ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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20.この世界が抱える問題…

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この世界には50の国があり、その50の国が今、混濁としていると前置きされ説明が始まった。

 世界は3種の人種とそれとは別に、祖と呼ばれる高貴な人種があるという。成人しても消えない鱗。純粋な竜人の血を受け継くその人種はこの世界の中心であり、神のような存在らしい。

 均衡が破れたのが、その祖と呼ばれた王が、一向に番の王妃が出来なかったこと。
そこで、周りの国が王の妃にと娘を差し出してきた。しかし送り込まれた王妃候補の中からも祖の王の番は見つからず、結局祖の王は王妃を娶らないと皆の前で公言してしまった。そして、あっさりと弟に王位を譲った。
その王弟も結婚して十数年となるが、子供が出来ない。このままでは、祖と呼ばれた血が途切れてしまう。

この世界では、人生1人の番を娶りその一生を終える。祖の王も同じだ。例外は無い。王弟に子が出来ないからと言って、番を増やすことはないと言う。また、前王の番を娶らないという頑な気持ちも覆らず・・・。

 数千年の歴史を何とかしようとする者と、変革の時が来たと言う者・・・。不穏な波紋が広がり、そして欲が動いた。今の現状の守りに入る者とより一層の地固めをしたい者とに別れた。

ここターベルも同じで3年前どちらともいわずにザルビアと戦争になった。
 地固めの為にターベルはザルビアの鉱石を、ザルビアはターベルの緑豊かな土地を欲しがった・・・。


 世界の中心であった祖の王。その中心がずれだした結果がこれだと言って、机の上の報告書のようなものを見せられた。取りあえず目を通す。


"バーデリア国とダリマラ国開戦。バーデリアに友好国3国介入し、ダリマラ惨敗。支配下に置かれ領土没収。ビスモド国とポルトト国一夜でなくなる・・・"


2、3枚の報告書読んでもうやめた。


 「それがこの世界の現状だ」


どこか投げやりな言い方のゲルに言う言葉が無い。
どの世界でも同じかと俯く私に、今度は迷い人の召喚について話しが始まった。

 「召喚が出来るのは、純粋な祖の血もしくは、ローレリアという国でしかできない。お前は混沌とした"今"の世に召喚された。そこでお前の召喚の目的は何なのかと考えれば、この現状を打破出来る迷い人を召喚したと考えるのが妥当。お前はどう思う?」

 直球で、聞かれても凡人の私に何ができる?


 『どう思うと聞かれても、答えようがないねんけど。さっきの話やけど、人間の行動は基本、欲求からきてるねん。寝たい、食べたい、安心な生活を送りたい、少しリッチな暮らしがしたい、友達がほしいとか…。それを求めて人は動く。ほんでもって、欲には感情が付く。満足した、不満だ、嬉しい、悲しい、安心、不安…。じゃ、欲って何やって言うと、結局それは人の心ってことになる。
それぞれの国の人の心を動かさん事には、この混沌とした世界は打破出来んやろうな……。私一個人でそれが出来るかって言われたら、即決無理って答えさせてもらうわ』

 苦笑いで答えると、だろうな・・とゲルも呟いた。その後、ひたすら世界情勢とローレリア国の話を聞かされて、午前中の授業が終った。最後に私がゲルに質問をした。


 『なぁ、番ってそんなに見つけれんのか?誰かさんみたいに婚活でってことはできひんのか』

 結局、兄の王に番の王妃が見つかって子が出来れば、万々歳の話だろうと思って聞いてみた。

 「・・・誰の事を言っている」
 『ラムスのおっさん』
 「あれは、バカだから気にするな。普通は、オーラで感じると言うが・・私もよくわからぬわ」
 『ん?王弟ゲル様もおっさんと同じ口か?』
 「同じ口とは何だ」
 『その年で独身かってことや』
 「番は一生もの。そんなやすやすとは見つからぬわ。………何か言いたそうだな」
 『いや、・・・・・やと思って』
 「聞こえん」
 『ラムスのおっさんと違って王弟ゲル様は、性格に問題があるんちゃうかなって思っただけや。ふむ…そうなると、祖の王も性格に問題があるんかもしれんなぁ…。こういう事は自覚持ってもらうためにも、正直に本人に言ってやった方ががええねんけどな』



 「・・・・マルクスがお前のことを、バカだと言った意味が今分かった」



そう言って少し怒り口調で、部屋を追い出された。
どうやら私はバカに覆ったようだった。







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