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Sortie-02:騎士たちは西欧より来たりて
第六章:騎士決闘/02
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訓練のブリーフィングを終えると、翔一たちはそのまま部屋を出て更衣室に直行。それぞれパイロット・スーツに着替えてから、翔一は先に着替え終えて待っていたアリサと合流し。そうすれば、二人はすぐさま自分たちの機体が保管されている格納庫へと赴いていった。
「おう、二人ともお揃いで来たか。待ってたぜ」
そうして格納庫に足を踏み入れると、アリサたちを見つけた南がニヤリとして出迎えてくれる。忙しなく行き交う数十人の整備兵たちの中でも、あのトレードマークじみたオレンジ色のツナギ姿はよく目立つ。物凄い遠目からでも一発で南だと分かるぐらいには、毎度のことだが目立っていた。
見ると、他にも要とレーアの姿までもが格納庫の中にはあった。なんでまた二人が此処に居るのだろうか……?
まあ、予想できる理由は要の気まぐれとか、その辺りだ。レーアはブリーフィングが終わった後にそのまま彼に付いて来たといったところだろう。
「南、機体の準備は出来てるのか?」
「あたぼうよ。翔一にアリサちゃんのは勿論のこと、あの新入りのゴーストもキッチリ準備しといたぜ。時間があるなら色々とチェックしといてくれ」
「当たり前のように抜かりはない、ってワケね」
「そういうこった。……ほいよアリサちゃん、機体のチェックリストだ。後で翔一も目通しといてくれ」
と、ニヤリとしたアリサに不敵な笑みで返しつつ、南は手元に持っていたクリップボードを目の前のアリサに手渡す。
そのリストにサッとアリサが目を通し、その後で翔一も渡されると同じように手早く目を通す。問題無いと言って隣の彼女に返すと、アリサは慣れた調子でサインをして、チェックリストの挟まったクリップボードを南に突き返した。
「ところで……あの新入り連中、どんな感じだ?」
二人がそうして南と話しつつチェックリストに目を通している間にも、いつの間にか別れてしまっていた宗悟とミレーヌの二人も格納庫に来ていたようで。もう二人とも機体の目視チェックは終わったのか、既に≪グレイ・ゴースト≫のコクピットに乗り込んでしまっていた。
ちなみにあの二人も、アリサたちと同じように特別誂えのパイロット・スーツを着こなしている。宗悟もミレーヌも共通で、純白を基調に黒の意匠が所々に盛り込まれたツートンカラー仕様だ。例によって彼らもまたヘルメットを被ろうとしない辺り……本当に、ESPでヘルメットを被る奴は少数派もいいところなのか。
そんな二人の方をチラリと振り向いて、遠目に見ながら呟く南の言葉に「悪くはないわ」とアリサは答え、
「仮にもあの『風の妖精』ですもの、期待はしてるわよ。ただ……」
「ただ、なんだアリサちゃん?」
「実際の腕前の方は、今から空に上がって確かめるトコだから。確たることは今の段階だと何とも言えないわ」
「あー……それもそうか」
アリサに言われ、納得した様子でうんうんと頷く南。そんな二人を傍らに、翔一は遠くにある自分たちの機体と、宗悟たちの機体。二機が横並びになった≪グレイ・ゴースト≫を遠目に眺めつつ……何気なく、こんなことを呟いていた。
「……ゴーストが二機も揃うと、何というか壮観だな」
「分かるぜ、お前さんのその気持ちはよ。俺っちもゴーストが並ぶ光景なんざ久し振りだ。マジに何年振りに見たか」
「そんなにレアな機体……だったな、そういえば」
「当たりめえだろ? その激レアな機体を乗り回すお前さんらESPも、十分すぎるぐらいに激レアな存在なんだ。その辺はマジで忘れんなよ」
「分かってるよ、出来る限り生命は大事にする」
「出来る限り……ってのがチョイと引っ掛かるが、まあいいや。それよりも――――」
と、南は翔一と交わしていた会話を途中で唐突に断ち切ると、途端に二人に背を向けて何処かに小走りで駆け出していってしまう。
そんな風に南が駆けていった先は――――この格納庫に誰が居合わせているのかを考えれば、自ずと理解出来るだろう。
「レーアっちゃーーん!!」
「…………南軍曹、ですか」
無論、彼が下心丸出しのワクワクニヤニヤ顔で向かって行った先に立っていたのは、誰でもないレーア・エーデルシュタインだ。
要は別の整備兵と話しているらしく、レーアとは少し離れたところで複数の整備兵に囲まれている。だからレーアは格納庫の壁際に独り佇み、いつもの無感情な無表情で格納庫の中をただじっと傍観してたのだが……そんな彼女に、例によって南が下心全開で絡みに行ったというワケだ。
「ふふーん、俺たちの仕事場にレーアちゃんが来てくれるなんざ、珍しいこともあったもんだぜ。レーアちゃんも何か用事? あ、もしかして俺っちに用事とかぁ!? キャーッ!!」
「…………いえ、特に用があったわけでは。訓練が始まるまでやるべき仕事もありませんし、司令に付いて来ただけのことです」
「いやん、相変わらずいけずぅ!! でもそういうトコ好き!!」
「……南軍曹、非常に申し上げにくいことなのですが。ご自分の仕事に戻られてはいかがですか?」
「あー! いいのいいの! 俺っちの仕事なんざ粗方終わっちまってるから! 後はアリサちゃんたちが上がる直前にアーミングとか色々やって、そんで終わり!! だから今の俺っちってばとっても暇! お暇なのん!! だからレーアちゃん構ってぇー!!」
「……貴方のお相手をする程度なら、構いませんが。私と話しても何も面白くないかと」
「いやいやいや! そんなことないって! レーアちゃんとっても魅力的! 大天使! 女神様!? いいや妖精さんだね!! だから自分に自信持とうぜ!!」
「私は私に課せられた責務を、ただ果たしているだけです」
「またまたん! っていうかレーアちゃん、お休みの日とか何してるのん? もーし良ければさ、お兄さんと一緒にどっか遊びに行っちゃったりしない!?」
「…………丁重にお断りさせて頂きますね」
「グワーッ!! ド直球火の玉ストレートの拒否ィーッ!! 刺さったよ今のは流石に百戦錬磨の南一誠様といえども刺さったよ! でも可愛いからいいや!! ダメージゼロ、全快!!」
「……その、疲れませんか?」
「おっ、何に疲れるって!?」
「それだけの大声と、不必要なまでの身振り手振り。消費カロリーは相応のものだと思われますが」
「いいのいいの! これもまたオレ流の愛情表現ってね!!」
「…………そうですか」
いつも通りに鬱陶しいを通り越して鬱陶しい超絶ハイテンションでねちっこく絡む南だったが、レーアの方はマイペースというか……こちらもいつも通りというか、例によって物凄い真顔だ。あの強烈に鬱陶しいテンションで絡まれ続けているにも関わらず、レーアがああも平静を保てているのには……アリサも翔一も、二人とも素直に彼女を凄いと思ってしまうぐらいだった。
まあ、こんな二人の光景もある意味で日常茶飯事だ。最初こそ翔一は南の豹変っぷりと、あの超絶鬱陶しいノリに言葉を失っていたが……今は隣で大きく溜息をつくアリサと一緒に、何とも言えない苦笑いを浮かべるだけに収まっているぐらいには、彼も南とレーアの絡みを見慣れてしまっていた。
「なんつーか……アイツ、真面目にいつか捕まりそうよね」
「基地の中だけでやってる分には、まあ……大丈夫、じゃあないか……?」
「レーアが基地の外に出たトコなんて見たことないから、それはそうかもだけど……ホントに止めなくて良いのかしら、アイツ」
「それは……どうだろうか。レーアも嫌がってはいないみたいだし、今のところは静観で良いんじゃないかな……?」
「ま、イザとなれば司令が物理的にブッ飛ばして解決してくれるだろうから、その辺りは心配要らないんだけどね」
「何だかんだ、司令は本当に頼りになる大人だからね……」
「ある意味でこのH‐Rアイランド唯一の良心よ、司令は」
まあ、思いつきでアタシやアイツらを学院に転入させるのだけは、色々とどうかと思うけれどね――――。
アリサはそう言うと、もうそろそろ離陸準備に入るべき頃合いだと気が付き。すると彼女は「さてと、アタシらも行くわよ」と言って、翔一を手招きしつつ自分たちの≪グレイ・ゴースト≫の方に歩き始めた。
「ん、そうだな」
彼女の後を追って、翔一も格納庫の中を歩き出す。
そんな二人の向かう先では、乗り慣れた漆黒の翼が静かにその羽を休めていた。すぐ傍に在る瓜二つの黒翼と共に、大空に飛び立つ瞬間を今か今かと待ち侘びているかのように――――。
「おう、二人ともお揃いで来たか。待ってたぜ」
そうして格納庫に足を踏み入れると、アリサたちを見つけた南がニヤリとして出迎えてくれる。忙しなく行き交う数十人の整備兵たちの中でも、あのトレードマークじみたオレンジ色のツナギ姿はよく目立つ。物凄い遠目からでも一発で南だと分かるぐらいには、毎度のことだが目立っていた。
見ると、他にも要とレーアの姿までもが格納庫の中にはあった。なんでまた二人が此処に居るのだろうか……?
まあ、予想できる理由は要の気まぐれとか、その辺りだ。レーアはブリーフィングが終わった後にそのまま彼に付いて来たといったところだろう。
「南、機体の準備は出来てるのか?」
「あたぼうよ。翔一にアリサちゃんのは勿論のこと、あの新入りのゴーストもキッチリ準備しといたぜ。時間があるなら色々とチェックしといてくれ」
「当たり前のように抜かりはない、ってワケね」
「そういうこった。……ほいよアリサちゃん、機体のチェックリストだ。後で翔一も目通しといてくれ」
と、ニヤリとしたアリサに不敵な笑みで返しつつ、南は手元に持っていたクリップボードを目の前のアリサに手渡す。
そのリストにサッとアリサが目を通し、その後で翔一も渡されると同じように手早く目を通す。問題無いと言って隣の彼女に返すと、アリサは慣れた調子でサインをして、チェックリストの挟まったクリップボードを南に突き返した。
「ところで……あの新入り連中、どんな感じだ?」
二人がそうして南と話しつつチェックリストに目を通している間にも、いつの間にか別れてしまっていた宗悟とミレーヌの二人も格納庫に来ていたようで。もう二人とも機体の目視チェックは終わったのか、既に≪グレイ・ゴースト≫のコクピットに乗り込んでしまっていた。
ちなみにあの二人も、アリサたちと同じように特別誂えのパイロット・スーツを着こなしている。宗悟もミレーヌも共通で、純白を基調に黒の意匠が所々に盛り込まれたツートンカラー仕様だ。例によって彼らもまたヘルメットを被ろうとしない辺り……本当に、ESPでヘルメットを被る奴は少数派もいいところなのか。
そんな二人の方をチラリと振り向いて、遠目に見ながら呟く南の言葉に「悪くはないわ」とアリサは答え、
「仮にもあの『風の妖精』ですもの、期待はしてるわよ。ただ……」
「ただ、なんだアリサちゃん?」
「実際の腕前の方は、今から空に上がって確かめるトコだから。確たることは今の段階だと何とも言えないわ」
「あー……それもそうか」
アリサに言われ、納得した様子でうんうんと頷く南。そんな二人を傍らに、翔一は遠くにある自分たちの機体と、宗悟たちの機体。二機が横並びになった≪グレイ・ゴースト≫を遠目に眺めつつ……何気なく、こんなことを呟いていた。
「……ゴーストが二機も揃うと、何というか壮観だな」
「分かるぜ、お前さんのその気持ちはよ。俺っちもゴーストが並ぶ光景なんざ久し振りだ。マジに何年振りに見たか」
「そんなにレアな機体……だったな、そういえば」
「当たりめえだろ? その激レアな機体を乗り回すお前さんらESPも、十分すぎるぐらいに激レアな存在なんだ。その辺はマジで忘れんなよ」
「分かってるよ、出来る限り生命は大事にする」
「出来る限り……ってのがチョイと引っ掛かるが、まあいいや。それよりも――――」
と、南は翔一と交わしていた会話を途中で唐突に断ち切ると、途端に二人に背を向けて何処かに小走りで駆け出していってしまう。
そんな風に南が駆けていった先は――――この格納庫に誰が居合わせているのかを考えれば、自ずと理解出来るだろう。
「レーアっちゃーーん!!」
「…………南軍曹、ですか」
無論、彼が下心丸出しのワクワクニヤニヤ顔で向かって行った先に立っていたのは、誰でもないレーア・エーデルシュタインだ。
要は別の整備兵と話しているらしく、レーアとは少し離れたところで複数の整備兵に囲まれている。だからレーアは格納庫の壁際に独り佇み、いつもの無感情な無表情で格納庫の中をただじっと傍観してたのだが……そんな彼女に、例によって南が下心全開で絡みに行ったというワケだ。
「ふふーん、俺たちの仕事場にレーアちゃんが来てくれるなんざ、珍しいこともあったもんだぜ。レーアちゃんも何か用事? あ、もしかして俺っちに用事とかぁ!? キャーッ!!」
「…………いえ、特に用があったわけでは。訓練が始まるまでやるべき仕事もありませんし、司令に付いて来ただけのことです」
「いやん、相変わらずいけずぅ!! でもそういうトコ好き!!」
「……南軍曹、非常に申し上げにくいことなのですが。ご自分の仕事に戻られてはいかがですか?」
「あー! いいのいいの! 俺っちの仕事なんざ粗方終わっちまってるから! 後はアリサちゃんたちが上がる直前にアーミングとか色々やって、そんで終わり!! だから今の俺っちってばとっても暇! お暇なのん!! だからレーアちゃん構ってぇー!!」
「……貴方のお相手をする程度なら、構いませんが。私と話しても何も面白くないかと」
「いやいやいや! そんなことないって! レーアちゃんとっても魅力的! 大天使! 女神様!? いいや妖精さんだね!! だから自分に自信持とうぜ!!」
「私は私に課せられた責務を、ただ果たしているだけです」
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「…………丁重にお断りさせて頂きますね」
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「……その、疲れませんか?」
「おっ、何に疲れるって!?」
「それだけの大声と、不必要なまでの身振り手振り。消費カロリーは相応のものだと思われますが」
「いいのいいの! これもまたオレ流の愛情表現ってね!!」
「…………そうですか」
いつも通りに鬱陶しいを通り越して鬱陶しい超絶ハイテンションでねちっこく絡む南だったが、レーアの方はマイペースというか……こちらもいつも通りというか、例によって物凄い真顔だ。あの強烈に鬱陶しいテンションで絡まれ続けているにも関わらず、レーアがああも平静を保てているのには……アリサも翔一も、二人とも素直に彼女を凄いと思ってしまうぐらいだった。
まあ、こんな二人の光景もある意味で日常茶飯事だ。最初こそ翔一は南の豹変っぷりと、あの超絶鬱陶しいノリに言葉を失っていたが……今は隣で大きく溜息をつくアリサと一緒に、何とも言えない苦笑いを浮かべるだけに収まっているぐらいには、彼も南とレーアの絡みを見慣れてしまっていた。
「なんつーか……アイツ、真面目にいつか捕まりそうよね」
「基地の中だけでやってる分には、まあ……大丈夫、じゃあないか……?」
「レーアが基地の外に出たトコなんて見たことないから、それはそうかもだけど……ホントに止めなくて良いのかしら、アイツ」
「それは……どうだろうか。レーアも嫌がってはいないみたいだし、今のところは静観で良いんじゃないかな……?」
「ま、イザとなれば司令が物理的にブッ飛ばして解決してくれるだろうから、その辺りは心配要らないんだけどね」
「何だかんだ、司令は本当に頼りになる大人だからね……」
「ある意味でこのH‐Rアイランド唯一の良心よ、司令は」
まあ、思いつきでアタシやアイツらを学院に転入させるのだけは、色々とどうかと思うけれどね――――。
アリサはそう言うと、もうそろそろ離陸準備に入るべき頃合いだと気が付き。すると彼女は「さてと、アタシらも行くわよ」と言って、翔一を手招きしつつ自分たちの≪グレイ・ゴースト≫の方に歩き始めた。
「ん、そうだな」
彼女の後を追って、翔一も格納庫の中を歩き出す。
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そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
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