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四章 アミル失踪
49.アミル失踪-1
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アミルが姿を消したことは、宿屋の主人がルルティアの家を訪ねてきてわかった。
「そのまま処分してくれとの書き置きがあったのですが、ルルティアさまのお知り合いのようだったので念のため持ってきました」
そう言って宿屋の主人は、アミルが借りていた部屋に残されていた荷物を持ってきてくれた。
手紙と一緒に未精算だった宿屋の料金や荷物を処分する迷惑料としていくばくかのお金が残されていたらしい。
「ありがとう。こちらで処分するから置いて行ってくれる?」
残された物を見るとアミルは本当に最低限の物だけ持っていったらしく、いっそアイラナで過ごした日々もすべて捨てていってしまったみたいだった。
ルルティアはすぐにアリイの書斎に飛んでいった。
「父さま! 一昨日、アミルと何の話をしたの? お願い、教えて!」
アリイの部屋にはちょうどヌイもいて、二人で話をしていたようだ。
「ルル? アミルに何かあったのかい?」
「荷物を置いていなくなっちゃったの!」
「彼は元々流れて仕事をしていたのだろう? 次の所に行っただけじゃないのかい?」
「そんな……そんなはずない!」
昨日たしかに想いが通じあったと思ったのに、あれは勘違いだったのだろうか。
そうだとしてもこんな風に黙って消えて、そんなの納得できるはずがない。
(絶対に捕まえて理由を聞かなきゃ! それに、それに、考えたくないけど、もしバズの事が誰かにバレたとのだとしたら……)
「もしかしたら襲われたのかもしれない。私、探してくる……!!」
くるりと向きを変えて部屋から出て行こうとするルルティアをアリイが引き止めた。
「待て。待ちなさい、ルルティア」
「何? 父さま」
涙目でふりむくルルティアを見て、アリイはハァーッと大きくため息をついた。
「このまま海に飛び込んででも探しに行きかねんな。あの者なら今朝アイラナを発ったはずだ」
「どういうこと?」
「連絡船を使わない方法で大陸に渡りたいと頼まれたので私が船を用意した。お前には黙っていて欲しいと言っていたが……それでは納得しなそうだな」
潤んだ目のままうなずくルルティアの姿に、アリイは額に手を当ててもう一度大きくため息をついた。
「仕方ない。ちゃんと説明をするから一度座りなさい」
ヌイもここにいて構わないとアリイが告げたので、ヌイとルルティアがアリイの向かいに座る形でソファに座った。
「襲われたのかもしれないと言っていたが、お前はあの者のことをどれだけ知っている?」
「……蛇の一族の長に狙われてるって」
「なるほど」
バズのことを話して良いのかわからず蛇の一族のことだけをアリイに告げると、アリイは大きく一つうなずいた。
「そのまま処分してくれとの書き置きがあったのですが、ルルティアさまのお知り合いのようだったので念のため持ってきました」
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残された物を見るとアミルは本当に最低限の物だけ持っていったらしく、いっそアイラナで過ごした日々もすべて捨てていってしまったみたいだった。
ルルティアはすぐにアリイの書斎に飛んでいった。
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そうだとしてもこんな風に黙って消えて、そんなの納得できるはずがない。
(絶対に捕まえて理由を聞かなきゃ! それに、それに、考えたくないけど、もしバズの事が誰かにバレたとのだとしたら……)
「もしかしたら襲われたのかもしれない。私、探してくる……!!」
くるりと向きを変えて部屋から出て行こうとするルルティアをアリイが引き止めた。
「待て。待ちなさい、ルルティア」
「何? 父さま」
涙目でふりむくルルティアを見て、アリイはハァーッと大きくため息をついた。
「このまま海に飛び込んででも探しに行きかねんな。あの者なら今朝アイラナを発ったはずだ」
「どういうこと?」
「連絡船を使わない方法で大陸に渡りたいと頼まれたので私が船を用意した。お前には黙っていて欲しいと言っていたが……それでは納得しなそうだな」
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