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一章 精霊の愛し子
12.おいしそうな匂い-1※
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アミルの「勃った」の言葉にルルティアの動きが止まる。
「た……!?」
ルルティアが早熟な友人から聞いた話とアミルの服を押し上げているソレとを合わせて考えると、それはつまり多分そういうことなんだろう。
子どもの頃ならともかく大人の男の人のモノなんて見たことないし、ましてやこうなっているモノなんてなおさらだ。
ルルティアは真っ赤になりながら両手で顔を隠した。
「はぁ……なんだよ、これ」
砂浜に座りこんでいるアミルは苦しそうに荒い息を吐き、ルルティアの方にチラリと目をやった。
「なぁ、あんた。これ握ってくれよ」
「にぎ、握って、って無理!! 無理だよ!!」
「この手じゃ痛くて握れないんだよ」
そう言って広げたアミルの手は、血は止まっているけれど爪が割れところどころ肉が抉れていて痛々しい有様だった。
「このままじゃ辛いんだよ。ちょっと握って擦ってくれれば良いから」
アミルはどんどん荒くなる息づかいで辛そうにしながら、こうやって、と手を輪っかにして握る形にしてから上下に動かしてみせる。
「どっかに、こ、こすりつけるとかじゃダメなの?」
「はぁ? 俺に木の股にはめてへこへこ腰ふれって言うのかよ!?」
「何それ! そんなのわかんないよ!!」
「はぁ……この甘い匂い……頭がおかしくなりそうだ。あんたなんだろ? この匂いのせいでおさまらないんだよ。なぁ、あんたさ、ここで俺に食われたくなかったら責任取ってくれ」
アミルはもたれかかるようにしてルルティアの首に顔を埋めると、そのままクンクンとルルティアの匂いを嗅いだ。
アミルの鼻先がルルティアの首筋をくすぐり、荒い息が肌に触れてアミルの熱を伝えてくる。
「や……んんっ!」
ブルリと震えて変な声が出てしまい、ルルティアはあわてて口を押さえた。
すると遅れてアミルの香りがルルティアの鼻の奥をくすぐり、なんだか身体の芯がどんどん熱くなっていく。
「あ……や……」
「いいから、ほら」
「きゃあ!」
アミルがズボンを押し下げると、中にあったモノがブルンと勢いよく現れた。
アミルのズボンから勢いよく飛び出したモノが目に入り、ルルティアはあわてて目を逸らした。
するとアミルがルルティアの手を取り、その手のひらに熱く硬いモノを押し付けた。
ルルティアが困ってアミルの方を見ると、アミルが潤んだ目をしてルルティアの目をのぞき込んでくる。
「や、あの、ちょっと」
「はぁ……その目。そんな目で見るなよ」
「そんな目って言われても」
一体、どんな目をしているというのか。
アミルが夜空色の目を揺らしながらじっと見つめてくるせいで、ルルティアの胸はドキドキとうるさいくらいに高鳴った。
これ以上この目を見ていてはダメだと思い下を向くと、ルルティアは握らされているモノをばっちりと見てしまった。
「ひっ!」
「うぁ!! 急に強く握るな! 優しく擦ってくれよ……」
「優しくって言われてもわからないよ!」
驚いて力を入れてしまったので、ルルティアは言われたとおりに手を緩め少しだけ上下に動かした。
手の中の熱い塊がピクピクと反応する。
下を向いてソレを見てしまうのがイヤで上を向くと、アミルの頭の上の猫耳も一緒になってピクリと動くのに気づいた。猫耳が動くのが気になったルルティアは、自分が何を握っているかも忘れてアミルのソレをゆっくり上下に扱いた。
「ゆっくり……そう……」
「えっと、こう?」
「そうだ……くっ……なんでこんなうまそうな匂いさせてんだよ……」
アミルがルルティアの首筋をペロリと舐めた。
「ひっ! やだ、食べないで」
「食わないでやるから手を動かせ」
アミルが今度は耳たぶをかぷりと甘噛みする。
「ひゃぁっ!」
「手を動かして」
アミルに首を舐めたり耳噛まれたりするたびにゾワゾワと身体が震え、アミルのことで頭の中がいっぱいいっぱいになってしまう。
その上耳元で熱い吐息とともにささやかれると、本当にもう何が何だかわからなくなる。
アミルの香りを嗅ぐと身体の芯が熱を持ちなんだかお腹の奥がもどかしい。
(なんで私、素直に言うこと聞いてるんだろう……?)
頭の片隅ではぼんやりそう思うのに、ルルティアはアミルの言うことに逆らえず言われた通りに手を動かした。
「た……!?」
ルルティアが早熟な友人から聞いた話とアミルの服を押し上げているソレとを合わせて考えると、それはつまり多分そういうことなんだろう。
子どもの頃ならともかく大人の男の人のモノなんて見たことないし、ましてやこうなっているモノなんてなおさらだ。
ルルティアは真っ赤になりながら両手で顔を隠した。
「はぁ……なんだよ、これ」
砂浜に座りこんでいるアミルは苦しそうに荒い息を吐き、ルルティアの方にチラリと目をやった。
「なぁ、あんた。これ握ってくれよ」
「にぎ、握って、って無理!! 無理だよ!!」
「この手じゃ痛くて握れないんだよ」
そう言って広げたアミルの手は、血は止まっているけれど爪が割れところどころ肉が抉れていて痛々しい有様だった。
「このままじゃ辛いんだよ。ちょっと握って擦ってくれれば良いから」
アミルはどんどん荒くなる息づかいで辛そうにしながら、こうやって、と手を輪っかにして握る形にしてから上下に動かしてみせる。
「どっかに、こ、こすりつけるとかじゃダメなの?」
「はぁ? 俺に木の股にはめてへこへこ腰ふれって言うのかよ!?」
「何それ! そんなのわかんないよ!!」
「はぁ……この甘い匂い……頭がおかしくなりそうだ。あんたなんだろ? この匂いのせいでおさまらないんだよ。なぁ、あんたさ、ここで俺に食われたくなかったら責任取ってくれ」
アミルはもたれかかるようにしてルルティアの首に顔を埋めると、そのままクンクンとルルティアの匂いを嗅いだ。
アミルの鼻先がルルティアの首筋をくすぐり、荒い息が肌に触れてアミルの熱を伝えてくる。
「や……んんっ!」
ブルリと震えて変な声が出てしまい、ルルティアはあわてて口を押さえた。
すると遅れてアミルの香りがルルティアの鼻の奥をくすぐり、なんだか身体の芯がどんどん熱くなっていく。
「あ……や……」
「いいから、ほら」
「きゃあ!」
アミルがズボンを押し下げると、中にあったモノがブルンと勢いよく現れた。
アミルのズボンから勢いよく飛び出したモノが目に入り、ルルティアはあわてて目を逸らした。
するとアミルがルルティアの手を取り、その手のひらに熱く硬いモノを押し付けた。
ルルティアが困ってアミルの方を見ると、アミルが潤んだ目をしてルルティアの目をのぞき込んでくる。
「や、あの、ちょっと」
「はぁ……その目。そんな目で見るなよ」
「そんな目って言われても」
一体、どんな目をしているというのか。
アミルが夜空色の目を揺らしながらじっと見つめてくるせいで、ルルティアの胸はドキドキとうるさいくらいに高鳴った。
これ以上この目を見ていてはダメだと思い下を向くと、ルルティアは握らされているモノをばっちりと見てしまった。
「ひっ!」
「うぁ!! 急に強く握るな! 優しく擦ってくれよ……」
「優しくって言われてもわからないよ!」
驚いて力を入れてしまったので、ルルティアは言われたとおりに手を緩め少しだけ上下に動かした。
手の中の熱い塊がピクピクと反応する。
下を向いてソレを見てしまうのがイヤで上を向くと、アミルの頭の上の猫耳も一緒になってピクリと動くのに気づいた。猫耳が動くのが気になったルルティアは、自分が何を握っているかも忘れてアミルのソレをゆっくり上下に扱いた。
「ゆっくり……そう……」
「えっと、こう?」
「そうだ……くっ……なんでこんなうまそうな匂いさせてんだよ……」
アミルがルルティアの首筋をペロリと舐めた。
「ひっ! やだ、食べないで」
「食わないでやるから手を動かせ」
アミルが今度は耳たぶをかぷりと甘噛みする。
「ひゃぁっ!」
「手を動かして」
アミルに首を舐めたり耳噛まれたりするたびにゾワゾワと身体が震え、アミルのことで頭の中がいっぱいいっぱいになってしまう。
その上耳元で熱い吐息とともにささやかれると、本当にもう何が何だかわからなくなる。
アミルの香りを嗅ぐと身体の芯が熱を持ちなんだかお腹の奥がもどかしい。
(なんで私、素直に言うこと聞いてるんだろう……?)
頭の片隅ではぼんやりそう思うのに、ルルティアはアミルの言うことに逆らえず言われた通りに手を動かした。
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