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Execute.03:ノエル・アジャーニ -Noelle Adjani-
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「……ねえ、ノエルちゃん」
カラオケを楽しみに楽しんで、暫くして。零士がふとしたタイミングで「済まん、ちょっと電話だ」と言って退席すると、特に曲も入れずにノエルと小雪は求刑ムードで。そうなれば、ソファのすぐ隣に座り、ふぅ、と小さく息をつくノエルに対し、意を決して小雪がそう話しかけていた。
「ん? どうしたの小雪」
「……ノエルちゃんのこと、少し誤解してたかもって」
「誤解?」
きょとんと首を傾げてノエルが訊き返すと、小雪は「うん」と小さく頷いて、
「私が思ってたよりもね、ずっとずっと良い娘だった。何ていうか、ノエルちゃんはすっごく素敵な娘。私なんかが一緒に居たんじゃ、勿体ないぐらい」
「そんなこと言わないでよ、小雪。僕だって、小雪と一緒に居て、一緒に遊んで。とっても楽しいんだから」
「えへー、ありがとノエルちゃん。
……そういえば、この間の返事、ちゃんとした形で出来てなかったけれど……今なら、言えるよ。ノエルちゃん、私で良かったら、友達になってよ」
「……! うんっ! 大歓迎だよ、小雪ならっ!」
その言葉を、友達なって欲しいと、確かな言葉として小雪の口から聞いて。ノエルは途端にぱぁぁっと顔色を明るくすれば、至極嬉しそうに隣の小雪へと抱きついてしまう。照れくさそうに頬を染める小雪に、頬ずりなんかしちゃったりもして。初めて出来た友達に、初めて友達になってくれると言った彼女に、ノエルはただただ伝えたい気持ちだった。「友達になってくれて、ありがとう」と。
それから少しの間、ノエルは小雪とじゃれ合って。ひとしきり満足した後に離れると、小雪はまた頬を真っ赤に染めながら。そうしながら、ポツリと次の質問を隣のノエルに投げ掛ける。友達になってくれた、隣り合う彼女に。
「……ノエルちゃんはさ、零士のこと好きなの?」
ノエルは、少しだけ黙りこくった後。同じように頬に濃い朱色を差しながら、少しだけ恥ずかしそうに「……うん」と頷いた。それは、明らかな肯定の意志だった。
「一目惚れに、近かったかな。彼がいい、レイしか居ないって。直感的に、僕はそう思ったんだ」
言いながら、ノエルは無意識の内に、胸に吊す小さな金のロザリオをぎゅっと握り締めていた。
――――ノエル・アジャーニが椿零士に心奪われてしまったのは、本当に一目惚れのようなものだった。
あの日、雨が降っていたパリの街。シャルル・ド・ゴール空港の国際線到着ゲートで彼を一目見た瞬間、その頃には既にノエルの心は、彼に奪われてしまっていた。
それから、車の中では随分とドギマギしたものだった。喋らなかったのだって、喋ることがなかったからじゃない。何を喋っていいのか、彼とどんなお話をして良いのか、単に分からなかったのだ。こんな情熱的な経験、初めてだったから。
でも、彼の方から話を振ってくれた。大好きな映画の話をして、お互いに色んなことを話して。セーフハウスにしていたアパートに着く頃には、ガッチガチに緊張で固まっていたノエルの心も、解れきっていた。無愛想な第一印象に似合わず、色々と気さくに話しかけてくれる彼に。こんな自分に対して、なんの気兼ねなく楽しげに話してくれる彼に。やはりノエルは、深々と恋い焦がれてしまっていたのだ。
それから、短い間だったけれど、パリで一緒の家で過ごして。パーティに潜入して、一緒に戦って。何度も危ないところを助けられたし、逆に何度も彼を助けたりもした。
彼にドレス姿を褒められて、彼にダンスを誘われて。戦いの中、銃火飛び交う熾烈な鉄火場の中で、彼と小さな冗談なんかを交わし合って。ジルベール・シャンペーニュを仕留めようとしたら、「君が撃つ価値もない」と代わりに仕留めてくれて。そうした一つ一つが、更にノエルの想いを強くしていった。彼に向けた、恋以上の想い――――深すぎるほどの愛を。彼に自らの全てを捧げても惜しくないというほどの、強烈な愛を。
だから実は、任務が終わって彼と別れなければならなくなった時、ノエルは独りアパートのベッドで枕を濡らしたりもした。寂しくて、彼と離れたくなくて。シャーリィから電話が掛かってきた時、ひどい泣き声だったから、彼女に困惑されたことを今でも覚えている。結果的にそれは、日本に来いという彼女からの嬉しい報せだったのだが。
そんなこんながあって、今は彼と一緒に暮らしている。とても幸運で、幸せなことだと。ノエルはそれを、毎日のように思っていた。自分がこんな幸せ、甘んじて受けていても良いのかとすら思ってしまうほどに。
でも、良いのだ。自分は彼のことが好きで、好きで好きでたまらなくて。この身体を、この生命を全て捧げても良いと思えるほどに、狂ってしまいそうなほどに彼を愛している。その燃え上がる感情があれば、それで構わないのだと。
――――恋は先手必勝、一撃必殺。
嘗て、今はもういなくなってしまった母が、ノエルに遺してくれた言葉だ。ノエルは今でもその言葉を胸に、こうして零士に対しての想いを募らせている。
そうして、一緒の家で暮らし初めて。一緒の学園に通って、クラスメイトとして共に過ごして。毎日を、一秒一秒を彼と共に刻んでいく。こんな毎日が幸せでたまらなくて、そしてそんな毎日の中で、彼への想いは日に日に増していっている。それこそ、この身が壊れてしまいそうなほどに。
だから、そうだから。ノエルは友ながら、恋敵とも言える相手である小雪に対して、そう断言してみせたのだ。だって、ここで嘘をついてしまえば、今までの自分の気持ちにも、そして募らせてきた自分の想いにでさえも、全てが嘘だったと言ってしまうようなものなのだから。
「そういう小雪だって、もしかしなくてもレイのこと、好きなんだよね」
故に、ノエルは逆に小雪に訊き返していた。ここで彼女の想いもまた確かめておくことが、小雪に対して出来る最大限の礼だと、ノエルは気付いていたから。
「……あはは、まあねー」
そうしてノエルが訊けば、小雪は苦笑いしながら、恥ずかしそうに頷いて、やはり彼への想いを肯定した。
「零士とは、学園の入学式で知り合ったんだけどね。何ていうか、放っておけなくて。そうやってずっと一緒に居たら、いつの間にかアイツのこと、好きになってた」
「……そっか」
「なんか、たまに変な影を見せる時もあるんだけど。そんな零士も、私は好きなんだ。きっとアイツは、後ろに何かを抱えてる。でも、私はそれを含めて零士のことが好き。零士が何を抱えていても、どんなものを背負っていても。私はそれを含めて、零士を好きになる。……好きに、なってみせる」
彼女も彼女で、零士が裏に潜ませるモノ。本当の顔、サイファーとしての顔に、薄々ながらも気付いていたのだ。
そんな小雪に、ノエルは内心ながらも、素直に敬意を表していた。言い方は変だが、零士の素性の隠し方は巧妙にして徹底している。それでも尚、気付けたということは、それだけ小雪の洞察力が強いか、或いはそれだけ小雪の彼に対して抱く想いが強いということの証明だ。きっと彼女の場合、そのどちらも満たしているのだろう。
「ノエルちゃんとは、多分良い友達になれる。ううん、きっと親友になれるよ。
…………それでもね、負ける気はないから。零士のことを譲る気は、ないから」
小雪が次に口にしたのは、そんな、ある意味で宣戦布告めいた言葉だった。
だが、ノエルはそれに笑顔で応じる。ニッと小さく微笑む、不敵な色を滲ませた笑み。その挑戦を受けるという断固たる意志を込めた、そんな笑みを。
「僕も、君に勝ちを譲る気はない」
「……私とノエルちゃんで、正々堂々、だね」
「ふふっ……♪」
「あははっ……!」
そうしていれば、何故だか無性におかしくなってきて。二人は近い距離で互いの顔を見合ったまま、クスクスと笑い出してしまう。楽しそうに、おかしそうに。二人は互いを友と認めながらも、同時に真っ正面から戦う恋敵として認め。その上で、楽しげに笑い合っていた。
「……どうしたんだ、二人とも?」
と、そうしていれば個室の扉が開き、零士が戻って来て。互いに見合っておかしそうに笑い合う小雪とノエルの姿を一目見れば、零士はきょとんと首を傾げる。
「なんでもないよ、レイ」
「なんでもないよーだ! ふふん♪」
そんな零士に、ノエルと小雪は二人揃ってそう言った。零士が「なんだそりゃ」とズッ転けそうになるのを見れば、更にクスッと二人で笑ってしまう。
「ただ、ノエルちゃんとは仲良くなれそうだなって♪」
微笑みながら、小雪がご機嫌そうに言えば。零士は小さく、穏やかな笑みを浮かべて。そんなホッとした顔で「……そうか」と優しげに微笑んだ。
「さーてさて! 零士も戻ってきたことだし、再開じゃー再開じゃー!!」
零士が個室のソファに着席すると、すぐさま小雪は選曲用リモコンを手に取り。神速の速さで選曲しカラオケマシーンに送信すれば、マイク片手に立ち上がり歌い始めた。
「……ノエル」
そうして、小雪がご機嫌で歌う傍ら、ノエルの耳元までさりげなく顔を引押せた零士が、小さく彼女に耳打ちをする。そんな彼にノエルが「なに?」と反応すると、零士は続けて彼女にこう囁きかけた。小雪の前では絶対にしないような、あまりにもシリアスな声音で。
「……シャーリィから連絡が入った。――――仕事だ、俺たちに」
(Execute.03『ノエル・アジャーニ -Noelle Adjani-』完)
カラオケを楽しみに楽しんで、暫くして。零士がふとしたタイミングで「済まん、ちょっと電話だ」と言って退席すると、特に曲も入れずにノエルと小雪は求刑ムードで。そうなれば、ソファのすぐ隣に座り、ふぅ、と小さく息をつくノエルに対し、意を決して小雪がそう話しかけていた。
「ん? どうしたの小雪」
「……ノエルちゃんのこと、少し誤解してたかもって」
「誤解?」
きょとんと首を傾げてノエルが訊き返すと、小雪は「うん」と小さく頷いて、
「私が思ってたよりもね、ずっとずっと良い娘だった。何ていうか、ノエルちゃんはすっごく素敵な娘。私なんかが一緒に居たんじゃ、勿体ないぐらい」
「そんなこと言わないでよ、小雪。僕だって、小雪と一緒に居て、一緒に遊んで。とっても楽しいんだから」
「えへー、ありがとノエルちゃん。
……そういえば、この間の返事、ちゃんとした形で出来てなかったけれど……今なら、言えるよ。ノエルちゃん、私で良かったら、友達になってよ」
「……! うんっ! 大歓迎だよ、小雪ならっ!」
その言葉を、友達なって欲しいと、確かな言葉として小雪の口から聞いて。ノエルは途端にぱぁぁっと顔色を明るくすれば、至極嬉しそうに隣の小雪へと抱きついてしまう。照れくさそうに頬を染める小雪に、頬ずりなんかしちゃったりもして。初めて出来た友達に、初めて友達になってくれると言った彼女に、ノエルはただただ伝えたい気持ちだった。「友達になってくれて、ありがとう」と。
それから少しの間、ノエルは小雪とじゃれ合って。ひとしきり満足した後に離れると、小雪はまた頬を真っ赤に染めながら。そうしながら、ポツリと次の質問を隣のノエルに投げ掛ける。友達になってくれた、隣り合う彼女に。
「……ノエルちゃんはさ、零士のこと好きなの?」
ノエルは、少しだけ黙りこくった後。同じように頬に濃い朱色を差しながら、少しだけ恥ずかしそうに「……うん」と頷いた。それは、明らかな肯定の意志だった。
「一目惚れに、近かったかな。彼がいい、レイしか居ないって。直感的に、僕はそう思ったんだ」
言いながら、ノエルは無意識の内に、胸に吊す小さな金のロザリオをぎゅっと握り締めていた。
――――ノエル・アジャーニが椿零士に心奪われてしまったのは、本当に一目惚れのようなものだった。
あの日、雨が降っていたパリの街。シャルル・ド・ゴール空港の国際線到着ゲートで彼を一目見た瞬間、その頃には既にノエルの心は、彼に奪われてしまっていた。
それから、車の中では随分とドギマギしたものだった。喋らなかったのだって、喋ることがなかったからじゃない。何を喋っていいのか、彼とどんなお話をして良いのか、単に分からなかったのだ。こんな情熱的な経験、初めてだったから。
でも、彼の方から話を振ってくれた。大好きな映画の話をして、お互いに色んなことを話して。セーフハウスにしていたアパートに着く頃には、ガッチガチに緊張で固まっていたノエルの心も、解れきっていた。無愛想な第一印象に似合わず、色々と気さくに話しかけてくれる彼に。こんな自分に対して、なんの気兼ねなく楽しげに話してくれる彼に。やはりノエルは、深々と恋い焦がれてしまっていたのだ。
それから、短い間だったけれど、パリで一緒の家で過ごして。パーティに潜入して、一緒に戦って。何度も危ないところを助けられたし、逆に何度も彼を助けたりもした。
彼にドレス姿を褒められて、彼にダンスを誘われて。戦いの中、銃火飛び交う熾烈な鉄火場の中で、彼と小さな冗談なんかを交わし合って。ジルベール・シャンペーニュを仕留めようとしたら、「君が撃つ価値もない」と代わりに仕留めてくれて。そうした一つ一つが、更にノエルの想いを強くしていった。彼に向けた、恋以上の想い――――深すぎるほどの愛を。彼に自らの全てを捧げても惜しくないというほどの、強烈な愛を。
だから実は、任務が終わって彼と別れなければならなくなった時、ノエルは独りアパートのベッドで枕を濡らしたりもした。寂しくて、彼と離れたくなくて。シャーリィから電話が掛かってきた時、ひどい泣き声だったから、彼女に困惑されたことを今でも覚えている。結果的にそれは、日本に来いという彼女からの嬉しい報せだったのだが。
そんなこんながあって、今は彼と一緒に暮らしている。とても幸運で、幸せなことだと。ノエルはそれを、毎日のように思っていた。自分がこんな幸せ、甘んじて受けていても良いのかとすら思ってしまうほどに。
でも、良いのだ。自分は彼のことが好きで、好きで好きでたまらなくて。この身体を、この生命を全て捧げても良いと思えるほどに、狂ってしまいそうなほどに彼を愛している。その燃え上がる感情があれば、それで構わないのだと。
――――恋は先手必勝、一撃必殺。
嘗て、今はもういなくなってしまった母が、ノエルに遺してくれた言葉だ。ノエルは今でもその言葉を胸に、こうして零士に対しての想いを募らせている。
そうして、一緒の家で暮らし初めて。一緒の学園に通って、クラスメイトとして共に過ごして。毎日を、一秒一秒を彼と共に刻んでいく。こんな毎日が幸せでたまらなくて、そしてそんな毎日の中で、彼への想いは日に日に増していっている。それこそ、この身が壊れてしまいそうなほどに。
だから、そうだから。ノエルは友ながら、恋敵とも言える相手である小雪に対して、そう断言してみせたのだ。だって、ここで嘘をついてしまえば、今までの自分の気持ちにも、そして募らせてきた自分の想いにでさえも、全てが嘘だったと言ってしまうようなものなのだから。
「そういう小雪だって、もしかしなくてもレイのこと、好きなんだよね」
故に、ノエルは逆に小雪に訊き返していた。ここで彼女の想いもまた確かめておくことが、小雪に対して出来る最大限の礼だと、ノエルは気付いていたから。
「……あはは、まあねー」
そうしてノエルが訊けば、小雪は苦笑いしながら、恥ずかしそうに頷いて、やはり彼への想いを肯定した。
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「……そっか」
「なんか、たまに変な影を見せる時もあるんだけど。そんな零士も、私は好きなんだ。きっとアイツは、後ろに何かを抱えてる。でも、私はそれを含めて零士のことが好き。零士が何を抱えていても、どんなものを背負っていても。私はそれを含めて、零士を好きになる。……好きに、なってみせる」
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「……どうしたんだ、二人とも?」
と、そうしていれば個室の扉が開き、零士が戻って来て。互いに見合っておかしそうに笑い合う小雪とノエルの姿を一目見れば、零士はきょとんと首を傾げる。
「なんでもないよ、レイ」
「なんでもないよーだ! ふふん♪」
そんな零士に、ノエルと小雪は二人揃ってそう言った。零士が「なんだそりゃ」とズッ転けそうになるのを見れば、更にクスッと二人で笑ってしまう。
「ただ、ノエルちゃんとは仲良くなれそうだなって♪」
微笑みながら、小雪がご機嫌そうに言えば。零士は小さく、穏やかな笑みを浮かべて。そんなホッとした顔で「……そうか」と優しげに微笑んだ。
「さーてさて! 零士も戻ってきたことだし、再開じゃー再開じゃー!!」
零士が個室のソファに着席すると、すぐさま小雪は選曲用リモコンを手に取り。神速の速さで選曲しカラオケマシーンに送信すれば、マイク片手に立ち上がり歌い始めた。
「……ノエル」
そうして、小雪がご機嫌で歌う傍ら、ノエルの耳元までさりげなく顔を引押せた零士が、小さく彼女に耳打ちをする。そんな彼にノエルが「なに?」と反応すると、零士は続けて彼女にこう囁きかけた。小雪の前では絶対にしないような、あまりにもシリアスな声音で。
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