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【発露】
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「おっはようございまーす!」
「おはよう、五屋くん。今日も元気だねぇ~」
「まぁな!これが取り柄だし!」
先日の変態的な露出癖など微塵も感じさせない快活な挨拶で、五屋は出社する。同期の女性社員は笑って反応してくれるが、なかなかどうして五屋は女性から人気がない。本人もそれを気にしているのだが、その漢臭い風貌や暑苦しさは、嫌厭されてしまう理由になっているようだ。その代わり上司からも部下からも、男性からは頼りにされているのだが……。
「おはようございますっ、三門さんっ♡」
「うん。おはよう」
そして五屋の悩みの種はもうひとつ。他の女性社員から甘ったるく挨拶をされて微笑んでいる、いかにも『王子様』と言った同期の存在だ。清潔感があり、優しく、おまけに美しく整った容姿……このやり取りだけでも、彼が女性から人気なのが察せられる。
彼は三門帝二(みかどていじ)。
五屋が入社当時からなにかと気にしている相手である。自分とは性格も見た目も正反対、しかし仕事の能力には対して差がないことも影響して、密かにライバル視している男なのだ。
「おい、三門っ」
「ん?ああ、おはよう五屋くん。今日も元気だねぇ」
「うるせぇ!またちやほやされやがって……見せつけてんのか?」
先程の女性社員と同様のやり取りをしているにも拘わらず、これ見よがしに突っかかる五屋を見ても、その反骨心が窺える。密かに……と五屋本人は思っているが、実際にはその感情が言動にすべて表れており、周囲も「またか」と呆れつつも微笑ましく受け入れている状況だ。三門もそれを承知しているのか、受け流すような態度を隠そうとしない。
「えぇ?まさか。そんなはずないでしょ」
「こっの、適当にあしらいやがって……」
いつものように余裕のある応対に、悔しさを滲ませる五屋。だがそんな反応を見て三門は妖しく笑うと、ゆっくりとその耳元へ唇を近づける。
五屋にしか聴こえない声量で。そっと。誰にも知らない秘密を、暴くように。
「……見せつけてるのは、五屋くんのほうでしょ?」
「……なんだと?」
「昨日の夜の、公園のこと♡……知らないとは言わせないよ?」
「ッ……。」
昨日の夜──公園。
整った顔と煌めく瞳が昏い色を帯び、探るような、見透かすような視線を向けられる。それは間違いなく露出癖のことを指しているのだと、五屋もすぐに勘づいた。まさか誰かに……しかも三門相手にバレていたなんて……と思わず青ざめる顔色。
「な。なんでッ。お前が……ッ」
「……ふふ♡バレたくなかったら……僕に付き合ってくれるよね?♡」
しかし三門は悠々と、やはり余裕を消すことなく。
その腰をそっと抱き、柔らかに──五屋を、誘ったのだった。
「おはよう、五屋くん。今日も元気だねぇ~」
「まぁな!これが取り柄だし!」
先日の変態的な露出癖など微塵も感じさせない快活な挨拶で、五屋は出社する。同期の女性社員は笑って反応してくれるが、なかなかどうして五屋は女性から人気がない。本人もそれを気にしているのだが、その漢臭い風貌や暑苦しさは、嫌厭されてしまう理由になっているようだ。その代わり上司からも部下からも、男性からは頼りにされているのだが……。
「おはようございますっ、三門さんっ♡」
「うん。おはよう」
そして五屋の悩みの種はもうひとつ。他の女性社員から甘ったるく挨拶をされて微笑んでいる、いかにも『王子様』と言った同期の存在だ。清潔感があり、優しく、おまけに美しく整った容姿……このやり取りだけでも、彼が女性から人気なのが察せられる。
彼は三門帝二(みかどていじ)。
五屋が入社当時からなにかと気にしている相手である。自分とは性格も見た目も正反対、しかし仕事の能力には対して差がないことも影響して、密かにライバル視している男なのだ。
「おい、三門っ」
「ん?ああ、おはよう五屋くん。今日も元気だねぇ」
「うるせぇ!またちやほやされやがって……見せつけてんのか?」
先程の女性社員と同様のやり取りをしているにも拘わらず、これ見よがしに突っかかる五屋を見ても、その反骨心が窺える。密かに……と五屋本人は思っているが、実際にはその感情が言動にすべて表れており、周囲も「またか」と呆れつつも微笑ましく受け入れている状況だ。三門もそれを承知しているのか、受け流すような態度を隠そうとしない。
「えぇ?まさか。そんなはずないでしょ」
「こっの、適当にあしらいやがって……」
いつものように余裕のある応対に、悔しさを滲ませる五屋。だがそんな反応を見て三門は妖しく笑うと、ゆっくりとその耳元へ唇を近づける。
五屋にしか聴こえない声量で。そっと。誰にも知らない秘密を、暴くように。
「……見せつけてるのは、五屋くんのほうでしょ?」
「……なんだと?」
「昨日の夜の、公園のこと♡……知らないとは言わせないよ?」
「ッ……。」
昨日の夜──公園。
整った顔と煌めく瞳が昏い色を帯び、探るような、見透かすような視線を向けられる。それは間違いなく露出癖のことを指しているのだと、五屋もすぐに勘づいた。まさか誰かに……しかも三門相手にバレていたなんて……と思わず青ざめる顔色。
「な。なんでッ。お前が……ッ」
「……ふふ♡バレたくなかったら……僕に付き合ってくれるよね?♡」
しかし三門は悠々と、やはり余裕を消すことなく。
その腰をそっと抱き、柔らかに──五屋を、誘ったのだった。
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