49 / 111
二章 出会いと別れ
6.-3※
しおりを挟む
レオルドはブラジャーの中から手を抜くと、膝立ちになり脱がしかけの乱れた下着を手早く直す。
「怖がらせて、すまない」
フーッ、フーッと荒い息を吐きながら、レオルドは顔に手をあてて自らの興奮を治めようとしていた。
「こんな……こんなの、だめです……」
魔女であるソフィアと身体を重ねたら、レオルドが罰せられてしまう。
ソフィアが泣きながらレオルドを見上げると、涙を見たレオルドが苦しそうに顔を歪めた。
「ソフィアは好きでもない男に唇を許すようなことをしないはずだ。俺とソフィアの心は重なって、俺たちは同じ想いでいる。そうだろう?」
ひどく切ない声で訴えかけられる。
レオルドの自分に向けられたひたむきでまっすぐな想いを感じ、胸が痛くなった。
こんな自分に、魔女である自分に、想いを向けてくれる人がいる。
嬉しい。
嬉しいのに、応えられない。
「でも、私は……魔女です……」
魔女のソフィアがレオルドの想いに応えられるはずなどなかった。
それでも、嫌だと、あなたが嫌いだと、そんな思ってもいない言葉を告げられるはずもなく、ソフィアは精一杯の否定の言葉を口にする。
ソフィアを見下ろすレオルドの目に昏い炎が宿ったように見えた。
そしてレオルドの口から、地を這うような低いつぶやきが漏れる。
「このままここで魔女の力を奪ってしまおうか」
「え……?」
「俺にすべての呪いを移してその力を奪ってしまえば、ソフィアが呪われることはもうない。本当は王家の呪いなぞソフィアがその身に移さなくていいんだ」
レオルドは指の先をソフィアの薄い腹に置くと、そのままグッと押した。
その低い声色と手の動きに得体の知れない凄みを感じ、ソフィアの身体が恐怖でゾクリと震える。
ソフィアが身体を強ばらせたのに気づいたレオルドは、腹の上に置いた手を引くと目を閉じて大きく息を吐いた。
「これではアイツと同じだ」
レオルドは目を閉じたまま、何度も大きく息を吸って吐くのをくり返す。
それからゆっくりと目を開いたら、そこにはもう昏い炎は見えなかった。
レオルドが熱い手のひらでソフィアの頬の涙をぬぐう。
「ソフィアの心は本当は誰を求めている? なぁソフィア、素直になれ。俺が欲しいだろう? 俺を欲しがれ。俺を欲しいと言ってくれ」
「レオルド……さま……」
魔女としてルーパスの陰嫁となることが決められたこの身で、レオルドを欲しがることなどできない。
ソフィアは頬を撫でるレオルドの手を取ると、レオルドがしてくれたようにその手のひらに口づけを落とした。
それがソフィアにできる精一杯だった。
「怖がらせて、すまない」
フーッ、フーッと荒い息を吐きながら、レオルドは顔に手をあてて自らの興奮を治めようとしていた。
「こんな……こんなの、だめです……」
魔女であるソフィアと身体を重ねたら、レオルドが罰せられてしまう。
ソフィアが泣きながらレオルドを見上げると、涙を見たレオルドが苦しそうに顔を歪めた。
「ソフィアは好きでもない男に唇を許すようなことをしないはずだ。俺とソフィアの心は重なって、俺たちは同じ想いでいる。そうだろう?」
ひどく切ない声で訴えかけられる。
レオルドの自分に向けられたひたむきでまっすぐな想いを感じ、胸が痛くなった。
こんな自分に、魔女である自分に、想いを向けてくれる人がいる。
嬉しい。
嬉しいのに、応えられない。
「でも、私は……魔女です……」
魔女のソフィアがレオルドの想いに応えられるはずなどなかった。
それでも、嫌だと、あなたが嫌いだと、そんな思ってもいない言葉を告げられるはずもなく、ソフィアは精一杯の否定の言葉を口にする。
ソフィアを見下ろすレオルドの目に昏い炎が宿ったように見えた。
そしてレオルドの口から、地を這うような低いつぶやきが漏れる。
「このままここで魔女の力を奪ってしまおうか」
「え……?」
「俺にすべての呪いを移してその力を奪ってしまえば、ソフィアが呪われることはもうない。本当は王家の呪いなぞソフィアがその身に移さなくていいんだ」
レオルドは指の先をソフィアの薄い腹に置くと、そのままグッと押した。
その低い声色と手の動きに得体の知れない凄みを感じ、ソフィアの身体が恐怖でゾクリと震える。
ソフィアが身体を強ばらせたのに気づいたレオルドは、腹の上に置いた手を引くと目を閉じて大きく息を吐いた。
「これではアイツと同じだ」
レオルドは目を閉じたまま、何度も大きく息を吸って吐くのをくり返す。
それからゆっくりと目を開いたら、そこにはもう昏い炎は見えなかった。
レオルドが熱い手のひらでソフィアの頬の涙をぬぐう。
「ソフィアの心は本当は誰を求めている? なぁソフィア、素直になれ。俺が欲しいだろう? 俺を欲しがれ。俺を欲しいと言ってくれ」
「レオルド……さま……」
魔女としてルーパスの陰嫁となることが決められたこの身で、レオルドを欲しがることなどできない。
ソフィアは頬を撫でるレオルドの手を取ると、レオルドがしてくれたようにその手のひらに口づけを落とした。
それがソフィアにできる精一杯だった。
1
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる