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3巻
3-6
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「1泊、お1人様銀貨4枚になります」
値引かれたはずなのに、以前泊まったベイルリヒトの穴熊亭より銀貨2枚高い。やはり高級宿のようだ。
ナックからの報酬があったのでそれぞれ1泊分払う。ユズハも一緒で大丈夫かと思ったが、契約していれば問題ないらしい。もちろん、何か騒動を起こしたら責任はシンが取る。
「あのおばちゃん、俺たちがこの値段を払えるって見抜いてたのか」
「冒険者だし。お金持ってると思われたんじゃない?」
「まあ持ってるけど。依頼の報酬が一気に減るな」
一瞬で報酬の半分近くが消滅したので、シンはついそんなことを思ってしまう。実のところ盗賊に懸賞金がかかっていたので副収入があったのだが、それにしても高すぎる気がした。
実は白金貨持ちで余裕はあるのだが、そのあたりの金銭感覚はまだまだあいまいなのだ。
「ベイルーンの名物宿みたいだから、1度は泊まっておくべきって話だったし。本館は1泊金貨1枚はするらしいから、まだ良心的なんじゃない?」
「誰が泊まるんだか」
「たぶん、シンみたいな人でしょ。素材を売ったお金があるじゃない。はっきり言うけど、今のシンってけっこうなお金持ちなのよ?」
「そ、そうだよな。つい依頼の報酬から考えちまってさ」
ティエラに指摘されて、ようやく自分が裕福だと思い出したシン。所持金の総額からすれば、銀貨4枚など些細な出費だ。
3日で護衛任務の報酬が消えてしまうような宿だが、強化ガラスが非常に高価なので、施設の内容を考えれば銀貨4枚は安い部類なのだろう。
こういった名物は、知っておけば話のタネくらいにはなる。せっかくの旅だ、少しくらい楽しんでもいいだろうとシンは気にしないことにした。
「さすがは高級宿。もうこれ普通にホテルだな。防音もしっかりしてそうだ」
割り当てられた客室に入ったシンが最初に感じたのはその質の高さだ。元の世界でいえば安めのビジネスホテルと言ったところか。
比べるのは失礼だろうが、シンの唯一知っているこの世界の宿、穴熊亭より、備え付けられている机や椅子、ベッドにいたるまでワンランク上だ。
さすがに月の祠の家具には劣るが。
「くぅ、もうしゃべっていい?」
「ああ、ここなら大丈夫だろ」
ユズハは街中で、ずっと我慢していたようだ。宿の壁は厚いようなので、しゃべっても大丈夫だろうとシンが判断すると、さっそくしゃべりだした。
「夕食まで時間があるし、武器の手入れでもするか」
シンは荷物を床に置き、腰の刀を外して点検を始める。
ゲームではほとんど必要なかったが、こちらではなるべく欠かさないよう心がけるべきだと考えるようになった。小さな刃こぼれや血糊による錆など、武器の劣化を速める要因が増えたからだ。もっとも、特に小まめな点検が必要なのは、低級の武具がほとんどなのだが。
「きれー」
「このレベルになるまでは苦労したからな」
刀身を包むオーラを見て、ユズハが感想を言う。実際、神秘的な輝きを宿す刀身は、武器ではなく芸術品と言われても納得してしまうくらい、実に美しかった。
生半可な腕では出せない輝きを見ながら、シンはかつての修業の日々を思い出す。
そして刃の状態、柄や鍔の緩みなどを順番に確認し、鞘に戻そうとしたところでドアがノックされた。
ティエラの声が部屋に響く。
「シン、ちょっといいかしら?」
「ああ、今ドアを開ける」
シンが立ち上がる前に、ユズハが人型になってドアを開けた。もちろん巫女服を着ている。
「あら、ユズハちゃん。今はその姿なのね」
「くぅ、シンにようじ?」
「ちょっと聞きたいことがあるのよ」
ユズハに迎え入れられ、ティエラが室内に入る。
「で、聞きたいことってなんだ?」
「シンに以前、分析をもらったじゃない? それについてなんだけど」
「何かあったのか?」
「些細なことかもしれないんだけど、ツバキのステータスを見たときに、ちょっと気になることがあって」
「気になることか」
ふと、ある予想がシンの脳裏をよぎる。
「もしかして、分析を使うと、ツバキの種族がときどき見えにくくなる……とかか?」
「え? シンもなの?」
驚くティエラ。どうやらシンの予想は当たっていたらしい。
正確にいえば見えにくくなるというよりは、ノイズが走ると言った方が正しいだろう。種族の欄だけなのだが、ゲームでは見られなかった現象だ。
ティエラは初めてだったようだが、シンの場合、ツバキが2人目だ。
「俺も気にはなってたんだ。だけどこれは俺もよくわからない」
シンの場合、この世界に来た過程が過程なので、何か不具合でも出ているのかと思っていた。なにせ、ツバキに会うまではノイズが走るのは1人しか知らなかったのだから。
「師匠なら何か知ってるかしら」
「そうだな。どちらにしろ明日合流するんだし、聞いてみるか」
同じように分析が使えるシュニーなら、何か知っているかもしれない。とはいえ、火急の用事でもないので心話は使わないことにした。
「くぅ、むずかしいこと?」
「難しいというか判断がつかない、だな。推測は立てられるが確証がないんだよ」
シンはユズハに向かって苦笑しながら肩をすくめる。
「そういえば師匠はいつ来るの?」
ティエラが尋ねた。
「時間はわからないってさ。宿を教えたら、そこに来るって話だ」
「そうなると、今日はもう休んでも大丈夫ね。さすがに夜に来ることはないでしょうし」
「まあ、そうだろうな。そろそろ晩飯にしよう」
今の時間は午後6時過ぎ。夕食を取るには少し早いが、宿的には問題なさそうだ。
ユズハも一緒に食べたいと言ったので、人の姿を見られないよう、夕食は部屋に持ってきて食べることにした。
夕食は豪勢と言えるものだったが、やはり出てきたパンは黒パンだった。どうやら白パンはかなり高級らしい。
ちなみにこれが本館なら、普通に白パンが出るそうだ。
その後は湯を頼んで体を拭い、着替えてから眠りにつく。湯に関しては、穴熊亭では有料だったがこちらでは無料だった。浴場まではないらしい。
穴熊亭も基本水浴びだったので、あまり違いはないように感じた。
明けて翌朝。
寝ぼけたユズハがシンの布団にもぐりこんできたが、子狐モードだったのでドタバタすることもなく、実に平和だった。
無意識に頭を擦りつけてくるユズハを脇にどけ、顔を洗う。部屋にはホテルよろしく洗面台があった。さっぱりしたところでティエラが訪ねてきたので、昨日と同じく部屋で朝食を取ることにした。
「さて、さっき聞いたところによると、シュニーは今日の午前中にはベイルーンに着くらしい。俺は先に馬車の改造をするが、ティエラはどうする?」
パンをかじりながらティエラに話しかける。何もせず待っているのもどうかと思ったのだ。
「せっかくだし、どんな風に改造するのか見てるわ」
「ユズハも!」
シンに自重を促していたティエラも、改造自体には興味があるらしい。ユズハは言わずもがなだ。
なんだかんだで、未知の技術を見るというのはワクワクするものである。
宿をチェックアウトした後は、真っ直ぐ馬車を買った店に向かう。購入した馬車自体は、まだ店に預かってもらっていた。
「いらっしゃい。おや、昨日の。馬は買えたのかい?」
「知り合いが調達してくれる段取りになったんですよ。なので、馬車に一工夫しようと思いまして」
「へぇ、お客さん職人か何かなのかい? 冒険者だと思ってたんだがね」
驚く店主に冒険者だと返して、馬車のあるところへ移動する。
まずは、対象を一時的に浮かせる魔術スキルで車体が倒れないようにし、揺れ対策用のバネを設置していく。もちろん、そのままではつけられないので、車輪の軸回りにも手を加える。
木や金属塊がグネグネと形を変えていく様は、見方によってはかなり不気味である。だが、その分作業スピードは速い。
車体の陰で行っている関係上、店主に見られる心配もないので、ササッと作業をしていく。
すでに性能が周囲の馬車と比較にならなくなっていることに、店主は気づいていない。
そして、そんな作業風景を間近に見て、目をキラキラさせるユズハと、目が点になってしまうティエラ。
作業内容自体はティエラにも何となく理解できた。しかし、シンの手の中でグニャグニャと形を変える金属塊を見て、口がふさがらない。
目立たないことを学習したんじゃなかったのか、と突っ込みたがったが、店主に聞こえそうだったので、なんとか我慢した。
「ふう、後はベアリングの取り付けだけだな」
『くぅ! シン、さっきのなに? 鉄がぐにゃぐにゃしてた!』
よほど面白かったのか、ユズハが調教師バージョンの心話で話しかけてくる。鍛冶のときも熱心に見ていたが、物作りが好きなのだろうか。
『あれは鉄を加工するときに使う生産系スキルでな。やり方はなんとなくわかった』
正確には生産系鍛冶スキル【成形】だ。本来はいくつかの決まったパターンにしか変形できないのだが、意識して使ってみたところ、面白いように形を変えられた。
馬車の改造自体はゲーム時の技術がそのまま使えたので、問題なく仕上がっている。
「シン、自重はどこに行ったのかしら?」
「あ、あれ? 今回は見られないように隠れたし、見た目は変わってないぞ。なんでそんなに怒ってんだ?」
「確かにぱっと見たくらいじゃ、何が違うかなんてわからないわ」
「だろ? なら――」
「でもね。明らかに不自然なところがあるのよ」
「ええと、なんでしょうか」
いつの間にか説教モードのティエラに、何かやらかしたかと頭をめぐらせるシン。残念ながら、ティエラを怒らせた理由は思い浮かばなかった。
「時間よ」
「時間?」
「そう時間。あのね、いくら作業が簡単でも、馬車の改造が1時間とかからずに終わるわけないでしょうが! 早い、早いのよ!」
「ああ、なるほど」
「ああじゃなくて、もうちょっと真剣に受け止めて……」
口調は強いが声は小さいという、微妙に迫力がない状態で、ティエラがシンに注意する。
作業を始めてから、まだ15分ほどしか経っていない。考えてみれば、確かにあまり早く作業してしまうと、一体どうやったんだという話になるだろう。
効果や作業時の見た目を気にするあまり、作業スピードを失念していた。ゲーム時はどれだけ早くても文句言われなかったので、思い至らなかったのだ。
「仕方ない、ベアリングの方はゆっくりやろう」
「お願いだからそうして」
ティエラの要望を受けて今度は時間をかけて作業を進める。
こちらは車輪と軸の接合部を多少改造するだけなので、のんびりやってもそれほど時間はかからない。車体がわずかに浮いているので、作業に困ることもない。
その後、4つの車輪すべてにベアリングを取り付け、改造は完了した。作業にかかった時間は、バネの取り付けも含めて1時間半ほど。現在時刻は10時半になろうとしていた。
馬車屋の店主に馬を連れてくると言って、一旦店の外へ出る。後はシュニーからの連絡待ちだ。昨日とは違った方向に足を伸ばし、露店を冷やかしながら1時間ほど過ごしたところで、シュニーからのコールが来た。
「シュニーから連絡だ。北門を出た先の森にいるらしい」
宿をチェックアウトしてぶらぶらしている旨は伝えていたので、外で待つことにしたのだろう。すぐに北門へ向かう。
感知領域を伸ばしつつ、門をくぐってさらに歩く。
シュニーの反応はすでに捕捉済みだった。しかし――。
「…………」
喜び勇んで歩き出したはずの両足が重い。
「くぅ、なにか、いる」
「どうかしたの?」
「あー、なんというか、行けばわかると思う」
ユズハの言葉にティエラが疑問を投げかけてくるが、シンは言葉をにごした。
なぜならわざわざ口にしなくとも、このまま進めば、シンが困惑の表情を浮かべ、ユズハが警戒している原因がわかるからだ。
シンの視界に移るマップに表示されているのは、シュニーとその隣にいるモンスターの反応。
森に近づくと、次第にその姿が見えてくる。
「シン……あれ、強いよ」
「ねぇシン。ほんとにあれ、なに? 私の分析じゃレベルどころか名前も見えないんだけど」
ユズハとティエラが不安そうに言う。
「まあ、そうだろうな」
横にシュニーがいても、モンスターが放つ圧力だけはどうしようもないのだろう。
ティエラはシンの背後に隠れるように立ち、ユズハは脱力していた身を硬くした。
「ただいま戻りました。心話でお伝えした通り、馬車を引かせるためのモンスターを連れてまいりました。このモノなら、シンが乗る馬車を引かせても問題ないでしょう」
非常に良い笑顔で、自信満々に言うシュニー。その笑顔は万人を虜にするだろう魅力に溢れている。
しかし、肝心のシンはと言えば、「これに馬車引かせる? え、マジで?」と言いたげな視線を、モンスターに向けていた。
「一応確認なんだが、どっから連れてきた?」
「近くに霊峰がありましたので、そこから」
「……さすがだ。さすがだよシュニー」
「お褒めにあずかり光栄です」
シンの心境としては「さすがシュニー、常識外れだ」という意味だったのだが、いい方向に解釈されたらしい。
「忘れてたわ。師匠ってシンのことになると、ときどき暴走するのよ」
「できればもっと早く言ってほしかったな、その情報」
ティエラが「あちゃー」とでも言うように天を仰ぎ、シンは「なんてこった」とでも言うように片手で額を押さえる。
そんな2人を見て、当のシュニーは首をかしげていた。
「まあ、連れてきちまったものはしょうがない。とりあえず、なんでそいつなのか聞いてもいいか」
「はい。シンの馬車を引かせるということでしたので、ここはやはり、神獣クラスのモンスターであるべきかと思いまして」
「いやいやいや、その発想はおかしい。どう考えてもおかしい! 一体どんな馬車を引かせる気だよ!?」
シュニーの後ろで大人しくしているモンスターを指差しながら、シンは叫ぶ。
なにせ、その体格は馬車より遥かに大きい。もし引かせるとしたら、その馬車は一軒家サイズになるだろう。
「もちろん、シンがそう言うだろうということも想定していました」
「なに?」
シンの突っ込みに冷静に返すシュニー。どうやら、何か考えがあるらしい。
あらためてシンは、シュニーの連れてきたモンスターを見る。
4足歩行型のモンスターで、その名をグルファジオという。
歩く際に前傾姿勢になった場合、地面から頭の先までの高さは3メルほどある。購入した馬車につないだところで、前など見えないだろう。
馬の胴体ほどに発達した前腕に全身を覆う灰銀色の体毛、さらに筋肉の塊である太く強靭な尾を持ち、その迫力はかつて戦ったスカルフェイス・ロードに近い。
ゲーム時は奇襲まで仕掛けてくる、上級プレイヤー向けの凶悪なモンスターだった。
その頭部は狼に似て、しかし所々に見える鈍く光る鱗が、やはり別の生き物なのだと示していた。
そして何より目を引くのは、グルファジオにはないはずの角。多少歪んでいるが、水晶のような濃淡のある緑色の角が、その額から突き出ていた。
そこからわかる事実は1つ。このグルファジオは特殊個体であるということだ。
だからなのかは不明だが、プレイヤーを見つけたら躊躇なく襲ってくるモンスターのはずなのに、まるでそんな気配を見せずにおとなしくしていた。
分析で確認してみると、グルファジオ・ヤーデ、レベル751と出た。
本来、グルファジオの最大レベルは650のはずだが、特殊個体によくあるように、限界を突破しているようだ。人里に下りてくることがあれば、間違いなく災害指定されるだろう。
「さぁ、やりなさい」
シュニーがそう言うと、グルファジオの体を緑色の燐光が包み込んだ。時折聞こえるバチバチという音が、幻想的な光景にわずかな違和感を与える。
1分と経たないうちに燐光は消え、1匹のモンスターが姿を現した。
分析でグルファジオであることは確認できるが、外見が異なる。
前足が後ろ足と同じくらいの長さになり、尻尾も縮み、多少歪ではあるが、少し大きな狼と言えなくもない。特徴的だった角も、額からほんのわずかに見えるくらいに縮んでいた。
「小さくなった?」
「はい。この能力がありますので、馬車を引かせても問題ありません」
確かに馬車を引かせる分には問題ないだろう。だが、シンにはそれ以前に気になることがあった。
「こんな能力持ってたか?」
グルファジオはもともと肉弾戦に特化したモンスター。ユズハのように、変化を得意とするような特性はないはずなのだ。
「待ち伏せや奇襲を好む習性がありますから、特殊個体になったことで、より有用な能力を手に入れたのだと思います。実際に、幻影や雷属性のスキルなどを使っていましたから」
そんな馬鹿なと思わなくもないが、モンスターにまともな生物としての枠組みを期待したところで意味はない。
魔素から生まれたのだから、骨格くらい変えられるのだろうと、納得することにした。
「とりあえず、この姿ならたぶん大丈夫だろ。馬車はもう改造してあるし、戻って出発しよう」
「そうですね。そうしましょう」
「はぁ、変に疲れたわ……」
楽しそうなシュニーとは対照的に、肩を落とすティエラ。
それも当然だろう。いくらシンとシュニーのやり取りが軽いものだったとしても、目の前にいるのは間違いなく神獣と呼ばれる類のモンスターなのだ。たとえ大人しくしていようが、周囲に巻き散らす威圧感は尋常ではない。
小さくなった今でこそ普通のモンスター程度の威圧感しかないが、元の姿は一般人なら気絶してもおかしくないだけの重圧がある。
なんでもないように会話をしている、シンたちがおかしいのである。
シュニーの訓練を受けていなければ、ティエラも気絶組の仲間入りをしていただろう。
「くぅ、くくぅ?」
「グル、グルアッ!」
今も会話をするように鳴き合う2匹を見て、苦笑いをうかべるのが精一杯だ。
「俺もティエラに同意だ。まさかこのレベルを連れてくるとは思わなかったし」
シンの場合、どちらかというと疲れより驚きの方が強い。馬と言っておいたので、せいぜいグリムホースの上位種、ワンダーホースやさらに上のトライホースあたりだと予想していたのだ。
どれも商人プレイヤーが馬車を引かせるモンスターとしては定番で、レベルも200を超えないので扱いやすく、その割に馬力があるので意外と人気だった。
しかし、やって来たのは明らかにオーバースペックの神獣である。
「何かおかしかったでしょうか?」
「師匠、普通馬車を引かせるのに神獣なんて連れてきませんよ」
「これでも妥協したのですよ」
「えっ……」
値引かれたはずなのに、以前泊まったベイルリヒトの穴熊亭より銀貨2枚高い。やはり高級宿のようだ。
ナックからの報酬があったのでそれぞれ1泊分払う。ユズハも一緒で大丈夫かと思ったが、契約していれば問題ないらしい。もちろん、何か騒動を起こしたら責任はシンが取る。
「あのおばちゃん、俺たちがこの値段を払えるって見抜いてたのか」
「冒険者だし。お金持ってると思われたんじゃない?」
「まあ持ってるけど。依頼の報酬が一気に減るな」
一瞬で報酬の半分近くが消滅したので、シンはついそんなことを思ってしまう。実のところ盗賊に懸賞金がかかっていたので副収入があったのだが、それにしても高すぎる気がした。
実は白金貨持ちで余裕はあるのだが、そのあたりの金銭感覚はまだまだあいまいなのだ。
「ベイルーンの名物宿みたいだから、1度は泊まっておくべきって話だったし。本館は1泊金貨1枚はするらしいから、まだ良心的なんじゃない?」
「誰が泊まるんだか」
「たぶん、シンみたいな人でしょ。素材を売ったお金があるじゃない。はっきり言うけど、今のシンってけっこうなお金持ちなのよ?」
「そ、そうだよな。つい依頼の報酬から考えちまってさ」
ティエラに指摘されて、ようやく自分が裕福だと思い出したシン。所持金の総額からすれば、銀貨4枚など些細な出費だ。
3日で護衛任務の報酬が消えてしまうような宿だが、強化ガラスが非常に高価なので、施設の内容を考えれば銀貨4枚は安い部類なのだろう。
こういった名物は、知っておけば話のタネくらいにはなる。せっかくの旅だ、少しくらい楽しんでもいいだろうとシンは気にしないことにした。
「さすがは高級宿。もうこれ普通にホテルだな。防音もしっかりしてそうだ」
割り当てられた客室に入ったシンが最初に感じたのはその質の高さだ。元の世界でいえば安めのビジネスホテルと言ったところか。
比べるのは失礼だろうが、シンの唯一知っているこの世界の宿、穴熊亭より、備え付けられている机や椅子、ベッドにいたるまでワンランク上だ。
さすがに月の祠の家具には劣るが。
「くぅ、もうしゃべっていい?」
「ああ、ここなら大丈夫だろ」
ユズハは街中で、ずっと我慢していたようだ。宿の壁は厚いようなので、しゃべっても大丈夫だろうとシンが判断すると、さっそくしゃべりだした。
「夕食まで時間があるし、武器の手入れでもするか」
シンは荷物を床に置き、腰の刀を外して点検を始める。
ゲームではほとんど必要なかったが、こちらではなるべく欠かさないよう心がけるべきだと考えるようになった。小さな刃こぼれや血糊による錆など、武器の劣化を速める要因が増えたからだ。もっとも、特に小まめな点検が必要なのは、低級の武具がほとんどなのだが。
「きれー」
「このレベルになるまでは苦労したからな」
刀身を包むオーラを見て、ユズハが感想を言う。実際、神秘的な輝きを宿す刀身は、武器ではなく芸術品と言われても納得してしまうくらい、実に美しかった。
生半可な腕では出せない輝きを見ながら、シンはかつての修業の日々を思い出す。
そして刃の状態、柄や鍔の緩みなどを順番に確認し、鞘に戻そうとしたところでドアがノックされた。
ティエラの声が部屋に響く。
「シン、ちょっといいかしら?」
「ああ、今ドアを開ける」
シンが立ち上がる前に、ユズハが人型になってドアを開けた。もちろん巫女服を着ている。
「あら、ユズハちゃん。今はその姿なのね」
「くぅ、シンにようじ?」
「ちょっと聞きたいことがあるのよ」
ユズハに迎え入れられ、ティエラが室内に入る。
「で、聞きたいことってなんだ?」
「シンに以前、分析をもらったじゃない? それについてなんだけど」
「何かあったのか?」
「些細なことかもしれないんだけど、ツバキのステータスを見たときに、ちょっと気になることがあって」
「気になることか」
ふと、ある予想がシンの脳裏をよぎる。
「もしかして、分析を使うと、ツバキの種族がときどき見えにくくなる……とかか?」
「え? シンもなの?」
驚くティエラ。どうやらシンの予想は当たっていたらしい。
正確にいえば見えにくくなるというよりは、ノイズが走ると言った方が正しいだろう。種族の欄だけなのだが、ゲームでは見られなかった現象だ。
ティエラは初めてだったようだが、シンの場合、ツバキが2人目だ。
「俺も気にはなってたんだ。だけどこれは俺もよくわからない」
シンの場合、この世界に来た過程が過程なので、何か不具合でも出ているのかと思っていた。なにせ、ツバキに会うまではノイズが走るのは1人しか知らなかったのだから。
「師匠なら何か知ってるかしら」
「そうだな。どちらにしろ明日合流するんだし、聞いてみるか」
同じように分析が使えるシュニーなら、何か知っているかもしれない。とはいえ、火急の用事でもないので心話は使わないことにした。
「くぅ、むずかしいこと?」
「難しいというか判断がつかない、だな。推測は立てられるが確証がないんだよ」
シンはユズハに向かって苦笑しながら肩をすくめる。
「そういえば師匠はいつ来るの?」
ティエラが尋ねた。
「時間はわからないってさ。宿を教えたら、そこに来るって話だ」
「そうなると、今日はもう休んでも大丈夫ね。さすがに夜に来ることはないでしょうし」
「まあ、そうだろうな。そろそろ晩飯にしよう」
今の時間は午後6時過ぎ。夕食を取るには少し早いが、宿的には問題なさそうだ。
ユズハも一緒に食べたいと言ったので、人の姿を見られないよう、夕食は部屋に持ってきて食べることにした。
夕食は豪勢と言えるものだったが、やはり出てきたパンは黒パンだった。どうやら白パンはかなり高級らしい。
ちなみにこれが本館なら、普通に白パンが出るそうだ。
その後は湯を頼んで体を拭い、着替えてから眠りにつく。湯に関しては、穴熊亭では有料だったがこちらでは無料だった。浴場まではないらしい。
穴熊亭も基本水浴びだったので、あまり違いはないように感じた。
明けて翌朝。
寝ぼけたユズハがシンの布団にもぐりこんできたが、子狐モードだったのでドタバタすることもなく、実に平和だった。
無意識に頭を擦りつけてくるユズハを脇にどけ、顔を洗う。部屋にはホテルよろしく洗面台があった。さっぱりしたところでティエラが訪ねてきたので、昨日と同じく部屋で朝食を取ることにした。
「さて、さっき聞いたところによると、シュニーは今日の午前中にはベイルーンに着くらしい。俺は先に馬車の改造をするが、ティエラはどうする?」
パンをかじりながらティエラに話しかける。何もせず待っているのもどうかと思ったのだ。
「せっかくだし、どんな風に改造するのか見てるわ」
「ユズハも!」
シンに自重を促していたティエラも、改造自体には興味があるらしい。ユズハは言わずもがなだ。
なんだかんだで、未知の技術を見るというのはワクワクするものである。
宿をチェックアウトした後は、真っ直ぐ馬車を買った店に向かう。購入した馬車自体は、まだ店に預かってもらっていた。
「いらっしゃい。おや、昨日の。馬は買えたのかい?」
「知り合いが調達してくれる段取りになったんですよ。なので、馬車に一工夫しようと思いまして」
「へぇ、お客さん職人か何かなのかい? 冒険者だと思ってたんだがね」
驚く店主に冒険者だと返して、馬車のあるところへ移動する。
まずは、対象を一時的に浮かせる魔術スキルで車体が倒れないようにし、揺れ対策用のバネを設置していく。もちろん、そのままではつけられないので、車輪の軸回りにも手を加える。
木や金属塊がグネグネと形を変えていく様は、見方によってはかなり不気味である。だが、その分作業スピードは速い。
車体の陰で行っている関係上、店主に見られる心配もないので、ササッと作業をしていく。
すでに性能が周囲の馬車と比較にならなくなっていることに、店主は気づいていない。
そして、そんな作業風景を間近に見て、目をキラキラさせるユズハと、目が点になってしまうティエラ。
作業内容自体はティエラにも何となく理解できた。しかし、シンの手の中でグニャグニャと形を変える金属塊を見て、口がふさがらない。
目立たないことを学習したんじゃなかったのか、と突っ込みたがったが、店主に聞こえそうだったので、なんとか我慢した。
「ふう、後はベアリングの取り付けだけだな」
『くぅ! シン、さっきのなに? 鉄がぐにゃぐにゃしてた!』
よほど面白かったのか、ユズハが調教師バージョンの心話で話しかけてくる。鍛冶のときも熱心に見ていたが、物作りが好きなのだろうか。
『あれは鉄を加工するときに使う生産系スキルでな。やり方はなんとなくわかった』
正確には生産系鍛冶スキル【成形】だ。本来はいくつかの決まったパターンにしか変形できないのだが、意識して使ってみたところ、面白いように形を変えられた。
馬車の改造自体はゲーム時の技術がそのまま使えたので、問題なく仕上がっている。
「シン、自重はどこに行ったのかしら?」
「あ、あれ? 今回は見られないように隠れたし、見た目は変わってないぞ。なんでそんなに怒ってんだ?」
「確かにぱっと見たくらいじゃ、何が違うかなんてわからないわ」
「だろ? なら――」
「でもね。明らかに不自然なところがあるのよ」
「ええと、なんでしょうか」
いつの間にか説教モードのティエラに、何かやらかしたかと頭をめぐらせるシン。残念ながら、ティエラを怒らせた理由は思い浮かばなかった。
「時間よ」
「時間?」
「そう時間。あのね、いくら作業が簡単でも、馬車の改造が1時間とかからずに終わるわけないでしょうが! 早い、早いのよ!」
「ああ、なるほど」
「ああじゃなくて、もうちょっと真剣に受け止めて……」
口調は強いが声は小さいという、微妙に迫力がない状態で、ティエラがシンに注意する。
作業を始めてから、まだ15分ほどしか経っていない。考えてみれば、確かにあまり早く作業してしまうと、一体どうやったんだという話になるだろう。
効果や作業時の見た目を気にするあまり、作業スピードを失念していた。ゲーム時はどれだけ早くても文句言われなかったので、思い至らなかったのだ。
「仕方ない、ベアリングの方はゆっくりやろう」
「お願いだからそうして」
ティエラの要望を受けて今度は時間をかけて作業を進める。
こちらは車輪と軸の接合部を多少改造するだけなので、のんびりやってもそれほど時間はかからない。車体がわずかに浮いているので、作業に困ることもない。
その後、4つの車輪すべてにベアリングを取り付け、改造は完了した。作業にかかった時間は、バネの取り付けも含めて1時間半ほど。現在時刻は10時半になろうとしていた。
馬車屋の店主に馬を連れてくると言って、一旦店の外へ出る。後はシュニーからの連絡待ちだ。昨日とは違った方向に足を伸ばし、露店を冷やかしながら1時間ほど過ごしたところで、シュニーからのコールが来た。
「シュニーから連絡だ。北門を出た先の森にいるらしい」
宿をチェックアウトしてぶらぶらしている旨は伝えていたので、外で待つことにしたのだろう。すぐに北門へ向かう。
感知領域を伸ばしつつ、門をくぐってさらに歩く。
シュニーの反応はすでに捕捉済みだった。しかし――。
「…………」
喜び勇んで歩き出したはずの両足が重い。
「くぅ、なにか、いる」
「どうかしたの?」
「あー、なんというか、行けばわかると思う」
ユズハの言葉にティエラが疑問を投げかけてくるが、シンは言葉をにごした。
なぜならわざわざ口にしなくとも、このまま進めば、シンが困惑の表情を浮かべ、ユズハが警戒している原因がわかるからだ。
シンの視界に移るマップに表示されているのは、シュニーとその隣にいるモンスターの反応。
森に近づくと、次第にその姿が見えてくる。
「シン……あれ、強いよ」
「ねぇシン。ほんとにあれ、なに? 私の分析じゃレベルどころか名前も見えないんだけど」
ユズハとティエラが不安そうに言う。
「まあ、そうだろうな」
横にシュニーがいても、モンスターが放つ圧力だけはどうしようもないのだろう。
ティエラはシンの背後に隠れるように立ち、ユズハは脱力していた身を硬くした。
「ただいま戻りました。心話でお伝えした通り、馬車を引かせるためのモンスターを連れてまいりました。このモノなら、シンが乗る馬車を引かせても問題ないでしょう」
非常に良い笑顔で、自信満々に言うシュニー。その笑顔は万人を虜にするだろう魅力に溢れている。
しかし、肝心のシンはと言えば、「これに馬車引かせる? え、マジで?」と言いたげな視線を、モンスターに向けていた。
「一応確認なんだが、どっから連れてきた?」
「近くに霊峰がありましたので、そこから」
「……さすがだ。さすがだよシュニー」
「お褒めにあずかり光栄です」
シンの心境としては「さすがシュニー、常識外れだ」という意味だったのだが、いい方向に解釈されたらしい。
「忘れてたわ。師匠ってシンのことになると、ときどき暴走するのよ」
「できればもっと早く言ってほしかったな、その情報」
ティエラが「あちゃー」とでも言うように天を仰ぎ、シンは「なんてこった」とでも言うように片手で額を押さえる。
そんな2人を見て、当のシュニーは首をかしげていた。
「まあ、連れてきちまったものはしょうがない。とりあえず、なんでそいつなのか聞いてもいいか」
「はい。シンの馬車を引かせるということでしたので、ここはやはり、神獣クラスのモンスターであるべきかと思いまして」
「いやいやいや、その発想はおかしい。どう考えてもおかしい! 一体どんな馬車を引かせる気だよ!?」
シュニーの後ろで大人しくしているモンスターを指差しながら、シンは叫ぶ。
なにせ、その体格は馬車より遥かに大きい。もし引かせるとしたら、その馬車は一軒家サイズになるだろう。
「もちろん、シンがそう言うだろうということも想定していました」
「なに?」
シンの突っ込みに冷静に返すシュニー。どうやら、何か考えがあるらしい。
あらためてシンは、シュニーの連れてきたモンスターを見る。
4足歩行型のモンスターで、その名をグルファジオという。
歩く際に前傾姿勢になった場合、地面から頭の先までの高さは3メルほどある。購入した馬車につないだところで、前など見えないだろう。
馬の胴体ほどに発達した前腕に全身を覆う灰銀色の体毛、さらに筋肉の塊である太く強靭な尾を持ち、その迫力はかつて戦ったスカルフェイス・ロードに近い。
ゲーム時は奇襲まで仕掛けてくる、上級プレイヤー向けの凶悪なモンスターだった。
その頭部は狼に似て、しかし所々に見える鈍く光る鱗が、やはり別の生き物なのだと示していた。
そして何より目を引くのは、グルファジオにはないはずの角。多少歪んでいるが、水晶のような濃淡のある緑色の角が、その額から突き出ていた。
そこからわかる事実は1つ。このグルファジオは特殊個体であるということだ。
だからなのかは不明だが、プレイヤーを見つけたら躊躇なく襲ってくるモンスターのはずなのに、まるでそんな気配を見せずにおとなしくしていた。
分析で確認してみると、グルファジオ・ヤーデ、レベル751と出た。
本来、グルファジオの最大レベルは650のはずだが、特殊個体によくあるように、限界を突破しているようだ。人里に下りてくることがあれば、間違いなく災害指定されるだろう。
「さぁ、やりなさい」
シュニーがそう言うと、グルファジオの体を緑色の燐光が包み込んだ。時折聞こえるバチバチという音が、幻想的な光景にわずかな違和感を与える。
1分と経たないうちに燐光は消え、1匹のモンスターが姿を現した。
分析でグルファジオであることは確認できるが、外見が異なる。
前足が後ろ足と同じくらいの長さになり、尻尾も縮み、多少歪ではあるが、少し大きな狼と言えなくもない。特徴的だった角も、額からほんのわずかに見えるくらいに縮んでいた。
「小さくなった?」
「はい。この能力がありますので、馬車を引かせても問題ありません」
確かに馬車を引かせる分には問題ないだろう。だが、シンにはそれ以前に気になることがあった。
「こんな能力持ってたか?」
グルファジオはもともと肉弾戦に特化したモンスター。ユズハのように、変化を得意とするような特性はないはずなのだ。
「待ち伏せや奇襲を好む習性がありますから、特殊個体になったことで、より有用な能力を手に入れたのだと思います。実際に、幻影や雷属性のスキルなどを使っていましたから」
そんな馬鹿なと思わなくもないが、モンスターにまともな生物としての枠組みを期待したところで意味はない。
魔素から生まれたのだから、骨格くらい変えられるのだろうと、納得することにした。
「とりあえず、この姿ならたぶん大丈夫だろ。馬車はもう改造してあるし、戻って出発しよう」
「そうですね。そうしましょう」
「はぁ、変に疲れたわ……」
楽しそうなシュニーとは対照的に、肩を落とすティエラ。
それも当然だろう。いくらシンとシュニーのやり取りが軽いものだったとしても、目の前にいるのは間違いなく神獣と呼ばれる類のモンスターなのだ。たとえ大人しくしていようが、周囲に巻き散らす威圧感は尋常ではない。
小さくなった今でこそ普通のモンスター程度の威圧感しかないが、元の姿は一般人なら気絶してもおかしくないだけの重圧がある。
なんでもないように会話をしている、シンたちがおかしいのである。
シュニーの訓練を受けていなければ、ティエラも気絶組の仲間入りをしていただろう。
「くぅ、くくぅ?」
「グル、グルアッ!」
今も会話をするように鳴き合う2匹を見て、苦笑いをうかべるのが精一杯だ。
「俺もティエラに同意だ。まさかこのレベルを連れてくるとは思わなかったし」
シンの場合、どちらかというと疲れより驚きの方が強い。馬と言っておいたので、せいぜいグリムホースの上位種、ワンダーホースやさらに上のトライホースあたりだと予想していたのだ。
どれも商人プレイヤーが馬車を引かせるモンスターとしては定番で、レベルも200を超えないので扱いやすく、その割に馬力があるので意外と人気だった。
しかし、やって来たのは明らかにオーバースペックの神獣である。
「何かおかしかったでしょうか?」
「師匠、普通馬車を引かせるのに神獣なんて連れてきませんよ」
「これでも妥協したのですよ」
「えっ……」
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