのカプセルを拾い上げ、嬉しそうにカプセルを頭上高く掲げると、俺はガチャからカプセルを受け取った。
「初めてのBランクのガチャでレアカプセルとレジェンドカプセルを当ててしまうとは。ユリウスは本当に運が良いんだね」
「本当にね。ところで、これはどういう効果がある魔法道具なんだろう」
レアカプセルを開けて小さなメダルを取り出す。メダルの中央には四つ葉のクローバーのマークが入っている。どうやらこのメダルは強い聖属性の魔力を秘めている様だ。全く使い道が分からない。
そしてレジェンドカプセルの中から腕輪を取り出した。腕輪は何の模様も入ってないシンプルな物で。ミスリル製の単純な物だ。それでもレジェンドカプセルの中から出てきたのだから、強力な力を持つ魔法道具である事は間違いない。
「そのメダルは幸運のメダルといって、闇属性を秘める者の接近を知らせる効果があるんだ。悪魔祓いが悪魔狩りの際に携帯する特殊な魔法道具だよ」
「闇属性を秘める者の接近を知らせる効果か。使い道が限られているけど、闇属性の魔物を倒す時には便利そうだね」
「これは錬金術師のジェラルド・ベルギウスがサキュバスに狙われた時に思いついた魔法道具なんだ。ジェラルドは特殊な魔法道具を自在に操り、悪魔祓いとしても地域に貢献していたんだけど、効率良く悪魔を見つけ出すためにこのメダルを作り上げたんだ」
「確か悪魔は闇属性を秘めている種族が多いんだよね」
「そうだよ。闇属性を持つ者が接近すると輝き出すからすぐに分かるんだ」
俺は幸運のメダルを服の内側に仕舞った。闇属性の魔物討伐の際に使うとしよう。それからレジェンドカプセルから出てきた腕輪を身に着けてみた。体には何の変化もない。
「この腕輪はどんな効果があるんだい?」
「それは変化の腕輪といって、魔物を人間に変化させる力があるんだ。変化出来る魔物は召喚契約を結んだ魔物に限るけどね」
「魔物を人間に?」
「ああ。サキュバスの様に一時的に人間に化けられる魔物が居るだろう? ジェラルドはサキュバスを仕留めた時に、魔物を人間化する魔法道具を思いついたんだ。そして彼はこの腕輪を作り上げた」
「魔物を人間に変えて何の意味があるんだい?」
「まぁ特に意味はないけど、ジークフリートみたいな巨体の魔物と一緒に生活していると、体の大きさの関係上、入れない場所なんかもあるだろう? 図体の大きい魔物を人間のサイズに変身させ、一緒に暮らすための腕輪なんだ」
「これがあればジークフリートが人間になるのか……きっとヴォルフ師匠みたいな見た目になるんだろうな」
「色々な魔物に使ってみると良いよ。腕輪を外せば元に戻るから、自在に魔物を人間に変えられるんだ」
フランツやエドガー、ロビンが人間になったらどんな見た目なのだろうか。きっとフランツは知的な好青年になり、エドガーは体格の良い戦士の様な見た目になるだろう。そしてロビンは小さくて俊敏性の高い少年の様な見た目になるに違いない。
俺は変化の腕輪をマジックバックに仕舞うと、ガチャが再び指環の姿に戻った。新たな魔法道具も手に入った事だし、街に繰り出して祝日を楽しむとしよう。
新品のローブに着替えてからエレオノーレ様の帯を巻く。左の腰に石宝刀とユニコーンの杖を差し、右の腰に魔石砲を差す。国王陛下から頂いた勲章は胸ポケットに仕舞っている。心臓に近い位置に勲章を入れておき、陛下への忠誠を常に思い出せる様にしている。
勇者の身分を証明するオリハルコン製の首飾りは常に身に着けている。中央にエメラルドが嵌った豪華な首飾りはまるで王族が身に着ける宝飾品の様だ。俺はこの首飾りを見るとヒュドラとの戦いや仲間達を思い出す。仲間と共に王都を防衛し、勇者の称号を得た時に授かった首飾りは俺にとって大切な物なのだ。
宿を出て夕方の街を見て歩く。街灯に浮かぶ火属性の魔石が街を照らし、昼間とは違った美しさを醸し出している。街では既に他国の勇者がドラゴニュートの討伐に成功した事が話題になっているのだろう。俺の姿を見て勇者だと気が付く者も何人か居る。
王都イスターツでは俺の面が割れているから、外に出れば大勢の市民が声を掛けてくれるが、ここはイスターツから遠く離れた街なので、勇者ユリウス・フォン・シュタインの風貌を知る者は少ない様だ。それでも新聞には俺のヒュドラ討伐の記事等が書かれており、かなり美化された俺の似顔絵なんかも載っている。
暫く街を見て歩いていると、背後から鋭い視線を感じた。何者かが俺を尾行しているのだろうか。魔物の様な獰猛な魔力でないので、俺は相手の気配を無視して街を歩いた。
まずはゲイザーに関する情報を集めるために、ギルドが立ち並ぶギルド区に来た。やはりどの都市のギルド区も大差は無い様で、街並みこそ異なるものの、王都イスターツのギルド区とよく似た雰囲気がある。個性的な外観をした様々なギルドが通りに面して建っており、ギルドを覗くと冒険者達が愉快にエールや葡萄酒を飲んでいた。
Bランクの魔物の襲撃を受けてもここまで呑気に祝日を祝えるというのは、ある意味この街の冒険者達の強さでもある。いたずらに魔物に怯えるよりも、魔物を退ければ仲間達と共に飲み食いして盛大に盛り上がるギルドの方が愉快だ。
衛兵達はドラゴニュートやゲイザーの奇襲に警戒し、石造りの見張り塔に上って周囲を監視している。監視していても塔に居る衛兵が魔物を退けられなければ意味がないのだ。見張り塔を見ていると魔大陸の事を思い出す。あの時はベヒモスを狩るためによく見張り塔に上ったものだ。
俺は市民達にアイゼンシュタインで加入者数が最も多いギルドを聞き出して探した。冒険者ギルド・レグルスというギルドがアイゼンシュタインで最大のギルドなのだとか。
暫くギルド区を見て回っていると、ひと際背の高い建物を見つけた。どうやらここが冒険者ギルド・レグルスの様だ。石造りの武骨な建物の扉を開けると、室内に居た冒険者達が一斉に俺を見つめた。
広い室内には木製のテーブルと椅子がいくつも置かれており、まるで酒場の様な雰囲気になっている。ギルド内で料理とお酒の提供もしているのだろう、フェアリー達が忙しそうにお酒を運んでいるのだ。
ギルドの奥にはカウンターがあり、壁際にはクエストボードが掛かっている。まずは受付でゲイザーに関する情報を聞いてみよう。二十代程の雰囲気の良い金髪の女性が俺に微笑み掛けた。
「冒険者ギルド・レグルスへようこそ! 冒険者登録をご希望ですか?」
「いいえ、登録ではないんですが」
「それでは本日はどういったご用件でしょうか?」
「Aランクのゲイザーの情報を教えて貰いたいんですが」
「ゲイザーですか? 失礼ですが……ゲイザーに関する情報はギルドマスタークラスの冒険者様以外にはお教え出来ない事になっています。冒険者さんはまだお若いですし、とてもゲイザーに関する情報を知ってどうこう出来るレベルでもないですよね」
「魔物に関する情報の公開を規制をしているんですか?」
「はい。ですからもう少し腕を上げてから出直して下さい。レグルスに加入すらしてない無名の冒険者が太刀打ち出来る相手ではないので」
受付の女性が笑いを堪えながら俺を見つめると、カウンター内に居た女性達が一斉に噴き出した。まだ十六歳の俺がゲイザーに関する情報を知りたいと言っただけでこの反応とは。俺が若いから低ランクの冒険者だと思っているのだろう。相手を見た目だけで判断するとは何と愚かだろうか。
カウンターの奥にはギルドマスターらしき人物が座っており。豪華なミスリル製の鎧を身に着けているが、体内に秘める魔力は何とも弱弱しい。どうやら冒険者のレベルは王都イスターツの方が遥かに高いみたいだ。
迷宮都市ベーレントの冒険者ギルド・アルタイルのギルドマスターであるロイさんの方が彼よりも遥かに強い魔力を秘めている。ロイさんは俺が冒険者ギルド・ファルケンハインを設立してから一度遊びに来てくれた。
俺の実力を理解してくれ、俺の冒険者活動を応援してくれた最高のギルドマスターであるロイさんと、このレグルスのギルドマスターとでは反応が全く違う。カウンターの奥に居る三十代程の男性が薄ら笑いを浮かべて俺を見つめると、弱者に用は無いと言わんばかりに手を振った。
「あの……お引き取り願えますか? 冒険者に憧れるのは結構ですが、当ギルドがゲイザーに関する情報を教えて、勝手にゲイザーに挑戦して命を落とされても迷惑なので」
「はぁ、そうですか」
「もう少し強くなったら登録ぐらいはさせて上げますからね。せいぜい剣の稽古でも積んで下さい」
「失礼します」
この様な雰囲気の悪いギルドには一秒たりとも居たくない。俺がカウンターに背を向けて歩き始めると、ギルドマスターが俺の肩を掴んだ。眼鏡を掛けた小柄な男が俺を静止しているのだ。
「おい小僧。お前みたいな駆け出しがゲイザーの情報なんて集めてどうするんだ?」
「討伐しようと思いまして」
「ゲイザーを討伐!? Bランクのギルドマスター達がパーティーを組んでも討伐出来なかったゲイザーを、お前一人で!? これは傑作だ! 聖グレゴリウスの日にこんな馬鹿者が現れるとは! ゲイザーを討伐!? 迷宮都市アイゼンシュタインで最高のギルドであるレグルスのメンバーですらないお前が!?」
ギルドマスターの言葉と共に冒険者達が一斉に俺を嘲笑うと、やはり他国に居るという実感が今更ながら湧いてきた。ファルケンハイン王国内ではこんな反応はあり得ないからだ。どこのギルドに行っても大歓迎する。それは俺が命を賭けて王国を守り続けているからだ。
「ギルドマスター、あなたのレベルは?」
「それを知ってどうする? 俺に敵うとでも思っているのか?」
「ゲイザーに挑んで敗北したマスター達のレベルが知りたいんです」
「俺のレベルは73だ! Bランク、レグルスで最高レベルの冒険者でありながら、ギルドマスターをしている! 疾風のドミニク・ヴァルターとは俺の事だ! 俺を知らないとはお前、どんだけ田舎者なんだよ」
レベル73程度ではAランクのゲイザーには勝てないという訳か。それでこそ戦い甲斐があるというものだ。ギルドマスターが中指を立てて眼鏡の位置を直し、顎を突き出して俺を見上げると、彼は腰に差していたブロードソードに手を掛けた。
「それではこの辺りで失礼します」
俺がギルドマスターに背を向けた瞬間、ギルドマスターがブロードソードを引き抜いた。
「おいおい、人のレベルを聞いておいてお前は自分のレベルも言わないのか? 一体どんな親に育てられたらこんな落ちこぼれに育つんだ? 親の顔が見てみたいものだな。どうせろくでもない低ランクの親に育てられたんだろう?」
いくら挑発されても、勇者の称号を持つ俺が喧嘩を買う事はないが、剣まで抜かれ、しまいには親までけなされては苛立ちを我慢出来そうにない。
『ヴィクトリア、もし君が剣を向けられながら両親の悪口を言われたらどうする?』
『どうしたの? 急に。そうね……私に対してそんな事を言う国民なんて居ないでしょうけど、もし居たらグランドクロスを放つかもしれないわね』
『その言葉を聞けて満足だよ』
ギルドの入り口では俺を尾行していた何者かがこちらを見つめている事に気が付いた。まだ幼い少年が俺達のやり取りを見ているのだ。ゆっくりと振り返ると、俺はギルドマスターを睨みつけた。
「俺は冒険者ギルド・ファルケンハインのギルドマスター、ファルケンハイン王国の勇者。レベル108、封魔石宝流封魔師、ユリウス・フォン・シュタインだ」
「勇者!? お前みたいな小僧が勇者とは笑わせるな!」
冒険者の中の一人が新聞を持っていたのか、俺の顔が描かれているヒュドラ討伐の記事をギルドマスターに見せると、マスターは一気に顔面蒼白になり、震えながらブロードソードを握りしめた。
「嘘だ……! お前なんかが勇者の筈がない……!」
「嘘だと思いたいのはこちらの方だ。冒険者の活動を支援し、地域を防衛するために存在する冒険者ギルドのマスターが他人に剣を向けるとはな。剣を抜いたからには命を賭けろよ。それは他人を脅す道具じゃないんだ。剣は戦う力を持たない市民を守るための武器! お前の勝負を受けてやろう。さぁ掛かってこい。何なら全員で挑んできても良いんだぞ……?」
石宝刀を握り締め、体内から掻き集めた魔力を刀に注いで雷光閃の構えを取ると、俺の魔力と強烈な殺気に耐え切れなくなったギルドマスターがだらしなく失禁をした。
「許してくれ……! 勇者だなんて知らなかったんだ!」
こうも簡単に敗北宣言をされると、石宝刀を抜く事自体が武器にとって失礼に感じる。相手のレベルや立場でしか判断出来ない愚かな人間はどこにでも居るものだ。
「俺の親の顔が見たいと言っていたな? フェアリーの郵便局に行けばいつでも見られるぞ。俺の父はSランク、レベル120、ファルケンハイン王国の騎士、魔法道具屋のギルベルト・フォン・シュタインだ」
失禁をしたギルドマスターがブロードソードを落とすと、俺は相手にする必要すらないと感じてギルドを後にした。全く無駄な時間を過ごしてしまった。この街に来て唯一幸福を感じたのは、路上生活者達と酒を語り合っている時だった。冒険者になっていくら強さを身に着けても、あんな人間にはなりたくないものだ。
ギルドを出ると、黒髪の少年が俺の前に立ちはだかった。
「勇者様! 俺を弟子にして下さい……!」
「弟子!?」
ギルドマスターとの最悪の出会いの後に、俺を尾行する勇気がある少年と出会えた事は幸運以外のなにものでもない。少年は青い瞳を輝かせて俺を見つめると、腰に差していたダガーを引き抜いた。
「俺と手合わせをして下さい! 勇者様の実力を知りたいんです!」
「わかった。全力で打ってごらん」
瞬間、少年は全身に風の魔力を纏わせ、鋭い突きを放ってきた。この純粋な魔力と、俺の正体を知りながらも容赦なく攻撃を打てる性格が好きだ。少年が先程の陰湿なギルドマスターよりも遥かに好感が持てる人物なのは間違いない。
俺は騎士のガントレットに火の魔力を纏わせて少年のダガーを受け止めると、思いのほか鋭い衝撃を感じて思わず笑みがこぼれた。
『Bランク 高級魔法道具シリーズ』
今までは『Eランク 初級冒険者シリーズ』『Dランク 中級冒険者シリーズ』『Cランク 上級冒険者シリーズ』『Aランク 支配者級冒険者シリーズ』『Sランク 国宝級魔法道具シリーズ』を回した事があったが、Bランクのガチャは初めてだ。
早速レバーを回してみると、銀色に輝くレアカプセルが床に落ちた。カプセルの中には小さなメダルが入っている様だ。ミスリル製、青白く輝くメダル。これもきっと何か特殊な力を持つ魔法道具なのだろう。
再びドラゴニュートの魔石を投入してレバーを回す。瞬間、ガチャの体が虹色の輝きを放ち、神々しい光を放つレジェンドカプセルが飛び出した。カプセルの中にはミスリル製の腕輪が入っている。メダルに腕輪か。
ガチャが二つのカプセルを拾い上げ、嬉しそうにカプセルを頭上高く掲げると、俺はガチャからカプセルを受け取った。
「初めてのBランクのガチャでレアカプセルとレジェンドカプセルを当ててしまうとは。ユリウスは本当に運が良いんだね」
「本当にね。ところで、これはどういう効果がある魔法道具なんだろう」
レアカプセルを開けて小さなメダルを取り出す。メダルの中央には四つ葉のクローバーのマークが入っている。どうやらこのメダルは強い聖属性の魔力を秘めている様だ。全く使い道が分からない。
そしてレジェンドカプセルの中から腕輪を取り出した。腕輪は何の模様も入ってないシンプルな物で。ミスリル製の単純な物だ。それでもレジェンドカプセルの中から出てきたのだから、強力な力を持つ魔法道具である事は間違いない。
「そのメダルは幸運のメダルといって、闇属性を秘める者の接近を知らせる効果があるんだ。悪魔祓いが悪魔狩りの際に携帯する特殊な魔法道具だよ」
「闇属性を秘める者の接近を知らせる効果か。使い道が限られているけど、闇属性の魔物を倒す時には便利そうだね」
「これは錬金術師のジェラルド・ベルギウスがサキュバスに狙われた時に思いついた魔法道具なんだ。ジェラルドは特殊な魔法道具を自在に操り、悪魔祓いとしても地域に貢献していたんだけど、効率良く悪魔を見つけ出すためにこのメダルを作り上げたんだ」
「確か悪魔は闇属性を秘めている種族が多いんだよね」
「そうだよ。闇属性を持つ者が接近すると輝き出すからすぐに分かるんだ」
俺は幸運のメダルを服の内側に仕舞った。闇属性の魔物討伐の際に使うとしよう。それからレジェンドカプセルから出てきた腕輪を身に着けてみた。体には何の変化もない。
「この腕輪はどんな効果があるんだい?」
「それは変化の腕輪といって、魔物を人間に変化させる力があるんだ。変化出来る魔物は召喚契約を結んだ魔物に限るけどね」
「魔物を人間に?」
「ああ。サキュバスの様に一時的に人間に化けられる魔物が居るだろう? ジェラルドはサキュバスを仕留めた時に、魔物を人間化する魔法道具を思いついたんだ。そして彼はこの腕輪を作り上げた」
「魔物を人間に変えて何の意味があるんだい?」
「まぁ特に意味はないけど、ジークフリートみたいな巨体の魔物と一緒に生活していると、体の大きさの関係上、入れない場所なんかもあるだろう? 図体の大きい魔物を人間のサイズに変身させ、一緒に暮らすための腕輪なんだ」
「これがあればジークフリートが人間になるのか……きっとヴォルフ師匠みたいな見た目になるんだろうな」
「色々な魔物に使ってみると良いよ。腕輪を外せば元に戻るから、自在に魔物を人間に変えられるんだ」
フランツやエドガー、ロビンが人間になったらどんな見た目なのだろうか。きっとフランツは知的な好青年になり、エドガーは体格の良い戦士の様な見た目になるだろう。そしてロビンは小さくて俊敏性の高い少年の様な見た目になるに違いない。
俺は変化の腕輪をマジックバックに仕舞うと、ガチャが再び指環の姿に戻った。新たな魔法道具も手に入った事だし、街に繰り出して祝日を楽しむとしよう。
新品のローブに着替えてからエレオノーレ様の帯を巻く。左の腰に石宝刀とユニコーンの杖を差し、右の腰に魔石砲を差す。国王陛下から頂いた勲章は胸ポケットに仕舞っている。心臓に近い位置に勲章を入れておき、陛下への忠誠を常に思い出せる様にしている。
勇者の身分を証明するオリハルコン製の首飾りは常に身に着けている。中央にエメラルドが嵌った豪華な首飾りはまるで王族が身に着ける宝飾品の様だ。俺はこの首飾りを見るとヒュドラとの戦いや仲間達を思い出す。仲間と共に王都を防衛し、勇者の称号を得た時に授かった首飾りは俺にとって大切な物なのだ。
宿を出て夕方の街を見て歩く。街灯に浮かぶ火属性の魔石が街を照らし、昼間とは違った美しさを醸し出している。街では既に他国の勇者がドラゴニュートの討伐に成功した事が話題になっているのだろう。俺の姿を見て勇者だと気が付く者も何人か居る。
王都イスターツでは俺の面が割れているから、外に出れば大勢の市民が声を掛けてくれるが、ここはイスターツから遠く離れた街なので、勇者ユリウス・フォン・シュタインの風貌を知る者は少ない様だ。それでも新聞には俺のヒュドラ討伐の記事等が書かれており、かなり美化された俺の似顔絵なんかも載っている。
暫く街を見て歩いていると、背後から鋭い視線を感じた。何者かが俺を尾行しているのだろうか。魔物の様な獰猛な魔力でないので、俺は相手の気配を無視して街を歩いた。
まずはゲイザーに関する情報を集めるために、ギルドが立ち並ぶギルド区に来た。やはりどの都市のギルド区も大差は無い様で、街並みこそ異なるものの、王都イスターツのギルド区とよく似た雰囲気がある。個性的な外観をした様々なギルドが通りに面して建っており、ギルドを覗くと冒険者達が愉快にエールや葡萄酒を飲んでいた。
Bランクの魔物の襲撃を受けてもここまで呑気に祝日を祝えるというのは、ある意味この街の冒険者達の強さでもある。いたずらに魔物に怯えるよりも、魔物を退ければ仲間達と共に飲み食いして盛大に盛り上がるギルドの方が愉快だ。
衛兵達はドラゴニュートやゲイザーの奇襲に警戒し、石造りの見張り塔に上って周囲を監視している。監視していても塔に居る衛兵が魔物を退けられなければ意味がないのだ。見張り塔を見ていると魔大陸の事を思い出す。あの時はベヒモスを狩るためによく見張り塔に上ったものだ。
俺は市民達にアイゼンシュタインで加入者数が最も多いギルドを聞き出して探した。冒険者ギルド・レグルスというギルドがアイゼンシュタインで最大のギルドなのだとか。
暫くギルド区を見て回っていると、ひと際背の高い建物を見つけた。どうやらここが冒険者ギルド・レグルスの様だ。石造りの武骨な建物の扉を開けると、室内に居た冒険者達が一斉に俺を見つめた。
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ギルドの奥にはカウンターがあり、壁際にはクエストボードが掛かっている。まずは受付でゲイザーに関する情報を聞いてみよう。二十代程の雰囲気の良い金髪の女性が俺に微笑み掛けた。
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「それでは本日はどういったご用件でしょうか?」
「Aランクのゲイザーの情報を教えて貰いたいんですが」
「ゲイザーですか? 失礼ですが……ゲイザーに関する情報はギルドマスタークラスの冒険者様以外にはお教え出来ない事になっています。冒険者さんはまだお若いですし、とてもゲイザーに関する情報を知ってどうこう出来るレベルでもないですよね」
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「はぁ、そうですか」
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「失礼します」
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「ギルドマスター、あなたのレベルは?」
「それを知ってどうする? 俺に敵うとでも思っているのか?」
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レベル73程度ではAランクのゲイザーには勝てないという訳か。それでこそ戦い甲斐があるというものだ。ギルドマスターが中指を立てて眼鏡の位置を直し、顎を突き出して俺を見上げると、彼は腰に差していたブロードソードに手を掛けた。
「それではこの辺りで失礼します」
俺がギルドマスターに背を向けた瞬間、ギルドマスターがブロードソードを引き抜いた。
「おいおい、人のレベルを聞いておいてお前は自分のレベルも言わないのか? 一体どんな親に育てられたらこんな落ちこぼれに育つんだ? 親の顔が見てみたいものだな。どうせろくでもない低ランクの親に育てられたんだろう?」
いくら挑発されても、勇者の称号を持つ俺が喧嘩を買う事はないが、剣まで抜かれ、しまいには親までけなされては苛立ちを我慢出来そうにない。
『ヴィクトリア、もし君が剣を向けられながら両親の悪口を言われたらどうする?』
『どうしたの? 急に。そうね……私に対してそんな事を言う国民なんて居ないでしょうけど、もし居たらグランドクロスを放つかもしれないわね』
『その言葉を聞けて満足だよ』
ギルドの入り口では俺を尾行していた何者かがこちらを見つめている事に気が付いた。まだ幼い少年が俺達のやり取りを見ているのだ。ゆっくりと振り返ると、俺はギルドマスターを睨みつけた。
「俺は冒険者ギルド・ファルケンハインのギルドマスター、ファルケンハイン王国の勇者。レベル108、封魔石宝流封魔師、ユリウス・フォン・シュタインだ」
「勇者!? お前みたいな小僧が勇者とは笑わせるな!」
冒険者の中の一人が新聞を持っていたのか、俺の顔が描かれているヒュドラ討伐の記事をギルドマスターに見せると、マスターは一気に顔面蒼白になり、震えながらブロードソードを握りしめた。
「嘘だ……! お前なんかが勇者の筈がない……!」
「嘘だと思いたいのはこちらの方だ。冒険者の活動を支援し、地域を防衛するために存在する冒険者ギルドのマスターが他人に剣を向けるとはな。剣を抜いたからには命を賭けろよ。それは他人を脅す道具じゃないんだ。剣は戦う力を持たない市民を守るための武器! お前の勝負を受けてやろう。さぁ掛かってこい。何なら全員で挑んできても良いんだぞ……?」
石宝刀を握り締め、体内から掻き集めた魔力を刀に注いで雷光閃の構えを取ると、俺の魔力と強烈な殺気に耐え切れなくなったギルドマスターがだらしなく失禁をした。
「許してくれ……! 勇者だなんて知らなかったんだ!」
こうも簡単に敗北宣言をされると、石宝刀を抜く事自体が武器にとって失礼に感じる。相手のレベルや立場でしか判断出来ない愚かな人間はどこにでも居るものだ。
「俺の親の顔が見たいと言っていたな? フェアリーの郵便局に行けばいつでも見られるぞ。俺の父はSランク、レベル120、ファルケンハイン王国の騎士、魔法道具屋のギルベルト・フォン・シュタインだ」
失禁をしたギルドマスターがブロードソードを落とすと、俺は相手にする必要すらないと感じてギルドを後にした。全く無駄な時間を過ごしてしまった。この街に来て唯一幸福を感じたのは、路上生活者達と酒を語り合っている時だった。冒険者になっていくら強さを身に着けても、あんな人間にはなりたくないものだ。
ギルドを出ると、黒髪の少年が俺の前に立ちはだかった。
「勇者様! 俺を弟子にして下さい……!」
「弟子!?」
ギルドマスターとの最悪の出会いの後に、俺を尾行する勇気がある少年と出会えた事は幸運以外のなにものでもない。少年は青い瞳を輝かせて俺を見つめると、腰に差していたダガーを引き抜いた。
「俺と手合わせをして下さい! 勇者様の実力を知りたいんです!」
「わかった。全力で打ってごらん」
瞬間、少年は全身に風の魔力を纏わせ、鋭い突きを放ってきた。この純粋な魔力と、俺の正体を知りながらも容赦なく攻撃を打てる性格が好きだ。少年が先程の陰湿なギルドマスターよりも遥かに好感が持てる人物なのは間違いない。
俺は騎士のガントレットに火の魔力を纏わせて少年のダガーを受け止めると、思いのほか鋭い衝撃を感じて思わず笑みがこぼれた。
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裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
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※表紙のイラストはAIによるイメージです
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
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勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
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いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
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これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
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どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
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