蒼空のイーグレット

黒陽 光

文字の大きさ
95 / 142
Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて

第四章:第501機動遊撃飛行隊、その名はイーグレット/05

しおりを挟む
 その後、宗悟はミレーヌに全てを打ち明けた。そして、ミレーヌもまた彼に自身のことを打ち明けて――――そこから、二人の関係が始まったのだ。
 両親と最愛の妹を喪った悲しみに打ちひしがれる彼に、ミレーヌは毎日のように寄り添っていた。彼の孤独を埋めるかのように、ただ黙って彼の傍に居続けた。
 同時に――――ミレーヌもまた、彼に孤独を埋めて貰っていた。彼と話すようになって、彼に寄り添って毎日を過ごす内に……いつしか彼女の中で孤独感というものは消えていて。それと共に、誰かと共に過ごすことに対する……今まで一度として味わったことのない、安らぎのような感覚を抱き始めていたのだ。
 そんな二人は、殆ど偶然のような出逢いと接近であったが。しかし結果を見れば、宗悟とミレーヌは人間的に凄まじく相性の良い二人だったのだ。
 そして更なる偶然として、ESPパイロットとしてもすこぶる相性が良かった。宗悟と過ごす内に、ミレーヌはいつしか彼のことを一番近くで守ろうと、彼の操る空間戦闘機の後席に着こうと考え始めていたようだが……しかし仮に彼女がそう思わなかったとしても、結局は宗悟とミレーヌは相棒になっていたことだろう。それほどまでに、能力的な面でも二人は相性が最高に良かったのだ。
 人間的にも、そしてESPパイロットとしても。風見宗悟とミレーヌ・フランクールは、いつしか互いに切っても切れない関係、お互いが居ないともう何も出来ないぐらいの……それほどまでの深い関係になっていった。
 そんな二人の駆る≪グレイ・ゴースト≫が大戦果を挙げ、いつしかエースの内に数えられるようになるのも。宗悟がその能力から『風の妖精』という異名で呼ばれることになるのも、何もかもが必然のことだった。
 空の上でも地上でも、二人はもう二人で一人。互いが欠けては全てが成り立たなくなるような、今ではもうそんな関係性だ。まさに比翼連理といったところか。宗悟にとってミレーヌは、安心して後席を預けられる唯一無二の相棒にして、良き姉貴分のような存在。逆にミレーヌにとって宗悟は護るべき対象であり、何処へでも連れて行ってくれる、彼女にとってたった一人の翼であり、相棒。二人にとってお互いは、それほどまでに深い存在だった。たったひとりの、掛け替えのない存在になっていたのだ。
 だからか、当然のように宗悟はミレーヌに対して。そして、ミレーヌは宗悟に対して……そういった・・・・・類の特別な感情を抱き始めたのだが。しかし、互いに互いのそんな気持ちには……もう長い付き合いになっているというのに、二人とも未だ気付いていなかった。
 宗悟が結構な鈍感体質、ということもあるのだろう。何にせよ、既に二人とも深く互いを想い合っているにも関わらず……宗悟とミレーヌは今日現在もそのことに気が付いていない。傍から見ればじれったいことこの上ないのだが……こればかりは、時が解決するのを待つしかないのか。
 ――――まあ何にせよ、それが『風の妖精』の異名を取るエース二人、風見宗悟とミレーヌ・フランクールという存在だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

 神典日月神示 真実の物語

蔵屋
歴史・時代
 私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。 この方たちのお名前は 大本開祖•出口なお(でぐちなお)、 神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。  この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。  昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。 その神示を纏めた書類です。  私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。  日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。 殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。 本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。 日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。 そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。 なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。 縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。 日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。 この小説は真実の物語です。 「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」 どうぞ、お楽しみ下さい。 『神知りて 人の幸せ 願うのみ 神のつたへし 愛善の道』  歌人 蔵屋日唱

処理中です...