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二章 巫女の舞
25.レナとアミル-1
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ヌイからアリイに上手く話をつけてくれたようで、アミルがレナに話を聞かせてくれることになった。
あれからアミルは、踊り子のお姉さんたちに紹介してもらったお店で歌を披露しながお金を稼いでいるようだ。
色々な国の歌が歌えるので、外の国の雰囲気を楽しみたい人だったり、外の国からアイラナに移り住んだ人たちだったりに重宝されているらしい。
お店の仕事は主に夕方から夜遅くにかけてなので、アミルは昼まで寝ていることが多かった。
ルルティアの家に来る日は午前の往診を終えたヌイがわざわざアミルの泊まっている宿に寄り、アミルを起こしてから家まで連れて来てくれた。
レナにアミルの話を聞かせる際にはルルティアも同席する約束になっており、そのためにも「ちゃんと課題を終わらせること!」とウラウに言われてしまった。
アミルが家に着いた頃は、溜めに溜めた課題をルルティアが朝から必死にやって終わらせたところだった。
「レナ。この人はアミル。吟遊詩人で世界各地を旅してるんだって」
「はじめましてレナです。ベッドの上からですみません。今日はお話を聞けるのを楽しみにしていました」
レナがアミルに向かって可憐な笑みを浮かべる。
レナはベッドの上からでも見苦しくない程度の身支度をして、薄黄色の髪の上半分を軽く結い上げてふんわりと下ろしていた。
「へぇ、ずいぶんあんたと違うんだな」
アミルがレナを見て眉をついと上げ、ルルティアに耳打ちする。
ルルティアがジロリとにらんだが、アミルはその視線をスルリとかわしてベッドサイドで優雅にお辞儀した。
「よろしく、レナ」
「は、はい」
アミルがレナに向けて美しく微笑むとレナがほんのりと頬を染めた。
ルルティアはそれを見てなぜか胸の中がモヤモヤした。
レナの部屋にはアミルとルルティア、それにヌイもおり、ベッドを囲むようにして椅子に座った。
アミルは時折リュートを奏で、各地に伝わる歌や物語を自分の体験談も交えながら面白おかしく話をする。
レナは楽しそうに何度も声を上げて笑っていた。
アミルはルルティアと話す時のような意地悪をレナに言ったりはしなかった。
ずいぶん私の時と違うのね、という言葉が口から出そうになるのをルルティアは何度も飲み込んだ。
「アミルは色々なことを知っているようですが、いつから旅をしているのですか?」
「うーん、物心ついた頃には旅芸人の一座にいたからな。その時にはもう親もいなかったし。だから今までずっと旅から旅で、今だって必要とされればどこにでも行って歌うよ」
「ウトビアが大陸を統一した際に多くの者が流民になったので、ウトビアにはそういう風に各地を流れる者が多いらしいな」
「そうだな」
ヌイの言葉にアミルがうなずく。
それでバズや精霊のことを知っている人が身近にいなかったのか、とルルティアはひそかにうなずいた。
あれからアミルは、踊り子のお姉さんたちに紹介してもらったお店で歌を披露しながお金を稼いでいるようだ。
色々な国の歌が歌えるので、外の国の雰囲気を楽しみたい人だったり、外の国からアイラナに移り住んだ人たちだったりに重宝されているらしい。
お店の仕事は主に夕方から夜遅くにかけてなので、アミルは昼まで寝ていることが多かった。
ルルティアの家に来る日は午前の往診を終えたヌイがわざわざアミルの泊まっている宿に寄り、アミルを起こしてから家まで連れて来てくれた。
レナにアミルの話を聞かせる際にはルルティアも同席する約束になっており、そのためにも「ちゃんと課題を終わらせること!」とウラウに言われてしまった。
アミルが家に着いた頃は、溜めに溜めた課題をルルティアが朝から必死にやって終わらせたところだった。
「レナ。この人はアミル。吟遊詩人で世界各地を旅してるんだって」
「はじめましてレナです。ベッドの上からですみません。今日はお話を聞けるのを楽しみにしていました」
レナがアミルに向かって可憐な笑みを浮かべる。
レナはベッドの上からでも見苦しくない程度の身支度をして、薄黄色の髪の上半分を軽く結い上げてふんわりと下ろしていた。
「へぇ、ずいぶんあんたと違うんだな」
アミルがレナを見て眉をついと上げ、ルルティアに耳打ちする。
ルルティアがジロリとにらんだが、アミルはその視線をスルリとかわしてベッドサイドで優雅にお辞儀した。
「よろしく、レナ」
「は、はい」
アミルがレナに向けて美しく微笑むとレナがほんのりと頬を染めた。
ルルティアはそれを見てなぜか胸の中がモヤモヤした。
レナの部屋にはアミルとルルティア、それにヌイもおり、ベッドを囲むようにして椅子に座った。
アミルは時折リュートを奏で、各地に伝わる歌や物語を自分の体験談も交えながら面白おかしく話をする。
レナは楽しそうに何度も声を上げて笑っていた。
アミルはルルティアと話す時のような意地悪をレナに言ったりはしなかった。
ずいぶん私の時と違うのね、という言葉が口から出そうになるのをルルティアは何度も飲み込んだ。
「アミルは色々なことを知っているようですが、いつから旅をしているのですか?」
「うーん、物心ついた頃には旅芸人の一座にいたからな。その時にはもう親もいなかったし。だから今までずっと旅から旅で、今だって必要とされればどこにでも行って歌うよ」
「ウトビアが大陸を統一した際に多くの者が流民になったので、ウトビアにはそういう風に各地を流れる者が多いらしいな」
「そうだな」
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