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14巻
14-1
邪神アデュトロポスとの戦いの後、エルクント魔術学院へと転移したシンとシュニー。
そこで出会った元プレイヤーの学長ヒラミーに、学園に居座った罪源の悪魔の1柱から生徒たちを守ってほしいと依頼される。
問題となっていた色欲の悪魔、ルクスリアとは無事に和解したものの、攻撃性の高い強欲の悪魔が新たにエルクントに迫っていることが明らかに。
そんな中、シンがトレーニング・ダンジョンで出会った生徒、ミュウ、ギアン、レクスが何者かによって操られてしまう。3人を救い出し、元凶を退治したシンたち。
しかし、ドロップアイテムの水晶に表示された名前は強欲ではなく、『怠惰の結晶』だった――。
シンとシュニーは、ミュウたちが操られた事件に関して話し合うべく、学院を訪れた。
案内された部屋にはヒラミーだけでなく、ルクスリアの姿があった。
「話は聞いてるか?」
軽く挨拶を済ませ、シンが切り出す。
「ええ。たぶん、シンの予想――強欲に対して怠惰が反乱を起こしたというのは、当たってると思うわ。あの子はあたしと同じで、強欲とはそりが合わないはずだもの。どうにかして反抗しようとしたんでしょうね」
ヒラミーから説明を受けていたようで、ルクスリアは悩ましげに言った。ルクスリアなりに、思うところがあるようだ。
「3人の様子はどうだ? あれから体調を崩したりしてないか?」
「シンさんにもらった万能薬も飲ませましたし、こちらで調べた範囲でも異常はありませんでした。本人たちにも確認しましたが、不調はないということです。ルクスリアさんも協力してくれたので、もう悪魔の影響はないと思います」
「ええ、そこは間違いないはずよ」
ヒラミーとルクスリアの返答に、シンはほっと息を吐く。
シンにできる治療はアイテムかスキルによる回復だけだ。一応シュニーにも見てもらったが、それでも同じ悪魔から太鼓判を押され、わずかに残っていた不安が消えた。
「じゃあ、改めて話し合いといこう。今回の件は人も関わってるから、対策は難しいんだけどな」
悪魔に自分から協力しているとなると、シンの持つアイテムでは一般人と同じ判定だ。個別に弾くことはできない。
「そこでなんですが。悪魔に対して有効な手段について、シンさんの知っていることを教えてほしいんです。ミュウちゃんたちは間に合いませんでしたが、今後はどうにか対処できるかもしれませんし」
「ヒラミーは、対抗手段には詳しくないのか?」
「はい。ゲームのイベント時は人任せだったので、私は悪魔に有効な攻撃とかアイテムとか、そういったものに詳しくないんです。他のプレイヤーの方に伺って、ある程度知ることはできましたが、その……用意できるかはまた別でして」
対悪魔用の武器、防具は存在する。悪魔やその配下に対してダメージが増えたり、状態異常攻撃を緩和、無効化したりする効果を持つ武具だ。
状態異常に関しては、もともと防御用のアイテムがある。数さえ揃えられれば、多少レベル差があっても、一方的にやられずにすむだろう。
問題は、その数を揃えるという部分だ。悪魔というのは普通のモンスターやボスのようにあちこちに出現することはないので、活用できる機会が限られる。
そのうえ素材もゲームの頃より貴重で高価だ。レシピがあっても、装備を作成できる鍛冶師は少ない。数で対抗するのは難しいと言わざるを得なかった。
「武具以外での対抗手段か。手っ取り早いのはスキルだけど、兵士全員に覚えさせるわけにもいかないしな」
本来の習得方法では時間がかかりすぎ、スキル習得に『秘伝書』を使うにしても、数がまるで足りない。
幹部や将軍クラスにだけ覚えさせるという手もあるが、すでにそのくらいはやっているだろう。
「何か、数を揃えられるものはありませんか? かかる費用が安くて、必要な素材も少ないという好条件で」
「そんなものがあったら苦労しないって」
低効果、低コストのアイテムもあるにはある。しかし、軍に配備するとなればかなりの数になる。
アイテム作成にもそれなりのスキルを求められるので、個人で使うならともかく、全体に行き渡らせるのはやはり無理だ。
「やっぱり、少しでも強い人、装備やアイテムを集めるしかないですか」
「その辺の兵士じゃ、アイテムを使う前に殺されるか、威圧で動けなくなるかの二択だろうからな。選定者みたいな実力者に持たせる方法でいいと思うぞ。俺も、武器を貸すくらいはしてもいい」
罪源の悪魔が相手なのだ。出し惜しみはできない。
ステータス不足のペナルティを考えれば、貸与するのは伝説級か、よくて神話級か。
もう自分も有名になってしまったので、あまり自重しなくていいだろうとシンは考えていた。
「残念ですが、しかたないですね。戦力になる人たちの得意な武器をリストアップしておきます。それだけの武器を持っていると知られるのは、後が怖いといえば怖いですが……すみません。私もどのくらい力になれるか」
「そこはまぁ……そうだな。悪魔殺しの一族の末裔、みたいな設定にでもしておこう。ヒラミーやマサカドがいるのに、面倒だから逃げますっていう訳にもいかないし」
「――いざというときは、私の関係者ということにすればいいでしょう。余計な手出しはさせません」
黙って話を聞いていたシュニーが、それならば、と発言した。シュニー・ライザーの関係者となれば、そう簡単に手出しはできないはずだという。
「いいのか? それはそれで面倒だぞ?」
「かまいません。依頼を受ける活動は、シンが戻ってくるまでと決めていましたから」
シュニーが外部からの依頼でシンのもとを離れたのは、すでに請け負っていた仕事の後始末のときだけだ。
「……この際、夫と発表してしまうのも手ではないでしょうか」
シュニーがふと口にした内容に、ヒラミーが間違いないと断言する。
「確かに、対悪魔武器を持ってることとか、戦闘力とかからは目をそらせると思います。でも、注目されることには変わりないですよ」
悪魔を倒せるやつがいるという情報よりも、シュニーの伴侶が現れたという情報のほうが、はるかに重要なことなのだ。
とくに、シュニーと同じハイエルフのいる里は、事実確認のために大々的に動くはず、とヒラミーは語った。
「エルフの里は、どうでもいいです。ハイエルフは変にプライドが高い人が多いですし、近寄りたくもありません」
「里のハイエルフが聞いたら泣きますね。自業自得ですけど」
「本当に、どうでもいいことです」
シュニーにしては珍しく、ヒラミーの言葉に辛辣な反応を返す。同族ということで、かつて様々な迷惑を被ったらしい。
「あなたたち、意外と余裕があるわね」
「そういうわけでもないんだけどな」
当時のことを思い出して、若干不満そうなシュニーの頭を撫でて機嫌を取りながら、シンはルクスリアに肩を竦めてみせた。
「というか、悪魔への対抗手段なら、まさに悪魔そのもののルクスリアに聞いたほうが早いんじゃないか?」
「自分の弱点を他人に教える悪魔もどうかと思うけど……あなたたちの知ってるものと大差ないわよ。もしかすると、情報の質という意味じゃ劣ってるかもしれないわね」
「どういうことだ?」
今のルクスリアはただのモンスターではない。人と同等か、それ以上の知性がある。
ならば、自らの弱点くらい把握しているだろうとシンは思っていた。
「人だって、自分にどんな魔術や薬が効いて、どんな効果が出るかなんて、完全には把握してないでしょ? それと同じよ。致命的なレベルの代物なら本能的にわかるけど、それ以外となるとね」
「そう言われると、反論できないな」
シン自身、自分に有効な武器やアイテムを答えろと言われても、完璧には答えられない。
せいぜい古代級の武器だとか、対人装備でも使ったらどうだというくらいだ。
「シンがさっき言ってたアイテムをあたしに試せば、効果があるかどうかくらいはわかるわよ?」
「わかるわよって、そんなに気軽に言っていいのか? 人体実験みたいであまり気分のいい話じゃないんだが」
「即死するようなものじゃなきゃ大丈夫よ。さっさと、やってちょうだい。あたしに効果があるなら、アワリティアにだって効果があるはずよ」
「……そこまでするのか」
「当然よ。あんなのとひとつになるなんて、絶対嫌だもの」
ルクスリアは両手で肩を抱くようにして、首を左右に振っている。過去に一体何があったのか、怖気が走るほど嫌らしい。
「まあ、ルクスリアで試すにしろ試さないにしろ、ここじゃなんだ。どこか、人目に付かない場所のほうがいいと思うんだが?」
少なくとも、学長室でやるようなことではない。
シンとしては気が進まないが、日を改めて行うことになった。
「用事はこれだけか?」
「いえ、もうひとつあるんです。どちらかというと、こちらのほうが重要ですね」
「いい話じゃなさそうだな」
ヒラミーの表情を見れば、話の内容はともかく、良し悪しはすぐにわかった。
「ルクスリアさんに、王城から査問会に出席するよう連絡が来ました」
「査問会? 一応、こっちの査問会について聞いてもいいか?」
現実世界の査問会ならば、シンもどういうことをするのかある程度は知っている。だが、ここは現実とは法も違えば、社会制度も違う。名称は同じでもまったく別物という可能性もあるのだ。
「エルクントに属する組織内で問題を起こした人の取り調べや処罰の決議なんかをするんです。一応ルクスリアさんは、エルクントの学院所属の教員ということになっているので。でも、向こうと違って公正とは言えないんです。いえ、向こうの世界だって、全部が全部公正だったわけではないんでしょうけどね」
「どうした!? なんか急に疲れた顔になったぞ!?」
「ふふ、どこの世界にも、足を引っ張るしか能のない馬鹿がいるんですよ……ルクスリアさんが罪源の悪魔だとリークした人がいるんです」
犯人らしき人物には、すでに目星を付けているという。
しかし、罪源の悪魔の1柱、『強欲』アワリティアが近づいているかもしれないという状況で、別の罪源の悪魔が国内にいることを知られたのはまずかった。
たとえ本人に戦う気がなくとも、その強さと能力から、過剰な反応をする者が出てくるのだ。
「私が見つけてきた人材ということにしていたので、それも問題になってまして」
「そりゃ、学院の中に高レベルの悪魔がいますとなったらなあ」
問答無用で討伐することにならないのは、「下手に刺激して街の中で暴れたらたまらない」という意見と、ヒラミーの言った「学院内で真面目に働いており対強欲戦力として協力してくれるなら利用するのも手では?」という意見が出ているかららしい。
「本当に協力してくれるのか。敵意はないのか。他にもいろいろ確かめたいみたいです。ただ、やはり悪魔というところが凄まじくマイナスで、決議をする委員の大半が討伐派なんですよ。とくに、一番発言力のある人が問題のある人で。これじゃあ、取り調べどころじゃありません」
決議にしても、1人1票というわけではないらしい。委員の地位や役職で持つ票が異なるようだ。
今回の査問会では、大量の票を持っている人物がルクスリア討伐派に回っている。
このままなら間違いなく悪い方向へ行くだろう、とヒラミーは言った。
「1人に複数票。それも多い少ないがあるって、なんだよそれ」
「特権階級優位だった時代の名残です。これでも先代の王から改革はされてるんです。今の王になってからもだいぶ改善してるんですけどね」
選民意識に凝り固まった貴族も少なくなく、どうしても手の回らない部分が出るのだ。今回は、たまたまそういうところに当たったようだ。
「王は慎重な方ですから、いきなり討伐という意見は却下しています。実際、これまでルクスリアさんは一切問題を起こしていませんからね。技術開発部門で手を貸していただいたこともありますし、その時できた製品が国民にプラスに働いたことも理解しておいでです」
「モンスターなぞ討伐じゃ! って即座にならなかっただけましか。でも、査問会で悪と断じられたら結局ダメなんだろう? 何かルクスリアが絶対味方だって証明する作戦はあるのか?」
「一応、考えてはみたんですけど」
苦いものを含んだようなヒラミーの表情を見れば、いい案ではないというのがわかる。
「査問会の委員を変更するってのはできないのか?」
「任期があるんですよ。その間は基本的に交代はありません。不祥事でも起こせば別ですが。そっちはなかなか証拠がなくって」
委員から引き摺り下ろすという方法は、すでに試されていた。
「あと思いつくのは王が命令するって案だけど……それはさすがにまずいか」
「悪魔と協力しろなんて命令を出したら、反発がすごいですよ。今は防衛に使えそうなら利用することも検討すべきといった姿勢ですから、まだ大丈夫ですけど」
ルクスリアが悪魔とばれた時点で、アワリティアの情報もわかっている限り、ヒラミーが伝えている。
ルクスリアはレベル700の悪魔。それを超える悪魔の襲来という事実が、対抗手段として有効なルクスリアを討伐しようという意見に歯止めをかけていた。
アワリティアがモンスターを配下にしていることは、トレーニング・ダンジョンの一件でわかっている。
モンスターには人より強い個体がごろごろいる。数と質の両方が揃ったら、エルクントは落ちるしかない。王国側としては、悪魔同士で相打ちになってほしい、くらいは考えているだろう。
「こればっかりは、あたしが何か言っても聞いてもらえないのよね」
「精神系スキルを持ってるのは、知られてるからな」
精神系スキルは危険度が高く、どのようなモンスターが使ってくるか、広く知れ渡っている。悪魔はその最たるものだ。
ルクスリアの場合、性別を問わず相手を魅了することができるので、気がつけば意のままに操られているなんてこともある。
発言しただけで、仕掛けられているのではと疑われるので、満足に会話もできないようだ。
「あとは、ルクスリアが危険と判断されると、ヒラミーの立場も危うくなるか」
「悪魔を匿っていたと言われたら反論できませんからね。一般的に、悪魔は人類の敵ですし。でも私は、ルクスリアさんは大丈夫だと思うんです。話をするようになって、そう断言できるようになりました」
「あら、もしかすると、気づかないうちに魅了されているのかもしれないわよ?」
言い切ったヒラミーをちゃかすように、ルクスリアが言う。しかし、ヒラミーは表情ひとつ変えずに続けた。
「なんだかんだで3年間一緒に生徒を見守ってきましたから。レベルやステータスを考えると怖かったですけど、以前の悪魔を知っているからしようがないですよね。本音でぶつかっていれば、もっと早く危険がないとわかったのかもしれませんね」
できたかどうかはわかりませんが、と続けて、ヒラミーは笑ってみせた。
失うものが自分の命しかなければ、やったんじゃないかとシンは思う。何せ、この世界に来る前も他人のために命を投げ出したのがヒラミーなのだから。
「まいったわ。降参よ。悪魔になんて笑顔を向けるのよ、まったくもう」
ヒラミーの視線から逃れるように、ルクスリアがそっぽを向く。
子供じみた仕草でそらした横顔は、ほんのり赤く染まっていた。悪魔も照れるようだ。
「アワリティアの件がなきゃ、うまくやっていけそうだな」
「そうですね」
いつもと少し雰囲気の違うルクスリアだが、演技をしているようには思えなかった。相槌を打つシュニーも笑みを浮かべている。
「ちょ、ちょっとなによ、その微笑ましいものを見るような顔! あたしが悪魔だって忘れてないでしょうね?」
「綺麗系と思わせておいての、可愛い系ですか。さすが色欲、やりますね」
「だからなにがよ!?」
いじられるルクスリアという珍しい光景だ。ノリノリのヒラミーが落ち着くまで、数分のときを要した。
「それでだ。ルクスリアに危険はないと証明する方法についてなんだが」
「あたしがいじられてるのを放置しておいて、いきなり話を戻すのね」
「……ついてなんだが」
「聞きなさいよ! 少しくらい助けてくれてもいいでしょ! 襲うわよ! 性的に!」
うがーと、見た目とまったくかみ合わない声を出して、ルクスリアはシンに迫った。
いじられるのに慣れていないルクスリアは、随分ストレスのかかる状態だったらしい。
「これからも付き合いは続くんだ。これくらいのことで動揺するなって」
「さっきみたいなのは、背中がむずむずするのよ」
まだ少し赤い顔で眉根を寄せながら、ルクスリアは自分の体をぎゅっと抱きしめる。豊かな胸もぐっと寄せられ、セーター越しにもその大きさと形がはっきりとわかった。
「く、恥ずかしがってる姿すら色気があるなんて。やっぱりボリュームが足りないんでしょうか」
「あなた、今の状況でよくそんなこと考える余裕があるわね……」
自分の胸を凝視しながら言ってきたヒラミーに、ルクスリアは呆れを混ぜた言葉をかける。
「精神的な余裕がなくなると、いい考えは浮かびませんから。でも、もうあんまり余裕はないです」
ノリノリでいじったり、ジト目でルクスリアの胸を見たりしたのは、心に余裕を持たせるためだとヒラミーは言う。そんなことをしたら、逆に進退窮まる可能性もあるのだが。
「じゃあ、俺の話に戻ってもいいか?」
「お願いします」
「さっきも言ったけど、ルクスリアに危険がないって証明する方法についてだ。俺を、悪魔を狩る一族の末裔にするって話があったろ? あれにかこつけて、こんなのはどうだろう」
シンは自分の考えた案を語る。
それを聞いたヒラミーたちは、自分の案よりはましだと、シンの出した案を基に改善点を提案し合うのだった。
†
数日後、シンとシュニー(ユキに変装中)は、ヒラミーたちとともに王城へ足を踏み入れた。
普通の査問会は城下町にある専用の会場で行うのだが、今回は特別な地位にいる者用の特別会場で行われる。城内に悪魔を入れていいのかと思ったが、だからといって何ができるわけでもないか、と結論づけた。
本来、シンたちには査問会に出席する権利はない。しかし、議題に関係した重要な人物とヒラミーが進言したことで特別に出席が許された。
許可が出たのはシンだけなので、シュニーは会場の外で待つことになっている。
「ずいぶんと怖がってるな」
案内役の兵士の後に続いて通路を歩いていたシンは、自分たちの周りを歩いている兵士たちを横目で見て小声で言った。
「当然でしょ? 彼らがいくら鎧を着て数を揃えても、あたしなら腕の一振りでミンチにできるわ。そんな相手と一緒に行動しなきゃならないんだから、お城勤めって大変よね」
「だったら案内役だけでいいだろうに。暴れたら犠牲が増えるだけだぞ」
「面子があるんでしょ?」
「2人とも静かに歩いてください。聞こえてますよ」
ひそひそと話していたシンとルクスリアだったが、足音がはっきり聞こえるほど静かな空間で内緒話も何もなかった。
ヒラミーに注意されたシンが改めて周囲を見ると、兵士たちの顔は強張り、顔色は貧血でも起こしそうなくらい悪い。
普段はシュニーに見惚れる者が多かれ少なかれいるのだが、今回は1人もおらず、皆頑なに前だけを見ていた。シンたちの会話も聞こえているはずなのだが、注意することもない。
むしろ、注意などしたら自分が標的にされると恐れている感じだ。
「今回に関しては、気安く話せると知ってもらったほうがいいだろう?」
「それは、そうかもしれませんけど。無駄に怖がらせたりしないでくださいよ?」
「大丈夫よ。ご主人様の言うことには逆らわないわ」
そう言って、ルクスリアは冷たい微笑を浮かべてみせた。こういう笑い方のほうが悪魔っぽいでしょ? とはルクスリアの言である。
変えているのは笑い方くらいで、服装もセーターとタイトスカートに白衣と、学院にいたときと同じだ。
違いがあるとすれば、首にはめられた黒い首輪の存在だろう。1セメルほどの幅の金属製の首輪で、外見は以前教会の聖女誘拐事件の際に使われた『隷属の首輪』によく似ている。
似ているのは外見だけで、実際は文字通り金属で出来たただの首輪である。
特殊な効果など何もなく、ルクスリアなら片手で引き千切れる。
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