ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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54.お茶らけ隊、散らばる!

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「いってぇ・・」


全員が地面に落ちた。

「ラッキーでござる。我々はギリギリ城の中ですぞ」


そう言って、剣を抜いていち早く交戦するおっさん。

これの何処がラッキーなんだよ!
行き無し門兵の前に落ちて、城に侵入したのがばれてんだぞ!!

よろよろと立ち上がり、ベルナール達も応戦しに行くのが見えた。そして数を数える。
ひいふうみい・・あれ8人?人数が足りない。


城門を閉じろと言う声と共に城の外に見えたのは、ババ将軍とベルナールの部下達・・・。あいつ等は城門の外に落ちたのか。よし、こいつ等も確認できた。


ん!?あれ!!あれあれ!!!

冷や汗がどっと出た。
まだ目で確認できない人物が3人・・・・・・ゲル様とポポそれに健太。


「がぁー、一番やばいグループ分けじゃねぇかよ!!」


そうなのだ。腕に覚えありの面子がここにいて、腕に覚えのない面子がいない…。
思わず眩暈がした。

ポポがいくら魔術が使えるからと言って、此処は本家本元、魔術の発祥地。ポポ以上の魔術師がわんさかいる。術で縛られれば、ただの12歳のガキだ。

ガキと口だけ達者なゲル様、それに要領だけいい健太。もうただの一般ピープル…。特にゲル様と健太。この二人は特技無し!全くの役立たずだ。

慌てて、ベルナール達にこの場を任せて後ろの王城内に足を向ける。が、冷静に考えれば、俺も腕に覚えが無い一般ピープルだと気がつく。しかも特技無し・・・。


「・・・。」


仕方なく、ベルナール達を連れて行くことにした。
ここは、ラムス閣下1人でもよさそうだった。なんせ、もう興奮して俺の言葉も理解していなかったからだ。というより、人間の言葉を理解していないように見えた。

俺達が城内に入ろうとした時、塔の上から光が射す。
眩しく思ってそちらに顔を向けると、一番上の塔の覗き窓から反射されていた。ベルナール達がもう城内に入り込もうとしていたので、それに気を取られていた俺も慌てて後を追う。
するとまた角度を変えて、俺に光が反射された。怪しく思い、右に移動すると同じように反射もずれた。


「!」

モンキー娘が塔のてっぺんに居るかもしれないと思い、慌ててベルナール達を呼び戻す。
俺の話しを聞いて、皆が塔の上を見上げた。


ゲル様達も気になる為、クロード皇太子が二手に別れようと言った。皆がそれに頷く。
クロード皇太子とギルスさん、ディオにグランが塔の上に向かい、俺とベルナール、ガントとビリーが城内を行くこととなった。


「クロード皇太子、お気をつけて!」
「ベルナール殿達も!」

そう言って、そこで別れたのだった。


***

「いったたたた・・・」
「お前の下に居る私はもっと痛い!!早く退かぬか!!」
「しっ!誰か来ます!!」

ポポが、慌てて近くにあった部屋に入ったのを見て、慌ててゲル達も後に続いた。


「お前達は城門に行け!俺達は、塔に向かう!!」

廊下から兵士たちが、二手に別れ去って行った。

「どうやら、誰か見つかったみたいっすね」
「僕達の侵入がばれて向かってきたのかと思ったけど、安心した。さて、どう動きますか?年長者の意見を聞きたいのですが」
「むっ・・・少し待て。今考える」


難しい顔をして、策を考え出したゲル。
ポポも何かないか考える。真剣に唸って考えてる横で、部屋をウロウロする健太。

ポポがイライラして、健太に文句を言おうとしたら、


「あったっす!!」
「何ですか!声が大きいです!!」
「抜け穴っす!」

その言葉にポポもゲルも驚いて健太を見た。何で知っていると言う顔を2人がすると、

「俺、これでも宰相閣下の五男坊っすよ。この城は小さい頃から出はいりしてて、自分の庭みたいなもんなんすよ」


ゲルはあんぐり顔で健太を見たと思ったら、たわけた事を言うなと怒った。


「宰相閣下と言えば、祖の王と同等に雲の上の人だぞ。しかも知的で聡明という評判の人だ!!」


信じられないように健太に食って掛かる。


ポポは、もう一度あの映像魔術を思い出してみる。確かに言われてみれば、その評判通りだったように思う。で、知的と聡明の結晶がこれ?何処にその因子がある?

反対にゲルは会った事が無い。国王クラスしかお会いすることが出来ないからだ。評判の人物像と照らし合わせる。宰相閣下の・・・子?これが宰相閣下の子種で出来てる?


暫くして、2人が脳内に出した答えが"チンカス"だった。
2人納得したような顔で健太を見たら、


「何かその納得した顔が、異常に腹が立つんすけど!」

そう文句を言った。


「しかしでかしたぞ!!この抜け穴は何処に繋がっているんだ?!」
「う~ん、所々っす。何処に行きたいんすか?」
「勿論、あいつの所だ!!」
「それ、何処か分かってから俺に指示してもらっていいっすか?」

健太の言う通りだ。トーカが何処に居るかが問題だ・・・。

「兵士を1人捕まえて吐かすか?!」
「一兵士ではだめでしょう…。もっと上の方でなければ。もしくは、神官か…。これには危険が伴います。魔術が僕より下でなければいけない…。見た目では分からないし……」
「「・・・。」」


また、暫く黙り込む3人。

「考え方を変えて、今僕たちの味方になる人の所に行きましょう!!」
「誰っすかそれ?」
「祖の王です」
「確かに桃花さんの親ですし、味方にはかわりないっすけど・・ちょっと心配なことがあるっす」

言い渋る健太に先を急がせる。

「この抜け穴、王族と俺の親父と・・・・・聖騎士団のトップも知ってるっす」

ということは、侵入者=俺等ってことでジル達が罠を仕掛けてる可能性もある…。
あの人がどちら側なのか、今だ不明。どうもあの人があっち側とは考えにくいと、健太もポポも考えていた。


「今は、取り敢えず祖の王に会うしかない。賭けてみるしかない」
「此処に居ても仕方がないですからね。健太さん、祖の王の居室の道は分かるんですか?」
「簡単っす。これは、祖の王の為の抜け道っすから、居室も政務室…それに寝室にも繋がってるっす」
「では、行くぞ」



そう言って、抜け穴に入った3人だった。
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