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二章 出会いと別れ
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ルーパスはソフィアに馬乗りになり、その手をつかんで床に押しつける。
修道服はお腹のあたりまで引き裂かれ、薄い下着姿の上半身をルーパスにさらしていた。
背中に冷たく硬い床の感触が伝わる。
「触れていれば呪いを移せるのだろう?」
ルーパスは荒い息遣いと血走った目で見下ろしてくる。
ルーパスがソフィアにおおいかぶさり、首元に顔を埋めた。
首筋に舌が這うぬるりとした感触が伝わって、全身に鳥肌が立つ。
ソフィアは必死に身体をひねらせて声を上げた。
「いやぁっ!!」
バンッ!
ソフィアが抵抗を示すと、馬乗りのままのルーパスが再び頬を叩いた。
目の奥が赤く光り、痛みのあまり頭の中が真っ白になる。
口の中が切れたようで血の味が広がる。
「私に逆らうな! 犯されたくなければ、早く呪いを移せ!」
急に強まった呪いへの恐怖が、ルーパスの正気を失わせていた。
もしここでルーパスがソフィアの純潔を奪えば、魔女の力を失って呪いを移すことなどできなくなる。
しかしルーパスはそんな簡単なこともわからなくなっているらしい。
ソフィアが頬を涙で濡らしながらルーパスに懇願する。
「うつ……移します。だから、手を、放してください……」
肌が触れていれば呪いを移せるのかもしれないが、これ以上ルーパスに触れられるのは耐えられなかった。
ルーパスは血走った目でソフィアを見下ろしながらその片手だけを自由にした。
片手はまだつかんで床に押しつけたまま、肩で息をしてソフィアのあられもない姿をじっくりと眺めている。
硬く冷たい手の感触が恐ろしい。
「呪いを移せなかったら、今すぐその魔女の力を奪ってやるからな」
ソフィアは自由になった方の手をなんとか伸ばし、ルーパスの服を脱がせていく。
震えた片手ではなかなかうまく脱がせられなかったが、なんとかルーパスの肌をあらわにすると肌に触れて呪いを移し始めた。
ルーパスを包む呪いの黒いモヤがソフィアの腕を這いのぼり、瞬く間に肘まで黒く染めた。
黒く染まった手は熱を失い、石のように重くなっていく。
触れていない方の手も足の先も熱を失ってどんどん冷たくなっていった。
ルーパスの興奮したような荒い息遣いだけがやけに耳について恐ろしかった。
身体のすべてを塗りかえるように呪いが体内を這い回る。
ソフィアの身体は肘から肩、そして胸の辺りまで禍々しい黒で染まっていった。
「終わりました……」
ソフィアがルーパスの肌から手を離す。
全身すべてが石のように重く、氷のように冷たいのに同時に炎で炙られているように熱く、身体がバラバラになりそうだった。
「もっと、もっとだ!」
ルーパスが大声で叫んだ。
しかし今ルーパスにかけられている呪いのほとんどはソフィアの身体に移してある。
「今はこれ以上は……」
ソフィアが恐怖に震えて涙を流しながら答えると、ルーパスがソフィアの喉をつかんだ。
「グッ」
「ふざけるな! 呪いをすべて解け、このできそこないが!! そんなに犯されたいのか!」
ソフィアの白く細い喉にルーパスの指が食い込み、同時に服が裂かれる気配がする。
抵抗したくても身体が重くて動けない。
「役に立たないのなら、このままここですべて奪ってやる」
息ができない。
苦しい。
こわい。
誰か、誰か、助け――。
目の前が暗くなり意識が遠くなった瞬間、ガシャンとなにかが壊れる大きな音が聞こえた。
修道服はお腹のあたりまで引き裂かれ、薄い下着姿の上半身をルーパスにさらしていた。
背中に冷たく硬い床の感触が伝わる。
「触れていれば呪いを移せるのだろう?」
ルーパスは荒い息遣いと血走った目で見下ろしてくる。
ルーパスがソフィアにおおいかぶさり、首元に顔を埋めた。
首筋に舌が這うぬるりとした感触が伝わって、全身に鳥肌が立つ。
ソフィアは必死に身体をひねらせて声を上げた。
「いやぁっ!!」
バンッ!
ソフィアが抵抗を示すと、馬乗りのままのルーパスが再び頬を叩いた。
目の奥が赤く光り、痛みのあまり頭の中が真っ白になる。
口の中が切れたようで血の味が広がる。
「私に逆らうな! 犯されたくなければ、早く呪いを移せ!」
急に強まった呪いへの恐怖が、ルーパスの正気を失わせていた。
もしここでルーパスがソフィアの純潔を奪えば、魔女の力を失って呪いを移すことなどできなくなる。
しかしルーパスはそんな簡単なこともわからなくなっているらしい。
ソフィアが頬を涙で濡らしながらルーパスに懇願する。
「うつ……移します。だから、手を、放してください……」
肌が触れていれば呪いを移せるのかもしれないが、これ以上ルーパスに触れられるのは耐えられなかった。
ルーパスは血走った目でソフィアを見下ろしながらその片手だけを自由にした。
片手はまだつかんで床に押しつけたまま、肩で息をしてソフィアのあられもない姿をじっくりと眺めている。
硬く冷たい手の感触が恐ろしい。
「呪いを移せなかったら、今すぐその魔女の力を奪ってやるからな」
ソフィアは自由になった方の手をなんとか伸ばし、ルーパスの服を脱がせていく。
震えた片手ではなかなかうまく脱がせられなかったが、なんとかルーパスの肌をあらわにすると肌に触れて呪いを移し始めた。
ルーパスを包む呪いの黒いモヤがソフィアの腕を這いのぼり、瞬く間に肘まで黒く染めた。
黒く染まった手は熱を失い、石のように重くなっていく。
触れていない方の手も足の先も熱を失ってどんどん冷たくなっていった。
ルーパスの興奮したような荒い息遣いだけがやけに耳について恐ろしかった。
身体のすべてを塗りかえるように呪いが体内を這い回る。
ソフィアの身体は肘から肩、そして胸の辺りまで禍々しい黒で染まっていった。
「終わりました……」
ソフィアがルーパスの肌から手を離す。
全身すべてが石のように重く、氷のように冷たいのに同時に炎で炙られているように熱く、身体がバラバラになりそうだった。
「もっと、もっとだ!」
ルーパスが大声で叫んだ。
しかし今ルーパスにかけられている呪いのほとんどはソフィアの身体に移してある。
「今はこれ以上は……」
ソフィアが恐怖に震えて涙を流しながら答えると、ルーパスがソフィアの喉をつかんだ。
「グッ」
「ふざけるな! 呪いをすべて解け、このできそこないが!! そんなに犯されたいのか!」
ソフィアの白く細い喉にルーパスの指が食い込み、同時に服が裂かれる気配がする。
抵抗したくても身体が重くて動けない。
「役に立たないのなら、このままここですべて奪ってやる」
息ができない。
苦しい。
こわい。
誰か、誰か、助け――。
目の前が暗くなり意識が遠くなった瞬間、ガシャンとなにかが壊れる大きな音が聞こえた。
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