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あなたはなにもの?
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「はぁ……っ。」
片目が隠れた、鮮やかなオレンジ色の髪。白と黒のコントラストが映える、スマートなモノクロの衣装。すべてが完璧と言っていいほど整えられた相貌、髪型──そして衣装。それは愛されるために誂えられた、『レオン』という偶像。そんな己を鏡に映し、怜音はちいさく溜息をついた。
芸能界でアイドルとして活動するようになって早数年。有難いことに活動当初から仕事は順調に続き、今やこんな大きなライブ会場をひとりで埋められるほどの人気も獲得した。周囲に支えられていると実感する日々は、忙しくも充実している。
「……よぉ。相変わらずオスを誘う才能があるな、レオン?」
……しかしその決意を弄ぶように楽屋へ現れたのは、ひとりの男だった。いつからか怜音の人生に介入し始めた、掴み所のない男。いつでもいやらしい笑顔を張り付けたその男は、レオンをここまでのアイドルに押し上げた相手であり、同時に怜音を何度も性的に犯し、その身体を堕としめてきた相手だった。
「っ。──。」
予期せぬ相手の登場に、怜音は後ずさる。既にこの男には数え切れないほど身体を許してしまったが、それでもここまで続いてしまった関係は歓迎すべきものではない。それが確かに、この場所を守っている手段だとしても。怜音は近づく男に、ひとつも隠さず攻撃的な視線を向けた。
「ハッ……本ッ当お前は生意気で強情だな。まぁ、そこがいいんだが。」
「っ……。もう、ライブが始まるんだ」
「それが?男に犯されたメスの身体、好きなだけ客に見せればいいだろ?」
「──。」
無遠慮に伸ばされる手を振り払う。それは怜音にとって本気の拒絶だったが、男はまったく堪えていないように、乾いた笑い声を上げた。
「ハハッ。抵抗するなら本気でしろよ。だからお前は俺みたいなのに付け込まれるんだ」
「知らない、そんなの……お前が、勝手に──ッあ゙!?♡♡♡」
「……ま、流石に勃ってはないか。お仕事熱心で、結構なことで……」
「ぁ、あ゙ッ♡ぉ、おおぉ゙ッ♡」
距離を詰められ、強引な力で股間を捕まれ、乱暴に揉みしだかれる。それだけで腰が揺れ、野太い声が夢を歌うための喉から漏れ出る。
こんな軽い快感でも、すぐに媚びるようになってしまった肉体。目の前の男に作り上げられた淫らさは怜音に現実を突き付け、自然と悔しさに涙が滲んでくる。だが実際にあと1時間もしない内にライブは始まってしまう。多くの人々が携わる、自分を待ち侘びるファンが居る、とても大切な時間を迎えてしまうのだ。
それを台無しにするわけにはいかない。こんな男のせいで。そんな相手から与えられる、快楽のせいで。
「ひッ♡うぁ゙♡ぉ♡お゙ぉッ♡」
「お、勃ってきた勃ってきた……。相変わらずチンポは正直だな……♡」
「くッ♡ぅ゙、くぅ゙……ッ♡」
嫌なのに。抵抗しなければならないのに。それなのに、下卑た笑みを見せる男の動きに、勃起はまったく止まらない。こんな状況でも性器は刺激へ、実直に反応してしまう。必死に歯を食い縛って身を捩れば、舌なめずりをする男と、視線がぶつかる。
「ハッ、このスケベ……♡毎回健気に粘りやがって……♡」
昂った感情が、交わる視線に火花を散らす。堪えられなくなったように男は怜音を後ろ向きの格好にさせ、まっすぐ尻へと手を伸ばす。一見では判別できない、衣装の下部に入ったスリット。それを知る数少ないひとりである男はそこを開き、まったく躊躇なく──その奥に、自らの性器をねじ込んだ。
「ぃ゙ひッ!?♡♡♡」
「ふはッ♡文句言ってる割にケツマンは柔らけぇな?アナニーにもハマっちまったか?♡」
「ぅ゙♡うるさッ♡ぉ゙ッ♡ぉほ♡おほぉぉ゙ッ♡」
既に男のものを幾度となく受け入れてきたアナルは、素直にそれを受け入れ、呑み込もうとする。まだ先端しか挿入っていないにも拘らず下品な声が漏れ、体勢が反転した怜音の視界には、鏡に反射した己が映る。到底アイドルとは思えない崩れたメス顔を晒した、目を逸らしたいほど、猥雑な自分自身が。
「……ほら、自分で見てみろよ。それがプロのアイドルのツラか?」
「ひッ♡ゃ、やだッ♡ちがッ♡俺ッ♡俺は……ッ♡」
「いい加減認めろよ?お前はアイドルの前に、チンポ中毒のザコメスなんだってな♡」
「ほ、ほぉッ♡ぉおん゙ッ!?♡♡♡」
浅い部分を揺すられながら、グッ、と後ろから再度股間を握られる。じっとりと湿り気を帯びるそこは、怜音からも体液が染みている証拠だ。もう本番まで幾許も残されていない時間に、衣装を汚す恐怖が過ぎる。衣装の替えはない。もし汚すようなことがあれば、そのままの格好でステージに出なければならない。耐えなければ。拒絶しなければ。綯い交ぜになる意識に、怜音は自分のものと重ねるように股間を弄る男の手を掴み取る。
「い、いやだッ♡衣装は、止めろッ♡うぁ゙♡よ、汚したくないっ♡もう、出番が……ッ♡いやだっ♡それ、やめろ゙ぉッ♡」
「ハハッ、何言ってんだ?その衣装を自分で濡らしてるのはお前だろ?可愛いなぁ♡快感には逆らえない怜音くん♡」
「ひぃん゙ッ♡ふッ♡ふぅゔぅ゛……ッ!♡♡♡」
煽るような嘲笑に反して、耳元に甘く流し込まれる吐息と、絡めて握られる手の指先に、どうしようもない羞恥を感じる。性だけが対価となるこんな行為で、この男の人間じみた一挙一動に乱される己へ、下らない熱が集中する。そんな怜音の姿に男はどこか満足気に嗤い。ポケットから、小さな道具を取り出した。
「ハッ……♡無様だな。それなら特別に──太客から、レオンくんへの贈り物だ」
「ッ……ひ……ッ♡」
怜音の視界に翳されるのは──コックリング。男性器の根本に使用し、快感を物理的に堰き止めるための道具だ。電動バイブやローターなどと違い、今まで一度も使ったことのない拘束具。それを慣れた様子で撫で回す男は、躊躇いなく怜音の衣装に手を掛ける。明らかに装着を狙った行動。そこに本能的な恐怖を感じた怜音は、必死に男の手を跳ね除けようとした。
「や、やめ……ッ、うぁ゙ッ!♡」
しかしその拙い抵抗はやはり男に止められ、冷えた視線が、鏡越しに怜音の片目を貫く。そっと、凍えた声が鼓膜へ響く。
「──衣装、汚れてもいいのか?お前が止めろって言ったんだろ?」
「ッ──、」
冷酷で残忍な通告。すべてがこの男によって仕向けられているはずなのに、すべてをお仕着せの正論で塞がれて、なにも抵抗できなくなる。こんな言葉のひとつにも反論できない己が、みじめでみじめでたまらない。どうしてこんな男に逆らえないのだろう。どうしてこんな身体に作り変えられてしまったのだろう。何故こんなにも嫌なのに。いやでいやでたまらないのに。
……俺の一番奥は。どうしようもなく浅はかな期待を。今も感じてしまっているんだろう……ッ?♡♡♡
「うぁ゙ん゙ッ!?♡♡♡」
ゆれて注意が薄れた意識に、否応なく、衣装を開かれた。ぷるんッ♡と飛び出てくる性器を片手で握り込み、男はその根本へ深く、リングを宛てがう。身体を押さえ込まれ、近い距離で、男が笑う。
「スケベな顔してるんじゃねぇよ──ド淫乱♡」
「っんぃ゙……ッ♡んひぃ゙……ッ♡」
「ほら、アイドル様のチンポにドスケベリングがハマる所、ちゃんと、見とけ……ッ♡」
「ひッ♡ぁあ゙ッ♡ダメ♡だめ……ッ♡ぉ♡お゙ッ♡ぉおお゙……ッ!♡♡♡」
パチンッ、と音が鳴る。だめ、と言いながら、しかし軽い音を立ててリングが嵌め込まれる瞬間を、一切視線を外すことなく怜音は目撃する。自身のすべてが男の手で戒められ、支配される──瞬間を。
「ハッ……お似合いだぜ、怜音。これで衣装も汚れなくて済むな?♡」
「ほッ♡ぉお゙ッ♡ゃ゙♡やぁ゙ッ♡♡♡」
男の言う通り、根本へと縛り付けられるその輪は射精を強制的に堰き止め、怜音をひとつの不安から解放する。しかしそれは同時に快感を行き場もなく閉じ込めるものでもある。怜音は更に逃げられない苦悶へ堕とされてしまった自覚に、ぎゅうッ♡と全身を縮こませるしかない。
ひぃん゙ッ♡こ、こんなの゙♡こんなのハメたまま、ライブに、出るなんてぇッ♡ちんぽにスケベグッズハメたまま♡レオンとしてステージに上がるなんてぇ゙♡♡♡ぉ゙ッ♡ダメ♡これ♡クる゙ッ♡ヤバいのクる゙ッ♡イグ♡イグッ♡イけないの゙に、イグッ♡ステージで♡コックリングハメたままパフォーマンスする妄想でッ♡ほ♡ほッ♡ほぉ゙ッ♡♡♡
「ぉほおお゙~……ッ!♡♡♡」
男の性器を挿れたまま、コックリングを嵌めたまま、ピィィンッ♡と全身を張り詰め、仰け反る怜音。すべてを制限されながら導かれる沸点は、雄ではなく雌の絶頂。どこにも発散されることのない、肉体にこびりつく中毒的な絶頂。それを全身に浴びた怜音は、だらしないアクメ顔を男へと曝け出す。
「ぉ゙へッ♡へえぇ゙ッ♡んへぇぇ゙ッ♡♡♡」
「あーあ……リングハメた途端にメスイキか♡その顔、ファンの連中に見せてやれよ?お前らが推してるレオンは、チンポ突っ込まれたままコックリングハメられてメスイキする、ドスケベ淫乱ザコメス男子なんだって、お前から教えてやれ♡」
「ひッ♡ぉ♡お゙♡おぉん゙ッ♡♡♡」
怜音がなによりも大切にするファンという存在。そして自らの現在の姿を改めて言葉として喚起され、ぞわぞわぞわッ♡と悪寒が駆け上がる。鏡に映る、本当に『ドスケベ淫乱ザコメス男子』である自身を見つめ、彼ら、彼女らを裏切っているその事実に、決して感じてはいけない背徳感がせり上がる。
ひッ♡ファン♡ファンの、みんなぁ゙♡ぉ゙♡お゙ッ♡みんなッ♡俺を♡応援してくれてる゙のにッ♡俺を♡いまも♡待ってくれてるのに゙ぃッ♡ほッ♡俺♡俺はッ♡ちんぽハメられて♡コックリングされて♡ぉん゙ッ♡ぶ、無様メスアクメッ♡最低な男のちんぽで♡ザコメスあくめぇ゙、してぇぇ゙……ッ♡♡♡
ほぉ゙♡みんな゙ッ♡ごめんッ♡ごめんなさい゙ッ♡俺ぇ゙♡みんなが推す資格もない゙ッ♡ドスケベクソザコアイドルで♡ごめんな゙さッ♡ごめんなひゃい゙ッ♡♡♡
「ほ♡ほッ♡ほぉぉぉ゙~……ッ!♡♡♡」
ファンへの罪悪感と自責の念。その凝った想いに苛まれ、再びメスイキの快感に絶頂してしまう怜音。追い打ちのようなアクメに侵されるその姿は、男を煽るものだったのか……浅い場所で留めていた挿入を、男は一気に奥まで押し込める。
「ほひぃん゙ッ!?♡♡♡」
「ファン想像してメスイキしてんじゃねぇよ、ド淫乱……ッ!♡オラッ!♡オスハメでもイけッ♡俺のメスだってこと自覚しながら、イけッ!♡」
「ひぃ゙ッ!♡だ、だめッ♡やだッ♡それッ♡やめッ♡やめろ゙ぉ゙ッ!♡」
「何度も勝手にメスイキしてる癖に文句言うなッ!♡ぉ゙ッ♡しっかりケツマン締めやがって……ッ!♡」
「ひぃん゙ッ!♡♡♡ぉ゙♡お゙ッ♡ほぉ゙ッ!♡」
乱暴に揺さぶられながら、内部からも強制的に刺激を与えられる。鏡に映った時計が視界に入り、逃れられない現実が迫る。ああ。もうライブが始まる。始まってしまう。焦燥と困惑が混ざり合い、もう、なにも体面を保てない。怜音は必死に男へ手を絡め、ただ必死に、追い縋る。
「ひッ♡ぉ゙ッ♡おねがい゙ッ♡お、おわらせてッ♡も、でばん、くるから゙ッ♡おねがいッ♡だめぇッ♡おねがい゙ぃッ♡♡♡」
涙をこぼしながら伝えるその言葉に、ほんの少しだけ男の瞳が揺れる。そこに昏い光が射し、怜音だけを見つめる視線が濃度を帯びる。欲望が粘り気を帯びて、お互いを音もなく、絡め取る。
「……じゃあ選べ。衣装か、ナカか。どっちに出すか。お前が選べよ、怜音?」
「ひ……ッ♡♡♡」
突きつけられるのは、あまりにも残酷な質問。そんなもの選べない。どちらも選べるはずがない。どちらを選んでも、必ずファンを失望させてしまう。怜音は揺さぶられながら、何度も首を横に振る。
「い、いやだッ♡だめっ♡頼む、ゆるしてッ♡ぉ゙ッ♡おねがいッ♡どっちもっ♡できないッ♡うぁ゙ッ♡ゆるしてッ♡ゆる゙してぇ゙ッ♡♡♡」
「──。──、」
ゆるして、ゆるして、とただ濁った声で繰り返す。レオンというアイドルで居続けることを願う、ちっぽけなひとりの怜音として、男の手を胸の中で握り込む。愚かなほど必死な懇願に、男は台の上に置かれていたままの手袋へ視線を向けた。まだ着用されていない、怜音が『レオン』になるための最後のパーツ。乱暴に怜音の体内から性器を抜いた男は、その手袋へと、手を伸ばす。
「ひぐッ!♡」
「……汚れた衣装で舞台に立ちたくないって言うなら、ここに出してやるよ。衣装も身体も、汚れないようにな」
「あ゙♡ぁ゙ッ♡あぁ゙……ッ♡」
「ふ、ぅ゙ッ♡ぉッ、ぉお゙……ッ!♡♡♡」
息を呑む怜音に、男は手袋の中に性器を挿し込み、本当にそこへ射精した。しっかりと奥まで精液を塗りつけるように腰を揺らし、ゆっくりと抜き取ると……それを、怜音へと差し出してくる。
「ほらよ。これならファンには見えないから、問題ないだろ?」
「ひぅ゙♡うぁ゙♡ぁああ゙……ッ♡」
渡される手袋はべちゃ、と重い水音を立てて、怜音の手の中へと落とされる。精液が塗り込められた手袋。射精が行われた衣装。そんな行為、レオンに対する冒涜でしかないはずなのに。それなのに、ドクン、と心臓が跳ねる。饐えたオスの証がここに在ることに、尚も、身体が疼いてしまう。
「ほら、行けよ。せいぜいしっかりアイドルやってこい、レオン」
「ッ……♡ぅ、うぅ゙……ッ♡♡♡」
……だが、男がそう促すように、もうライブは目前にまで迫っていた。まだ温かい湿度を宿す手袋を肘までしっかりと嵌め込めば、ぐちゃぁ゙……ッ♡と指の隅々にまで男が吐き出したザーメンが肌へと染み込み、それだけでまた、アクメしそうになってしまう。
「ぉ♡お゙ッ♡き、切り替えて……ッ♡ちゃんとッ♡皆の前でッ♡ら、ライブぅ゙……ッ♡♡♡」
楽屋を出て、廊下を進む。ずくずくと深く鳴り響く体内を必死に抑え、怜音は深く呼吸を繰り返す。自分はレオン。自分はレオン。皆に愛される。そのために努力する。清廉潔白な、皆の、アイドル。
その意識に、意識を注ぐ。
その覚悟に、視界を開く。
「──!」
──きらびやかな非日常のライトに、全身が包まれる。再び意識を戻せば、そこはもう、夢に見ていたステージ。自身にも他者にも希望を与えられる、唯一無二の輝く舞台。その場所に立てば、自然と身体が動き始める。何十回も、何百回も刻み付けた歌が、リズムが、ステップが。『レオン』という目映い器に乗って、最大限の魅力を放つために躍動する。歓声。笑顔。感動。それは怜音がなによりも望むもの。ただ目の前に居るひとりひとりへ、届けたいと願うもの。
「ッ……!♡」
しかし切り替わったはずのレオンとしてのステージに在っても、肉体はそれ以前の感覚を引き継ぎ、怜音を絶えず苦しめる。放たれていないままの欲望が全身を包み込み、少しの刺激でも性感を感じてしまう。ダンスで全身を揺らす動きでも。衣装が肌に擦れる刺激でも。パフォーマンスに集中しなければならないのに、些細な感覚のすべてが怜音を襲い、逃げ場のない身体を疼かせる。
「ふッ♡ぅ゙ッ♡あぁ゙ッ♡」
刻々と時間が過ぎる。徐々に終わりへ近づくステージに、自由を求めて肉体が暴れ始める。もうすぐ終わる。すべてが終わる。その自覚に、早くなにもかもを放ちたいと、欲望が顔を出し始める。だめ。だめだ。いまは。こんなにも大切なライブの最中。ここはファンと自分だけが対峙する、なにものにも邪魔されない、神聖な空間。
その尊い居場所を支え、護るための一心で、怜音は自身を保ち続ける。己のために。ファンのために。誇れるレオンで、あるために。
「ぅ♡ぅゔッ♡ふぅぅ゙……ッ!♡」
震える身体や掠れる喉を抑え、ただ必死に己を支え、遂に、最後の歌へとたどり着く。気力を振り絞って全力で歌い上げれば、歓声が会場を包み込む。ああ終わる。やっと終われる。レオンとして、このステージを、完遂することができる。
その安堵にレオンはようやく心からの笑顔を見せ、ファンへと大きく両手を振る。その動きで、手袋からつぅっ、と白い液体が二の腕へと垂れた。それは男が吐き出した──男だけの持つ、体液だった。
「ッ──!♡♡♡」
その瞬間、そこに在る己がすべて崩れ、ただのメスである怜音が浮かび上がる。楽屋での行為。それ以前の行為。この身体で何度もメスイキし、男の性器であられもなく感じ続けた日々が、一気に、フラッシュバックする。
男から何度も犯されて感じさせられた。この身体のすべてを、丁寧に性感帯へと変えさせられた。衣装のまま犯されたこともある。『レオン』としての衣装のまま使用済みのコンドームを身体のあちこちにぶら下げられ、下品な腰振りをさせられたこともある。そのままセックスに及んで、どうしようもなく感じさせられてしまったことだって。
「ひ♡ひッ♡ひぃ゙……ッ♡」
蘇る、数え切れない、痴態の記憶。
それは今までのどんな背徳や罪悪より強く怜音を包み込み、今ステージに立つレオンとの差異を顕わにする。メスの怜音と、アイドルのレオン。どちらも本物の自分だからこそ、逃れられない現実が、怜音を襲う。逃げたい気持ちと逃げられない気持ちが混ざり合い、怜音を残忍な速度で押し上げる。それは間違いのない後悔。そして間違いのない興奮。それらは男が何度も差し出してきたものとまったく同じ絶頂となり、ステージ上の怜音へ、怪物のように、襲いかかった。
ひッ♡だめ♡思い出すッ♡思い、出しちゃゔッ♡あいつにッ♡散々メスにされたことッ♡全身おまんこに変えさせられたことぉ゙ッ♡ただのメスとして♡無様にアクメさせられてッ♡俺のぜんぶッ♡おまんこメスにッ♡させられた、ことぉ゙ッ♡♡♡み、みんなの前でッ♡大事な大事な、ファンの、前でぇ゙ッ♡イグッ♡いぐっ♡おれっ♡イ゙っちゃゔッ♡イっちゃゔッ♡♡♡
「ほッ♡ぉ゙ッ♡ぉお゙ッ♡ぉほおお゙~……ッ!♡♡♡」
低く声を上げて、怜音は、アクメした。ステージの上で。ファンに目撃されながら。今までで最も深いメスイキに、がくりと膝から崩れ落ちた。
──終わった。なにもかもが、終わってしまった。恍惚と絶望が混ざり合い、怜音をどこまでも、遠くさせる。
「ほッ♡ぉお゙んッ♡ひぃ゙ッ♡ひぃん゙……ッ♡」
「──!──!!──!!!」
……しかしそんな怜音を、彼らは逃してはくれない。怜音の絶望以上に大きな歓声が会場を揺らすほどに広がって、レオンありがとう、レオン大好き、レオン愛してる、ありがとう、ありがとう──と叫ぶ声が、一斉に聞こえてきたからだ。
「──、」
あまりにも暖かい言葉。あまりにも優しい声援。顔を上げれば、崩れ落ちたレオンを感極まったと認識し、それを素直に労り応援する、ただ純粋で、まっすぐな、ファン達の姿がある。それらを前に、呆然と怜音は、視界を滲ませる。
「っ♡ッ♡ぅぅ゙……ッ♡♡♡」
……今の行為は、怜音にとって、ただ限界を越えた反応以外の何物でもない。ただアクメに堕ちた、どうしようもなく無様な、メスイキの反応でしかないのだ。
周りと己。反転する状況に怜音は歯を食いしばり、なんとか立ち上がってもう一度ファン達へその手を振る。
こんな声援の中で、怜音のままで居ることなどできない。レオンになって、皆に応えなくてはならない。皆はレオンを求めている。こんな自分に、間違いなくレオンを視ているのだ。ならばレオンとして、最後まで在らなければ。
……たとえ今ここに在るのが。まだメスイキの止まらない。どうしようもなく淫らな身体を持つ。怜音のまま、だったとしても。
「ぁ゙、ありがとうッ♡みんなっ♡ありがとゔ……ッ!♡」
感謝を伝える声に、快感の、生理的な涙が瞳からこぼれ落ちる。ファンの目にはそれすら感動したレオンの感情へと映り、彼を讃える声が消えることなく響き渡る。
裏切っている。すべてを。
騙している。すべてを。
──ああ。俺は。最低の、人間だ。
牙を剥いて襲い掛かる絶え間ない罪悪感の中で、レオンの表情は崩れるように歪む。ステージが無事に終わったアイドルの安堵。肉体のすべてが堕ちたメスとしてのアクメ顔。照らされるそれがどんな『本当』を宿すのか、興奮したファンにはわからない。
それでも大きく手を振るレオンの腕に、また、手袋から生臭い体液が伝う。それを感じ、アナルが疼き、脳が灼ける。こんな時でもどうしても、男との行為を、あの快感を、望んでしまう、自分が居る。
セックス。メスイキ。セックス。アクメ。
セックス。セックス。セックス。セックス。
脳裏を乱雑に犯し続ける思考へ、ふらふらと舞台を降りる。レオンを追うスポットライトの光と影のコントラストの中で、衣装の下腹部に濃い色が落ちる。それは紛れもなく怜音がステージの上でカウパーを染み出させ、潮噴きまで行った証。どうしようもない痴態を晒した、その証。
しかし既に誰にも見えなくなったその暗部は、自由になった怜音を響かせるだけだ。独りきりの舞台袖で、怜音はガニ股に腰をヘコつかせ──ガクガクガクッ♡と痙攣しながら、もう一度、だらしないメスアクメを迎えたのだった。
・
・
・
「ふッ♡ふぅぅ゙ッ♡ぉ゙♡お゙ッ♡ぉお゙……ッ♡♡♡」
……すべてが終わった楽屋の中。身体を両手で抱えて蹲り、怜音は独り快感に震えている。そんな彼に、声を掛けるのはひとりだけ。すべてを知る……男だけだ。
「──よぉ、無事に終わらせたな。流石アイドル様。精液まみれの手袋着けたまま、応援してくれるファンの前で見事に踊るんだなぁ?」
「ッ……♡ぅ゙♡うるさぃ゙……ッ♡ぷ、プロなんだから、当然゙だ……ッ♡」
「……へぇ。プロ、ねぇ?♡」
声を濁しながらも、抵抗の態度は隠さない。どれほど肉体の渇望を感じようと、あんなステージを仕立て上げた男と相対すれば、感じるのは嫌悪と憎悪だけだ。しかしあくまで男は悠然と微笑んだまま。怜音の脚を乱暴に開き、その中心で盛り上がる股間を、足裏で踏みつける。
「──お゙へッ!?♡♡♡」
「チンポおっ勃てたままグズグズに衣装に染み作ってた癖によく言うぜ。お?ステージでメスイキしてた上、ファンにヨシヨシ甘やかされてたろ?恥ずかしくないのか?ドスケベアイドル♡」
「ふッ♡ふぅぅ゙ッ♡ぉおお゙……ッ!♡」
ぐに、ぐに、と踏まれる股間に腰が浮く。散々焦らされた身体はもうなにも抵抗できず、ガニ股のまま股間をヘコつかせるだけだ。男へ媚びるように何度も上下にねっとりと揺れる腰に、男は愉しげに笑う。怜音が今も抱いている欲望を。隠している感情のすべてを。やさしく、暴いてやるように。
「……まぁ、でも。最後までステージ頑張ったアイドル様には、ご褒美やるか♡」
「ひ、ぁ゙ッ♡ごッ♡ごほう、び……ッ♡♡♡」
「あぁ♡最高級のスイートで好きなだけメスイキしながら喘げる、ドスケベセックスの時間だよ♡」
「ッ♡ひ♡ひぃぃ゙……ッ♡」
「ほら。欲しいならすぐやるぜ?……怜音?♡」
ちゃら、とわざとらしく目の前へ翳されるルームキーに、視線が止まる。開かれた目に、ただ男の揺らす『ご褒美』が映し出される。
メスイキ。ドスケベセックス。
……ああ。できる。やっと。セックスが、できる。
このだらしない身体に、メスイキが、貰える。
なにも気にすることなく喘いで、好きなだけ、アクメに溺れることができる。
この男だけのメスになって、好きなだけ、堕ちることが、できる。
「ッ……、」
……ああ。だめ。そんなこと、絶対に、だめだ。
自分はレオン。アイドルのレオン。
こんな誘いなど断って。もうこんな男とは、縁を、切らなくては。
この男から貰ったすべてを捨て去って。
もう自分だけの足で。皆に愛される偶像のレオンとして。歩まなくては。
喉が震える。
瞳が揺れる。
心が割れる。
……ああ。
自分は。
……じぶんは。
「っ、ぁ、──、」
唾液に塗れた唇から発せられる返答は、男以外の誰の耳にも届かない。
怜音とレオン。
引き裂かれるひとりの中のふたり。
葛藤は終わらない。
背徳は終わらない。
その心に──アイドルの矜持と、メスとしての堕落が。
共に寄り添い……棲み続ける限り。
片目が隠れた、鮮やかなオレンジ色の髪。白と黒のコントラストが映える、スマートなモノクロの衣装。すべてが完璧と言っていいほど整えられた相貌、髪型──そして衣装。それは愛されるために誂えられた、『レオン』という偶像。そんな己を鏡に映し、怜音はちいさく溜息をついた。
芸能界でアイドルとして活動するようになって早数年。有難いことに活動当初から仕事は順調に続き、今やこんな大きなライブ会場をひとりで埋められるほどの人気も獲得した。周囲に支えられていると実感する日々は、忙しくも充実している。
「……よぉ。相変わらずオスを誘う才能があるな、レオン?」
……しかしその決意を弄ぶように楽屋へ現れたのは、ひとりの男だった。いつからか怜音の人生に介入し始めた、掴み所のない男。いつでもいやらしい笑顔を張り付けたその男は、レオンをここまでのアイドルに押し上げた相手であり、同時に怜音を何度も性的に犯し、その身体を堕としめてきた相手だった。
「っ。──。」
予期せぬ相手の登場に、怜音は後ずさる。既にこの男には数え切れないほど身体を許してしまったが、それでもここまで続いてしまった関係は歓迎すべきものではない。それが確かに、この場所を守っている手段だとしても。怜音は近づく男に、ひとつも隠さず攻撃的な視線を向けた。
「ハッ……本ッ当お前は生意気で強情だな。まぁ、そこがいいんだが。」
「っ……。もう、ライブが始まるんだ」
「それが?男に犯されたメスの身体、好きなだけ客に見せればいいだろ?」
「──。」
無遠慮に伸ばされる手を振り払う。それは怜音にとって本気の拒絶だったが、男はまったく堪えていないように、乾いた笑い声を上げた。
「ハハッ。抵抗するなら本気でしろよ。だからお前は俺みたいなのに付け込まれるんだ」
「知らない、そんなの……お前が、勝手に──ッあ゙!?♡♡♡」
「……ま、流石に勃ってはないか。お仕事熱心で、結構なことで……」
「ぁ、あ゙ッ♡ぉ、おおぉ゙ッ♡」
距離を詰められ、強引な力で股間を捕まれ、乱暴に揉みしだかれる。それだけで腰が揺れ、野太い声が夢を歌うための喉から漏れ出る。
こんな軽い快感でも、すぐに媚びるようになってしまった肉体。目の前の男に作り上げられた淫らさは怜音に現実を突き付け、自然と悔しさに涙が滲んでくる。だが実際にあと1時間もしない内にライブは始まってしまう。多くの人々が携わる、自分を待ち侘びるファンが居る、とても大切な時間を迎えてしまうのだ。
それを台無しにするわけにはいかない。こんな男のせいで。そんな相手から与えられる、快楽のせいで。
「ひッ♡うぁ゙♡ぉ♡お゙ぉッ♡」
「お、勃ってきた勃ってきた……。相変わらずチンポは正直だな……♡」
「くッ♡ぅ゙、くぅ゙……ッ♡」
嫌なのに。抵抗しなければならないのに。それなのに、下卑た笑みを見せる男の動きに、勃起はまったく止まらない。こんな状況でも性器は刺激へ、実直に反応してしまう。必死に歯を食い縛って身を捩れば、舌なめずりをする男と、視線がぶつかる。
「ハッ、このスケベ……♡毎回健気に粘りやがって……♡」
昂った感情が、交わる視線に火花を散らす。堪えられなくなったように男は怜音を後ろ向きの格好にさせ、まっすぐ尻へと手を伸ばす。一見では判別できない、衣装の下部に入ったスリット。それを知る数少ないひとりである男はそこを開き、まったく躊躇なく──その奥に、自らの性器をねじ込んだ。
「ぃ゙ひッ!?♡♡♡」
「ふはッ♡文句言ってる割にケツマンは柔らけぇな?アナニーにもハマっちまったか?♡」
「ぅ゙♡うるさッ♡ぉ゙ッ♡ぉほ♡おほぉぉ゙ッ♡」
既に男のものを幾度となく受け入れてきたアナルは、素直にそれを受け入れ、呑み込もうとする。まだ先端しか挿入っていないにも拘らず下品な声が漏れ、体勢が反転した怜音の視界には、鏡に反射した己が映る。到底アイドルとは思えない崩れたメス顔を晒した、目を逸らしたいほど、猥雑な自分自身が。
「……ほら、自分で見てみろよ。それがプロのアイドルのツラか?」
「ひッ♡ゃ、やだッ♡ちがッ♡俺ッ♡俺は……ッ♡」
「いい加減認めろよ?お前はアイドルの前に、チンポ中毒のザコメスなんだってな♡」
「ほ、ほぉッ♡ぉおん゙ッ!?♡♡♡」
浅い部分を揺すられながら、グッ、と後ろから再度股間を握られる。じっとりと湿り気を帯びるそこは、怜音からも体液が染みている証拠だ。もう本番まで幾許も残されていない時間に、衣装を汚す恐怖が過ぎる。衣装の替えはない。もし汚すようなことがあれば、そのままの格好でステージに出なければならない。耐えなければ。拒絶しなければ。綯い交ぜになる意識に、怜音は自分のものと重ねるように股間を弄る男の手を掴み取る。
「い、いやだッ♡衣装は、止めろッ♡うぁ゙♡よ、汚したくないっ♡もう、出番が……ッ♡いやだっ♡それ、やめろ゙ぉッ♡」
「ハハッ、何言ってんだ?その衣装を自分で濡らしてるのはお前だろ?可愛いなぁ♡快感には逆らえない怜音くん♡」
「ひぃん゙ッ♡ふッ♡ふぅゔぅ゛……ッ!♡♡♡」
煽るような嘲笑に反して、耳元に甘く流し込まれる吐息と、絡めて握られる手の指先に、どうしようもない羞恥を感じる。性だけが対価となるこんな行為で、この男の人間じみた一挙一動に乱される己へ、下らない熱が集中する。そんな怜音の姿に男はどこか満足気に嗤い。ポケットから、小さな道具を取り出した。
「ハッ……♡無様だな。それなら特別に──太客から、レオンくんへの贈り物だ」
「ッ……ひ……ッ♡」
怜音の視界に翳されるのは──コックリング。男性器の根本に使用し、快感を物理的に堰き止めるための道具だ。電動バイブやローターなどと違い、今まで一度も使ったことのない拘束具。それを慣れた様子で撫で回す男は、躊躇いなく怜音の衣装に手を掛ける。明らかに装着を狙った行動。そこに本能的な恐怖を感じた怜音は、必死に男の手を跳ね除けようとした。
「や、やめ……ッ、うぁ゙ッ!♡」
しかしその拙い抵抗はやはり男に止められ、冷えた視線が、鏡越しに怜音の片目を貫く。そっと、凍えた声が鼓膜へ響く。
「──衣装、汚れてもいいのか?お前が止めろって言ったんだろ?」
「ッ──、」
冷酷で残忍な通告。すべてがこの男によって仕向けられているはずなのに、すべてをお仕着せの正論で塞がれて、なにも抵抗できなくなる。こんな言葉のひとつにも反論できない己が、みじめでみじめでたまらない。どうしてこんな男に逆らえないのだろう。どうしてこんな身体に作り変えられてしまったのだろう。何故こんなにも嫌なのに。いやでいやでたまらないのに。
……俺の一番奥は。どうしようもなく浅はかな期待を。今も感じてしまっているんだろう……ッ?♡♡♡
「うぁ゙ん゙ッ!?♡♡♡」
ゆれて注意が薄れた意識に、否応なく、衣装を開かれた。ぷるんッ♡と飛び出てくる性器を片手で握り込み、男はその根本へ深く、リングを宛てがう。身体を押さえ込まれ、近い距離で、男が笑う。
「スケベな顔してるんじゃねぇよ──ド淫乱♡」
「っんぃ゙……ッ♡んひぃ゙……ッ♡」
「ほら、アイドル様のチンポにドスケベリングがハマる所、ちゃんと、見とけ……ッ♡」
「ひッ♡ぁあ゙ッ♡ダメ♡だめ……ッ♡ぉ♡お゙ッ♡ぉおお゙……ッ!♡♡♡」
パチンッ、と音が鳴る。だめ、と言いながら、しかし軽い音を立ててリングが嵌め込まれる瞬間を、一切視線を外すことなく怜音は目撃する。自身のすべてが男の手で戒められ、支配される──瞬間を。
「ハッ……お似合いだぜ、怜音。これで衣装も汚れなくて済むな?♡」
「ほッ♡ぉお゙ッ♡ゃ゙♡やぁ゙ッ♡♡♡」
男の言う通り、根本へと縛り付けられるその輪は射精を強制的に堰き止め、怜音をひとつの不安から解放する。しかしそれは同時に快感を行き場もなく閉じ込めるものでもある。怜音は更に逃げられない苦悶へ堕とされてしまった自覚に、ぎゅうッ♡と全身を縮こませるしかない。
ひぃん゙ッ♡こ、こんなの゙♡こんなのハメたまま、ライブに、出るなんてぇッ♡ちんぽにスケベグッズハメたまま♡レオンとしてステージに上がるなんてぇ゙♡♡♡ぉ゙ッ♡ダメ♡これ♡クる゙ッ♡ヤバいのクる゙ッ♡イグ♡イグッ♡イけないの゙に、イグッ♡ステージで♡コックリングハメたままパフォーマンスする妄想でッ♡ほ♡ほッ♡ほぉ゙ッ♡♡♡
「ぉほおお゙~……ッ!♡♡♡」
男の性器を挿れたまま、コックリングを嵌めたまま、ピィィンッ♡と全身を張り詰め、仰け反る怜音。すべてを制限されながら導かれる沸点は、雄ではなく雌の絶頂。どこにも発散されることのない、肉体にこびりつく中毒的な絶頂。それを全身に浴びた怜音は、だらしないアクメ顔を男へと曝け出す。
「ぉ゙へッ♡へえぇ゙ッ♡んへぇぇ゙ッ♡♡♡」
「あーあ……リングハメた途端にメスイキか♡その顔、ファンの連中に見せてやれよ?お前らが推してるレオンは、チンポ突っ込まれたままコックリングハメられてメスイキする、ドスケベ淫乱ザコメス男子なんだって、お前から教えてやれ♡」
「ひッ♡ぉ♡お゙♡おぉん゙ッ♡♡♡」
怜音がなによりも大切にするファンという存在。そして自らの現在の姿を改めて言葉として喚起され、ぞわぞわぞわッ♡と悪寒が駆け上がる。鏡に映る、本当に『ドスケベ淫乱ザコメス男子』である自身を見つめ、彼ら、彼女らを裏切っているその事実に、決して感じてはいけない背徳感がせり上がる。
ひッ♡ファン♡ファンの、みんなぁ゙♡ぉ゙♡お゙ッ♡みんなッ♡俺を♡応援してくれてる゙のにッ♡俺を♡いまも♡待ってくれてるのに゙ぃッ♡ほッ♡俺♡俺はッ♡ちんぽハメられて♡コックリングされて♡ぉん゙ッ♡ぶ、無様メスアクメッ♡最低な男のちんぽで♡ザコメスあくめぇ゙、してぇぇ゙……ッ♡♡♡
ほぉ゙♡みんな゙ッ♡ごめんッ♡ごめんなさい゙ッ♡俺ぇ゙♡みんなが推す資格もない゙ッ♡ドスケベクソザコアイドルで♡ごめんな゙さッ♡ごめんなひゃい゙ッ♡♡♡
「ほ♡ほッ♡ほぉぉぉ゙~……ッ!♡♡♡」
ファンへの罪悪感と自責の念。その凝った想いに苛まれ、再びメスイキの快感に絶頂してしまう怜音。追い打ちのようなアクメに侵されるその姿は、男を煽るものだったのか……浅い場所で留めていた挿入を、男は一気に奥まで押し込める。
「ほひぃん゙ッ!?♡♡♡」
「ファン想像してメスイキしてんじゃねぇよ、ド淫乱……ッ!♡オラッ!♡オスハメでもイけッ♡俺のメスだってこと自覚しながら、イけッ!♡」
「ひぃ゙ッ!♡だ、だめッ♡やだッ♡それッ♡やめッ♡やめろ゙ぉ゙ッ!♡」
「何度も勝手にメスイキしてる癖に文句言うなッ!♡ぉ゙ッ♡しっかりケツマン締めやがって……ッ!♡」
「ひぃん゙ッ!♡♡♡ぉ゙♡お゙ッ♡ほぉ゙ッ!♡」
乱暴に揺さぶられながら、内部からも強制的に刺激を与えられる。鏡に映った時計が視界に入り、逃れられない現実が迫る。ああ。もうライブが始まる。始まってしまう。焦燥と困惑が混ざり合い、もう、なにも体面を保てない。怜音は必死に男へ手を絡め、ただ必死に、追い縋る。
「ひッ♡ぉ゙ッ♡おねがい゙ッ♡お、おわらせてッ♡も、でばん、くるから゙ッ♡おねがいッ♡だめぇッ♡おねがい゙ぃッ♡♡♡」
涙をこぼしながら伝えるその言葉に、ほんの少しだけ男の瞳が揺れる。そこに昏い光が射し、怜音だけを見つめる視線が濃度を帯びる。欲望が粘り気を帯びて、お互いを音もなく、絡め取る。
「……じゃあ選べ。衣装か、ナカか。どっちに出すか。お前が選べよ、怜音?」
「ひ……ッ♡♡♡」
突きつけられるのは、あまりにも残酷な質問。そんなもの選べない。どちらも選べるはずがない。どちらを選んでも、必ずファンを失望させてしまう。怜音は揺さぶられながら、何度も首を横に振る。
「い、いやだッ♡だめっ♡頼む、ゆるしてッ♡ぉ゙ッ♡おねがいッ♡どっちもっ♡できないッ♡うぁ゙ッ♡ゆるしてッ♡ゆる゙してぇ゙ッ♡♡♡」
「──。──、」
ゆるして、ゆるして、とただ濁った声で繰り返す。レオンというアイドルで居続けることを願う、ちっぽけなひとりの怜音として、男の手を胸の中で握り込む。愚かなほど必死な懇願に、男は台の上に置かれていたままの手袋へ視線を向けた。まだ着用されていない、怜音が『レオン』になるための最後のパーツ。乱暴に怜音の体内から性器を抜いた男は、その手袋へと、手を伸ばす。
「ひぐッ!♡」
「……汚れた衣装で舞台に立ちたくないって言うなら、ここに出してやるよ。衣装も身体も、汚れないようにな」
「あ゙♡ぁ゙ッ♡あぁ゙……ッ♡」
「ふ、ぅ゙ッ♡ぉッ、ぉお゙……ッ!♡♡♡」
息を呑む怜音に、男は手袋の中に性器を挿し込み、本当にそこへ射精した。しっかりと奥まで精液を塗りつけるように腰を揺らし、ゆっくりと抜き取ると……それを、怜音へと差し出してくる。
「ほらよ。これならファンには見えないから、問題ないだろ?」
「ひぅ゙♡うぁ゙♡ぁああ゙……ッ♡」
渡される手袋はべちゃ、と重い水音を立てて、怜音の手の中へと落とされる。精液が塗り込められた手袋。射精が行われた衣装。そんな行為、レオンに対する冒涜でしかないはずなのに。それなのに、ドクン、と心臓が跳ねる。饐えたオスの証がここに在ることに、尚も、身体が疼いてしまう。
「ほら、行けよ。せいぜいしっかりアイドルやってこい、レオン」
「ッ……♡ぅ、うぅ゙……ッ♡♡♡」
……だが、男がそう促すように、もうライブは目前にまで迫っていた。まだ温かい湿度を宿す手袋を肘までしっかりと嵌め込めば、ぐちゃぁ゙……ッ♡と指の隅々にまで男が吐き出したザーメンが肌へと染み込み、それだけでまた、アクメしそうになってしまう。
「ぉ♡お゙ッ♡き、切り替えて……ッ♡ちゃんとッ♡皆の前でッ♡ら、ライブぅ゙……ッ♡♡♡」
楽屋を出て、廊下を進む。ずくずくと深く鳴り響く体内を必死に抑え、怜音は深く呼吸を繰り返す。自分はレオン。自分はレオン。皆に愛される。そのために努力する。清廉潔白な、皆の、アイドル。
その意識に、意識を注ぐ。
その覚悟に、視界を開く。
「──!」
──きらびやかな非日常のライトに、全身が包まれる。再び意識を戻せば、そこはもう、夢に見ていたステージ。自身にも他者にも希望を与えられる、唯一無二の輝く舞台。その場所に立てば、自然と身体が動き始める。何十回も、何百回も刻み付けた歌が、リズムが、ステップが。『レオン』という目映い器に乗って、最大限の魅力を放つために躍動する。歓声。笑顔。感動。それは怜音がなによりも望むもの。ただ目の前に居るひとりひとりへ、届けたいと願うもの。
「ッ……!♡」
しかし切り替わったはずのレオンとしてのステージに在っても、肉体はそれ以前の感覚を引き継ぎ、怜音を絶えず苦しめる。放たれていないままの欲望が全身を包み込み、少しの刺激でも性感を感じてしまう。ダンスで全身を揺らす動きでも。衣装が肌に擦れる刺激でも。パフォーマンスに集中しなければならないのに、些細な感覚のすべてが怜音を襲い、逃げ場のない身体を疼かせる。
「ふッ♡ぅ゙ッ♡あぁ゙ッ♡」
刻々と時間が過ぎる。徐々に終わりへ近づくステージに、自由を求めて肉体が暴れ始める。もうすぐ終わる。すべてが終わる。その自覚に、早くなにもかもを放ちたいと、欲望が顔を出し始める。だめ。だめだ。いまは。こんなにも大切なライブの最中。ここはファンと自分だけが対峙する、なにものにも邪魔されない、神聖な空間。
その尊い居場所を支え、護るための一心で、怜音は自身を保ち続ける。己のために。ファンのために。誇れるレオンで、あるために。
「ぅ♡ぅゔッ♡ふぅぅ゙……ッ!♡」
震える身体や掠れる喉を抑え、ただ必死に己を支え、遂に、最後の歌へとたどり着く。気力を振り絞って全力で歌い上げれば、歓声が会場を包み込む。ああ終わる。やっと終われる。レオンとして、このステージを、完遂することができる。
その安堵にレオンはようやく心からの笑顔を見せ、ファンへと大きく両手を振る。その動きで、手袋からつぅっ、と白い液体が二の腕へと垂れた。それは男が吐き出した──男だけの持つ、体液だった。
「ッ──!♡♡♡」
その瞬間、そこに在る己がすべて崩れ、ただのメスである怜音が浮かび上がる。楽屋での行為。それ以前の行為。この身体で何度もメスイキし、男の性器であられもなく感じ続けた日々が、一気に、フラッシュバックする。
男から何度も犯されて感じさせられた。この身体のすべてを、丁寧に性感帯へと変えさせられた。衣装のまま犯されたこともある。『レオン』としての衣装のまま使用済みのコンドームを身体のあちこちにぶら下げられ、下品な腰振りをさせられたこともある。そのままセックスに及んで、どうしようもなく感じさせられてしまったことだって。
「ひ♡ひッ♡ひぃ゙……ッ♡」
蘇る、数え切れない、痴態の記憶。
それは今までのどんな背徳や罪悪より強く怜音を包み込み、今ステージに立つレオンとの差異を顕わにする。メスの怜音と、アイドルのレオン。どちらも本物の自分だからこそ、逃れられない現実が、怜音を襲う。逃げたい気持ちと逃げられない気持ちが混ざり合い、怜音を残忍な速度で押し上げる。それは間違いのない後悔。そして間違いのない興奮。それらは男が何度も差し出してきたものとまったく同じ絶頂となり、ステージ上の怜音へ、怪物のように、襲いかかった。
ひッ♡だめ♡思い出すッ♡思い、出しちゃゔッ♡あいつにッ♡散々メスにされたことッ♡全身おまんこに変えさせられたことぉ゙ッ♡ただのメスとして♡無様にアクメさせられてッ♡俺のぜんぶッ♡おまんこメスにッ♡させられた、ことぉ゙ッ♡♡♡み、みんなの前でッ♡大事な大事な、ファンの、前でぇ゙ッ♡イグッ♡いぐっ♡おれっ♡イ゙っちゃゔッ♡イっちゃゔッ♡♡♡
「ほッ♡ぉ゙ッ♡ぉお゙ッ♡ぉほおお゙~……ッ!♡♡♡」
低く声を上げて、怜音は、アクメした。ステージの上で。ファンに目撃されながら。今までで最も深いメスイキに、がくりと膝から崩れ落ちた。
──終わった。なにもかもが、終わってしまった。恍惚と絶望が混ざり合い、怜音をどこまでも、遠くさせる。
「ほッ♡ぉお゙んッ♡ひぃ゙ッ♡ひぃん゙……ッ♡」
「──!──!!──!!!」
……しかしそんな怜音を、彼らは逃してはくれない。怜音の絶望以上に大きな歓声が会場を揺らすほどに広がって、レオンありがとう、レオン大好き、レオン愛してる、ありがとう、ありがとう──と叫ぶ声が、一斉に聞こえてきたからだ。
「──、」
あまりにも暖かい言葉。あまりにも優しい声援。顔を上げれば、崩れ落ちたレオンを感極まったと認識し、それを素直に労り応援する、ただ純粋で、まっすぐな、ファン達の姿がある。それらを前に、呆然と怜音は、視界を滲ませる。
「っ♡ッ♡ぅぅ゙……ッ♡♡♡」
……今の行為は、怜音にとって、ただ限界を越えた反応以外の何物でもない。ただアクメに堕ちた、どうしようもなく無様な、メスイキの反応でしかないのだ。
周りと己。反転する状況に怜音は歯を食いしばり、なんとか立ち上がってもう一度ファン達へその手を振る。
こんな声援の中で、怜音のままで居ることなどできない。レオンになって、皆に応えなくてはならない。皆はレオンを求めている。こんな自分に、間違いなくレオンを視ているのだ。ならばレオンとして、最後まで在らなければ。
……たとえ今ここに在るのが。まだメスイキの止まらない。どうしようもなく淫らな身体を持つ。怜音のまま、だったとしても。
「ぁ゙、ありがとうッ♡みんなっ♡ありがとゔ……ッ!♡」
感謝を伝える声に、快感の、生理的な涙が瞳からこぼれ落ちる。ファンの目にはそれすら感動したレオンの感情へと映り、彼を讃える声が消えることなく響き渡る。
裏切っている。すべてを。
騙している。すべてを。
──ああ。俺は。最低の、人間だ。
牙を剥いて襲い掛かる絶え間ない罪悪感の中で、レオンの表情は崩れるように歪む。ステージが無事に終わったアイドルの安堵。肉体のすべてが堕ちたメスとしてのアクメ顔。照らされるそれがどんな『本当』を宿すのか、興奮したファンにはわからない。
それでも大きく手を振るレオンの腕に、また、手袋から生臭い体液が伝う。それを感じ、アナルが疼き、脳が灼ける。こんな時でもどうしても、男との行為を、あの快感を、望んでしまう、自分が居る。
セックス。メスイキ。セックス。アクメ。
セックス。セックス。セックス。セックス。
脳裏を乱雑に犯し続ける思考へ、ふらふらと舞台を降りる。レオンを追うスポットライトの光と影のコントラストの中で、衣装の下腹部に濃い色が落ちる。それは紛れもなく怜音がステージの上でカウパーを染み出させ、潮噴きまで行った証。どうしようもない痴態を晒した、その証。
しかし既に誰にも見えなくなったその暗部は、自由になった怜音を響かせるだけだ。独りきりの舞台袖で、怜音はガニ股に腰をヘコつかせ──ガクガクガクッ♡と痙攣しながら、もう一度、だらしないメスアクメを迎えたのだった。
・
・
・
「ふッ♡ふぅぅ゙ッ♡ぉ゙♡お゙ッ♡ぉお゙……ッ♡♡♡」
……すべてが終わった楽屋の中。身体を両手で抱えて蹲り、怜音は独り快感に震えている。そんな彼に、声を掛けるのはひとりだけ。すべてを知る……男だけだ。
「──よぉ、無事に終わらせたな。流石アイドル様。精液まみれの手袋着けたまま、応援してくれるファンの前で見事に踊るんだなぁ?」
「ッ……♡ぅ゙♡うるさぃ゙……ッ♡ぷ、プロなんだから、当然゙だ……ッ♡」
「……へぇ。プロ、ねぇ?♡」
声を濁しながらも、抵抗の態度は隠さない。どれほど肉体の渇望を感じようと、あんなステージを仕立て上げた男と相対すれば、感じるのは嫌悪と憎悪だけだ。しかしあくまで男は悠然と微笑んだまま。怜音の脚を乱暴に開き、その中心で盛り上がる股間を、足裏で踏みつける。
「──お゙へッ!?♡♡♡」
「チンポおっ勃てたままグズグズに衣装に染み作ってた癖によく言うぜ。お?ステージでメスイキしてた上、ファンにヨシヨシ甘やかされてたろ?恥ずかしくないのか?ドスケベアイドル♡」
「ふッ♡ふぅぅ゙ッ♡ぉおお゙……ッ!♡」
ぐに、ぐに、と踏まれる股間に腰が浮く。散々焦らされた身体はもうなにも抵抗できず、ガニ股のまま股間をヘコつかせるだけだ。男へ媚びるように何度も上下にねっとりと揺れる腰に、男は愉しげに笑う。怜音が今も抱いている欲望を。隠している感情のすべてを。やさしく、暴いてやるように。
「……まぁ、でも。最後までステージ頑張ったアイドル様には、ご褒美やるか♡」
「ひ、ぁ゙ッ♡ごッ♡ごほう、び……ッ♡♡♡」
「あぁ♡最高級のスイートで好きなだけメスイキしながら喘げる、ドスケベセックスの時間だよ♡」
「ッ♡ひ♡ひぃぃ゙……ッ♡」
「ほら。欲しいならすぐやるぜ?……怜音?♡」
ちゃら、とわざとらしく目の前へ翳されるルームキーに、視線が止まる。開かれた目に、ただ男の揺らす『ご褒美』が映し出される。
メスイキ。ドスケベセックス。
……ああ。できる。やっと。セックスが、できる。
このだらしない身体に、メスイキが、貰える。
なにも気にすることなく喘いで、好きなだけ、アクメに溺れることができる。
この男だけのメスになって、好きなだけ、堕ちることが、できる。
「ッ……、」
……ああ。だめ。そんなこと、絶対に、だめだ。
自分はレオン。アイドルのレオン。
こんな誘いなど断って。もうこんな男とは、縁を、切らなくては。
この男から貰ったすべてを捨て去って。
もう自分だけの足で。皆に愛される偶像のレオンとして。歩まなくては。
喉が震える。
瞳が揺れる。
心が割れる。
……ああ。
自分は。
……じぶんは。
「っ、ぁ、──、」
唾液に塗れた唇から発せられる返答は、男以外の誰の耳にも届かない。
怜音とレオン。
引き裂かれるひとりの中のふたり。
葛藤は終わらない。
背徳は終わらない。
その心に──アイドルの矜持と、メスとしての堕落が。
共に寄り添い……棲み続ける限り。
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