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第一章「王国編」
第二十七話「新たな旅立ち」
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宴は深夜まで続き、タウロスは城の兵士とエール酒の飲み比べをしている。ロビンは疲れてしまったのか、椅子の上でダリウスを抱きながら眠っている。ユグドラシルのメンバーは城の警備をしている魔術師達と魔法について熱く語り合っている様だ。ヘンリエッテさんはムーンライトで仕事があるらしく、早い時間に城を出た。
俺はフローラと葡萄酒を飲みながら将来について語り合っている。アイゼンシュタインに来てからブラッドソードの事だけを考えて生きていたからか、自由な時間の使い方が分からない。これからはフローラと過ごす時間を増やし、冒険者ギルドとしても本格的に活動をしよう。
城の兵士が仕留めた魔物の肉の料理が運ばれてきた。レッサーライカンという魔獣クラスの魔物らしい。二足歩行する狼系の魔物で、知能は低いが力は強いらしい。食感はパサパサした鶏肉のような感じだが、脂身が少なくて食べやすい。料理を頂きながら葡萄酒を飲んでいると、陛下が近づいてきた。
「イェーガー殿、夜の風に当たりながら二人でお酒を飲まないか?」
「はい、私で良ければ……」
俺と陛下はフローラを残して大広間を出て、城の最上階にあるバルコニーに来た。夜の涼しい風に当たりながらシュルスクの果実酒を飲む。
「イェーガー殿。ブラッドソードは壊滅した訳だが、これからどう生きるつもりだね?」
「暫くはアイゼンシュタインで暮らしながら、レッドドラゴンに関する情報を集めるつもりです」
「レッドドラゴンが体内に秘める魔石、レッドストーンを探しに行くつもりかね……?」
「はい、そのつもりです。フローラの目を治し、この世界を見せてあげる事が今の目標です」
「そうか。いつもフローラを支えてくれてありがとう。イェーガー殿が居なければ、私は妻を殺害した真犯人を知らずに、残りの人生を送るところだった。本当にありがとう。ありがとうという言葉では表現出来ない程、私はイェーガー殿に感謝している」
「お役に立てたなら光栄です、陛下」
陛下共にバルコニーから町を見下ろし、シュルスクの果実から作られた酒を飲む。既にかなりのアルコールを飲んだからか、体は火照っており、夜の風が体のほてりを冷ましてくれる。こんな幸せな時間が永遠と続けば良いのだが、幻獣のレッドドラゴンとの戦いは命懸けになるだろう。つかの間の休息をじっくりと味わうとしよう。
「イェーガー殿。かつてはフローラのためにレッドドラゴンの討伐に挑戦した貴族が多く居たのだ。城には毎日の様に近隣の貴族が訪れる訳だが、王族の私達に取り入ろうとする者は多い。フローラは幼い頃から下心を持つ貴族に言い寄られ、次第に他人に対して心を閉ざすようになった。私はフローラを守るために、兵士以外の者をフローラに会わせる事は無くなった」
「そんな事があったのですね」
「うむ。結果的に城に幽閉する様な育て方になってしまったのだ。イェーガー殿、これからもフローラに外の世界を見せてあげてくれないか……」
陛下が俺の肩に手を置いて微笑むと、俺達はフローラが待つ大広間に戻った。タウロスは相変わらず兵士たちとエール酒の飲み比べをしており、陛下もタウロスの酒豪ぶりを賞賛した。それから陛下は兵士達を残して自室に戻ると、俺はダリウスとロビンを抱きかかえ、ヴォルフを連れて客室に戻る事にした。
俺はフローラと別れると、ロビンとダリウスをベッドに寝かせ、ヴォルフを抱きしめながらソファに横になった。ヴォルフは優しい笑みを浮かべながら俺の頬を舐めると、俺は彼に今後の計画を伝えた。ヴォルフは返事は出来ないが、人間の言葉は完璧に理解している。
フローラの目を治すために、レッドドラゴンを狩るつもりだと話すと、彼は目を輝かせて尻尾を振った。まだ見ぬ強敵との戦闘を想像して、期待に胸を膨らませているのだろうか。彼はタウロスと同じくらい戦闘が好きだからな。仲間の命を預かる状況では無類の強さを発揮する。悔しいが戦闘力は俺よりもヴォルフの方が高いだろう。当面は剣の訓練を続け、レッドドラゴンに関する情報を集めよう。
冒険者ギルド・レッドストーンの知名度も上がり、徐々にクエストの依頼も増えてきた。冒険者としての活動も忘れずに、魔物達を育てながら、アイゼンシュタインで生きてゆこう。暫くヴォルフの美しい体毛を撫でながら横になっていると、俺はいつの間にか眠りに落ちていた……。
早朝に目を覚ますと、ダリウスが窓を開けて外を見つめていた。小さなダリウスを持ち上げて肩に乗せると、彼は俺の頭を抱きしめた。宝石の様に輝く青い目で俺を見つめると、ダリウスは静かに語りだした。
「ラインハルト。僕はもっと強くなりたい……ラインハルトみたいに、仲間を守れる冒険者になりたいよ」
「ダリウスは十分強いよ。いつも俺を支えてくれてありがとう」
「まだまだ弱いよ。僕はラインハルトの召喚獣なんだから、ヴォルフやタウロスみたいに強くなりたいんだ」
「勿論、俺も強くなりたい。幻獣のレッドドラゴンを倒せる冒険者にならなければならないからね。ブラッドソードも壊滅して、夜警をする必要も無くなかったから、これからは更に訓練に時間を使えるよ」
俺はダリウスの小さな頭を撫でると、彼は嬉しそうに微笑んだ。それからロビンとヴォルフが起きると、フローラが部屋の扉を開けた。
「ラインハルト! 私達のギルドに戻りましょう! すぐにでも仕事がしたいわ」
「ああ、俺達のギルドに戻ろう。レッドストーンへ!」
俺は仲間達を連れて、冒険者ギルドへの道を歩き始めた。これから俺達の新たな生活が始まる……。
俺はフローラと葡萄酒を飲みながら将来について語り合っている。アイゼンシュタインに来てからブラッドソードの事だけを考えて生きていたからか、自由な時間の使い方が分からない。これからはフローラと過ごす時間を増やし、冒険者ギルドとしても本格的に活動をしよう。
城の兵士が仕留めた魔物の肉の料理が運ばれてきた。レッサーライカンという魔獣クラスの魔物らしい。二足歩行する狼系の魔物で、知能は低いが力は強いらしい。食感はパサパサした鶏肉のような感じだが、脂身が少なくて食べやすい。料理を頂きながら葡萄酒を飲んでいると、陛下が近づいてきた。
「イェーガー殿、夜の風に当たりながら二人でお酒を飲まないか?」
「はい、私で良ければ……」
俺と陛下はフローラを残して大広間を出て、城の最上階にあるバルコニーに来た。夜の涼しい風に当たりながらシュルスクの果実酒を飲む。
「イェーガー殿。ブラッドソードは壊滅した訳だが、これからどう生きるつもりだね?」
「暫くはアイゼンシュタインで暮らしながら、レッドドラゴンに関する情報を集めるつもりです」
「レッドドラゴンが体内に秘める魔石、レッドストーンを探しに行くつもりかね……?」
「はい、そのつもりです。フローラの目を治し、この世界を見せてあげる事が今の目標です」
「そうか。いつもフローラを支えてくれてありがとう。イェーガー殿が居なければ、私は妻を殺害した真犯人を知らずに、残りの人生を送るところだった。本当にありがとう。ありがとうという言葉では表現出来ない程、私はイェーガー殿に感謝している」
「お役に立てたなら光栄です、陛下」
陛下共にバルコニーから町を見下ろし、シュルスクの果実から作られた酒を飲む。既にかなりのアルコールを飲んだからか、体は火照っており、夜の風が体のほてりを冷ましてくれる。こんな幸せな時間が永遠と続けば良いのだが、幻獣のレッドドラゴンとの戦いは命懸けになるだろう。つかの間の休息をじっくりと味わうとしよう。
「イェーガー殿。かつてはフローラのためにレッドドラゴンの討伐に挑戦した貴族が多く居たのだ。城には毎日の様に近隣の貴族が訪れる訳だが、王族の私達に取り入ろうとする者は多い。フローラは幼い頃から下心を持つ貴族に言い寄られ、次第に他人に対して心を閉ざすようになった。私はフローラを守るために、兵士以外の者をフローラに会わせる事は無くなった」
「そんな事があったのですね」
「うむ。結果的に城に幽閉する様な育て方になってしまったのだ。イェーガー殿、これからもフローラに外の世界を見せてあげてくれないか……」
陛下が俺の肩に手を置いて微笑むと、俺達はフローラが待つ大広間に戻った。タウロスは相変わらず兵士たちとエール酒の飲み比べをしており、陛下もタウロスの酒豪ぶりを賞賛した。それから陛下は兵士達を残して自室に戻ると、俺はダリウスとロビンを抱きかかえ、ヴォルフを連れて客室に戻る事にした。
俺はフローラと別れると、ロビンとダリウスをベッドに寝かせ、ヴォルフを抱きしめながらソファに横になった。ヴォルフは優しい笑みを浮かべながら俺の頬を舐めると、俺は彼に今後の計画を伝えた。ヴォルフは返事は出来ないが、人間の言葉は完璧に理解している。
フローラの目を治すために、レッドドラゴンを狩るつもりだと話すと、彼は目を輝かせて尻尾を振った。まだ見ぬ強敵との戦闘を想像して、期待に胸を膨らませているのだろうか。彼はタウロスと同じくらい戦闘が好きだからな。仲間の命を預かる状況では無類の強さを発揮する。悔しいが戦闘力は俺よりもヴォルフの方が高いだろう。当面は剣の訓練を続け、レッドドラゴンに関する情報を集めよう。
冒険者ギルド・レッドストーンの知名度も上がり、徐々にクエストの依頼も増えてきた。冒険者としての活動も忘れずに、魔物達を育てながら、アイゼンシュタインで生きてゆこう。暫くヴォルフの美しい体毛を撫でながら横になっていると、俺はいつの間にか眠りに落ちていた……。
早朝に目を覚ますと、ダリウスが窓を開けて外を見つめていた。小さなダリウスを持ち上げて肩に乗せると、彼は俺の頭を抱きしめた。宝石の様に輝く青い目で俺を見つめると、ダリウスは静かに語りだした。
「ラインハルト。僕はもっと強くなりたい……ラインハルトみたいに、仲間を守れる冒険者になりたいよ」
「ダリウスは十分強いよ。いつも俺を支えてくれてありがとう」
「まだまだ弱いよ。僕はラインハルトの召喚獣なんだから、ヴォルフやタウロスみたいに強くなりたいんだ」
「勿論、俺も強くなりたい。幻獣のレッドドラゴンを倒せる冒険者にならなければならないからね。ブラッドソードも壊滅して、夜警をする必要も無くなかったから、これからは更に訓練に時間を使えるよ」
俺はダリウスの小さな頭を撫でると、彼は嬉しそうに微笑んだ。それからロビンとヴォルフが起きると、フローラが部屋の扉を開けた。
「ラインハルト! 私達のギルドに戻りましょう! すぐにでも仕事がしたいわ」
「ああ、俺達のギルドに戻ろう。レッドストーンへ!」
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