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それから①
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~ 1月3日 AM11:00 ~
シン君と舞衣歌は舞衣歌の出勤時間に合わせて家を出た。
昼の0時からのシフトだったので、朝も一緒にゆっくりと過ごすことができた。
舞衣歌の「がんばってね」の言葉に、シン君は「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げて帰って行った。
仕事を終えて家に帰ると、朝に回した洗濯機が乾燥を終えていた。
中身を取り出すと、グレーのスエット上下と共に、あげると言ったはずの白いTシャツと濃いグレーのボクサーパンツが出てきて、持っていかなかったんだな……と舞衣歌は少しさびしく思った。
なんだか夢のような四日間だった。
あかりとカイさんがハワイから帰ってきて、ハワイ土産をわたしながらカイさんが「シンが迷惑かけてごめんね」と言ってきて、それっきり舞衣歌とシン君の繋がりは切れた。
~ 3月13日 PM2:00 ~
三月に入り、ルームメイトのあかりから、話があるから今日は家にいてくれる? とお願いされた。
「結婚?」
「うん、この前、プロポーズされて」
「相手はカイさん?」
「もちろん!」
あかりは頬をピンクに染めながら、幸せそうな顔で笑った。
「おめでとう!! あ~、でも引越しかぁ。ここ気に入ってたんだけどな~」
舞衣歌一人ではこの部屋の家賃が払えないので仕方がない。
それがわかっていたから、あかりもカイさんと同棲せずにこの部屋でルームシェアを続けてくれていた。
「あかりはカイさんと隣に住むの?」
「うん。しばらくはそうなると思う。それでさ、あのぉ、知り合いにルームシェア希望の子がいるんだけどさ、どうかな?」
「ほんと? 引っ越さないですむなら嬉しいけど、でも知らない人と一緒に住めるかなぁ?」
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴った。
「あ、私が出るよ」
あかりが立ち上がっていそいそと玄関に向かうと、カイさんを連れて戻ってきた。
「あ、カイさん、いらっしゃい。あかりから聞いたよ。結婚おめでとう!」
「うん。舞衣歌ちゃん、ありがとう」
あかりの後ろからカイさんが顔を出し、こちらもとても幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「それでさ、あかりから聞いた? もし良かったら俺の知り合いをあかりの代わりにこの部屋に住まわせてもらいたいんだけど」
「え? さっき言ってたあかりの知り合いって、カイさんの知り合いなの?」
あかりがコクコクとうなずいている。
「春から弟がここのすぐ近くの大学に通うんだよね」
カイさんはそう言ってニヤリと笑った。
「おい、シン!」
「え!?」
カイさんが玄関の方を向いて手まねきをすると、シン君がおずおずとやってきた。
「舞衣歌さん、お久しぶりです」
「シン君!」
シン君は相変わらずの美少年で、頬をほんのり赤く染めていた。
「舞衣歌ちゃん。こいつ、ここに住まわせてくれない?」
カイさんがシン君の肩を抱いてポンと叩くと、舞衣歌に向かってニッと笑った。
シン君と舞衣歌は舞衣歌の出勤時間に合わせて家を出た。
昼の0時からのシフトだったので、朝も一緒にゆっくりと過ごすことができた。
舞衣歌の「がんばってね」の言葉に、シン君は「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げて帰って行った。
仕事を終えて家に帰ると、朝に回した洗濯機が乾燥を終えていた。
中身を取り出すと、グレーのスエット上下と共に、あげると言ったはずの白いTシャツと濃いグレーのボクサーパンツが出てきて、持っていかなかったんだな……と舞衣歌は少しさびしく思った。
なんだか夢のような四日間だった。
あかりとカイさんがハワイから帰ってきて、ハワイ土産をわたしながらカイさんが「シンが迷惑かけてごめんね」と言ってきて、それっきり舞衣歌とシン君の繋がりは切れた。
~ 3月13日 PM2:00 ~
三月に入り、ルームメイトのあかりから、話があるから今日は家にいてくれる? とお願いされた。
「結婚?」
「うん、この前、プロポーズされて」
「相手はカイさん?」
「もちろん!」
あかりは頬をピンクに染めながら、幸せそうな顔で笑った。
「おめでとう!! あ~、でも引越しかぁ。ここ気に入ってたんだけどな~」
舞衣歌一人ではこの部屋の家賃が払えないので仕方がない。
それがわかっていたから、あかりもカイさんと同棲せずにこの部屋でルームシェアを続けてくれていた。
「あかりはカイさんと隣に住むの?」
「うん。しばらくはそうなると思う。それでさ、あのぉ、知り合いにルームシェア希望の子がいるんだけどさ、どうかな?」
「ほんと? 引っ越さないですむなら嬉しいけど、でも知らない人と一緒に住めるかなぁ?」
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴った。
「あ、私が出るよ」
あかりが立ち上がっていそいそと玄関に向かうと、カイさんを連れて戻ってきた。
「あ、カイさん、いらっしゃい。あかりから聞いたよ。結婚おめでとう!」
「うん。舞衣歌ちゃん、ありがとう」
あかりの後ろからカイさんが顔を出し、こちらもとても幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「それでさ、あかりから聞いた? もし良かったら俺の知り合いをあかりの代わりにこの部屋に住まわせてもらいたいんだけど」
「え? さっき言ってたあかりの知り合いって、カイさんの知り合いなの?」
あかりがコクコクとうなずいている。
「春から弟がここのすぐ近くの大学に通うんだよね」
カイさんはそう言ってニヤリと笑った。
「おい、シン!」
「え!?」
カイさんが玄関の方を向いて手まねきをすると、シン君がおずおずとやってきた。
「舞衣歌さん、お久しぶりです」
「シン君!」
シン君は相変わらずの美少年で、頬をほんのり赤く染めていた。
「舞衣歌ちゃん。こいつ、ここに住まわせてくれない?」
カイさんがシン君の肩を抱いてポンと叩くと、舞衣歌に向かってニッと笑った。
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