しらたきと糸コン

卯月うさぎ

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拗らせた女

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10年後──────。



「母さん今から町内会の寄り合いに行ってくるから、ご飯勝手に食べててね。あっ、それと・・・」


仕事から帰って来た私に、母がそう言って出て行った。

自分の部屋に入ってドスンとベッドにダイブする。
母が、それと・・・と言って続けられた言葉に絶句したからだ。



"宗ちゃん、今度結婚するんだって~。何かお祝いしなきゃね"



枕に顔を埋めて、溢れる涙を吸い取らせた。

そっかぁ…、宗太は10年間動いてたんだ。逆に私は10年前のあの瞬間から動いていない。
それよりももっと酷くなった。後ろ向きな考えばかり浮かんだからだ。

タイムマシンに乗って、しらたきは食べるなと言いに行くなどと現実逃避の夢を見ていた。


そしてその拗らせた女は、性格も変わった。
明るい性格だったのが、ある人物だけには陰気な女になった。

宗太が向うの道から来るのが見えたら、猛ダッシュで逃げた。
社会人になっても、宗太が会社に行く時間よりだいぶ先に出て仕事をした。

そんな私を仕事大好きな人間と誤解した上司が、25歳で主任に抜擢してしまった、、、。



26歳まで彼氏が出来なかったわけではない。告白は何回かあったが、作らなかっただけだ。

私は宗太をずっと引きずっていた。



あれさえなければ、今頃は・・・
ベッドの中で宗太の結婚にグズグズ泣いていたら、トラウマになった例の言葉を思い出してしまう。



"///もう無理!もう勃たない・・・。マジ勘弁してくれ、、、"



あの言葉一つ一つが拒否だった。


無理。
勃たない。
勘弁。


そして、きつい体勢で固まった私は、宗太を思いっきり蹴飛ばして身支度半ばで部屋を出た。

蹴られた宗太が思いっきり頭を壁にぶつけたらしく、頭を擦りながらも必死に私にしがみついていた。

小さくなったイチモツを隠すでもなくだ、、、、。
勃起してないブラブラ項垂れるイチモツが今の情けない自分に見えた。


イチモツを自分と比喩した私は、一体あの時どんな顔をしていたのだろうか。その顔をしっかり見ていたのは、宗太だけだ。

結局その後、声をかけられても無言と無視を通した。

あの時は若かったから文句も言えなかったが、今の自分なら文句も言えると思い、腹が立って来たこの怒りをあいつにぶちまける決意をする。


気合いのパンチを頬に入れ、向かうは斜め道向うの前の家。



『待ってろ、宗太!10年の思いのたけを吐き出してやる!そして、私は次の恋愛に向かう!』



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